君塚直隆
君塚 直隆(きみづか なおたか、1967年8月6日[1] - )は、日本の歴史学者、政治学者、関東学院大学国際文化学部教授。専門は近代イギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史、西洋史、王室(特にイギリス王室)研究。
略歴
[編集]東京都生まれ。1990年立教大学文学部史学科卒。1993年から1994年にかけてオックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。1997年上智大学大学院文学研究科史学専攻修了。博士(史学)。
2000年神奈川県立外語短期大学専任講師、2001年助教授、2007年教授。2011年関東学院大学文学部教授(英国史)、2015年から現職。
NHK総合、NHK-BS、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日の報道番組やバラエティー番組(「世界一受けたい授業」など)にも多数出演。
特に、2011年4月29日の英国ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の中継(NHK BS1)で解説者を務め、2018年5月19日のハリー王子とメーガン妃の結婚式の中継(同)でも解説を務めた。
2014年から『産経新聞』のオピニオン欄に「ノブレス・オブリージュ 英国王室物語」を連載した。2015年からは「ノブレス・オブリージュ 世界王室物語」を、2016年からは「世界勲章物語」を、2017年からは「王室外交物語」を、2018年からは「王位継承物語」を、各・連載している。
2017年3月には「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」のヒアリングに招かれ、天皇の退位後の称号や公務等について質問を受けている。
2017年4月から「栄典に関する有識者」(内閣府)の一員に選ばれる[2]。
2018年7月から「国家安全保障局顧問」(内閣官房)に選ばれる。[3]
2018年11月、『立憲君主制の現在―日本人は「象徴天皇」を維持できるか』でサントリー学芸賞受賞。
2019年10月、令和の「即位礼正殿の儀」に出席し、その日のNHK「ニュースウォッチ9」等で解説。その後の「饗宴の儀」にも出席した。
2021年5月には「『天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議』に関する有識者会議」のヒアリングに招かれ、皇位継承問題について質問を受けた。
2022年6月2日のエリザベス2世女王のプラチナ・ジュビリーを祝う、軍旗敬礼分列式(Trooping the Colour)を生中継した、NHK・BSプレミアムの番組でも解説を務めた。同年9月8日に女王が没し、9月19日の国葬を生中継したNHK総合の番組では、現地解説を務めた。
2023年5月6日のチャールズ3世国王の戴冠式を生中継した、日本テレビのCS報道番組「日テレNEWS24」で4時間半以上にわたり解説を務めた。
著書
[編集]単著
[編集]- 『イギリス二大政党制への道 ―後継首相の決定と「長老政治家」―』(有斐閣、1998年)
- 『女王陛下のブルーリボン ―ガーター勲章とイギリス外交―』(NTT出版、2004年/中公文庫[4]、2014年)
- 『パクス・ブリタニカのイギリス外交 ―パーマストンと会議外交の時代―』(有斐閣、2006年)
- 『女王陛下の影法師』(筑摩書房、2007年/ちくま学芸文庫、2023年)
- 『ヴィクトリア女王 ―大英帝国の戦う女王―』(中公新書、2007年)
- 『女王陛下の外交戦略 ―エリザベス二世と「三つのサークル」―』(講談社、2008年)
- 『ジョージ四世の夢のあと ―ヴィクトリア朝を準備した「芸術の庇護者」―』(中央公論新社、2009年)
- 『肖像画で読み解く イギリス王室の物語』(光文社新書、2010年/光文社文庫、2015年)
- 『近代ヨーロッパ国際政治史』(有斐閣コンパクト、2010年)
- 『ジョージ五世 ―大衆民主政治時代の君主―』(日本経済新聞出版社「日経プレミアシリーズ」新書、2011年)
- 『ベル・エポックの国際政治 ―エドワード七世と古典外交の時代―』(中央公論新社、2012年)
- 『チャールズ皇太子の地球環境戦略』(勁草書房、2013年)
- 『物語 イギリスの歴史』(中公新書、2015年)
- 『立憲君主制の現在 ―日本人は「象徴天皇」を維持できるか』(新潮社〈新潮選書〉、2018年)
- 英訳版:Constitutional Monarchy of the Twenty-First Century(Springer, 2024)
- 『ヨーロッパ近代史』(筑摩書房〈ちくま新書〉、2019年)
- 『エリザベス女王 ―史上最長・最強のイギリス君主』(中公新書、2020年)
- 『悪党たちの大英帝国』(新潮選書、2020年)
- 『王室外交物語』(カラー版光文社新書、2021年)
- 『イギリスの歴史』(河出書房新社、2022年)
- 『貴族とは何か―ノブレス・オブリージュの光と影』(新潮選書、2023年)
- 『君主制とはなんだろうか』(筑摩書房〈ちくまプリマー新書〉、2024年)
- 『教養としてのイギリス貴族入門』(新潮新書、2024年)
- 『イギリス国王とは、なにかー名誉革命』(NHK出版「世界史のリテラシー」、2024年)
編著
[編集]- 細谷雄一・永野隆行と共編 『イギリスとアメリカ 世界秩序を築いた四百年』(勁草書房、2016年)
- 『よくわかるイギリス近現代史』(ミネルヴァ書房、2018年)
- 水島治郎と共編『現代世界の陛下たち―デモクラシーと王室・皇室』(ミネルヴァ書房、2018年)
- 岩間陽子・細谷雄一と共編『ハンドブック ヨーロッパ外交史-ウェストファリアからブレグジットまで-』(ミネルヴァ書房、2022年)
- 尚友倶楽部編『岡部悦子日記』(芙蓉書房出版、2023年)。解説担当、在英期の記録
共著
[編集]- (佐々木雄太・木畑洋一編)『イギリス外交史』(有斐閣アルマ、2005年)- 第1章:イギリス外交の源流と伝統
- (田所昌幸編)『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』(有斐閣、2006年)
- (村田晃嗣・石川卓・栗栖薫子・秋山信将)『国際政治学をつかむ』(有斐閣、2009年、新版2015年、第3版2023年)
- 『ヴィクトリア朝が教えてくれる英国の魅力』(ダイヤモンド・ビッグ社、2019年)- 第1章:ヴィクトリア女王
- (茶谷誠一編)『象徴天皇制のゆくえ』(志學館大学出版会、2020年)- 第5章:立憲君主制と象徴天皇制─イギリス君主制からの影響を考える
- (伊藤之雄編)『維新の政治変革と思想 一八六二~一八九五』(ミネルヴァ書房、2022年)- 第8章:ヴィクトリア女王が見た明治維新の男たち
- (中野香織と解説)『英国王室とエリザベス女王の100年』(宝島社ムック、2022年)
- (岡本隆司)『帝国で読み解く近現代史』(中公新書ラクレ、2024年)
監修
[編集]- 『伝統と文化から世界が見える! イギリスを知る教科書』(ナツメ社、2024年)
- 『エリザベス女王二世 まんが人物伝』(みずなともみ画、KADOKAWA、2024年)
- 『学習まんが 世界の歴史』(集英社、2024年)、第7巻〜11巻(ヨーロッパ史)担当
訳書
[編集]- デイヴィッド・ジェフリ・チャンドラー『ナポレオン戦争――欧州大戦と近代の原点』
- マイケル・マン『ソーシャルパワー――社会的な「力」の世界歴史(1)先史からヨーロッパ文明の形成へ』森本醇共訳(NTT出版、2002年)
- マイケル・マン『ソーシャルパワー――社会的な「力」の世界歴史(2)階級と国民国家の「長い19世紀」』(NTT出版、2005年)
- ベンノ・テシィケ『近代国家体系の形成──ウェストファリアの神話』(桜井書店、2008年)
- コリン・マシュー編『オックスフォード ブリテン諸島の歴史(9)19世紀 1815年〜1901年』(慶應義塾大学出版会、2009年)
脚注
[編集]- ^ 『読売年鑑 2018』. 読売新聞社. (2018). pp. 347
- ^ “栄典に関する有識者 : 日本の勲章・褒章 - 内閣府”. www8.cao.go.jp. 2018年4月4日閲覧。
- ^ “国家安全保障局 顧問|内閣官房ホームページ”. www.cas.go.jp. 2018年7月10日閲覧。
- ^ 文庫化で「女王陛下のブルーリボン 英国勲章外交史」に変更
外部リンク
[編集]- 女王陛下 (@victoria1819) - X(旧Twitter)