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ノースフライト

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ノースフライト
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1990年4月12日(34歳)
死没 生存中
トニービン
シャダイフライト
生国 日本の旗 日本北海道浦河町
生産者 大北牧場
馬主 (有)大北牧場
調教師 加藤敬二栗東
厩務員 石倉幹子
競走成績
生涯成績 11戦8勝
獲得賞金 4億4658万5000円
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ノースフライト日本の元競走馬。同一年の安田記念マイルチャンピオンシップを連覇するなどの活躍で、「マイルの女王」と呼ばれる。1994年JRA賞最優秀5歳以上牝馬(部門名は当時)。愛称は「フーちゃん」。

戦歴

遅れてきた大器

輸入種牡馬トニービンの初年度産駒であり、代表産駒の一頭である。ノースフライトは体質が弱く、同期の馬がクラシックでしのぎを削っているのをよそに、桜花賞の3週間後の1993年5月1日新潟競馬場芝1600m未出走戦でデビューし、後続に9馬身の差をつけて圧勝した。続く小倉の足立山特別(500万下条件戦)では武豊を背に8馬身差で勝利し、注目を集める。しかし、3走目の阪神の秋分特別(900万下条件戦)では、熱発明けの影響があってか、単勝1.2倍の圧倒的支持を受けながら5着に敗退する。牝馬三冠最終戦、エリザベス女王杯に進むには時間も賞金も足りず、陣営は次走に格上挑戦で府中牝馬ステークスを選択した。登録はしたものの、2勝しかしていないノースフライトにとっては、出走も決まらないままの東上であったが、幸運にも出走回避馬があったため出走にこぎつけた。古馬重賞に900万条件馬の出走ということで、負担重量は50kg。鞍上の角田晃一は慌てて減量した[1]ため、その苦労は忘れられないと語っている。条件馬ながら4番人気に支持され、直線で鮮やかに抜け出して見事な重賞初制覇を飾った。この勝利により、エリザベス女王杯に駒を進める事になる。

エリザベス女王杯では、トライアルローズステークスを圧勝してきた上り馬で河内洋騎乗のスターバレリーナ、牝馬三冠がかかるもここが休養明け初戦となる武豊騎乗のベガ、春の二冠いずれも2着で秋初戦のクイーンステークスを快勝したユキノビジンらに世間の注目が集まっており、ノースフライトは5番人気だった。しかしレースでは、最後の直線でノースフライトが抜け出し一旦は先頭に立ち、内から抜け出したホクトベガの2着となる。その後は、12月の阪神牝馬特別[2]に勝利し重賞2勝目を挙げる。

マイルの女王へ

明けて1994年、ノースフライトはマイル路線へ進むこととなった。なお、この年は京都競馬場の改修工事が行われ、中央競馬は変則開催となっている。初戦、阪神での京都牝馬特別は6馬身差の圧勝。続く中京の芝1700mで開催されたマイラーズカップでは後のジャパンカップ優勝馬のマーベラスクラウン天皇賞優勝馬のネーハイシーザーをレコードタイムで下し、重賞を3連勝。安田記念へと向かう。

安田記念に出走するが、安田記念は前年から外国馬の参戦が可能となり、前哨戦である京王杯スプリングカップで4着までを独占した外国馬4頭が揃って出走してきたためノースフライトは5番人気であった。しかしノースフライトは、出遅れがあったにもかかわらず、直線で豪脚を繰り出し差し切ってGI初制覇を飾る。

秋競馬、ノースフライトはサクラバクシンオーと名勝負を繰り広げる。阪神開催のスワンステークスでは、1400m無敗のサクラバクシンオーのレコード駆けの前に1馬身1/4差の2着に敗れた。しかし陣営は落胆せず、自信を持って引退レースと決めていた新装された京都競馬場で行われるマイルチャンピオンシップに臨んだ。単勝1.7倍の1番人気に支持され、レースは直線で先に抜け出したサクラバクシンオーに並ぶと、スワンステークスとは逆に1馬身半突き放してゴール板を通過した。ニホンピロウイナーに次ぐ、当時史上2頭目となる同一年春秋マイルGI連覇という快挙であった。この勝利を最後にノースフライトは引退し大北牧場へ帰っていった。同年の最優秀5歳以上牝馬に選出された。

ノースフライト以降、安田記念優勝・マイルチャンピオンシップ優勝を果たした牝馬は、2008年に安田記念をウオッカが、同年にマイルチャンピオンシップをブルーメンブラットが優勝するまで14年間出なかった。

引退後

繁殖牝馬として期待され、ノーザンテーストサンデーサイレンスブライアンズタイムエルコンドルパサーなどの名だたる種牡馬と交配されるが、2001年プリンシパルステークスに勝利したミスキャストの他は、目立った成績はあがっていない。2011年の不受胎を最後に繁殖を引退した[3]。産駒のミスキャストは種牡馬となり、2012年の春の天皇賞を勝ったビートブラックを出した。

エピソード

  • 厩務員の石倉幹子は、女性として初のGI馬の厩務員となった。
  • 1994年はナリタブライアンが三冠レースと有馬記念を制し年度代表馬になった年だが、年度代表馬選考の投票は満票では無く、1票だけノースフライトに投じられた票があった。投票したのは東京サンケイスポーツの栗原純一記者で[要出典]週刊Gallop誌上で投票への批判に対して「ローカルグレードにすぎない牡馬三冠と違い、国際GIで世界的な実績馬を破ったことを評価した」という内容の持論を展開[要出典]以後の批判は見られなくなった。[要出典]

競走成績

年月日 競馬場 競走名 人気 倍率 着順 距離 タイム 3F 騎手 斤量 勝ち馬 / (2着馬)
1993 5. 1 新潟 4歳未出走 1人 2.0 1着 芝1600m(稍) 1:36.2 (36.7) 西園正都 53 (サザングレート)
7. 25 小倉 足立山特別 1人 2.0 1着 芝1700m(良) 1:41.3 (35.9) 武豊 53 (ロマンストウショウ)
9. 18 阪神 秋分特別 1人 1.2 5着 芝2000m(良) 2:03.0 (38.0) 武豊 53 シマノヤマヒメ
10. 17 東京 府中牝馬S GIII 4人 7.0 1着 芝1600m(良) 1:34.7 (35.3) 角田晃一 50 (パーシャンスポット)
11. 14 京都 エリザベス女王杯 GI 5人 14.6 2着 芝2400m(良) 2:25.1 (35.7) 角田晃一 55 ホクトベガ
12. 19 阪神 阪神牝馬特別 GIII 1人 2.5 1着 芝2000m(良) 2:02.8 (36.5) 武豊 56 (ベストダンシング)
1994 1. 30 阪神 京都牝馬特別 GIII 1人 1.4 1着 芝1600m(良) 1:36.8 (36.0) 武豊 57 (フェイヴァーワン)
3. 6 中京 マイラーズC GII 1人 1.8 1着 芝1700m(良) 1:40.6 (35.3) 武豊 55 マーベラスクラウン
5. 15 東京 安田記念 GI 5人 7.0 1着 芝1600m(良) 1:33.2 (35.7) 角田晃一 55 (トーワダーリン)
10. 29 阪神 スワンS GII 2人 3.0 2着 芝1400m(良) 1:20.1 (34.7) 角田晃一 57 サクラバクシンオー
11. 20 京都 マイルCS GI 1人 1.7 1着 芝1600m(良) 1:33.0 (34.2) 角田晃一 55 (サクラバクシンオー)

血統表

ノースフライト血統ゼダーン系(グレイソヴリン系) / Hyperion4×5=9.38% (血統表の出典)

*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛
父の父
*カンパラ
Kampala
1976 黒鹿毛
Kalamoun *ゼダーン
Khairunissa
State Pension *オンリーフォアライフ
Lorelei
父の母
Severn Bridge
1965 栗毛
Hornbeam Hyperion
Thicket
Priddy Fair Preciptic
Campanette

シャダイフライト
1973 鹿毛
*ヒッティングアウェー
Hitting Away
1958 鹿毛
Ambiorix Tourbillon
Lavendula
Striking War Admiral
Baby League
母の母
*フォーワードフライト
Forward Flight
1967 栗毛
Porterhouse Endeavour
Red Stamp
Bashful Girl Khaled
But Beautiful F-No.12-c

半姉ノーザンミンクス(父ノーザンテースト)の産駒(本馬の甥)にマリーゴッド(GIII函館3歳ステークス勝ち馬)。

脚注

  1. ^ 加藤敬二は、「多少オーバーしても良いよ」と角田に言ったが、角田の師匠である調教師渡辺栄が「他の厩舎から騎乗依頼された時には、しっかりとしなくてはいけない」と角田に減量を命じた。
  2. ^ 当時は阪神芝2000m、ハンデ戦のGIIIレース。
  3. ^ 引退名馬詳細情報 ノースフライト 引退名馬紹介サイト-名馬.jp 2012年4月26日閲覧

外部リンク