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東京メトロ17000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京メトロ17000系電車
Fライナーとして東武東上線を走る17000系
(2021年10月 高坂駅 - 東松山駅間)
基本情報
運用者 東京地下鉄
製造所 日立製作所笠戸事業所(10両編成)
近畿車輛(8両編成)
製造年 2020年 - 2022年[1]
製造数 21編成180両(10連6本、8連15本)[1]
運用開始 2021年2月21日[1][2]
投入先 有楽町線副都心線東武東上線西武有楽町線西武池袋線東急東横線横浜高速鉄道みなとみらい線
主要諸元
編成 10・8両編成
軌間 1,067 mm狭軌
電気方式 架線電車線方式
最高運転速度 80 km/h(地下鉄線)
100 km/h(東武線内)
105 km/h(西武線内)
110 km/h(東急線内)
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 8両編成:1,210名
10両編成:1,518名
車両定員 先頭車:143名
中間車:154名
編成重量 298.7 t(10両編成)
全長 先頭車:20,470 mm
中間車:20,000 mm
車体長 先頭車:20,005 mm(前面ステップ除く)
中間車:19,500 mm
全幅 2,848 mm
車体幅 2,800 mm
全高 4,080 mm(パンタ折畳)
4,022 mm(空調)
車体高 3,635 mm
床面高さ 1,140 mm
車体 アルミニウム合金
A-train[注 1]
台車 モノリンク式ボルスタ付き台車 FS781 (M・Tとも)
主電動機 全密閉式永久磁石同期電動機(PMSM)
主電動機出力 205 kW(1時間定格)
駆動方式 WN継手式平行カルダン方式
歯車比 99/14 (7.07)
制御方式 VVVFインバータ制御(フルSiC-MOSFET素子)
制御装置 三菱電機製 MAP-214-15V335[3](10両編成)
日立製作所製 VFI-HR4420E(8両編成)
保安装置
備考 出典:交友社『鉄道ファン 2020年12月号』
第62回(2022年
ローレル賞受賞車両
テンプレートを表示

東京メトロ17000系電車(とうきょうメトロ17000けいでんしゃ)は、東京地下鉄(東京メトロ)有楽町線副都心線通勤形電車2021年令和3年)2月21日より営業運転を開始した[4]

概要

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老朽化した7000系の置き換えを目的に、2020年1月に10両編成(0番台)の第1編成が落成し、各種訓練の後2021年2月21日より営業運転を開始した[1][2][4]。2021年(令和3年)度内に10両編成6本(60両)が出揃い、2022年(令和4年)度内に8両編成(80番台)の15本120両が出揃った[5][1][6]。有楽町線では2006年9月以来の約14年半ぶり、副都心線では開業後初めての新型車両である。

2020年10月1日に日立製作所と共同でグッドデザイン賞を受賞した[7][8]。東京メトロがこの賞を受賞したのは10000系、「銀座線リニューアル計画」に続き3回目となる。また、2022年5月26日に鉄道友の会よりローレル賞を受賞した[9]。(18000系との同時受賞)

車両概説

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外観は従来の7000系や10000系の特徴だった丸型のヘッドランプを継承しつつ[5]、フロントマスクは丸みを帯び、これまでよりも優しい印象を持ったデザイン。車体のラインカラーは副都心線のブラウンをベースとし、有楽町線のラインカラーであるゴールドの細いラインが描かれている[4][5]

車内空間もラインカラーのゴールドとブラウンを基調として、つり革にブラウン、シートの背もたれにゴールドを使ったデザインとなっている[5]。また、貫通引戸や袖仕切り、荷棚に透明な強化ガラスを採用することで車内の開放感を高めている[4][5]

東京メトロによると、17000系は7000系と比較すると、冷房能力の向上(48.9kW → 58.0kW)[5]、座席幅を拡大(430 mm → 460 mm)するなど利用者の快適性を大幅に向上[5]。さらに、全車両にフリースペースを設置、車両の床面高さを低減(1,200 mm → 1,140 mm)[5]、ドア出入口下部をホーム側に約10°傾斜させるなど、車椅子ベビーカーの利用客に配慮した空間となっている[5][6]。 

また、走行中の機器状態を総合指令所や車両メンテナンス担当部署から遠隔でモニタリングする、車両情報監視・分析システム(TIMA)を導入している[5]

なお、10両編成と8両編成は外観および内覧ともにほとんど違いはないものの、天井のレイアウト(ラインデリア整風板の形状)など若干の相違部分がある。

編成番号は2021年1月時点で在籍していた7000系が「01〜20」と「27〜34」を、10000系が「41〜76」を使用していたため、17000系においては0番台(10両編成)では7000系の廃車によって空き番となっていた「21〜26」を、80番台(8両編成)では「81〜95」を使用している(例えば、17101Fは和光第21編成、17195Fは和光第95編成)。

編成

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編成表

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10両編成

 
号車 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
形式  
17100形
(CT1)
<  
17200形
(M)
 
17300形
(T)
<  
17400形
(M)
 
17500形
(TC1)
 
17600形
(TC2)
<  
17700形
(M)
 
17800形
(T)
<  
17900形
(M)
 
17000形
(CT2)
搭載機器   VVVF CP,Bt VVVF SIV,CP SIV VVVF CP,Bt VVVF  
動輪軸 ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○ ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○
自重 28.5t 32.6t 26.7t 32.8t 29.2t 28.2t 32.8t 26.7t 32.7t 28.5t
車内設備 ♿︎ ♿︎.弱冷 ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎,女専
定員
(座席)
143
(45)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
143
(45)
車両番号 17101

17106
17201

17206
17301

17306
17401

17406
17501

17506
17601

17606
17701

17706
17801

17806
17901

17906
17001

17006

8両編成

 
号車 8 7 6 5 4 3 2 1
形式  
17100形
(CT1)
<  
17200形
(M)
 
17300形
(T)
<  
17400形
(Mc1)
<  
17700形
(Mc2)
 
17800形
(T)
<  
17900形
(M)
 
17000形
(CT2)
搭載機器   VVVF SIV,CP,Bt VVVF VVVF SIV,CP,Bt VVVF  
動輪軸 ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○ ●● ●● ●● ●● ○○ ○○ ●● ●● ○○ ○○
自重 28.5t 32.6t 29.7t 32.8t 32.8t 29.7t 32.7t 28.5t
車内設備 ♿︎ ♿︎.弱冷 ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎ ♿︎,女専
定員
(座席)
143
(45)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
154
(51)
143
(45)
車両番号 17181

17195
17281

17295
17381

17395
17481

17495
17781

17795
17881

17895
17981

17995
17081

17095


  • 17306号車はPQモニタリング台車(FS580A)装着
凡例

脚注 

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ A-trainは10両編成のみ。

出典 

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  1. ^ a b c d e 有楽町線・副都心線新型車両17000系いよいよデビュー! 2021年2月21日(日)より運行開始します!』(PDF)(プレスリリース)東京地下鉄、2021年2月21日。オリジナルの2021年2月21日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210220152708/https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews210221_07.pdf2021年2月21日閲覧 
  2. ^ a b “東京メトロ17000系、運行開始 床面は6センチ低く”. 朝日新聞. (2021年2月21日). オリジナルの2021年2月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210221025855/https://www.asahi.com/articles/ASP2P3SPPP2PUTIL002.html 2021年2月21日閲覧。 
  3. ^ “新車ガイド1 東京メトロ 有楽町線・副都心線 17000系”. Rail Magazine 2020年11月号: 65. 
  4. ^ a b c d 有楽町線・副都心線に新型車両17000系を導入します 2020年度営業運転開始予定』(PDF)(プレスリリース)東京地下鉄、2019年11月11日。オリジナルの2020年1月6日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200106115929/https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews201901111_1.pdf2020年11月5日閲覧 
  5. ^ a b c d e f g h i j 交友社『鉄道ファン』2020年12月号(通巻716号)「新車ガイド1 東京地下鉄17000系」p.48-54
  6. ^ a b “ベビーカーも乗降しやすく 有楽町・副都心線に新型車両”. 朝日新聞. (2020年8月11日). オリジナルの2020年8月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200813044001/https://www.asahi.com/articles/ASN8C6HP9N8CUTIL01V.html 2020年8月13日閲覧。 
  7. ^ 2020年度グッドデザイン賞を受賞!「有楽町線・副都心線 新型車両17000系」』(PDF)(プレスリリース)東京地下鉄/日立製作所、2020年10月1日。オリジナルの2020年10月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201009105059/https://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews201001_67.pdf2020年11月5日閲覧 
  8. ^ 鉄道車両 東京地下鉄株式会社17000系車両 アーカイブ 2022年9月22日 - ウェイバックマシン - グッドデザイン賞ウェブサイト(公益財団法人日本デザイン振興会)
  9. ^ 2022年 ブルーリボン・ローレル賞選定車両”. 鉄道友の会 (2022年5月26日). 2022年5月26日閲覧。 アーカイブ 2022年10月23日 - ウェイバックマシン

参考文献

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  • 川村哲也(東京地下鉄鉄道本部車両部設計課)「東京地下鉄17000系」『鉄道ファン』第60巻第12号、交友社、2020年12月、48 - 54頁。 

関連項目

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  • 東武50000系(50070型)電車 - 東武東上線と東京メトロ副都心線の相互直通運転開始に備え、2007年から直通運用に使用されている車両。 10両編成7本が在籍しており、9000型・9050型と共通で乗り入れている。
  • 東武9000系(9000型・9050型)電車 - 営団有楽町線が東武東上線との相互直通運転を開始した1987年から乗り入れている車両。ドアの配置が他編成と異なる第1編成(9101F) 以外の10両編成9本90両(9102F - 9108F・9151F・9152F)が乗り入れている。副都心線開業までに9101F以外の全編成が副都心線対応工事を完了させた。9101Fについては2023年10月17日付で廃車され、9000系で初めての廃車となった。なお、電機子チョッパ制御を採用している9102F - 9108Fは、東京メトロ線・東急線・みなとみらい線で運用される車両では唯一となるVVVF制御ではない車両となっている。今後は新型車両に代替され営業運転を終了する予定。
  • 西武40000系電車 - 0番台(デュアルシート車)は2017年3月25日より運行している「S-TRAIN」とその間合い運用で乗り入れている。なお、有楽町線へ乗り入れる一般列車は、S-TRAINに関連する平日1.5往復のみ。休日はS-TRAINが副都心線・東横線方面へ運転されるため、有楽町線へは乗り入れない。50番台(ロングシート車)は和光市駅発着を含む一般列車として、6000系と共通運用で乗り入れている。
  • 西武6000系電車 (6109F - 6117F) - 西武有楽町線が全線開業し、営団有楽町線との相互直通運転が開始された1994年から乗り入れている車両。2007年時点では試作車の6101F・6102Fを除いた全編成が乗り入れていたが、2023年3月に6108Fが西武新宿線・拝島線へ転属したのを皮切りに、6103F - 6108Fの6本が西武新宿線・拝島線へ転属した。また、2024年4月1日より東京メトロ線・東急線・みなとみらい線乗り入れの対象編成は6109F - 6117Fの9本とされ、アルミ車体の50番台は2024年3月30日までに東京メトロ線・東急線・みなとみらい線への乗り入れを終了した。
  • 東急5050系電車(4000番台)
  • 東急5000系・5050系電車
  • 横浜高速鉄道Y500系電車 - 2013年3月16日より東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線との直通運転が開始されたことに伴い乗り入れ開始。すべての編成が乗り入れに使用されている。東急車と横浜高速車は共通運用である。直通運転に先立ち2012年9月より、東急5050系4104F、4105F、5155Fの各編成が副都心線・有楽町線・東武東上線・西武池袋線各線で先行営業運転を行っていた。副都心線との直通運転が開始された2013年3月16日以降は、小竹向原 - 新木場間での定期運用は設定されていない。但し、輸送障害時の際には現在でも有楽町線へ入線することがある。
  • 相鉄20000系電車 - 2023年3月18日より東急新横浜線・相鉄線との直通運転が開始されたことに伴い乗り入れ開始。副都心線が東急東横線・東急新横浜線を介して相鉄線との直通運転が開始された2023年3月18日以降も、小竹向原駅 - 新木場駅間での定期運用は設定されていない。但し、輸送障害時の際には有楽町線へ営業運転で入線することがある。また、有楽町線へ営業運転で入線する場合も和光市駅までの乗り入れで、それより先の東武東上線や小竹向原駅で分岐する西武線へは乗り入れない。

外部リンク

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