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左うでの夢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『左うでの夢』
坂本龍一スタジオ・アルバム
リリース
録音 1981年7月 - 8月
Studio "A", Tokyo
ジャンル テクノポップ
レーベル アルファレコード
プロデュース 坂本龍一
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 20位(オリコン、LPチャート)[1]
  • 坂本龍一 アルバム 年表
    B-2ユニット
    1980年
    左うでの夢
    (1981年)
    東京ジョー
    1982年
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    左うでの夢』(LEFT HANDED DREAM)は、坂本龍一3作目のオリジナルアルバム。1981年10月5日にリリース。

    解説

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    はうまさじゃなく声色、ヘタでも自己表現としては音楽の中で最高のもの」ということで、坂本のヴォーカルが大々的にフィーチャーされている(10曲中6曲がヴォーカル曲)。

    1、2作目と比較するとシンプルなメロディー・構成の曲が増え、和音によるバッキングやカデンツ(終止形)を避けるなど、西洋音楽のボキャブラリーからの脱却がモチーフになっている。またファンク的なリズムを意識的に避けること、「祭りの音楽」がコンセプトとしてあった。

    共同プロデューサーにロビン・スコットが名を連ねているが、後に、このアルバムの数曲を基にロビン主導の12インチ・シングル『アレンジメント』が作られている。

    制作にはキング・クリムゾンエイドリアン・ブリュー高橋幸宏細野晴臣仙波清彦などが参加した。

    発売当時のレコードには、糸井重里の手による「スナオ・サカモト①」のコピーが付けられていた。タイトルについては、当初ロビン・スコットが「同盟」というタイトルを提案したが却下、矢野顕子が「左うでの夢」を提案したところ、それが採用された(坂本は左利き)。

    1992年、93年にCD化された際にはMIDIレーベルから再発された。

    収録曲

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    全作曲:坂本龍一(特記以外)

    1. ぼくのかけら
      ゆったりとした3/4拍子のリズムに乗り、何本ものシンプルなメロディーが複雑に絡み合っていく。後にダンスリーとの共演アルバム『the End of Asia』で再演されている。
    2. サルとユキとゴミのこども
      • 作詞:糸井重里
      三線(サンシン)を模したようなチープな音色のシンセ・リフとシンプルなメロディー、朴訥とした歌詞が特徴。ベースは坂本が弾いていると思われる。
    3. かちゃくちゃねぇ
      「かちゃくちゃねぇ」はごちゃごちゃしていていらいらする様子という意味の津軽弁。ひたすらシンプルな沖縄風のメロディーを繰り返すが、2分24秒あたりからリズムが激しくなり動きが出てくる。また、ディレイ(エコー)がリズムにもメロディーにも効果的に使われている。エフェクトされたヴァイオリンをEP-4の佐藤薫が演奏している。
    4. The Garden Of Poppies
      ダイナミクスがつけられたパーカッションのリズムと繰り返されるシンセベースの上で、エイドリアン・ブリューのギターが咆哮する。ドラムは坂本が叩いていると思われる(アルバムレコーディング中に撮影された写真として、坂本・エイドリアンらが3人で1台のドラムセットを叩く場面が残っている)。
    5. Relâche
      • 作曲:坂本龍一、ロビン・スコット、エイドリアン・ブリュー
      前曲に続きシンプルなリフが主体の曲。この曲でも、エイドリアン・ブリューのアニマル・ギターが活躍。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え「JUST ABOUT ENOUGH」のタイトルで12インチ・シングル『アレンジメント』に収録。
    6. Tell'em To Me
      • 作詞:矢野顕子
      6/8拍子。マリンバのアンサンブルと坂本のヴォーカルによる暗いハーモニーがメインになっている。中間部では、ブリューのフリーキーなギターソロがフィーチャーされている。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え「ONCE IN A LIFETIME」のタイトルで12インチ・シングル『アレンジメント』に収録。
    7. Living In The Dark
      ムーンライダーズのかしぶち哲郎が作詞を担当。
    8. Slat Dance
      隙間の多い、たゆたう様な3拍子のリズムとSEのみが前半は続く。後半から現れる完全4度のハモリのメロディーが3回繰り返され、和音は解決しないままに曲を閉じる。
    9. Venezia
      • 作詞:かしぶち哲郎
      この曲もかしぶち哲郎が作詞。息の長いシンプルなメロディーが、従える和音の色彩を変えながら何度も何度も繰り返される。サックスの音が効果音的に使われている。冒頭からバックで聴こえる16分音符のシーケンスは、レコーディング中にトラック上よりシーケンサーとシンクロする為の情報が何故か消失した為、坂本が手弾きを行なった物。後に、ロビン・スコットのヴォーカルを加え「THE LEFT BANK」のタイトルで12インチ・シングル『アレンジメント』に収録。
    10. サルの家
      リズムボックスのビートに乗って、サルが戯れる。ミキサー卓上のスイッチングで曲が構成されている。

    脚注

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    1. ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、149頁。ISBN 4871310256

    外部リンク

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