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|学名 = ''Citrus aurantium''<br />[[カール・フォン・リンネ|L.]], 1753<ref name="GRIN">[[:en:National Plant Germplasm System|U.S. National Germplasm Resources System ]] (英語版) に記載。{{cite web |url=http://www.ars-grin.gov/cgi-bin/npgs/html/taxon.pl?10684 |title=''Citrus × aurantium'' L. |editor=[[GRIN (データベース)|GRIN]]|publisher=[[アメリカ合衆国農務省]] |date=2011-08-19 |accessdate=2017-10-02}}</ref> |
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'''ダイダイ'''(橙、学名:''Citrus aurantium'')は、[[ミカン科]][[ミカン属]]の常緑樹、およびその[[果実]]。[[柑橘類]]に属する。別名、'''ビターオレンジ'''。 |
'''ダイダイ'''(橙、学名:''Citrus aurantium'')は、[[ミカン科]][[ミカン属]]の[[常緑樹]]、およびその[[果実]]。[[柑橘類]]に属する。別名、'''ビターオレンジ'''。 |
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==特徴== |
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[[インド]]、[[ヒマラヤ山脈|ヒマラヤ]]が原産。[[日本]]へは[[中国]]から渡来した<ref name="kokuritu"/><ref name="okayama">[http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/rutaceae/daidai/daidai.htm 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 ダイダイ]</ref>。果実は春になると再び緑色に戻る<ref name="okayama"/>。また、[[ヨーロッパ]]へも伝わり、ビターオレンジとして栽培されている。 |
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高さ4-5mになる常緑小高木で枝には刺がある。初夏に白い花が咲き、冬に果実が黄熟する。果実の色は[[橙色]]と呼ばれる。[[葉柄]] |
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高さ4-5mになる常緑小高木で[[枝]]には[[刺]]がある。[[初夏]]に白い花が咲き、[[冬]]に果実が黄熟する。果実の色は[[橙色]]と呼ばれる。[[葉柄]]は翼状になっており、[[葉身]]との境にくびれがある<ref name="okayama"/>。果実は冬を過ぎても木から落ちず、そのまま木に置くと2-3年は枝についている<ref name="okayama"/>。この特徴から「だいだい(代々)」と呼ばれるようになったとされ<ref name="okayama"/>、また、「回青橙」とも呼ばれる<ref>[http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/13584911211900/ Yahoo Japan辞書 大辞林]</ref>。 |
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== 利用 == |
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酸味と苦味が強いため、直接食するのには適さない。[[マーマレード]]および調味料、漢方薬の材料として利用される。果汁は酸味が強く風味がいいことから |
[[酸味]]と[[苦味]]が強いため、直接食するのには適さない。[[マーマレード]]および[[調味料]]、[[漢方薬]]の材料として利用される。果汁は酸味が強く[[風味]]がいいことから[[ポン酢]]の材料としても好まれる<ref>[http://g-foods.info/zukan/17/product_280.php 全国地方野菜・地方果実図鑑]</ref>。 |
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=== 薬効 === |
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[[漢方薬|漢方]]では、果実の皮を乾燥させものを'''橙皮'''(とうひ)といい、去痰薬・健胃薬として用いられたり、香りづけに用いられる。また、未熟果実を乾燥させものを[[枳実]](きじつ)といい、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬として用いられる。 |
[[漢方薬|漢方]]では、果実の皮を乾燥させたものを'''橙皮'''(とうひ)といい、去痰薬・健胃薬として用いられたり、香りづけに用いられる。また、未熟果実を乾燥させたものを[[枳実]](きじつ)といい、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬として用いられる。 |
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⚫ | ダイダイの皮と果実は[[シネフリン]]という[[化合物]]を含み<ref name="kokuritu"/>。これは[[生薬]]の[[麻黄]]([[エフェドラ]])に含まれる成分([[エフェドリン]])と類似の構造をもつ。[[交感神経]]・[[副交感神経]]混合型興奮作用を有していることから、この成分を加工したものが「シトラス」という名称でアメリカで[[ダイエット]]用の[[健康食品]]として使用されているが、エフェドラと同様の作用を示すことから、副作用報告も出ている<ref>[http://health.merrymall.net/cr10_11_41.html 健康医療館「ダイダイ」の項]</ref>{{出典無効|title=副作用報告に関する記述が見つからない。|date=2017年10月6日}}。なお、「[[脂肪組織|体脂肪]]を燃焼する」、「運動機能を向上させる」などの、[[ヒト]]での有効性については、信頼できるデータが十分ではない<ref name="kokuritu">{{hfnet|89|ダイダイ}}</ref>。 |
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⚫ | ダイダイの皮と果実 |
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=== 精油 === |
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精油を採取した部分で呼び名が異なる。これらは[[香料]]として[[香水]]や[[化粧品]]、食品等に使用される。[[アロマテラピー]]にも用いられる。 |
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*[[果皮]]から圧搾法また[[水蒸気蒸留]]法で採取された精油は'''[[オレンジ油]]'''、'''ビターオレンジ油'''、'''橙油''' と呼ばれる。 |
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*枝葉を水蒸気蒸留して採取された精油は''' {{仮リンク|プチグレイン|en|Petitgrain}} '''と呼ばれる。 |
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*花を水蒸気蒸留して得た精油は'''[[ネロリ]]'''、'''ネロリ油'''、'''橙花油'''。水蒸気蒸留の副産物として[[オレンジ花水]]が得られる。温浸法([[アンフルラージュ]])または[[溶媒抽出]]して得た精油は'''ネロリアブソリュート(ネロリAbsとも書く)、オレンジ花アブソリュート'''<ref name="ワイルドウッド">クリシー・ワイルドウッド 著 『アロマテラピーの精油でつくる自然香水』 高山林太郎 訳、フレグランスジャーナル社、1996年</ref>と呼ばれる。花から採取する精油は高価である。 |
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=== 台木 === |
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ダイダイは耐寒性が強く、普通に植えた場合は枯れてしまう種類の柑橘類を[[接ぎ木]]で育てる時に根側をこれにすることで、寒い地域でも他の柑橘類を育てられるようになる<ref>ヘレナ・アトレー『柑橘類と文明 マフィアを産んだシチリアレモンから、ノーベル賞を取った壊血病薬まで』三木直子 訳、築地書簡株式会社、2015年、(ISBN 978-4-8067-1493-4)、45・59P。</ref>。 |
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=== 飾り === |
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*[[鏡餅]]、お供え物に使用する。 |
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== 文化 == |
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日本では、名前が「代々」に通じることから縁起の良い果物とされ、[[鏡餅]]などの[[正月]]の飾りに用いられる。 |
日本では、名前が「代々」に通じることから縁起の良い果物とされ、[[鏡餅]]などの[[正月]]の飾りに用いられる。 |
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見かけはよく正月の飾りには使えるものの、食べるのに酸味と苦みが強いという特徴から、見掛け倒しの武将を指して「橙武者」と呼ぶことがある([[薄田兼相]]など)。 |
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== 脚注 == |
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==関連項目== |
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==外部リンク== |
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*[http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/rutaceae/daidai/daidai.htm 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 ダイダイ] |
*[http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/rutaceae/daidai/daidai.htm 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 ダイダイ] |
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[[sw:Mdanzi]] |
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[[tr:Turunç]] |
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[[uk:Померанець]] |
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[[vi:Cam chua]] |
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[[zh:苦橙]] |
2017年10月6日 (金) 05:28時点における版
ダイダイ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Citrus aurantium L., 1753[1] | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ダイダイ(橙) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Bitter orange |
ダイダイ(橙、学名:Citrus aurantium)は、ミカン科ミカン属の常緑樹、およびその果実。柑橘類に属する。別名、ビターオレンジ。
特徴
インド、ヒマラヤが原産。日本へは中国から渡来した[2][3]。果実は春になると再び緑色に戻る[3]。また、ヨーロッパへも伝わり、ビターオレンジとして栽培されている。
日本では静岡県の伊豆半島や和歌山県の田辺市が主産地。その多くは正月飾り用であったが、近年は消費が落ち込んでいたため、ポン酢などに加工されるようになった。なお、萩市では夏ミカンのことをダイダイと言う[4]。
高さ4-5mになる常緑小高木で枝には刺がある。初夏に白い花が咲き、冬に果実が黄熟する。果実の色は橙色と呼ばれる。葉柄は翼状になっており、葉身との境にくびれがある[3]。果実は冬を過ぎても木から落ちず、そのまま木に置くと2-3年は枝についている[3]。この特徴から「だいだい(代々)」と呼ばれるようになったとされ[3]、また、「回青橙」とも呼ばれる[5]。
利用
食料
酸味と苦味が強いため、直接食するのには適さない。マーマレードおよび調味料、漢方薬の材料として利用される。果汁は酸味が強く風味がいいことからポン酢の材料としても好まれる[6]。
飲料
北欧では、クリスマスのときに飲む温めたワインの「グロッグ」にダイダイを用いる。
薬効
漢方では、果実の皮を乾燥させたものを橙皮(とうひ)といい、去痰薬・健胃薬として用いられたり、香りづけに用いられる。また、未熟果実を乾燥させたものを枳実(きじつ)といい、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬として用いられる。
ダイダイの皮と果実はシネフリンという化合物を含み[2]。これは生薬の麻黄(エフェドラ)に含まれる成分(エフェドリン)と類似の構造をもつ。交感神経・副交感神経混合型興奮作用を有していることから、この成分を加工したものが「シトラス」という名称でアメリカでダイエット用の健康食品として使用されているが、エフェドラと同様の作用を示すことから、副作用報告も出ている[7][出典無効]。なお、「体脂肪を燃焼する」、「運動機能を向上させる」などの、ヒトでの有効性については、信頼できるデータが十分ではない[2]。
精油
精油を採取した部分で呼び名が異なる。これらは香料として香水や化粧品、食品等に使用される。アロマテラピーにも用いられる。
- 果皮から圧搾法また水蒸気蒸留法で採取された精油はオレンジ油、ビターオレンジ油、橙油 と呼ばれる。
- 枝葉を水蒸気蒸留して採取された精油は プチグレイン と呼ばれる。
- 花を水蒸気蒸留して得た精油はネロリ、ネロリ油、橙花油。水蒸気蒸留の副産物としてオレンジ花水が得られる。温浸法(アンフルラージュ)または溶媒抽出して得た精油はネロリアブソリュート(ネロリAbsとも書く)、オレンジ花アブソリュート[8]と呼ばれる。花から採取する精油は高価である。
台木
ダイダイは耐寒性が強く、普通に植えた場合は枯れてしまう種類の柑橘類を接ぎ木で育てる時に根側をこれにすることで、寒い地域でも他の柑橘類を育てられるようになる[9]。
飾り
- 鏡餅、お供え物に使用する。
文化
日本では、名前が「代々」に通じることから縁起の良い果物とされ、鏡餅などの正月の飾りに用いられる。 見かけはよく正月の飾りには使えるものの、食べるのに酸味と苦みが強いという特徴から、見掛け倒しの武将を指して「橙武者」と呼ぶことがある(薄田兼相など)。
脚注
- ^ U.S. National Germplasm Resources System (英語版) に記載。 GRIN: “Citrus × aurantium L.”. アメリカ合衆国農務省 (2011年8月19日). 2017年10月2日閲覧。
- ^ a b c ダイダイ - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- ^ a b c d e 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 ダイダイ
- ^ ポン酢の岸田商会HP
- ^ Yahoo Japan辞書 大辞林
- ^ 全国地方野菜・地方果実図鑑
- ^ 健康医療館「ダイダイ」の項
- ^ クリシー・ワイルドウッド 著 『アロマテラピーの精油でつくる自然香水』 高山林太郎 訳、フレグランスジャーナル社、1996年
- ^ ヘレナ・アトレー『柑橘類と文明 マフィアを産んだシチリアレモンから、ノーベル賞を取った壊血病薬まで』三木直子 訳、築地書簡株式会社、2015年、(ISBN 978-4-8067-1493-4)、45・59P。
関連項目
外部リンク
- ダイダイ(ビターオレンジ) - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- 岡山理科大学総合情報学部生物地球システム学科 植物生態研究室のホームページ 植物雑学事典 ダイダイ