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火の蛇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1091年に空から降ってきた火の蛇(隕石[1]フセヴォロド・ヤロスラヴィチ王子がヴィーシュホロドで狩り中の事件― 『ラジヴィウ年代記[2]

火の蛇 (ひのへび、ロシア語: Огненный змей; ognennyy zmey, oognennyi zmei; змей огненный, zmei oognennyi; 仮カナ表記:「オーグ二ェニー・ズメイ」) は、ロシアの民間伝承における邪悪な悪霊または悪魔で、女性を誘惑する。空では蛇竜、地では人型の姿をなすといわれ、または有翼の人間の姿で、誘惑する相手の女性のもとにやってくるともされる。飛ぶとき火花を散らしたり、燃える柱のような形態をとるともされる。

スラブ神話的な悪魔で、ウクライナやポーランドにもこれに近い伝承が伝わる。

語釈

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ロシアでは別名ズメイ・リュバク(змей-любак; zmey lyubak; 「リュバク蛇」)、「魅了する者」)、ナロトニク(налётник; nalotnik、「飛来・襲撃する者」)[3][4]、ナロト(налёт; nalot、「飛来・襲撃」)[4] レトゥーン(летун; letun、「飛行体」)[4]、あるいはレトゥーチー(летучийletuchiy、「飛ぶ者」)[4]。さらにはプレリィエストニク(прелестникprelestnik[5] 、マニヤック(маньяк; man'yak、「おびきよせる者」[注 1])などと呼ばれる[5]

ウクライナではペレレスニクпереле́сник; perelésnyk、「誘惑者」[6]; 異表記:ペレヴェスニク(переве́сник[7][9])またはペレリェスニクпереле́сник; perelésnyk、「誘惑者」)、ペルボナハ(Первонач; pervonach)は、火の蛇(流れ星)の形状をした悪魔で、女性の元に飛んでくるとされる[6]。あるいはリタヴィエッツ[?](літа́вець; litávetsʹ、「飛ぶもの」[3][注 2]、リテューン[?](літу́н; litún、「飛行士」)[10]、ナリート[?](налі́т; nalít、「空襲」)[10]、 ナリートニク[?](налі́тник; nalítnyk、「空襲者」)と呼ばれる[10]。汎スラヴの「火の蛇」を指す場合、ウクライナ語ではヴォーニャニィ・ズミー(вогняний змій; vohnyanyy zmiy、「燃えるような蛇」)と呼ばれる[11]

ベラルーシでは「飛蛇/飛竜」(летучий змей, лятучага змея; lietučij zmiej, liatučaha zmiej)が燃えあがるものとされ、これに相当する[12]

セルビアの叙事詩的バラッドではオグニャニク(仮カナ表記。(огњаник、「火山」の意味もある)と呼ばれるという解説もあるが[11]、「火蛇」(zmaj ognjeni)が登場するバラッド例もみられる[13]

ポーランドではこれに相当するラタヴィエツlatawiec、「飛ぶ者」) がおり、風魔とされる[3][14][15]

概説

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東や西スラブの伝承では、火の蛇も飛び蛇/飛竜(змей летающий; zmey letayushchiy)も悪魔の一種とされ、空では竜、地では人型の形態をするといわれている[16]

東スラブでは火の蛇は火柱(「火の天秤棒」、ロシア語:коромыслоと形容)、あるいは燃え上がる、光る青い火の玉などの形態であるといわれる[4]。飛行中は火花を散らし、煙突(ストーヴ筒)を通り抜けて(相手の女性の)家のなかに忍び込むという[4]

火の蛇は、贈物を携えてくることもあるが、日が明けると馬糞になっているという(ロシア、ウクライナ西部)[17][4][19]

火の蛇たる悪霊は、夜になると女性のもとに通うという[20](あるいは文学における定型かもしれない: § 文学での言及アファナーシー・フェートの詩を参照)。特に未亡人や、夫と離れ離れの女性が、この火の蛇という悪魔の誘惑に抗えない[4][21][20]、 なにしろ、悪魔はその亡夫や家に居ない夫の姿となって現れるのである[3]

蛇が訪れた相手は、減量して衰え、狂気の兆しを見せ、ついに自殺を遂げることすらあり[17]、そうでなくても衰弱死してしまう[20]

火の蛇だと看破する方法はいくつかあるとされる。悪魔である以上、脊髄がない(ロシア)[22]、よって、女性は手探りでその夫に背骨があるかで見分けることができる[20]。また、キリスト教の聖なる名前をうまく発音することができず、「イースス・クリストスИисус Христос」と言おうとしても「スス・クリストス」となってしまい、神の御母「ボゴロディッツァ(Богородица)」というところを「チュドロディッツァ」(Чудородица)などと唱えてしまう[17][4]。また異聞では、人間の体をしていても、頭が複数あるともいわれる(ウクライナ、ヴォロネジ[17][4]

この悪魔に対する魔除けの方法も伝わる。霊草(Одолень-траваセイヨウカノコソウに比定)や、ゴボウ煎じ薬か根を壁に貼り付けると護符となる[17][4]。すでに来られた時は、家のなかで詩篇を吟唱すると効果があるとされ、また、窓・戸・ストーブの煙突など、侵入箇所にたいして十字を切るとよいとされる[17][4]

また、火の蛇は人間の女性と交わって人狼оборотень)の息子を生んだとされ、これがズメイ・オーグ二ェニー・ヴォルク(Змей Огненный Волк; Zmei Ognennyi Volk)を名乗り、父親と戦い勝利したという[23][24][25]。ただセルビアの叙事詩の、ズマイ・オーグニェニィ・ヴク[仮カナ表記](Змај Огњени ВукZmaj Ognjeni Vuk, "vuk"は「狼」の意)は、史実のヴク・グルグレヴィッチ英語版と同一視されている[26][27][28]

すなわち人間の女性も火の蛇の子供を身ごもることが出来ると考えられており、近代でも私生児を産むと、悪魔に通じたという作り話がされる[20]。もし女性がそうした悪魔の子を身ごもると、妊娠期間は異常なほど長くなるといわれ、真っ黒で、足にはがあり、目にはが無く、体の冷たい子が生まれたり(ロシア)、冷たいゼリー状の子供が生まれるが(東ウクライナ)、生存力はなく、死んでしまう[17]

卵の関連

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スラブの伝承において、この富をもたらす魔物は、 3、5、7、9年を経た鶏(雌鶏とは限らない、以下詳述)の卵から孵化させて使い魔にできるとされる。 ロシアでは火蛇(オーグ二ェニー・ズメイ)とも、ホバネッツ(Хованец, chobanets )とも呼ばれるか[注 3]) [30]、または単なる蛇竜(ズメイ)や飛蛇と呼ばれる[32]。孵化して出るのは、ネコ型の魔物であるとパーヴェル・シェイン英語版ロシア語版は断ずるが[32]、他の資料によれば、ネコのみならず、火のたなびき(火の帯)、火花、若鶏英語版の姿でも孵化する[30]。いずれにしろ、夜になれば火の帯に変身し[30]、宿る家や女主人のために隣家から金品や穀物を盗み、その報酬に卵料理(スクランブルエッグオムレツなどと訳される)を要求する[30][32]

ベラルーシでは、なぜか(黒色の)雄鶏が産んだ(カタツムリのような妙な形状の[18])卵を懐中に1~7年間(異聞では腋下に3年間[18])あたためると、小さな飛蛇が孵るといわれる[33]。ベラルーシの飛蛇(火蛇)は、クリェトニク(клетнік, klietnik, kletnik § ベラルーシ参照)とも呼ばれ、好物は目玉焼き[34]スクランブルエッグ(ヤイェチュニャ)[37]の、塩分を控えたものに限る[38]

古い年史の例

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後述するように( § 起源)、「火の蛇」は流れ星などの移動天体と結びつけられるか同一視されるが、中世ロシアの年代記の1092年の項に、「雲が黒ずみ、なかからは頭から火を放つ三つ頭の大蛇が、煙を吐き、騒音をたて」現れたとあり、これが「火の蛇」についての早期の言及であると、ウクライナのオレクシー・コノネンコウクライナ語版編の事典に記載される [11]。中世ロシア(キエフ大公国)の『原初年代記』やそれを合本とした写本である『ラジヴィウ年代記』をひもとくと、1092年は、キエフ大公国やベラルーシのポラツクでなにかと異変のあった年だった[39][41][2]

その前年の1091年もまた、日食などの兆候があった。同年、フセヴォロド・ヤロスラヴィチ王子がヴィーシュホロドで狩り中、竜(隕石)を目撃しており、『ラジヴィウ年代記』写本には赤いドラゴンさながらのそれが墜落するミニチュア画が描かれており(冒頭の画像を参照)[42][43]、「火の蛇」の古例として取り上げられている[1][2]

起源

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空をよぎる火球(ボーライド)

「火の蛇」と、流れ星、火球(ボーライド)、彗星との関連は汎スラブの民間伝承にみられ( § 古い年史の例 § ロシア § セルビア参照)、ベラルーシも含まれる[44]。すなわち、ボーライドや隕石など天体の岩石と「火の蛇」を関連付けたり同一視したりするのは、ロシア・ウクライナら[1]に限らない 。

ロシアの伝説(トゥーラ州)によれば、大天使ミカエル堕天使たちを突き落としたとき、すべてが地には堕ちず、空中にとどまった悪魔がいて、大気層で火の蛇となったのだ、と伝わる[46]

ロシア

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ある説話では、飛竜がある女性と深い仲になったが、翼をはずして屋根の下に隠すところをツィーガンцыган、いわゆるジプシー)に見られてしまった。その翼をうばわれ、返すのとひきかえに二度と女性と関わらないと誓わせられた(旧トゥーラ州[45]

また、 レトゥーン(「飛行体」)こと火の蛇にまつわる伝説(古都ペレスラヴリ・ザレスキーで採取)では、女性が馬糞を亡夫が夜に来訪すると思い込み、土産の馬糞を食べ、衰弱していった。縁戚らが追い払うと決め、聖書の詩篇を読む女性をやとい、張り込んで女性の持ちに訪れるのをまちうけた。魔は女性が一人きりにならないと思い知り、義父が「絞め殺すぞ」と脅したのが決め手となって、現れなくなった[18]

ステップ地帯の流れ星は、火の蛇であるという民間伝承がある[11]。実録として、採掘技師であったアレクサンドル・アレクサンドロヴィチ・チェルカソフロシア語版が、シベリアタイガ地帯の某村で空に流れ星があらわれたとき、作業員がもろとも「ズメイ(蛇)」と叫び声を挙げた。俗に隕石のことを「火の蛇」と呼ぶのであって、年配者の間では吉兆とも凶兆ともとられるものだとされていた[47]

ウクライナ

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ウクライナ東部ウクライナ語版英語版の伝承によれば、火の竜は道すがらに綺麗な贈物(ビーズ、指輪、ベルト/帯、ハンカチ/スカーフ)を落としていき[注 4] 、悲しむ女性を誘うが、この「贈物」を拾ってしまうと、火の竜の悪魔が訪れるようになるのだという[17]

ウクライナでは、夫の亡霊がペレレスニク「誘惑者」になるといわれ、未亡人のもとに通うのだという。墓参りを頻繁にするなど、その妻の未練が強いほど、起こるといわれる[10]。しかしペレレスニクは害を及ぼすものであり、血を吸ったり、活力を奪ったり、窒息させて苦しめる。退治は困難で、呪文やポーション使いであるヴォロジュビトウクライナ語版ворожбит、占い師)に依頼せねばならない[10]

ベラルーシ

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ベラルーシの飛蛇(летучий змей, лятучага змея; lietučij zmiej, liatučaha zmiej)は、燃える飛竜であり、二つの側面を持っている。すなわち、富をもたらす介在者であり、「神話的な愛人」(すなわち人外の神話的ななにかと恋仲になること)である[48]。この火の飛竜は、クリェトニク(клетнік, kletnik, klietnikклеці「穀倉、食物倉庫」に由来)とも呼ばれ、家のそうした場所に棲むと言われる[38]。ベラルーシの飛蛇は、大好物の目玉焼きか[34]、スクランブルエッグ(ヤイェチュニャ、ベラルーシ語: яєчня, яешня; yayechnya, yayeshnya[37]を要求するが、塩味は控えめでなくてはならない。でないと、怒った魔物は火をもってなんらかの仕返しする[38]。もしある市民の羽振り(金銭事情)が妙に良かったりすると、巷ではこの魔物にちなんで「蛇のやつが金をもってきてやがる」(Яму змей грошы носіць)と陰口をたたかれる[38]

バルト諸国の類例

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エストニアのクラット英語版は、火の体に火花散る尾をもった魔物(飛竜そのものではない)の姿で現れるとされる[49]。しかしベラルーシの飛蛇にみえる二面性が無く、人間女性の誘惑者たりえない[50](このようにエストニアのクラットは、家のお手伝い精霊の側面に限るので、その対比批判は、クラットの語源でもあるドイツ語のシュラート (妖精)の記事に詳述する)。

また、リトアニアアイトワラスという火竜やフート英語版、ベラルーシの飛蛇は近しいという解説もみられる。アイトワラスもやはり、人に富をもたらし、卵料理を好み、怒ると宿主に対し火で報復するとされる[51][38][29]。ただ、同じような伝承が各地に見られるのは中世(ないし16世紀頃[33])、バシリスクに関する物語がヨーロッパ全般に広まった影響による、ともみられるという[38]

セルビア

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セルビア民俗学では、火の蛇は「竜=隕石」の分類に置かれている。概して益獣(善良な精霊)であるが、人間の女性と子をなすこともできる。しかし、あまり長期間居ついてしまうと、干ばつを引き起こすともいわれる[26]

ある解説では、セルビア叙事詩ではオグニャニク[仮カナ表記](огњаник; ognjanik, ognyanik[注 5])と呼ばれるという。南スラヴのオグニャニクは、山の洞窟に住み、雲より標高が高い場所のこともあるという。この蛇竜は鱗で覆われ、火を吹き、口がい稲光りのように光ることもあるという。勇猛で、財宝を貯え、媚薬など薬学にくわしく、女性を誘惑する[11][より良い情報源が必要]

セルビア叙事歌のひとつに『火の蛇と三つ頭のアラブ人(Zmaj ognjeni i troglav Arapin)』がある[13]

ポーランド

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ポーランド版はラタヴィエツで[52]、「飛ぶ者」の意[14]だが、本来は風を呼び起こす精霊であった[53][15]、よって、鳥のようであるとか、羽を持つとされるが、魔女がなつかせるラタヴィエツは、毛むくじゃらの小男だとされ、また、蛇の姿でも現れるという[14]。風魔ラタヴィエツと家の精霊スクシャット(skrzat)との習合がみられる(スクシャットについては、ドイツ語形のシュラートを参照)。このラタヴィエツ=スクシャットは、牛乳入りのカーシャkaszą、普通、蕎麦の実のをさる)の供え物を要求するが、熱つ熱つすぎるとその怒りにふれる[53]

文学での言及

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火の蛇は、セルビアの叙事詩にも登場する[11]。ロシアの英雄歌ロシアの叙事詩にも「火の蛇」という表現はみられ、 ドブルィニャ・ニキーティチの例があるが[54]、これは有名なドラゴンスレイヤーであり、「火の」ズメイだというのは表現のあやに過ぎない。

ある呪文(ザゴヴォル英語版;заговор[注 6])では、女性を「飛竜」から守る効き目があるとされが、文句のなかでは「火の竜」と名指されている[55]。別の呪文では、「火の竜」などを名指しして、戦役にむかう軍人が唱えて身を守る.[56]

また、ウクライナの書籍によれば、ある[使役・命令の]呪文(ザモーヴレッニャ; замовляння[注 7])で、火の蛇は女性に情欲を植えつける使い魔のようなものとして言及されている[57]

ピーターとフェブロニアの物語ロシア語版』(16世紀)では、この悪魔が飛竜の姿でパヴェル公(ピーター王子の兄弟)の妻の元に飛んで通っていた[4][11]

文学例ではロシア詩人のアファナーシー・フェート作のバラッド、『Zmei Змей』(1847年)があり、若き未亡人が夜空より飛竜の訪問を受ける[58]

またペレレスニク(「誘惑者」)の名称で、レーシャ・ウクライーンカ作の戯曲『森の歌英語版』(1911年)に登場する[10]

注釈

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  1. ^ манить 動詞 「おびきよせる」に由来。
  2. ^ ロシア南部でもлітавецの呼称が通用する[5]
  3. ^ フランス語論文では"chobanek"と表記(アントアネタ・オルテアヌ著)[29]
  4. ^ ロシア語: "кольцо , бусы , пояс , платок".
  5. ^ 「花火」の意ともとれる語。
  6. ^ 「陰謀」の意ともとれる語。
  7. ^ 「命令」の意ともとれる語。

出典

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脚注

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  1. ^ a b c Mezentsev, Vladimir Andreevich (1956). Yest li chudesa v prirode [Are There Miracles in Nature?]. Moscow: Moskovsky Rabochiy. p. 31. https://books.google.com/books?id=3b9QPRervq0C&q=змей 
  2. ^ a b c Kolybenko, Olena (27 September 2024). “«Upav zmiy prevelykyy z nebes i vzhakhnulysya lyudy»: litopysy Kyyivsʹkoyi Rusi pro znaky Apokalipsysu”. Pereiaslav City. 11-16-2024閲覧。
  3. ^ a b c d e Levkievskaya, Elena [in ロシア語] (1999). "Zmei ognennyi" Змей огненный. In Tolstoy, Nikita Ilyich [in ロシア語] (ed.). Slavyanskiye drevnosti: Etnolingvisticheskiy slovar Славянские древности: Этнолингвистический словарь [Slavic Antiquities: Ethnolinguistic Dictionary]. Vol. 2. Moscow: Mezhdunarodnyye otnosheniya. pp. 331–332. ISBN 5-7133-0982-7
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n Levkievskaya, Elena (2010). Mify i legendy vostochnykh slavyan [Myths and Legends of the Eastern Slavs]. Illustrated by D. V. Polyakov; O. A. Polyakova. Moscow: Detskaya literatura. ISBN 9785457607705. https://books.google.com/books?id=WO2xAwAAQBAJ&pg=PT272 
  5. ^ a b c Kutenkov, Pavel Ivanovich (2008). Yarga-svastika--znak russkoy narodnoy kul'tury: monografiya [Yarga-swastika--a sign of Russian folk culture: monograph]. Herzen State Pedagogical University. p. 187. ISBN 9785806412677. https://books.google.com/books?id=VR5AAQAAIAAJ&q=маньяк 
  6. ^ a b Hrinchenko, Borys [in 英語], ed. (1909). "Perelésnyk" Перелесник. Slovarʹ ukrayinsʹkoyi movy: zibrala redaktsiya zhurnalu "Kyevskaya staryna" Словарь української мови: зібрала редакція журналу "Киевская старина" [Dictionary of the Ukrainian language compiled by the editors of the magazine "Kievskaya Staryna"]. Kyiv: N. T. Korchak-Novytsʹkoho. p. 124. Перелесник, ка, м Первонач. значеніе: искуситель. Так называется бѣсъ, въ видѣ огненнаго змѣя (- метеоръ), летающій къ женщинѣ. Russian title: Slovarʹ ukrainskago i︠a︡zyka (Словарь украинского языка)
  7. ^ Hrinchenko (1909), s.v. "Переве́сник (perevésnyk) ", sense 2) = Перелесник
  8. ^ Havlová, Eva (1964). “Slawisch *vьrstva und *vьrstь, vьrsta : ein Beitrag zur slawischen Homonymie”. Sborník prací Filozofické fakulty brněnské univerzity. A, Řada jazykovědná 13 (A12): p. 22. n24). https://books.google.com/books?id=VeUiAQAAMAAJ&q=perelésnyk.  Fulltext@muni.cz
  9. ^ Havlová (1964)もまた異表記に perevésnykを挙げるが[8]再構祖語を *per-lьstьnik'ъとする[要検証]
  10. ^ a b c d e f Kononenko (2020) s.v. "Perelesnyk (Перелесник)", p. 139
  11. ^ a b c d e f g h i Kononenko, Oleksiy [in ウクライナ語], ed. (2020) [2011]. "vohnyanyy zmiy" вогняний змій. Slovarʹ ukrayinsʹkoyi movy: zibrala redaktsiya zhurnalu "Kyevskaya staryna" Словарь української мови: зібрала редакція журналу "Киевская старина" [Dictionary of the Ukrainian language compiled by the editors of the magazine "Kievskaya Staryna"]. Kyiv: Folio. p. 56. ISBN 978-966-03-7906-0
  12. ^ Boganeva & Kõiva (2020), p. 388.
  13. ^ a b Petranović, Bogoljub, ed (1870). “4. Zmaj ognjeni i troglav Arapin [The fiery dragon and the three-headed Arab]”. Srpske narodne pjesme iz Bosne i Hercegovije [Serbian folk songs from Bosnia and Herzegovina]. Beograd: Državna Štamparija. pp. 27–39. https://books.google.com/books?id=Q6dFAQAAMAAJ&pg=PA27 
  14. ^ a b c Ostling (2011), p. 222.
  15. ^ a b 栗原成郎「風魔ラタヴィエツ、風女メルズィーナ」『ポロニカ』第3巻、1992年。 
  16. ^ Levkievskaya (1999) ""Demonologiya narodnaya" Демонология народная Demonological folklore, Slavyanskiye drevnosti 2:
  17. ^ a b c d e f g h i Levkievskaya (1999), p. 333.
  18. ^ a b c d Smirnov, Mikhail Ivanovich, ed (1922). “Pereslavl-Zalessky district. 1. Legends. I. Letun (firey serpent)”. Svadebnyye obryady i pesni, pesni krugovyye i prokhodnyye, igry, legendy i skazki: Yetnograficheskiye materialy po Pereyaslavl'-Zalesskomu uyezdu, Vladimirskoy gubernii [Wedding ceremonies and songs, circular and passing songs, games, legends and tales: Ethnographic materials on Pereyaslavl-Zalessky district, Vladimir province]. Agronomicheskaya sluzhba severnykh zhel. dor.. p. 73. https://books.google.com/books?id=gAo1AQAAMAAJ&pg=PA73 
  19. ^ ペレスラヴリ・ザレスキー市の採集話では、女性が亡夫の土産物と思い込んで食べていたが、朝になって他人がみると「土産」は羊や馬の糞でしかなかった[18]
  20. ^ a b c d e Lavrentieva, L.S.; Nepomnyashchy, Nikolai (2011). Russkiy narod: kul'tura, obychai, obryady [Russian people: culture, customs, rituals]. St. Petersburg: Paritet. p. 112–113. ISBN 978-5-93437-381-9 
  21. ^ a b Ivanits, Linda J. (2015). Russian Folk Belief. Routledge. p. 52. ISBN 9781317460398. https://books.google.com/books?id=IO_qBgAAQBAJ&pg=PP52 
  22. ^ "Как и у всех демонов, у него нет спинного хребта ( рус . )(すべての悪魔がそうであるように、背骨が無い [露])"[17][4]
  23. ^ Levkievskaya, Elena [in ロシア語] (1995). "Ognennyi zmei" Огненный змей. In Tolstoy, Nikita Ilyich [in ロシア語] (ed.). Slavyanskaya mifologiya. Entsiklopedicheskiy slovar' Славянская мифология. Энциклопедический словарь [Slavic Mythology. Encyclopedic Dictionary]. Moscow: Ellis Lak. pp. 283–284. ISBN 5-7195-0057-X
  24. ^ Yudin, Aleksey Valerievich (1999). Russkaya narodnaya dukhovnaya kul'tura [Russian Folk Spiritual Culture]. Moscow: Vysshaya shkola. p. 94. ISBN 9785060033465. https://books.google.com/books?id=9m8iAQAAIAAJ&q=Волк 
  25. ^ コノネンコ事典の「火の蛇」の項でも解説されるが、仔狼の挿絵が掲載される[11]
  26. ^ a b Meletinsky, Eleazar M. (2013). The Poetics of Myth. Translated by Guy Lanoue and Alexandre Sadetsky. New York: Routledge. p. 474. ISBN 0-8153-2134-1. https://books.google.com/books?id=pselAgAAQBAJ&pg=PA474 
  27. ^ Ivanits, Linda J. (1966). “The Serbian Zmaj Ognjeni Vuk and the Russian Vselav Epos”. Slavic Epic Studies. Gojko Ružičić. The Hague: Mouton & Co.. pp. 369–370ff. https://books.google.com/books?id=j4BpFO2ARCsC&pg=PA369 
  28. ^ Golenishchev-Kutuzov, Ilya (1963). Epos serbskogo naroda [The Epic of the Serbian People]. USSR Academy of Sciences. p. 244. https://books.google.com/books?id=MLgWAAAAMAAJ&q=Огненный 
  29. ^ a b c Olteanu, Antoaneta (2002). “Personnages démoniaques dans les contes populaires roumains et russes”. Analele Universităţii Bucureşti. Limbi şi literaturi străine LI: 11. https://books.google.com/books?id=WH1NAQAAIAAJ&q=kratt. ; repr. Romanoslavica 38, (2003), p. 154 (pp. 147–156)
  30. ^ a b c d Bushkevitch, S. P. Petuch (1995) Slavjanskaja mifologija Славянская мифология. p. 308 apud Olteanu (2002)[29]
  31. ^ Shejn, Pavel, ed (1902). Materialy dlia izucheniia byta i iazyka russkogo naseleniia Severo-Zapadnogo kraia [Materials for Studying the Way of Life and Language of the Russian Population of the North-Western Region]. 3. St. Petersburg: Tipografiia. p. 303 
  32. ^ a b c Shejn (1902)[31] apud Kõiva & Boganeva (2022), p. 84
  33. ^ a b Kõiva & Boganeva (2022), p. 84.
  34. ^ a b Kõiva & Boganeva (2020), p. 395.
  35. ^ Kõiva & Boganeva (2020), p. 401.
  36. ^ Culturegrams: World Editiion Vol. 2 - Europe. Axiom Press. (2004). p. 11. ISBN 9781931694605. https://books.google.com/books?id=kog16W7Qxf0C&q=%22yayechnya%22 
  37. ^ a b 英文では好物は"fried eggs"とあるがKõiva & Boganeva (2020), p. 395、ふつう目玉焼きを指す。しかし同論文の参考文献欄に[35]ベラルーシ神話事典(2011年版)の「Yayechna (scrambled eggs)」の項を引いているので、この「スクランブルエッグ」が妥当かと思われる。 なぜなら同辞典(2004年版)の「飛蛇」こと"Kletnik"の項(Sanko執筆2004年の出典)によれば、"Kletnik の好物の食べ物は yayeshna Улюбёная страва К. яешня"とあるからで得ある。2004年版でみると、L. Duchits Л. Дучыц 執筆、"Yayeshnya яешня"の項名で、特に牧童などのあいだでふるまわれる儀式的な卵料理として pp. 577–578 に記載されるが、溶き卵の料理かの説明はなく、熾火で焼かれることはあるという。論文ではyayechnya の綴りが見えるので、あるいは2011年版の事典では、その綴りに変えたのかもしれず、共著者にT. Valodzina Т. Валодзінаが加わっているので内容も補訂されていると思われる。別の英文書籍によれば、"yayechnya" は、"fried egg" または "scrambled eggs"といずれの意味ともとれるとされる[36]
  38. ^ a b c d e f Sańko, Sergei (2004). "Kletnik" Клетнік. In Sanko, Sergei (ed.). Mifalohija bielarusaŭ: Encyklapiedyčny sloŭnik Беларуская міфалогія: Энцыклапедычны слоўнік [Belarusian mythology: Encyclopedic dictionary]. Minsk: Bielaruś. p. 247. ISBN 9789850104731
  39. ^ Vernadsky, George (1973). Kievan Russia. New Haven: Yale University Press. p. 315 . ISBN 9780300016475. https://books.google.com/books?id=1HEdAP9N6ikC&pg=PA315 
  40. ^ Lecouteux, Claude (2011). Phantom Armies of the Night: The Wild Hunt and the Ghostly Processions of the Undead. Translated by Guy Lanoue and Alexandre Sadetsky. New York: Simon and Schuster. ISBN 9781594778063. https://books.google.com/books?id=EF0oDwAAQBAJ&pg=PT33 
  41. ^ 1092年、 ポラツクで大量の死者蘇生英語版が起きたとこの史書にあり、アンデッド関連の学術書などで引用される[40]
  42. ^ Myshanych, Oleksa Vasylʹovych, ed (1989). Litopys rusʹkyy [Russian Chronicle]. Dnipro. p. 130. ISBN 9785308000525. https://books.google.com/books?id=qvXTAAAAMAAJ&q=змій 
  43. ^ Slipushko, Oksana (2001). Davnʹoukrayinsʹkyy bestiariy (zviroslov): natsionalʹnyy kharakter, suspilʹna moralʹ i dukhovnistʹ davnikh ukrayintsiv u tvarynnykh arkhetypakh, mifakh, symvolakh, emblemakh [Ancient Ukrainian bestiary: national character, social morality and spirituality of ancient Ukrainians in animal archetypes, myths, symbols, emblems]. Dnipro. p. 80. ISBN 9789665780748. https://books.google.com/books?id=-TwTAQAAIAAJ&q=змій 
  44. ^ Boganeva & Kõiva (2020), pp. 388, 392 所引 Avilin (2015), pp. 172–177、その他資料。
  45. ^ a b Kolchin, A. (1899). “Verovaniia krest'ian Tul'skoi gubernii [Beliefs of the peasants of the Tula Governorate]”. Etnograficheskoe obozrenie 11 (3): 55–56. https://books.google.com/books?id=8yTxAAAAMAAJ&pg=RA1-PA55. 
  46. ^ Kolchin (1899)[45]、Ivanits が所引、英文略説[21]
  47. ^ Cherkasov, Aleksandr Aleksandrovich (2021). Zapiski okhotnika Vostochnoy Sibiri [Notes of a Hunter of Eastern Siberia]. Strelbytskyy Multimedia Publishing. https://books.google.com/books?id=N5OrDwAAQBAJ&pg=PT228 
  48. ^ Boganeva & Kõiva (2020), p. 387.
  49. ^ Kõiva & Boganeva (2020), p. 391; Kõiva & Boganeva (2022), p. 83: "One Estonian term – pisuhänd – refers to the image of a fire serpent, even though neither a serpent nor a flying serpent are mentioned in the Estonian descriptions as attention has been drawn to the sparking tail or fire tail that is described and by which the creature is identified." ピスハンド(「火花の尾」)やトゥリヘンド (tulihänd、「火の尾」)という異称があり、竜を想起させるものの、伝承では火花の尾や火の尾に注目するばかりで、それ以上の外見の描写はないため、明確に飛蛇/竜と形容する伝承はみられない。
  50. ^ Kõiva & Boganeva (2020), p. 391.
  51. ^ Kõiva & Boganeva (2020), p. 389.
  52. ^ Levkievskaya[3]所引 Pel.PDL : 47
  53. ^ a b Brückner (1924), p. 112.
  54. ^ Robinson, Andrey Nikolayevich (1967). “Epos Kiyevskoy Rusi v sootnoshenii s eposom Vostoka i Zapada [The epic of Kievan Rus in relation to the epic of the East and West]”. Izvestiâ AN SSSR. Seriâ literatury i âzyka 26 (3): 214. https://books.google.com/books?id=tyJXAAAAIAAJ&q=Огненный. 
  55. ^ Zabylin, Mikhail M. (1880). Russkīĭ narod, ego obychai, obri͡ady, predanīi͡a, suevi͡erīi͡a i poėzīi͡a [Russian people, their customs, rituals, legends, superstitions and poetry]. Moscow: M. Berezina. p. 323. https://books.google.com/books?id=36oKAAAAIAAJ&pg=PA323 
  56. ^ Zabylin (1880), p. 300.
  57. ^ Kononenko (2020): "У замовляннях Вогняний змій виступає як чарівна істота, що вміє викликати при страсть до жінки([使役・命令の]呪文では、火の蛇は女性の情欲をつのらせる魔獣の役目を果たす。)".[11]
  58. ^ Kuzovkin, Alexander; Nepomnyashchy, Nikolai (14 June 1992). “Ghosts”. New Times International 31: 47. https://books.google.com/books?id=_2UpAQAAMAAJ&q=fet. 

参照文献

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関連項目

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