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官立大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
旧官立大学から転送)

官立大学(かんりつだいがく)とは、学制改革前の日本で施行されていた大学令に基づき、国によって設置されていた旧制大学である。

概要

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官立大学とは、大学令に基づき国によって設置されていた大学を言う。官立大学は設立目的などにより細かく分類され、各分野の専門家の育成を主眼として設置されていた。多くは第二次世界大戦後に新制大学となっており、現在では旧官立大学という大学群として扱われることもある。

なお、帝国大学も国によって設置された旧制大学であるが、帝国大学令による特別の規定に基づき設置されていたため、一般に官立大学とは別に扱う[注釈 1]。地方行政機関・地方自治体も広義には「官」であるが、これらが設置していた大学は公立大学と称し、官立大学には含めない。帝国議会の議決によって設立された大学もあるが、これらも官立大学には含めない。

官立大学一覧

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終戦時に存在したもの

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第二次世界大戦終結時に存在した官立大学を以下に示す。官制の制定順、官制内での記載順による(いわゆる建制順)。

帝国大学となったもの

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帝国大学へ昇格した、あるいは帝国大学に吸収された官立大学を以下に示す。

  • 大阪工業大学(1929年、大学昇格。1933年、大阪帝国大学に吸収)
  • 名古屋医科大学(1931年※、官立移管。1939年、名古屋帝国大学へ昇格)
    ※1920年に愛知県立の愛知医科大学として昇格。1931年、官立移管し名古屋医科大学に改称。

戦後に設置されたもの

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第二次世界大戦後、旧制医学専門学校を前身として、国立学校設置法施行前に設置された官立の医科大学が存在する。これらの大学は、官立大学官制(昭和21年勅令第206号)を改正することにより設置された[注釈 2]。 その一覧を以下に示す。

旧官立大学

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旧官立大学(きゅうかんりつだいがく)とは、官立大学から以下を除いた11校を前身とする国立大学を示す通称である。 母体となった旧制官立大学の設置順に、現在の一橋大学新潟大学岡山大学金沢大学長崎大学千葉大学熊本大学東京科学大学神戸大学筑波大学広島大学が該当する。

  • 帝国大学となったもの
  • 戦後に設置されたもの(この後身校は、設置の時期や経緯が戦前に設立された官立大学と異なるため、新八医科大学に分類される)
  • 外地に存在したため新制国立大学に引き継がれなかった旅順工科大学
  • 戦後に私立大学として再建された神宮皇學館大學

脚注

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注釈

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  1. ^ 帝国大学が大学令に基づく官立の大学であることは、字義のほか、大学令第4条「大学は帝国大学其の他官立のものの外」[1]から明らかである。その一方、東京商科大学の設置以降の法令では明示的に帝国大学と官立大学とを並記しており、官立大学とは別扱いであることも一貫している。たとえば大学特別会計法第1条「帝国大学は各別に、其の他の官立大学は之を通して一の特別会計を立て」[2]はこの事情をよく表している。
  2. ^ 東京医科歯科大学以外の5校は大学令廃止後の設置であるが、学校教育法の経過規定(第98条)によって大学令に基づいている。

出典

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  1. ^ 大学令”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  2. ^ 大学特別会計法”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  3. ^ 東京商科大学官制”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  4. ^ 官立商業大学官制”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  5. ^ 官立医科大学官制”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  6. ^ 旅順工科大学官制”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  7. ^ 官立工業大学官制”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  8. ^ 官立文理科大学官制”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  9. ^ 神宮皇学館大学官制”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  10. ^ (官立大学官制等の一部を改正する勅令)”. 法令データベース. 名古屋大学大学院法学研究科. 2024年2月17日閲覧。
  11. ^ a b c d e 昭和23年政令第33号

関連項目

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