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平成15年台風第14号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
台風第14号(Maemi・マエミー)
カテゴリー5の スーパー・タイフーンSSHWS
台風14号(2003年9月10日)
台風14号(2003年9月10日)
発生期間 2003年9月6日 15:00
9月14日 6:00
寿命 7日15時間
最低気圧 910 hPa
最大風速
(日気象庁解析)
55 m/s (105 knot)
最大風速
米海軍解析)
150 knot
被害総額
死傷者数 日本国内で死者3名・負傷者110名、韓国で死者・行方不明者127人
被害地域 宮古島沖縄県)、大韓民国
プロジェクト : 気象と気候災害
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平成15年台風第14号(へいせい15ねんたいふうだい14ごう、アジア名:マエミー/Maemi[1])は、2003年9月に発生し、南西諸島や韓国などに大きな被害をもたらした台風である。

概要

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進路図 進路図
進路図

2003年9月6日15時、マリアナ諸島近海で台風14号が発生し、アジア名「マエミー(Maemi)」と命名された[2]。なお、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はこの台風について、フィリピン名「ポギー(Pogi)」と命名している。台風は勢力を強めながら北西へ進み、10日21時には、沖縄県宮古島の南東海上で、中心付近の最大風速55 m/s の「猛烈な台風」となった。さらに11日3時には、中心気圧が910 hPaにまで低下して最盛期を迎えた。台風は時速10kmの速度で北西に進み、11日5時前に宮古島を通過。その後は東シナ海に進み、韓国済州島に接近後、朝鮮半島に上陸し慶尚南道慶尚北道を縦断。そして、日本海を通過し、13日には北海道に接近。14日の朝には温帯低気圧に変わった[3]

なお、この台風のアジア名「マエミー」はこの台風限りで使用中止となり、次順からは「ムジゲ(Mujigae)」というアジア名が使用されることになったが、このアジア名も2015年の台風22号限りで引退となったため、最終的には「スリゲ(Surigae)」というアジア名が使用されることになった。

記録

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宮古島地方気象台によると、宮古島が台風の眼に入る前の午前3時12分ごろ、最大瞬間風速74.1m/s(当地で歴代3位)を記録した。最低海面最低気圧も912.0 hPa(国内で歴代4位・当地で歴代2位)を記録した。なお、航空自衛隊宮古島分屯基地では参考記録ながら、第2宮古島台風の最大瞬間風速を超える86.6m/sが観測された[4]。さらに、韓国済州島でも、韓国での歴代1位となる最大瞬間風速60m/sを観測した。


最大瞬間風速
順位 名称 国際名 最大
瞬間
風速
(m/s)
風向 観測年月日 観測地点
1 第2宮古島台風
(昭和41年台風第18号)
Cora 85.3 北東 1966年昭和41年)9月5日 宮古島
沖縄・気象官署)
2 第2室戸台風
(昭和36年台風第18号)
Nancy 84.5 西南西 1961年(昭和36年)9月16日 室戸岬
高知・気象官署)
3 平成27年台風第21号 Dujuan 81.1 南東 2015年(平成27年)9月28日 与那国島
沖縄・気象官署)
4 第3宮古島台風
(昭和43年台風第16号)
Della 79.8 北東 1968年(昭和43年)9月22日 宮古島
(沖縄・気象官署)
5 昭和45年台風第9号 Wilda 78.9 東南東 1970年(昭和45年)8月13日 名瀬
鹿児島・気象官署)
6 昭和40年台風第23号 Shirley 77.1 西南西 1965年(昭和40年)9月10日 室戸岬
(高知・気象官署)
7 枕崎台風
(昭和20年台風第16号)
Ida 75.5 南南東 1945年(昭和20年)9月17日 細島
宮崎・燈台)
8 平成15年台風第14号 Maemi 74.1 2003年平成15年)9月11日 宮古島
(沖縄・気象官署)
9 昭和31年台風第12号 Emma 73.6 1956年(昭和31年)9月8日 那覇
(沖縄・気象官署)
10 昭和39年台風第20号 Wilda > 72.3 西 1964年(昭和39年)9月25日 宇和島
愛媛・気象官署)
陸上(気象官署)における中心気圧が低い台風
順位 名称 国際名 中心気圧(hPa 観測年月日 観測地点
1 沖永良部台風
(昭和52年台風第9号)
Babe 907.3 1977年昭和52年)9月9日 沖永良部鹿児島
2 宮古島台風
(昭和34年台風第14号)
Sarah 908.1 1959年(昭和34年)9月15日 宮古島沖縄
3 室戸台風 - 911.6 1934年(昭和9年)9月21日 室戸岬高知
4 平成15年台風第14号 Maemi 912.0 2003年平成15年)9月11日 宮古島(沖縄)
5 枕崎台風
(昭和20年台風第16号)
Ida 916.1 1945年(昭和20年)9月17日 枕崎(鹿児島)
6 第2室戸台風
(昭和36年台風第18号)
Nancy 918.0 1961年(昭和36年)9月15日 名瀬(鹿児島)
7 昭和5年8月の台風
(名称なし)
- 922.0 1930年(昭和5年)8月9日 南大東島(沖縄)
8 昭和38年台風第14号 Gloria 923.5 1963年(昭和38年)9月10日 石垣島(沖縄)
9 平成18年台風第13号 Shanshan 923.8 2006年(平成18年)9月16日 西表島(沖縄)
10 平成16年台風第18号 Songda 924.4 2004年(平成16年)9月5日 名護(沖縄)

被害

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台風により難破した船

日本でのこの台風による死傷者は113名(死者3名、負傷者110名)にのぼった。また住宅の被害は、全壊18棟、半壊87棟、一部損壊1,437棟、床上浸水72棟、床下浸水303棟となっている。

韓国では死者・行方不明者が100名を超え、被害総額が1兆5千億ウォンを超える大惨事となった。 特に済州島と南部の沿岸部が打撃を受け、釜山港ではコンテナを運ぶガントリークレーンが数十基横倒しになり、釜山アジアード競技場の屋根にも穴が開いた。 済州で観測された最大瞬間風速秒速60.0mは、2020年8月現在もなお、韓国国内の最高記録となっている[5]

脚注

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  1. ^ 命名国:北朝鮮 意味:
  2. ^ 平成15年の台風について”. 2009年9月15日閲覧。
  3. ^ 台風第14号 平成15年(2003年) 9月10日~9月14日”. www.data.jma.go.jp. 2020年4月28日閲覧。
  4. ^ 台風14号による宮古島の台風被害について - 琉球大学工学部
  5. ^ 台風8号が韓国済州に接近…激しい風雨”. 中央日報 (2020年8月26日). 2020年8月26日閲覧。

外部リンク

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