海上空港
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海上空港(かいじょうくうこう)は、周囲を海に囲まれた立地の空港である。
建造
[編集]建造法としては、次の2つに分けられる。
1.の例として長崎空港、2.の例として中部国際空港や関西国際空港、北九州空港が挙げられる。東京国際空港や大分空港は陸地を延長して造成しているが、敷地の大部分が埋立地のため海上空港とみなす場合がある。
特徴
[編集]- 陸地とある程度離れているため、騒音公害の懸念が少なく、運用時間の制約も少ない[1]。航空事故の場合にも市街地に被害が出にくい[要出典]。
- 陸地に用地が確保できなくても、海上に空港を設置することで用地問題を解決できる場合がある[2]。ただし漁業権[3]や航路[4][5]の障害はある。
- 強い海風を受けることがある[要出典]。湾内などの空港に限り、気象変化の影響を受けにくい[要出典]。
- 陸地から離れているため、空港へのアクセスはやや不便になる場合がある[要出典]。橋またはトンネルが必要だが、橋の場合は荒天時にアクセス不能になる場合がある[6]。
- 海を埋め立てた場合、建設費用が高額になる[3]。また埋立地では地盤沈下(圧密)が起こるため、大規模な沈下や不等沈下などが予想される場合は特別な対策が必要になる[7]。
- 海鳥が集まりやすく、バードストライクの危険性が高い。中部国際空港では2007年に1万羽近いウミネコが集まったために、滑走路が使用不能になったことがある[8]。
主な海上空港
[編集]- 1966年 ヴェラナ国際空港 - フルレ島という小さな島に設置された空港。創業時の名称はフルレ空港。
- 1975年 長崎空港 - 空港のために既存の島(箕島)を造成・拡張して建設された、世界初の本格的海上空港[9]
- 1994年 関西国際空港 - 何もない海上をゼロから埋め立てて建設された、世界初の本格的な人工島の海上空港[10]
- 1995年 マカオ国際空港
- 1998年 香港国際空港
- 2001年 仁川国際空港 - 既存の二つの島(永宗島・龍遊島)の間を埋め立てて造成・建設された
- 2005年 中部国際空港 - 何もない海上をゼロから埋め立てて建設
- 2006年 神戸空港 - 何もない海上をゼロから埋め立てて建設(神戸空港島)
- 2006年 北九州空港 - 何もない海上をゼロから埋め立てて建設(新門司沖土砂処分場・苅田沖土砂処分場)
脚注
[編集]- ^ “新関西国際空港株式会社|技術情報|関空の沈下への取り組み”. 新関西国際空港. 2011年10月20日閲覧。
- ^ 空港施設がわかる本 2007/11 久保利 俊明 (著), 佐々木 善朗 (著) 山海堂 P6
- ^ a b 杉浦一機『空港大改革 空港のネットワーク化を利用せよ』中央書院、2002年。ISBN 978-4887321083。
- ^ 首都圏第3空港調査検討会. “羽田空港再拡張による船舶航行への影響に関する検討状況”. 国土交通省. 2013年10月22日閲覧。
- ^ “東京国際空港(羽田空港)再拡張事業の概要” (PDF). 国土交通省関東地方整備局 東京空港整備事務所. p. 13. 2013年10月22日閲覧。
- ^ 関西国際空港#空港へのアクセスを参照のこと。
- ^ “関西国際空港土地保有株式会社|技術情報|沈下への取り組み|沈下の状況 ~沖積層、洪積層の沈下の特徴~”. 関西国際空港土地保有. 2011年10月20日閲覧。
- ^ ウミネコに悩む中部空港 滑走路閉鎖、抜本対策なし47NEWS
- ^ “長崎空港ホームページ-空港概要ついて”. 長崎空港ビルディング. 2020年6月17日閲覧。
- ^ “関西国際空港:OSAKA-INFO 大阪観光情報”. 大阪観光局. 2020年6月17日閲覧。
関連項目
[編集]- 人工島
- 埋立地
- 浮体空港 - 浮体式空港、フロート空港とも呼ばれる。海上に浮かぶ浮体の上に滑走路を造る。第二次世界大戦の臨時浮体空港LilyとCloverがある。