屋山太郎
ややま たろう 屋山 太郎 | |
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生誕 |
1932年6月4日 日本 福岡県福岡市 |
死没 |
2024年4月9日(91歳没) 日本 神奈川県横浜市 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 東北大学文学部仏文科 |
職業 | 政治評論家 |
受賞 | 第17回正論大賞(2001年) |
屋山 太郎(ややま たろう、1932年〈昭和7年〉6月4日 - 2024年〈令和6年〉4月9日)は、日本の政治評論家。コラムニスト。公益財団法人社会貢献支援財団理事、公益財団法人日本財団評議員[1]、一般社団法人日本戦略研究フォーラム会長、国家基本問題研究所理事[2]。
略歴
[編集]福岡県福岡市生まれ。父は鹿児島市の出身で、終戦の時期には鹿児島市で過ごす。東京都立青山高等学校、東北大学文学部仏文科卒業。学生時代は剣道部に所属していた。
1959年時事通信社入社。ローマ特派員、首相官邸キャップ、ジュネーヴ特派員、編集委員兼解説委員を歴任し、1987年退社。
1981年第2次臨時行政調査会(土光臨調)に参画、以後、第1次~第3次行政改革推進審議会専門委員、選挙制度審議会委員、臨時教育審議会専門委員を務めた。『文藝春秋』『正論』の常連寄稿者で、2001年に第17回正論大賞を受賞。
2006年6月に「新しい歴史教科書をつくる会」から、八木秀次が袂を分って設立した「日本教育再生機構」に参加。中西輝政らと共に代表発起人を務める。同機構系「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会」(通称・教科書改善の会)代表世話人。
同年12月18日、櫻井よしこが中心となり、シンクタンク「国家基本問題研究所」が設立された[3][4]。「日本文明の叡知を現在に活かし、日本の大戦略を提言」することが目的として掲げられた[5]。屋山は同団体の理事に就任した[2]。
2012年9月5日、屋山、三宅久之、すぎやまこういちなど保守系の著名人28人は、同年9月の自由民主党総裁選挙に向けて、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」を発足させた[6][注 1]。同日、同団体は安倍晋三の事務所に赴き、出馬要請をした[17][8]。9月26日、総裁選が実施され、安倍が当選した。
2014年10月1日、日本会議の主導の下、憲法改正を目指す団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の設立総会が永田町の憲政記念館で開かれた[18][19]。屋山は田中恆清や長谷川三千子、千玄室らとともに代表発起人に名を連ねた[20]。
2024年4月9日午後10時40分、横浜市の自宅で肺気腫のため死去。91歳没[21]。
役職
[編集]主張
[編集]- 小泉純一郎に対し、なぜ小選挙区がいいのかを説得し続けたと「それでも日本を救うのは安倍政権しかない」に記している。
- 2007年6月14日付けのワシントン・ポストに、慰安婦「性奴隷説」はまったくの事実誤認だとし、米下院121号決議の完全撤回を求める意見広告「THE FACTS」をジャーナリストの櫻井よしこや作曲家のすぎやまこういち、平沼赳夫らと共に発表。これは「歴史事実委員会」名義で出された。
- 2008年から2009年の麻生政権時代は、『WiLL』や『諸君!』などの誌上で官僚に融和的な麻生首相を非難し、民主党擁護の文章を発表していたこともあった。
- 「親中・親韓の政治家は保守とは言えないし、そのような政治家がまだいる自民党も保守にはなり切れていない」と主張する[23]。特に親中派や族議員が多い旧田中派・旧竹下派の流れを汲む者に対しては批判的な主張が多かった。
- 農業自由化の観点から、日本のTPPへの参加に賛成の立場である[24]。
虚偽報道
[編集]2019年に2回、静岡新聞コラム「論壇」にて、以下の通り、個人を特定しての虚偽報道を行い、いずれも静岡新聞が謝罪・訂正を行った。
- 2月6日の同コラムにて、『ギクシャクし続ける日韓関係』と題し、「徴用工に賠償金を払えということになっているが、この訴訟を日本で取り上げさせたのは福島瑞穂議員。日本では敗訴したが韓国では勝った。福島氏は実妹が北朝鮮に生存している。政争の具に使うのは反則だ」と書いた。福島から抗議申し入れを受けた静岡新聞は、いずれも事実に反していたことを認め、2月9日付朝刊で訂正・謝罪記事を掲載をした[25]。3月6日、福島は屋山のコラムで虚偽を書かれ、名誉を傷つけられたとして、屋山に330万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した[26]。11月29日、屋山に対し請求全額認容の賠償命令がくだされた[27][28]。
この判決に対して屋山は控訴せず、330万円の賠償を命じた地裁判決は確定した。
- 9月25日の同コラムにて、『旭日旗をやめろとは何事か』と題し、BS-TBSの政治番組を見てタレントのパックンの発言に怒りを覚えたとした上で「パックンの認識は『日本はホロコーストをやったドイツと同等。したがって相手が嫌がっている旭日旗の持ち込みを禁止すべきだ』」と書いた。しかし実際の番組で、パックンは日本とドイツを比較した発言はしておらず、またそのような認識と受け取られる発言すらしていなかったため、静岡新聞は、コラム内容が間違っていたと認め、10月23日付朝刊で訂正・謝罪記事を掲載し、同コラムが転載されていたBLOGOSも同様の対応を行った[29]。
著書
[編集]連載
[編集]- 月刊WiLL 「常識のためのサプリ」連載中
単著
[編集]- 『ぶったたく!日本の病根』太陽企画出版〈Sun business. 日本の進路シリーズ〉、1982年7月15日。NDLJP:12239731。
- 『日本再建への決断 ―行革に挑戦する明治の男たち 組織活性化のプロに学ぶ―』日本文芸社、1983年5月10日。NDLJP:11940304。
- 『日本の政治はどう変わったか ―戦後総決算の意味するもの―』PHP研究所、1987年3月4日。NDLJP:11926366。
- 『国鉄に何を学ぶか ―巨大組織腐敗の法則―』文藝春秋、1987年4月1日。NDLJP:12065285。
- 『コメ自由化革命 ―これで生き返る日本農業―』(新潮社、1989年)
- 『世直し「減税革命」』(新潮社、1992年)
- 『官僚亡国論』(新潮社、1993年)
- 『責任者、出てこい ―日本をダメにする34の非常識―』(PHP研究所、1996年)
- 『怒れ! 日本人 ―「デタラメお上」にぶつける21の公憤―』(PHP研究所、1998年)
- 『私の喧嘩作法』(新潮社、2000年 / 扶桑社文庫、2005年)
- 『屋山太郎のやさしい政治塾 ―日本の政官システムの革新―』(海竜社、2002年)
- 『抵抗勢力は誰か--改革を阻む“亡国の徒”リスト』(PHP研究所、2002年)
- 『自民党「橋本派」の大罪』(扶桑社, 2003年 / 扶桑社文庫、2004年)
- 『道路公団民営化の内幕 ―なぜ改革は失敗したのか―』(PHP新書、2004年)
- 『なぜ中韓になめられるのか』(扶桑社、2005年)
- 『小泉純一郎宰相論 ―日本再生への道筋をつけた男―』(海竜社、2005年)
- 『それでも日本を救うのは安倍政権しかない』(PHP研究所、2014年)
- 『安倍晋三興国論』(海竜社、2015年)
- 『安倍外交で日本は強くなる』(海竜社、2016年)
共著
[編集]- (長谷川慶太郎)『日本の進路を問う』(講談社、1993年)
- (渡部昇一)『父は子に何ができるか ―われらが体験的教育論―』(PHP研究所、2001年)
- (渡部昇一・八木秀次)『日本を蝕む人々 ―平成の国賊を名指しで糺す―』(PHP研究所、2005年)
- (岡崎久彦)『靖国問題と中国』(海竜社、2006年)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発足時(2012年9月5日)の発起人は以下の28人。三宅久之(代表発起人)、長谷川三千子、金美齢、津川雅彦、板垣正、鳥居泰彦、大原康男、中西輝政、岡崎久彦、西鋭夫、小田村四郎、加瀬英明、百田尚樹、日下公人、平川祐弘、小林正、小堀桂一郎、福田逸、佐々淳行、すぎやまこういち、百地章、石平、渡部昇一、竹本忠雄、山本學、田母神俊雄、屋山太郎、奥田瑛二[7][8]。ほどなく奥田が抜け、丹羽春喜、福井雄三、藤岡信勝、西岡力、上念司、勝間和代、潮匡人、倉山満、三橋貴明、島田洋一の10人が加わり、最終的に計37人となった[9]。日本会議および同関連団体の役員・幹部が多く名を連ね、その数は37人中17人に及んだ。内訳は以下のとおり。日本会議:長谷川、板垣、大原、小田村、加瀬、小堀、百地、竹本、丹羽[10][11][12][13]。日本会議関連団体:中西、岡崎、佐々、津川、渡部、平川、小林、屋山[14][15][16]。
出典
[編集]- ^ 日本財団について>評議員。
- ^ a b “役員紹介”. 公益財団法人国家基本問題研究所. 2024年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月4日閲覧。
- ^ “主催/日本会議神奈川湘南西支部 予約制 櫻井氏招き講演会 「憲法改正」テーマに6月28日”. タウンニュース (2018年6月14日). 2024年2月4日閲覧。
- ^ “活動内容”. 公益財団法人国家基本問題研究所. 2024年2月4日閲覧。
- ^ “研究所概要”. 公益財団法人国家基本問題研究所. 2024年2月4日閲覧。
- ^ “創誠天志塾 Facebook 2012年9月6日”. 2022年12月31日閲覧。
- ^ “安倍晋三総理大臣を求める民間人有志による緊急声明(一部抜粋)”. 城内 実(きうちみのる) オフィシャルサイト. 2023年1月1日閲覧。
- ^ a b “安倍晋三総理大臣を求める民間人有志による緊急声明”. 金美齢ホームページ (2012年9月10日). 2023年1月1日閲覧。
- ^ “発起人一覧”. 安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会. 2022年6月3日閲覧。
- ^ “役員名簿(平成23年4月15日現在)”. 日本会議. 2012年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月10日閲覧。
- ^ “設立10周年大会”. 日本会議. 2021年1月16日閲覧。
- ^ “日本人の伝統取り戻す 日本会議政策委員の百地章・日大教授”. 日本経済新聞 (2016年10月9日). 2024年1月30日閲覧。
- ^ “『日本の息吹』創刊200号(2014年7月号)”. 日本会議. 2024年2月7日閲覧。
- ^ “役員一覧(平成24年3月31日現在)”. 民間憲法臨調. 2014年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月25日閲覧。
- ^ “役員名簿”. 皇室の伝統を守る国民の会. 2023年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月12日閲覧。
- ^ “要望書(2004年10月29日)”. 民間教育臨調. 2006年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
- ^ 渡辺哲哉、神田知子「民主党最後の切り札 細野豪志を代表選から引きずり降ろした黒幕の名前」 『週刊朝日』2012年9月21日、18頁。
- ^ “いよいよ「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が設立”. 日本会議大阪 (2014年10月2日). 2024年1月12日閲覧。
- ^ “「責任持つ政治家か」 桜井よしこ氏が首相批判 改憲求める集会で”. 朝日新聞 (2023年11月27日). 2024年1月12日閲覧。
- ^ “役員名簿(平成26年9月27日現在)”. 憲法改正を実現する1,000万人ネットワーク | 美しい日本の憲法をつくる国民の会. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月30日閲覧。
- ^ “屋山太郎氏が死去、91歳 保守系論客、行革で助言:時事ドットコム”. 時事ドットコム (2024年4月18日). 2024年4月18日閲覧。
- ^ “評議員、役員等”. 日本国際フォーラム. 2014年2月25日閲覧。
- ^ 屋山太郎氏「親中・親韓派がいる政党は保守政党ではない」1/22/2 SAPIO2017年8月15日号
- ^ 屋山太郎 (2011年10月24日). “農協の圧力はねつけTPPに参加せよ”. 国家基本問題研究所. 2011年11月1日閲覧。
- ^ 福島瑞穂氏めぐり静岡新聞が訂正・謝罪 コラムで「実妹が北朝鮮に生存」→「事実でなかった」 ジェイ・キャスト2019年2月15日
- ^ 社民・福島氏が屋山太郎氏提訴 「コラムで名誉毀損」 毎日新聞 (2019年3月6日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ 社民・福島氏への名誉毀損で評論家に賠償命令 東京地裁 朝日新聞2019年11月29日
- ^ “屋山太郎氏「福島瑞穂氏の妹が北朝鮮に」→妹は実在せず、名誉毀損で賠償命令”. 弁護士ドットコム. 2019年12月1日閲覧。
- ^ ハブ・マーシー (2019年10月23日). “パックンの発言に関する誤った記事につきまして”. ハブ・マーシー. 2020年5月25日閲覧。