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東海ゴールドカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東海ゴールドカップ
開催国 日本の旗 日本
主催者 岐阜県地方競馬組合
競馬場 笠松競馬場
第1回施行日 1971年5月2日
2024年の情報
距離 ダート2500m
格付け SPI
賞金 1着賞金700万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上、東海地区所属
負担重量 別定(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
出典 [1]
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東海ゴールドカップ(とうかいゴールドカップ)は、岐阜県地方競馬組合が施行する地方競馬重賞競走SPI)である。正式名称は「岐阜県知事杯 東海ゴールドカップ」。

副賞は、岐阜県知事賞、(一社)日本地方競馬馬主振興協会会長賞、(一社)JBC協会賞 HITスタリオンシリーズ(ウインブライト賞)(2023年)[2]

概要

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1971年に「ゴールドカップ」の名称で創設。翌1972年から年末開催、1979年から現在のレース名となった。1997年度から元日施行となったが、2004年度より再び年末開催となり、それ以来東海地区(愛知笠松)の1年を締めくくる競走として行われている。

負担重量は2019年までハンデキャップであったが、2020年に別定に変更された。

2021年に出走資格をオープンから3歳以上に変更された。また、この年からHITスタリオンシリーズに指定されている。対象種牡馬は2021年がヴァンセンヌ、2022年がノヴェリスト、2023年がウインブライト

2024年より施行距離をダート2500mに変更する[3]

条件・賞金(2023年)

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出走資格[1]
サラブレッド系3歳以上オープン、東海所属(前年12月9日から本年12月15日の間に東海所属馬として出走しているB級格付け以上の馬)
  • 出走枠は笠松7頭以上、名古屋5頭以上。
  • 東海ゴールドカップトライアルの優勝馬に優先出走権がある。
負担重量
別定(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
賞金額
1着700万円、2着245万円、3着140万円、4着70万円、5着35万円[2]

周回誤認事件

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1981年12月30日に行われた第10回競走では、ダイサンフジタカ号に騎乗した愛知県競馬組合所属の騎手・井手上慎一が周回を誤認する事象があった。1981年当時の施行距離は笠松競馬場最長の2500メートルで、ゴール板を3度通過・コースを2周してゴールすることとなっていた。また、スタート地点が同じで周回数の1周少ない1400メートル戦が存在していた。

1981年当時の1着賞金は1300万円と現在の4倍以上の賞金を誇る一大レースであった。笠松競馬場には2万8千人を超える観衆が詰めかけたと言われている。有力候補であった愛知ヒカリデュール(翌年JRAに移籍し朝日チャレンジカップ有馬記念を勝つ)が右前肢の跛行で発走当日に出走を取り消し、本命不在でのレースとなった。1番人気に押し出されたのが、この事件の主役となるダイサンフジタカで、東海菊花賞3着からの参戦であった。この馬もまた後に中央へ転出し当時の800万下条件(現・2勝クラス)を勝つ馬であり、岐阜日日新聞(現・岐阜新聞)本紙予想では「昨今の充実度がすごい。東海菊花賞を3着した実力が爆発しそう」と能力を評価されている。

出走馬と枠順

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1981年12月30日 笠松競馬第9競走 サラブレッド系特別オープン 第10回東海ゴールドカップ 馬場:良

枠番 馬番 競走馬名 斤量 騎手 調教師 オッズ(人気)
1 1 リユウアラナス 7 54 仙道光男 大橋憲 (2番人気)
2 2 [愛]シナノセイダイ 牡4 51 [愛]坂本敏美 [愛]安達小八
3 3 ヒミノチカラ 牡5 50 川原正一 小井土金一
4 4 [愛]ダイサンフジタカ 牡6 52 [愛]井手上慎一 [愛]立松忠明 (1番人気)
5 5 リードシヤダイ 牡7 55 松原義夫 山嶋昇
6 6 ホウゾウキツト 牡4 50 町野良隆 古賀土生
7 7 マツハレンジヤー 牡7 53 安藤光彰 鷲見昌勇
8 8 [愛]ヒカリデユール 牡5 56 [愛]田中敏和 [愛]野島豊 出走取消
9 サンローレオー 牡6 52 安藤勝己 吉田秋好 6.9倍(人気不詳)
  • 馬齢は何れも旧表記(数え年・現行表記に+1歳)。
  • [愛]は愛知(名古屋)所属。
  • ハンデキャップ戦。
  • オッズ・人気は9号馬の6.9倍、4号馬の1番人気、1号馬の2番人気を除き不詳。

レース展開

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1周目の第4コーナーを回って2度目のホームストレッチに差し掛かり、ゴール板を過ぎたところでダイサンフジタカの鞍上・井手上の手が止まり手綱を緩めた。井手上は1400メートル戦と勘違いしたものと思われる。

減速したダイサンフジタカは後続に次々と抜かれ、レースに戻った時には既に余力はなかった。勝ったのはヒカリデュールと同枠の人気薄サンローレオーで、2着ヒミノチカラ、3着シナノセイダイ。結局ダイサンフジタカは5着で入線した。単勝式複勝式枠番号二連勝単式の3通りしか馬券発売のなかった時代にあって、枠連「3 - 8」の払戻金4970円はかなりの高配当であった。

暴動とその後の対応

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本命馬が不可解な減速で馬券外に沈み、的中馬券「3 - 8」のオッズが投票締切直前に大口購入された、との風説を流布した観客がいたことなどから本競走に対する八百長疑惑がかけられ、続く最終10レースの終了時にはファン200人以上が管理事務所を取り囲んで説明を求めた。地方競馬全国協会の公正委員は「スピードを落としたのは井手上騎手のミスによるもので、地方競馬実施規則によるレース後の審議対象『落馬、走路妨害、着順』に該当しないのでレースは成立する」と結論づけたがファンは納得せず、一部は窓ガラスを割ったりゴミを燃やしたりするなど暴徒化。投げられた石で観客1人が負傷し、従業員約100人が競馬場内に缶詰めにされた。岐阜県警察機動隊や羽島警察署の警察官150人が鎮圧に向かうも怒りは収まらず、最終的に深夜になっても居座った約100人は場外に強制排除され、この際警察官に暴行を働いた1人は公務執行妨害の現行犯で逮捕された。

井手上は笠松競馬場での無期限騎乗停止、名古屋競馬場での10日間の騎乗停止処分を課された。後に笠松での騎乗停止も解除されている。

類似事案

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地方競馬での同様に距離を誤認した事例として、2021年6月17日園田競馬第7競走で、ヨハネスボーイに騎乗していた大山龍太郎(兵庫県競馬組合)が、コースを1周半で行われるダート1,870mの競走であったが競走距離を誤認し、1周目の直線から鞭を連打して、ゴール板通過後に減速。その後向正面で後続馬に交わされ隊列に加わったが、最下位の第9着で入線した。このことは騎乗法に適切を欠いたと認められ、次回騎乗となる当日第8競走以降、騎乗予定の4鞍が即刻騎手変更となり、大山は同年6月18日から8月4日まで開催日20日間の騎乗停止処分が科された。また、連座して所属調教師の坂本和也も「指導監督不十分」と認められ、同年17・18日の2日間の賞典停止処分となる事例がある[4]

中央競馬でも同様の事例として、2018年10月13日新潟競馬第6競走(ダート2,500m)で、2番人気のペイシャエリートに騎乗していた山田敬士が距離を誤認して1周目のゴール板を通過した直後に減速、最下位の12着となった事で3ヶ月間の騎乗停止処分となった事例がある[5][6]

参考文献

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歴代優勝馬

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馬齢は2000年以前についても現表記を用いる。

回数 施行日 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1971年5月2日 1900m スズホツプオー 牡5 2:03.3 伊藤光雄
第2回 1972年12月29日 1900m ロイヤルプリンス 牡4 2:01.3 内村寛司
第3回 1973年12月28日 1900m ジヨニーオンワード 牡5 笠松 2:01.5 宮下記英 大倉護
第4回 1974年12月29日 1900m ニユーカイモン 牡5 名古屋 2:02.3 内村寛司 大薮憲三
第5回 1976年12月29日 1900m フアストリユウエン 牡6 名古屋 2:03.0 中村広己 青山功
第6回 1977年12月28日 2500m ハカタオーカン 牡4 笠松 2:46.3 柴田高志 倉間昭夫
第7回 1978年12月27日 2500m リユウアラナス 牡3 笠松 2:43.8 町野良隆 大橋憲
第8回 1979年12月30日 2500m ブレーブボーイ 牡5 笠松 2:43.3 山田義男 吉田秋好
第9回 1980年12月30日 2500m タイシヨウボーイ 牡4 笠松 2:42.4 坂本敏美 倉間昭夫
第10回 1981年12月30日 2500m サンローレオー 牡5 笠松 2:46.3 安藤勝己 吉田秋好
第11回 1982年12月30日 2500m セブンランサー 牡4 名古屋 2:42.9 坂本敏美 安達小八
第12回 1983年12月30日 2500m ゴールデンモンド 牡4 名古屋 2:46.4 坂本敏美 内村寛司
第13回 1984年12月30日 2500m ステートジヤガー 牡3 笠松 2:42.6 伊藤強一 大倉護
第14回 1985年12月30日 2500m マツノセイザン 牡5 笠松 2:45.2 安藤勝己 後藤保
第15回 1986年12月30日 2500m マルゼンスター 牡6 笠松 2:46.9 川原正一 後藤保
第16回 1987年12月30日 2500m フエートノーザン 牡4 笠松 2:46.0 安藤勝己 吉田秋好
第17回 1988年12月30日 2500m フエートノーザン 牡5 笠松 2:46.2 安藤勝己 吉田秋好
第18回 1989年12月30日 2500m ハツピーダンデイ 牡4 笠松 2:44.2 坂口重政 飯干秀人
第19回 1990年12月30日 2500m マツクスフリート 牝3 笠松 2:45.5 安藤勝己 荒川友司
第20回 1991年12月30日 2500m イチアヤヒデ 牡6 笠松 2:44.3 松原義夫 青木和夫
第21回 1992年12月30日 2500m トミシノポルンガ 牡3 笠松 2:44.7 安藤勝己 加藤健
第22回 1993年12月30日 2500m トミシノポルンガ 牡4 笠松 2:42.4 安藤勝己 加藤健
第23回 1994年12月30日 2500m ヘイセイクラウド 牡4 笠松 2:46.6 川原正一 柳江仁
第24回 1995年12月30日 2500m ライフアサヒ 牡4 名古屋 2:46.1 吉田稔 松橋寛
第25回 1996年12月30日 2500m ハカタダイオー 牡3 笠松 2:45.7 安藤光彰 柳江俊明
第26回 1998年1月1日 2500m シンプウライデン 牡4 笠松 2:44.8 安藤勝己 荒川友司
第27回 1999年1月1日 2500m トミケンライデン 牡5 笠松 2:46.4 東川公則 荒川友司
第28回 2000年1月1日 2500m トミケンライデン 牡6 笠松 2:46.0 東川公則 荒川友司
第29回 2001年1月1日 2500m ミツアキサイレンス 牡3 笠松 2:42.7 川原正一 粟津豊彦
第30回 2002年1月1日 2500m バンドオンザラン 牡5 名古屋 2:46.6 安部幸夫 今津勝之
第31回 2003年1月1日 2500m マリンレオ 牡7 名古屋 2:44.9 山田崇史 戸澤肇
第32回 2004年1月1日 2500m ミツアキタービン 牡4 笠松 2:42.9 吉田稔 田口輝彦
第33回 2004年12月31日 2500m ロイヤルセランガー 牝3 名古屋 2:42.9 安部幸夫 角田輝也
第34回 2005年12月31日 1900m エンシェント 牡5 笠松 2:04.9 東川公則 田口輝彦
第35回 2006年12月31日 1900m ニッシングリン 牝5 笠松 2:04.9 東川公則 藤田正治
第36回 2007年12月31日 1900m ティアマット 牡4 笠松 2:04.7 東川公則 田口輝彦
第37回 2008年12月31日 1900m オグリシルク 牝5 笠松 2:06.3 佐藤友則 鈴木良文
第38回 2009年12月31日 1900m ノゾミカイザー 牡4 名古屋 2:03.6 吉田稔 錦見勇夫
第39回 2010年12月31日 1900m ヒシウォーシイ 牡5 名古屋 2:01.9 岡部誠 川西毅
第40回 2011年12月31日 1900m エイシンフレンチ 牡6 笠松 2:03.4 岡部誠 伊藤強一
第41回 2012年12月31日 1900m エーシンサンダー 牡5 笠松 2:02.4 東川公則 伊藤強一
第42回 2013年12月31日 1900m ドリームマジシャン 牡6 笠松 2:04.5 尾島徹 伊藤強一
第43回 2014年12月31日 1900m ノゾミダイヤ 牡3 名古屋 2:02.2 大畑雅章 錦見勇夫
第44回 2015年12月31日 1900m マヤノクレド 牡7 名古屋 2:02.5 今井貴大 川西毅
第45回 2016年12月31日 1900m アサクサポイント 騸8 名古屋 2:03.9 大畑雅章 今津博之
第46回 2017年12月31日 1900m メモリージルバ 牡8 名古屋 2:02.8 友森翔太郎 塚田隆男
第47回 2018年12月31日 1900m ダイヤモンドダンス 牡8 笠松 2:01.4 筒井勇介 花本正三
第48回 2019年12月31日 1900m ニューホープ 牡3 笠松 2:02.3 丸野勝虎 田口輝彦
第49回 2020年12月31日 1900m ウインハイラント 牡6 名古屋 2:03.1 加藤聡一 坂口義幸
第50回 2021年12月31日 1900m ウインハピネス 牡6 笠松 2:06.4 大原浩司 森山英雄
第51回 2022年12月31日 1900m ウインユニファイド 牡10 名古屋 2:04.9 丸野勝虎 沖田明子
第52回 2023年12月31日 1900m ストームドッグ 騸6 笠松 2:03.0 向山牧 森山英雄

脚注・出典

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注釈

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出典

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  1. ^ a b 笠松競馬番組” (PDF). 笠松けいば. 2023年12月30日閲覧。
  2. ^ a b 笠松競馬出走馬一覧表 令和5年度岐阜県地方競馬組合営第15回笠松競馬第4日12月31日(日)” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年12月29日閲覧。
  3. ^ 令和6年度笠松競馬 重賞・準重賞競走について岐阜県地方競馬組合、2024年2月21日配信・閲覧
  4. ^ 新人の大山龍太郎騎手が園田7Rで距離錯誤 18日から20日間の騎乗停止 - 日刊スポーツ(極ウマ・プレミアム)2021年6月17日
  5. ^ 「終わった…」山田敬士騎手が『あの日』からの3ヶ月を独占告白”. keibalab.jp (2019年2月6日). 2023年10月30日閲覧。
  6. ^ 3歳上500万下 結果・払戻|2018年10月13日 新潟6R レース情報(JRA) - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2023年10月30日閲覧。

各回競走結果の出典

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関連項目

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