大黒町 (横浜市)
大黒町 | |
---|---|
町丁 | |
東京電力横浜火力発電所 | |
北緯35度28分45秒 東経139度40分24秒 / 北緯35.479178度 東経139.673394度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 神奈川 |
市町村 | 横浜市 |
行政区 | 鶴見区 |
面積([1]) | |
2.155 km² | |
設置日 | 1937年(昭和12年)3月12日 |
郵便番号 | 230-0053[2] |
市外局番 | 045(横浜MA)[3] |
ナンバープレート | 横浜 |
※人口は非公表の為、秘匿にしています。 | |
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大黒町(だいこくちょう)は、神奈川県横浜市鶴見区の町名[4]。住居表示実施済であるが、丁目は設けられていない[5]。
地理と交通
[編集]鶴見区南部の、河川と運河に囲まれた埋立地に位置する。面積は2.155km²[6]。全域が工業専用地域に指定されており[7]、工場や倉庫が立ち並び、人口はごくわずかである[8] 。北は大黒運河を挟み生麦、東は鶴見川を挟み末広町、南は大黒埠頭、西は神奈川区宝町に隣り合う。このうち、生麦との間は大黒橋および大黒高架橋、宝町には神奈川産業道路の寿老橋、大黒埠頭には大黒大橋で結ばれているが、末広町との間には橋は掛かっていない。南北に首都高速神奈川5号大黒線の高架橋が通るが、町内には出入口は設けられていない。町内に旅客営業を行う鉄道路線はなく、1934年から貨物専用の新興駅が開設され、当地にある工場の原料や製品の輸送を行っていたが、2010年に廃止されている。町内を運行する路線バスはいずれも横浜市営バスで、鶴見駅前と大黒埠頭方面を結ぶ17系統、生麦と新子安駅を結ぶ19系統、平日朝夕を中心に鶴見駅前・生麦と横浜さとうのふるさとを結ぶ181系統が運行されている[9]。
歴史と進出企業
[編集]横浜港の発展と工業地帯の拡大を目的として、神奈川県により[10]1928年(昭和3年)から生麦地先205万m2の埋立事業が着手、1936年に完成をみた。1937年3月12日にこのうち122万m2に大黒町が新設され、他は神奈川区宝町・恵比須町の町域となる。町名は、縁起をかつぎ七福神の一つの大黒天から採られた[11]。1926年、大黒町地先に大阪セメント(現在の住友大阪セメント)が横浜工場を建設。1934年に東京硫酸株式会社創立(1939年より、保土谷化学工業鶴見工場)。同年に、貨物専用の高島線に新興駅が開業している。1935年、宝製油(1944年に味の素製油に改称、現在のJ-オイルミルズ)横浜工場開設。1936年、昭和産業鶴見工場開設。1937年には辰巳倉庫が営業所を開設した。1939年には日東化学工業(現在の三菱ケミカル)横浜工場と日産自動車鶴見工場(現在の横浜工場第3地区)[12]、ニチアス鶴見工場[13]が進出したが、第二次世界大戦中の1945年には各工場は空襲で甚大な被害を受けた。戦後も工場用地の需要は旺盛で、1947年には大黒倉庫、1950年には丸善石油(現在のコスモ石油)横浜油槽所、1952年には亜細亜石油(新亜細亜石油を経て、現在のコスモ石油)横浜工場が進出[12]。横浜市は1955年より大黒町地先の埋立に着手。1958年からは大洋漁業(現在のマルハニチロ)の母船基地用地の埋め立てが追加され、すべて完成したのは1961年である。埋立には浚渫土や残土のほか、京浜工業地帯で発生したスラグも使われた[14]。新亜細亜石油、日東化学工業、東京電力横浜火力発電所、大洋漁業が進出した[10]。同年には、大黒町北部に横浜市中央卸売市場食肉市場も開場した[15]。
大洋漁業跡地には、1965年5月に大東通商横浜油槽所(2003年に大東タンクターミナルに事業譲渡)[16]、 1966年3月には塩水港精糖横浜工場、1996年7月には横浜液化ガスターミナルが竣工[17]。塩水港精糖横浜工場には1997年から2004年まで、見学施設「横浜・さとうのふるさと館」が開設されていた。1966年11月から2004年までは、同社の本社も置かれていた[18]。1967年5月1日には住居表示実施[5]。1971年から1990年にかけて、大黒町南方の沖合に大黒埠頭が造成され[19]、1974年には大黒町と大黒埠頭を結ぶ大黒大橋、1989年には首都高速神奈川5号大黒線が開通した。町の北部にアルコール類の輸送設備を有する内外輸送は、2000年に東京・大手町から当地に本社を移転した[20]。 2004年には、コスモ石油跡地に中古車オークション会場ユー・エス・エスが開設された[21]。
世帯数と人口
[編集]横浜市発表の世帯数と人口はごくわずかなため、秘匿となっている[8]。
事業所
[編集]2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[22]。
町丁 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
大黒町 | 211事業所 | 6,786人 |
事業者数の変遷
[編集]経済センサスによる事業所数の推移。
年 | 事業者数 |
---|---|
2016年(平成28年)[23] | 183
|
2021年(令和3年)[22] | 211
|
従業員数の変遷
[編集]経済センサスによる従業員数の推移。
年 | 従業員数 |
---|---|
2016年(平成28年)[23] | 5,863
|
2021年(令和3年)[22] | 6,786
|
その他
[編集]日本郵便
[編集]警察
[編集]町内の警察の管轄区域は以下の通りである[25]。
番・番地等 | 警察署 | 交番・駐在所 |
---|---|---|
全域 | 鶴見警察署 | 生麦交番 |
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ “横浜市町区域要覧”. 横浜市 (2018年7月9日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b “大黒町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- ^ 『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』p994
- ^ a b “住居表示実施町名一覧 (令和2年10月19日現在)”. 横浜市 (2020年10月29日). 2021年8月28日閲覧。
- ^ “平成17年国勢調査結果 横浜市町別人口指標”. 横浜市統計ポータルサイト. 2017年5月18日閲覧。
- ^ “横浜市行政地図情報提供システム”. 横浜市. 2022年11月23日閲覧。
- ^ a b “令和6(2024)年 町丁別人口(住民基本台帳による)町丁別人口_令和6年4月” (xlsx). 横浜市 (2024年5月9日). 2024年5月10日閲覧。 “(ファイル元のページ)”(CC-BY-4.0)
- ^ “経路・時刻表”. 横浜市交通局. 2017年5月18日閲覧。
- ^ a b “鶴見の産業”. 「つるみ このまち このひと」編集委員会、鶴見区役所 (2014年3月13日). 2017年4月28日閲覧。
- ^ 『横浜の町名』p22
- ^ a b 『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』pp542-543
- ^ “沿革”. ニチアス. 2017年5月18日閲覧。
- ^ 『横浜港と京浜臨海工業地帯』p23
- ^ “横浜市中央卸売市場食肉市場”. 日本食肉市場卸売協会. 2017年5月18日閲覧。
- ^ “大東通商の歴史”. 大東通商. 2017年5月18日閲覧。
- ^ 横浜液化ガスターミナル常務取締役部長「保安を考える」(PDF)『Zenithかながわ』第28巻、神奈川県安全防災局工業保安課、2006年8月、1頁。
- ^ “沿革”. 塩水港精糖. 2017年5月18日閲覧。
- ^ “横浜港の概要 大黒ふ頭”. 横浜市港湾局 (2015年1月15日). 2017年5月18日閲覧。
- ^ 「ユーザー訪問」(PDF)『ドラム缶工業会会報 ひびき』第49巻、ドラム缶工業会、2006年10月30日、1-3頁。
- ^ “USSの歩み”. ユー・エス・エス. 2017年5月18日閲覧。
- ^ a b c “経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
- ^ a b “経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
- ^ “郵便番号簿PDF(2023年度版) 表紙等付属資料” (PDF). 日本郵便. 2024年5月3日閲覧。 “郵便番号データダウンロード 郵便番号簿PDF(2023年度版)”
- ^ “交番案内/鶴見警察署/神奈川県警察”. 神奈川県警察. 2023年9月27日閲覧。
参考文献
[編集]- 『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』角川書店、1984年6月8日。
- 横浜市市民局総務部住居表示課『横浜の町名』1996年12月。
- 横浜マリタイムミュージアム『[企画展] 横浜港と京浜臨海工業地帯』2003年10月11日。
- 『県別マップル14 神奈川県道路地図』(第6版)昭文社、2016年、15,57頁。ISBN 978-4-398-62683-7。