コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

弟子丸泰仙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
弟子丸泰仙 (オランダ, 1967)

弟子丸 泰仙(でしまる たいせん、1914年 - 1982年4月30日)は、日本曹洞宗僧侶である。

生涯

[編集]

1914年に佐賀県に生まれた。彼の母親は熱心な仏教徒であったが、彼の父親は彼にサラリーマンとして人生を送るよう望み、彼は2つの想いの間で揺れ動いた。そんな中、駒澤大学澤木興道に会い、社会の中でを実践するよう勧められた。

彼は実業家として成功し、海外経済協力事業団を設立したり、世界仏教平和運動を大谷光瑞らと共に実施したが、いずれも反対派によって失敗した。

そんな中、澤木興道の晩年に出家し、その死後、遺命によりフランスで禅を布教するを決意し、1967年シベリア鉄道経由で渡欧。レヴィ・ストロースらの思想家やパブロ・ピカソアンドレ・マルローらと交流を持ち、多くの人々が彼の教えを受けた。時の永平寺貫首山田霊林の命により、ヨーロッパ開教総監(現国際布教総監)に任命され、パリ市内に佛国禅寺(現・パリ市内13区)、ブロワ市近郊に禅道尼苑という拠点も設け、1970年にAssociation Zen Internationale(国際禅協会)を設立した[1]

1979年2月24日、国際勝共連合と自民党の国防関係国会議員が中心となり、「スパイ防止法制定促進国民会議」が設立された[2][3][4][5]。呼びかけ人は木内信胤朝比奈宗源宇野精一郷司浩平宝井馬琴三輪知雄の6人[2]。サンケイ会館で設立発起人総会が開かれ、弟子丸は発起人に名を連ねた[注 1]

フランス人の弟子約80人を引き連れて長野県佐久市貞祥寺に禅修に訪れた。墓所は同寺にある。

ヨーロッパ各国に泰西仏教第一道場(1980年)など多くの道場を建て、また多くの著書を執筆した。

弟子にはモーリス・ベジャールなどがいる。

テレビプロデューサーの弟子丸千一郎、映画評論家の西村雄一郎は息子に、建築家の魚谷繁礼は孫にあたる。

著作リスト

[編集]

和文

欧米文

  • La pratique de la concentration(Zen-Retz、1978年
  • La pratique du zen(Albin Michel、1981年)
  • Questions a un Maitre Zen(Zen-Retz、1981年)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 「スパイ防止法制定促進国民会議」の主たる発起人は以下のとおり。久保木修己松下正寿神川彦松大石義雄江木武彦瓦林潔白井浩司升本喜兵衛桶谷繁雄尾上正男井本臺吉三上英雄黛敏郎中河与一桜田武天野武一白井永二、弟子丸泰仙、安岡正篤加瀬英明松本明重村田五郎加藤陽三西村直己柏村信雄鈴木一杉田一次世界日報社社長の石井光治、中外日報社社長の本間昭之助など[2]

出典

[編集]
  1. ^ フランス語になった「禅」 ~日本の宗教は欧州でどのような活動を行っている?エクサイト・ニュース、2015年5月9日
  2. ^ a b c 茶本繁正「ファシズムの尖兵・勝共連合」 『社会主義』1979年7月号、社会主義協会、68-73頁。
  3. ^ 当団体について”. 「スパイ防止法」制定促進サイト. スパイ防止法制定促進国民会議. 2023年2月17日閲覧。
  4. ^ 専修大学社会科学研究所月報 No.273” (1986年4月20日). 2022年11月14日閲覧。
  5. ^ 深草徹. “今、再び特定秘密保護法を考える”. 2022年11月14日閲覧。

外部リンク

[編集]