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廣崎利洋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
廣崎利洋HDから転送)
ひろさき としひろ

廣崎 利洋
第75回桜花賞表彰式(2015年4月12日)
生誕 (1947-02-04) 1947年2月4日(77歳)[1]
日本の旗 日本 兵庫県西宮市[1][2]
出身校 甲南大学[1]
職業
肩書き ASK GROUP HOLDINGS 代表取締役社長
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廣崎 利洋(ひろさき としひろ、1947年2月4日[1] - )は、日本実業家馬主

経歴

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甲南大学を卒業後、イタリアへ渡りオリベッティの日本法人に入社[1]。帰国後、1973年に25歳の若さでコンサルティング会社のASK PLANNING CENTERを西宮市に創業した[1][3]。その後3年間のうちに東京都まで進出し、ビブレ天王洲アイルシーフォートスクエア)、広島のアルパーク、小倉のコレット銀座シャネル大江戸温泉物語などの都市開発に関与。ファッションビルというコンセプトを生み出したとされている[3]

その後はASK GROUP HOLDINGSの代表取締役となり、ASKグループなど数社の企業を国内で主宰している[1]

馬主活動

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廣崎の勝負服を着用した武豊
廣崎利洋HD(旧個人名義)の勝負服を着用した岩田康誠、騎乗馬レッツゴードンキ
ティーエイチの勝負服を着用した後藤浩輝、騎乗馬ネヴァブション

西宮市で小売業を営む両親のもとで育った廣崎は、学生の頃から商品の配達で阪神競馬場の厩舎に出入りしており、シンザンメイズイの時代から競馬に関心をもっていた[4]。廣崎は神戸の甲南大学へ進学し、在学中には馬術部の友人に馬に乗せてもらうこともあった[4]。廣崎はオリベッティに就職したが、馬券を買うようになってからも阪神競馬場に通っており、こうしたことから阪神競馬場の大レースである桜花賞を最大の目標にするようになった[4]

1987年豊田善一野村證券副社長)、細川益男らの紹介で馬主となった[4]。初めて所有した競走馬はアスクヒーローといい、華麗なる一族と呼ばれる牝系の祖マイリーの曾孫に当たる馬だった[4][5]。廣崎はこの馬を800万円で購入し、伊藤雄二調教師に預託した[4]。アスクヒーローは1989年の初夏、その年で最初に行なわれる札幌競馬場の2歳戦[注 1]に出走した[4]。他の出走馬の中では2億円で購買された米国産のシアトルスルー産駒であるドラゴンラリーが話題を集めていたが、アスクヒーローはこれを負かして1着となり、廣崎は馬主としての初所有馬で初出走で初勝利をあげた[4]

2015年レッツゴードンキ桜花賞を勝利し、馬主業28年目でGI初優勝[6]

現在は個人名義のほか、法人名義の「廣崎利洋HD[注 2]」の2つの名義で競走馬を所有している。個人名義の勝負服の柄は、かつては黒、白菱山形、袖黄一本輪であったが、現在は黒、白菱山形、袖赤一本輪に変更されている。法人名義の勝負服は以前の個人名義のものと同一。冠名には、社名より「アスク」を用いる。また、名前の後部に「モア」が付く場合は共同所有馬である[1]

なお、以前は「ピーアンドピー」、「ティーエイチ」の名義でも馬を走らせていたが、いずれの名義も現在は使用されていない。この名義の勝負服の柄は白、黒菱山形、黒袖黄一本輪で、冠名には「アスク」のほか、「ネヴァー」「ネヴァ」も使用されていた。上記の2つの名義における重賞勝ちは、「ティーエイチ」名義でネヴァブションで勝利したGII3勝のみとなっている[7]

主な所有馬

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GI級競走優勝馬

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重賞競走優勝馬

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その他の所有馬

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  • アスクコマンダー(2001年忘れな草賞
    • 名義:廣崎利洋→ピーアンドピー
  • アスクジュビリー(2003年若草ステークス)
    • 名義:廣崎利洋→ピーアンドピー→ティーエイチ
  • アスクデピュティ(ミュゼスルタンの母)
    • 名義:廣崎利洋

エピソード

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レッツゴードンキ
  • 所有馬レッツゴードンキの名付け親は、廣崎と親しいという実業家の安田隆夫であり、安田が創業したディスカウントストアドン・キホーテに由来するとされる[6][10]。なお、登録上の馬名の由来は『さあ進もう「ドンキホーテ」のように』[11]というものである。
  • そのレッツゴードンキが優勝した桜花賞では、廣崎は普段と異なり馬主席ではなくゴール前のフェンス沿いで観戦していた[6][12]。そのため、ゴールの瞬間には周囲にいたファンから握手攻めに遭ったという[12]

脚注

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注釈

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  1. ^ 当時の呼称では「3歳新馬戦」である。アスクヒーローが出走したのは1989年1回札幌競馬1日目の新馬戦で、中央競馬のその世代が出走する一番早い機会である。
  2. ^ 「ホールディングス」ではなく「HD」で正式に登録されている。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j 【日本ダービー われかく戦う】アスク・廣崎利洋オーナーが初ダービーに2頭で挑む 「今が一番幸せ」”. サンスポZBAT. サンケイスポーツ (2022年5月23日). 2023年2月15日閲覧。
  2. ^ レッツゴードンキの引退式が行われる”. 競馬実況web. ラジオNIKKEI (2019年12月21日). 2023年2月15日閲覧。
  3. ^ a b 特集第3部編集長インタビユー/アスクプランニングセンター社長 廣崎利洋/街づくりのオンリーワン企業となり後世に残る仕事をしていきたい”. 企業家倶楽部 (2004年2月27日). 2015年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月15日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 週刊競馬ブック2015年6月14日号、P161-163
  5. ^ 血統情報:5代血統表|アスクヒーロー”. JBISサーチ. 2023年2月16日閲覧。
  6. ^ a b c 【桜花賞】ドンキの廣崎オーナー、馬主28年目初GI”. サンスポZBAT. サンケイスポーツ (2015年4月13日). 2023年2月16日閲覧。
  7. ^ 重賞勝鞍 株式会社 ティーエイチ”. ウマニティ. 2023年2月16日閲覧。
  8. ^ プリティーチャンス”. www.jbis.or.jp. JBISサーチ. 2022年10月6日閲覧。
  9. ^ アスクワンタイム”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年9月3日閲覧。
  10. ^ 【桜花賞】ドンキの廣崎オーナー、馬主28年目初GI”. サンスポZBAT. サンケイスポーツ (2015年4月13日). 2023年2月16日閲覧。
  11. ^ レッツゴードンキ”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2023年2月16日閲覧。
  12. ^ a b 【桜花賞】ドンキ馬主・廣崎氏 予感めいた“28年目”の悲願”. スポニチアネックス. スポーツニッポン (2015年4月13日). 2023年2月16日閲覧。

参考文献

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  • 週刊競馬ブック』2015年6月14日号 P161-163「藤村和彦のオーナーインタビュー・桜花賞、ヴィクトリアマイル優勝の廣崎利洋氏」