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日本教育再生機構

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本教育再生機構
団体種類 一般財団法人
設立 2006年10月22日[1]
所在地 日本の旗 日本東京都
渋谷区渋谷2丁目5番12号
青山アジアマンション103号[2]
北緯35度39分35秒 東経139度42分30秒 / 北緯35.65972度 東経139.70833度 / 35.65972; 139.70833座標: 北緯35度39分35秒 東経139度42分30秒 / 北緯35.65972度 東経139.70833度 / 35.65972; 139.70833
法人番号 1010505001747 ウィキデータを編集
主要人物

理事長 八木秀次[2]
副理事長 石井昌浩[2]
副理事長 川上和久[2]

常務理事 野田数[2][3]
活動内容

「教育再生 民間タウンミーティング」の全国開催[2]
各種教科書および教材の研究・開発[2]
委託研究・シンクタンク事業[2]

月刊広報誌『教育再生』の刊行[2]
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一般財団法人日本教育再生機構は、内閣府直属の「教育再生会議」を民間の立場から後押しするため設立された団体[4]。2006年10月22日発足[1]教科書採択においては育鵬社発行の教科用図書を勧めている[5]

沿革・概要

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法学者の八木秀次は2004年9月より「新しい歴史教科書をつくる会」(略称:つくる会)の会長を務めていたが、内紛により、2006年2月28日に会長職を解任された。いったん副会長に復帰するも同年4月30日、会長の種子島経と副会長八木は揃って辞任。同時に、内田智、勝岡寛次新田均松浦光修の4理事も辞任し、会を離れた[6]。5月22日には中西輝政が理事を辞任した。

2006年5月24日、安倍晋三は講演で「官房長官の職責をしっかりと務めていくことによって、おのずと道が決まってくる」と述べ、同年9月に実施予定の自民党総裁選挙出馬への意欲を示した[7]。同年春から6月にかけて、八木は伊藤哲夫西岡力島田洋一、中西輝政らと会合を重ね、彼らはいつしか「五人組」と称されるようになった。安倍のブレーンとして様々な提言を行った[8]。同年6月末、「つくる会」脱会者が集い、「新『つくる会』」を発足させようとする動きが展開される[9]

2006年9月20日、自民党総裁選で安倍が当選。9月26日、第1次安倍内閣が発足。同年10月10日、政府は閣議決定により「教育再生会議」を設置。八木、伊藤隆、種子島経、内田智、勝岡寛次、新田均、松浦光修、中西輝政は安倍晋三首相が掲げる教育改革を民間の立場から後押しするため、「日本教育再生機構」準備室をつくり、八木は準備室の代表発起人となった[9]。日本教育再生機構は10月22日に設立された[1][4][10]、八木は初代理事長に就任した。

日本教育再生機構の複数の顧問が日本会議の幹部である[11][12]。同団体のフロント組織として、育鵬社版の教科書採択のための働きかけを各方面に行っている[13][14]

2009年6月、一般財団法人に移行した[10]

2012年2月26日、地方組織「日本教育再生機構大阪」が大阪市立こども文化センターでシンポジウムを開催[15]。理事長の八木が進行役となり、安倍と大阪府知事松井一郎が対談した。安倍は「首長が教育について強い信念を持っていれば、その信念に基づいて教育委員を替えていくくんです。たとえば、あの横浜で育鵬社の教科書が採択されるのは驚きなわけです。相当な決意をもって、教育委員を、自分たちで決めようという強い意志を持った人に替えていった結果なんです」と述べた[16]。安倍と松井は、これを機に会合を重ねていったことから、日本教育再生機構は両名を結びつける役割を果たしたとされる[17][5]

2014年6月2日、「教育再生首長会議」が発足。同団体は日本教育再生機構に事務局を委託し、委託費として年間約400万円を支払っている。思想を同じゅうする首長らの任意団体であるにもかかわらず、委託費は自治体の公費でまかなわれている[14][18]

関係図

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  • 新しい歴史教科書をつくる会(1996年発足)。教科書出版社は扶桑社、のち 自由社

   ↓2006年分裂

  • 日本教育再生機構、教科書改善の会(2007年発足)。教科書出版社は育鵬社(扶桑社の子会社)。

脚注

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  1. ^ a b c 『毎日新聞』2006年10月5日付東京朝刊、内政面、5面、「日本教育再生機構 22日にタウンミーティング」。
  2. ^ a b c d e f g h i 日本教育再生機構とは 日本教育再生機構公式ウェブサイト
  3. ^ 常務理事は、2017年3月9日時点で公式ウェブサイトに掲載されていた(日本教育再生機構とは2017年3月9日 14:16:37 UTC)が、2017年3月17日現在、削除されている。
  4. ^ a b 竹内洋一、山川剛史「こちら特捜部 『安倍氏』ブレーンどんな人?(下) ベストセラー『美しい国へ』 自立日本 思想くっきり」 『東京新聞』2006年9月9日付朝刊、特報2面、25頁。
  5. ^ a b “森友問題の原点 安倍・松井・籠池を結びつけた団体の正体”. 日刊ゲンダイ. (2017年3月10日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201072/2 2017年3月17日閲覧。 
  6. ^ 種子島会長・八木副会長辞任に至る議論の経過”. 新しい歴史教科書をつくる会 (2006年5月2日). 2007年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月23日閲覧。
  7. ^ 山村敬一 (2006年7月22日). “福田氏が不出馬、安倍氏優位、自民総裁選-麻生、谷垣氏らの対応焦点”. ブルームバーグ. 2022年10月28日閲覧。
  8. ^ 竹内洋一、山川剛史「こちら特捜部 『安倍氏』ブレーンどんな人?(上) 靖国、拉致、教育問題...思いっ切り保守5人組」 『東京新聞』2006年9月9日付朝刊、特報1面、24頁。
  9. ^ a b 貝裕珍. “「新しい歴史教科書をつくる会」のExit, Voice, Loyalty” (PDF). 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部. 2022年6月13日閲覧。
  10. ^ a b 基本データ”. 一般財団法人日本教育再生機構. 2022年6月13日閲覧。
  11. ^ 週刊金曜日編集部 (2015年8月9日). “正念場を迎えた「戦争賛美本」との闘い”. 週刊金曜日. http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=5408 2017年3月9日閲覧。 
  12. ^ “(日本会議をたどって2:4)なぜ神奈川で強いのか”. 朝日新聞. (2016年12月5日). http://www.asahi.com/articles/DA3S12692265.html 2017年3月9日閲覧。 
  13. ^ 斉加 2019, p. 31.
  14. ^ a b “育鵬社推進団体に公費 教育再生首長会議、事務委託 宮古・石垣市長も支出”. 琉球新報. (2018年7月20日). https://ryukyushimpo.jp/news/entry-765167.html 2022年6月23日閲覧。 
  15. ^ 金盛隆一「安倍元首相らと教育条例案討論 松井・大阪府知事【大阪】」 『朝日新聞』2012年2月27日付朝刊、2社会、38面。
  16. ^ 斉加 2019, pp. 39–40.
  17. ^ 八木秀次 (2017年3月14日). “【突破する日本】「森友学園」問題での倒閣運動は無理筋 度が過ぎる「同じ穴のムジナ」現象 (2/2ページ)”. 夕刊フジ. https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170314/dms1703141700015-n2.htm 2017年3月17日閲覧。 
  18. ^ “育鵬社支援団体に自治体の公費 1千2百万円、教育再生首長会議を経由”. 沖縄タイムス. (2018年7月15日). http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/283704 2018年7月16日閲覧。 

参考文献

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  • 俵義文『戦後教科書運動史』平凡社平凡社新書〉、2020年12月17日。ISBN 978-4582859638 
  • 斉加尚代『教育と愛国―誰が教室を窒息させるのか』岩波書店、2019年5月30日。ISBN 978-4000613439 

関連項目

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外部リンク

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