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黄金柑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キミカン
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: ミカン属 Citrus
: キミカン C. flaviculpus
学名
Citrus flaviculpus
hort. ex Tanaka[1]
和名
キミカン(黄蜜柑)、オウゴンカン(黄金柑)

黄金柑(おうごんかん)は日本柑橘類「黄蜜柑(きみかん)」の通称である。別名「ゴールデンオレンジ」。

概要

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鹿児島県では、「黄蜜柑」として古く知られるが、詳しい来歴は不明[2]神奈川県ではゴールデンオレンジとも呼ばれている[3]

日本にかぎり、田中長三郎の分類法により、ミカン属157種のひとつ (C. flaviculpus) に数える例もいまだにみられるようだが(ただし分類学ではなくエッセンシャルオイルの研究論文[4]がある)、近代の研究ではミカン原種を4種程度[5]とみなすので、じっさいには交配種(品種)と考えられる。(参照:ミカン属

日本における2010年の収穫量は137.3 トンで、神奈川県の生産が93.4 トンと全国の68%を占める。次いで静岡県 25.0 トン (18%)、愛媛県 13.9 トン、高知県 5.0 トンとつづく[6]。主な生産地は、小田原市、湯河原町、沼津など[6]

特徴

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直径4-5 センチメートル, 果重60-80 グラム程度と小ぶりである[7]。果皮は黄色で、むきにくい[8]。独特の芳香があり、甘みも強いが、酸もある。2-4月が収穫期。種なし(自家不和合性が認められる[9])品種のひとつである。

同じく黄色だが一回り大きい日向夏(ヒュウガナツ)と香りが似ているが[7]、やや甘さの要素が勝る。日向夏と同様、黄蜜柑の白い「綿」(アルベド)の部分も食べられる[7]

その皮(低温圧搾油)に含まれる揮発性香味成分は、リモネンが最大(8割方)で、ついでモノテルペン類のγ-テルピネン(1割程度)F、微量のトランスβ-ファルネセンミルセンが検出されており[1]、日向夏のピールから得た低温圧搾油成分プロフィールに似るが含有量の差異はある[1]

愛媛県で育成された「媛小春」の花粉親に、また、神奈川県で育成された「湘南ゴールド」の種子親となった[10][11][7][12]

脚注

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  1. ^ a b c Choi & Sawamura 2001, 和文表題、和文抄
  2. ^ 真子 et al. 2004, p. 36。ここで挙げられる出典は:岩政正男 1976, p. 229, 田中諭一郎 1980, pp. 78–90, 日本果樹種苗協会 2003, pp. 38–45
  3. ^ ‘湘南ゴールド’の味を表現すると 神奈川県ホームページ
  4. ^ Choi, Hyang-Sook; Sawamura, Masayoshi (2001). “Volatile Flavor Components of Ripe and Overripe Ki-mikans (Citrus flaviculpus Hort. ex Tanaka) in Comparison with Hyuganatsu (Citrus tamurana Hort. ex Tanaka)”. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 65 (1): 48-55. doi:10.1271/bbb.65.48. ISSN 1347-6947. 沢村正義 - J-GLOBAL. https://doi.org/10.1271/bbb.65.48. 
  5. ^ Scora and Kumamoto (1983) 等
  6. ^ a b 農林水産省 (MAFF). “特産果樹生産出荷実績調査”. Feb-2012閲覧。 都道府県別(平成22年産)Excel
  7. ^ a b c d Choi & Sawamura 2001, p. 48
  8. ^ 真子 et al. 2004, p. 36
  9. ^ 山本雅史, 久保達也, 冨永茂人、「【原著論文】カンキツにおける自家および交雑不和合性(英文)」 『園芸学会雑誌』2006年 75巻 5号 p.372-378, doi:10.2503/jjshs.75.372
  10. ^ 重松幸典; 喜多景治; 薬師寺弘倫; 石川啓; 石川啓 (3 2008). “カンキツ新品種‘媛小春’について”. 愛媛県立果樹試験場研究報告 22: 5-8. ISSN 0389-2867. JGLOBAL ID:200902281400290696. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010753042. 
  11. ^ 真子, 正史、鈴木, 伸一、鈴木, 誠、浅田, 真一「カンキツ新品種'湘南ゴールド」『神奈川県農業総合研究所報告』第145巻、2004年、35-41頁、ISSN 03888231NAID 40006447787、JGLOBAL ID:200902245650237565。 
  12. ^ 農林水産省 (n.d.). “登録品種データベース”. 登録品種データベース. 2012年10月25日閲覧。 媛小春(17067)湘南ゴールド(11469)

参考文献

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引用文献(孫引きの出典)
  • 岩政正男『柑橘の品種』静岡県柑橘農業協同組合連合会、1976年、229頁。 
  • 田中諭一郎『日本柑橘図譜(続篇)』養賢堂、1980年、78-80頁。NDLJP:2527169 
  • 日本果樹種苗協会『特産のくだもの マンダリン類』 1巻、日本果樹種苗協会、2003年、38-45頁。 

関連項目

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外部リンク

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