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新宿ロマン劇場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新宿ロマン劇場
Shinjuku Roman Theater
地図
情報
通称 新宿ロマン
正式名称 新宿ロマン劇場
完成 1924年12月1日
開館 1971年
閉館 1989年1月16日
最終公演ザ・コップ
ジェームズ・ウッズ主演)
客席数 開館時:860人
改築後:724人
閉館時:624人
用途 映画上映、演芸場
運営 帝都興行武蔵野館→武蔵野興業
(1986年社名変更[1]
所在地 東京市四谷区新宿三丁目
東京都新宿区新宿3丁目5-6
コメ兵新宿店の位置)
位置 北緯35度41分30秒 東経139度42分20秒 / 北緯35.69167度 東経139.70556度 / 35.69167; 139.70556 (新宿ロマン劇場)座標: 北緯35度41分30秒 東経139度42分20秒 / 北緯35.69167度 東経139.70556度 / 35.69167; 139.70556 (新宿ロマン劇場)
最寄駅 新宿三丁目駅
特記事項 1931年 - 増改築
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新宿ロマン劇場(しんじゅくロマンげきじょう)は、かつて1971年から1989年まで、東京都新宿区新宿3丁目にあった映画館。建物は、1924年に新宿松竹館として開館したものであったが、1989年の閉館後、程なくして解体された。

ここでは、同じ施設で営業されていた前身館である新宿松竹館新宿ハリウッド新宿大映についても述べる。

歴史

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新宿松竹館

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  • 所在地は、当時の表示では四谷区新宿三丁目であった[2]
  • 1923年12月31日 - この日を「開館」とする資料がある[3]
  • 1924年12月1日 - 開業[4]。建物は、阿部美樹志の設計によるバラック建築で、客席は3階建てになっていた[5]。この時点では、帝都興行が経営していた[6]。当初は松竹の封切館であり、新築落成披露興行では、『不如帰 浪子』(1922年池田義臣監督)など3本が上映され、奏楽もおこなわれた[7]
  • 1926年 - マキノ・プロダクションの『文明の復讐』を上映し、以降、松竹以外の映画も上映する方針をとる[8]
  • この頃には「東京山の手の日本物専門代表館」と評されており、もっぱら日本映画を上映していたが[8]、映画以外の実演の興行に利用されることもあった[9]
  • 1931年6月5日 - 増改築のため興行を終了[10]
  • 1931年10月 - 6階建ての建物に増改築して再開[4]
  • 1932年 - 新宿武蔵野館の従業員ストライキに際し、同一系列であった新宿松竹館の従業員の一部もストライキに参加した[11]
  • 1943年 - 演劇の上演が行われるようになる[3]
  • 1944年9月1日 - 映画の上映をやめ、もっぱら実演をおこなう演芸場に転向した[12]
  • 1945年4月 - 軽演劇を中心とした興行に移行。
  • 終戦直後は焼夷弾で屋根に穴が空き、雨漏りする状態だったという[4]。戦後は、屋上の広告塔が撤去され、外壁も改装された[6]
  • 1946年3月 - 映画館としての興行を再開。

新宿ハリウッド

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新宿大映

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1953年頃の写真。写真右手前から2番目の建物が新宿大映である[14]

新宿ロマン劇場

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跡地

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  • 跡地には丸井が地下2階地上8階の商業ビルを建て、2004年8月まで営業していたが、その後、コメ兵が賃借し、2005年8月に買取センターを設け[24]、11月にKOMEHYO新宿店を開店した[25]。KOMEHYO新宿店は、2020年2月29日に閉店した。それから10ヶ月後の12月21日に東急不動産所有「キュープラザ新宿三丁目」として開業した[26]

建築

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1924年に開業した際の建物は、建坪180坪、鉄筋コンクリート造で[3]、3階建てになっていた客席に合わせてファサードも3階分になっていたが[5]1931年に増改築が行われて上部に塔屋が追加され、6階建ての上に、さらに、光源が仕込まれた高さが8mある円形のガラス張りの広告塔が載せられた[6]。当時、この広告塔は高田馬場あたりからも見えたといい、「山の手銀座・新宿のシンボル」と称されたという[6]

建物の内装には、大理石タイルが随所に用いられていた[6]。また、開館当時は無声映画の時代であったため、地下には弁士の控室が設けられていた[6]

脚注

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  1. ^ 沿革”. 武蔵野興業. 2018年7月20日閲覧。
  2. ^ 新宿区立新宿歴史博物館『新宿盛り場地図』(2005年)
  3. ^ a b c d 「第二章 明治から昭和戦前までの新宿区内の映画館/一 新宿東口の映画館/新宿松竹館」『キネマの楽しみ〜新宿武蔵野館の黄金時代〜』新宿歴史博物館、1992年、29-30頁。 
  4. ^ a b c d “また消える名画座の灯 東京・新宿ロマン劇場が1月に取り壊し”. 読売新聞・東京朝刊・都民. (1988年12月25日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  5. ^ a b 藤森照信初田亨藤岡洋保『失われた帝都 東京』柏書房、1991年1月10日、20-21頁。  - 撮影時期は不明だが、ここに収録されているのは増改築前の写真。
  6. ^ a b c d e f g h i j “60余年の歴史に幕 東京・新宿ロマン劇場、1月16日に閉館”. 朝日新聞・朝刊・東京. (1988年12月12日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  7. ^ “(広告)新宿松竹館 不如帰浪子 指輪 罪なき罪”. 朝日新聞・朝刊: p. 8. (1924年12月30日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  8. ^ a b “新宿松竹館は今後日活の映画も使う”. 読売新聞・朝刊. (1926年6月13日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  9. ^ 1930年には泉愛子らによるレビューが行われている。:“各館レヴユウ案内”. 読売新聞・朝刊. (1930年5月1日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  10. ^ “映画俳優署名 阪東妻三郎”. 読売新聞・朝刊. (1931年6月6日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  11. ^ “武蔵野館の従業員が突如、総罷業す S・Pへの館転貸しからクビの不安”. 読売新聞・朝刊. (1932年6月6日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  12. ^ “[広告]松竹演芸大会/新装新宿松竹館”. 読売新聞・朝刊: p. 2. (1944年8月27日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  13. ^ “[広告]映画「アンナとシヤム王」/新宿ハリウッド”. 読売新聞・朝刊: p. 2. (1948年6月21日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  14. ^ 『映画館のある風景 昭和30年代盛り場風土記・関東編』 キネマ旬報社、2010年。
  15. ^ “[広告]映画「情熱の人魚」/五反田東横 飛行館東横”. 読売新聞・朝刊: p. 3. (1948年11月23日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  16. ^ “[広告]映画「静かなる決闘」/浅草電気 新宿大映”. 読売新聞・朝刊: p. 2. (1949年3月14日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  17. ^ “[広告]映画「のど自慢狂時代」/浅草電気 新宿大映”. 読売新聞・朝刊: p. 2. (1949年3月28日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  18. ^ a b “武蔵野映画劇場、借金減らしに全力――内部固め減速経済に対応”. 日経産業新聞: p. 11. (1977年1月31日)  - 日経テレコン21にて閲覧
  19. ^ “[広告]映画「エルビスオンステージ」/新宿ロマン劇場”. 読売新聞・夕刊: p. 4. (1971年12月24日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  20. ^ 伊藤さとり [@SATORIITO] (2020年4月26日). "生まれて初めて字幕を体験したのが、今は亡き新宿ロマン劇場で上映した『シンデレラ』。". X(旧Twitter)より2021年2月11日閲覧
  21. ^ “[広告]映画「人間の証明」/日比谷映画 新宿ロマン劇場”. 読売新聞・夕刊: p. 10. (1977年10月4日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  22. ^ “[広告]映画「ルパン三世」「Mr・BOO!」/千代田劇場 新宿ロマン劇場”. 読売新聞・夕刊: p. 12. (1979年3月30日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  23. ^ 伊尾喜大祐 [@TokyoBiff] (2017年3月15日). "1987年3月14日の公開初日に、今は無き新宿ロマン劇場という映画館で「オネアミスの翼」を観た。". X(旧Twitter)より2021年2月11日閲覧
  24. ^ “コメ兵、新宿に大型店開業へ――中古ブランド品販売”. 日本経済新聞・朝刊: p. 33. (2005年4月26日)  - 日経テレコン21にて閲覧
  25. ^ “東京・新宿店が振るわず、コメ兵、単独経常益44%減、今期、従来予想を下方修正”. 日本経済新聞・朝刊・中部: p. 7. (2006年1月24日)  - 日経テレコン21にて閲覧
  26. ^ 築28年の商業ビルをリノベーション 新宿三丁目駅直結・明治通り沿いに、6番目のキュープラザが誕生 「キュープラザ 新宿三丁目」2020年12月21日(月)より順次開業

外部リンク

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