マリン・ファルケンマーク
マリン・ファルケンマーク | |
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マリン・ファルケンマーク(2018年) | |
生誕 |
1925年11月21日(99歳) ストックホルム |
国籍 | スウェーデン |
職業 | 水文学者 |
受賞 |
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マリン・ファルケンマーク(Malin Falkenmark、1925年11月21日 - )は、スウェーデンの水文学者である。国際応用水文学教授、ストックホルムレジリエンスセンター上級研究員、ストックホルム国際水問題研究所シニア科学アドバイザーを務める。水不足や水欠乏の指標として広く用いられる「ファルケンマーク指標」を提唱したことで知られる。2018年には、水資源管理における革新的な貢献に対してブループラネット賞を受賞した。
略歴
1925年にストックホルムで生まれる。父は法学の教授であった。幼少期から語学に優れていたが、数学や物理学にも興味を持ち、ウプサラ大学で数学と物理学と化学を学んだ。1951年に修士号を取得し、会計アシスタントとしてスウェーデン王立工科大学に就職した。
1954年にスウェーデン気象・水文研究所(SMHI)に入所し、水文学者としてのキャリアをスタートさせた。水力発電開発による湖や川といった環境への影響を観測する仕事を担当し、氷の研究や水力発電所の効率性分析などを行った。その後、王立工科大学で水理学を、ウプサラ大学で水文学を学んだ。
1970年代から80年代にかけて、ユネスコ国際水文学10年計画などの国際的な活動に参加し、途上国の貧困や飢餓と水問題との関連を研究した。その中で、一定量の水資源を共有する人口が増えるほど水不足が深刻化することを示す「ファルケンマーク指標」を提唱した。この指標は現在も世界の水不足の度合いを示す指標として広く利用されている。
また、「グリーンウォーター」という概念を提案し、陸上の水循環における土壌水や植物水の重要性を強調した。グリーンウォーターは、地表水や地下水といった「ブルーウォーター」とは異なり、見えない形で存在する水である。グリーンウォーターは、農業や生態系にとって不可欠な水資源であり、水資源管理においても考慮すべきものであると主張した。
2018年には、水資源管理における革新的な貢献に対してブループラネット賞を受賞した。同年には、スウェーデン王立科学アカデミーからも名誉メダルを授与された。
著作
- Falkenmark, M. (1989). The massive water scarcity now threatening Africa: why isn't it being addressed? Ambio, 18(2), 112-118.
- Falkenmark, M., & Rockström, J. (2004). Balancing water for humans and nature: the new approach in ecohydrology. Earthscan.
- Falkenmark, M., & Rockström, J. (2006). The new blue and green water paradigm: breaking new ground for water resources planning and management. Journal of water resources planning and management, 132(3), 129-132.
- Falkenmark, M., & Lannerstad, M. (2005). Consumptive water use to feed humanity—curing a blind spot. Hydrology and Earth System Sciences Discussions, 9(4), 15-28.
- Falkenmark, M., & Widstrand, C. (1992). Population and water resources: a delicate balance. Population bulletin, 47(3), 1-36.