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恩馳島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
恩馳島

恩馳島付近の空中写真(1978年撮影)[1]
所在地 日本の旗 日本 東京都神津島村[2]
所在海域 太平洋
座標 北緯34度11分12秒 東経139度4分35秒 / 北緯34.18667度 東経139.07639度 / 34.18667; 139.07639座標: 北緯34度11分12秒 東経139度4分35秒 / 北緯34.18667度 東経139.07639度 / 34.18667; 139.07639
面積 0.04 km²
最高標高 60 m
恩馳島の位置(日本内)
恩馳島
     
プロジェクト 地形
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恩馳島(おんばせじま)は、伊豆諸島神津島の西にある無人島[3]。2つの大きな岩礁と、多数の小岩礁群の総称である[4]東京都神津島村に属する[2]

解説

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神津島の前浜の西南西約5.8 km に位置する[5]。遊漁船では約20分かかる距離である[6]。2つの大きな岩礁のうち、北東側の島(最高地点は60.0m[5])は「オオジマ」[注釈 1]、南西側の島(最高地点は36m[5])は「サッパン」[注釈 2]と呼ばれる[注釈 3]

周辺は潮流が速く好漁場となっている[6]。漁師が時化に遭ったときはこの島に避難して、神津島に帰郷の思いを馳せていたことからこの島の名前がついたとされる。オオジマの南面には恩馳神社が鎮座し、毎年7月の海が穏やかな日に例祭が執り行われていたが、漁業形態の変遷に伴い現在は行われていない。

恩馳島は溶岩円頂丘の名残であると考えられている[5][7]

恩馳島は黒曜石の産地として知られる[8](ほかに、神津島の砂糠崎も知られる。元素組成比などにより産出地の判別が可能である)。産出される黒曜石は石器時代、日本列島各地に大量に搬送された[8]。恩馳島の黒曜石は斑晶鉱物が少なく石器石材として良質であることから、選択的に採取されたと考えられている[9]

生物

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恩馳島は、富士箱根伊豆国立公園の特別保護地区に指定されている[10]

アシカ島の別名もあり[注釈 4]、かつてはニホンアシカの棲息地の一つであった[11]

カンムリウミスズメの生息地として知られる[12][10]。またオーストンウミツバメウミネコヒメクロウミツバメの繁殖地である[13][14]

備考

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1991年頃にフジテレビの深夜番組『1or8』でロケ地となったことがある。

脚注

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注釈

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  1. ^ あるいは「オオシマ」[3]
  2. ^ あるいは「サッパン山」[3]
  3. ^ ただし、地質調査総合センターの報告書では「サッパン島」という名称について「現在この名称は使われていないようである」とし[4]、2つの大きな岩礁について「北東岩礁」「南西岩礁」の名で記している[5]。地理学(地質学)分野の杉原重夫檀原徹の論文では「北島」「南島」が用いられている[7]。鳥類学分野の『平成26年度モニタリングサイト1000海鳥調査報告書』では両岩礁の固有名は記載されていない。
  4. ^ 東京湾に浮かぶ無人島「海獺島」とは異なる。

出典

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  1. ^ 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
  2. ^ a b 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 13 東京都』角川書店、1978年、ISBN 4040011309
  3. ^ a b c 恩馳島”. デジタル大辞泉プラス. 2022年9月3日閲覧。
  4. ^ a b 地質各説 - 恩馳島 -”. 神津島火山. 産業技術総合研究所地質調査総合センター. 2014年6月24日閲覧。
  5. ^ a b c d e 神津島周辺の地形”. 神津島火山. 産業技術総合研究所地質調査総合センター. 2014年6月24日閲覧。
  6. ^ a b 神津島全域名所・史跡ガイド”. 神津島観光協会. 2017年1月7日閲覧。
  7. ^ a b 杉原重夫・檀原徹 2008, p. 91.
  8. ^ a b 杉原重夫・檀原徹 2008, pp. 91, 96.
  9. ^ 杉原重夫・檀原徹 2008, p. 96.
  10. ^ a b 環境省自然環境局生物多様性センター 2015, p. 19.
  11. ^ 中村一恵三浦半島沿岸に生息していたニホンアシカについて」(PDF)『神奈川県立博物館研究報告. 自然科学』第22号、神奈川県立生命の星・地球博物館、1993年1月、81-89頁、CRID 1520853833567161472ISSN 045319062024年6月28日閲覧 
  12. ^ 富士箱根伊豆国立公園(三宅島を除く伊豆諸島地域)指定書及び公園計画書” (PDF). 環境省ホームページ. 2014年6月24日閲覧。
  13. ^ ヒメクロウミツバメ”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. 2022年9月3日閲覧。
  14. ^ 環境省自然環境局生物多様性センター 2015, p. 24.

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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