利用者:トマ/執筆ノート
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恋月姫(こいつきひめ)は、日本の人形作家である。恋月姫は日本の創作人形界で初めてビスクドールを制作した作家で、その作品は小説[1]や詩集[2]などの書籍の表紙やCDジャケット[3][4]、PV[4]など、様々なメディアで使用されている。また、2004年2月には映画『イノセンス』公開記念押井守監修「球体関節人形展 ~DOLLS OF INNOCENCE~」に出品し、その中のインタビューで人形について「私は初めから、人形と言うと自然に球体関節なんですよ。球体フェチだから(笑)、球体じゃなきゃイヤです。球体がちょっとエロティックでいいなって。人間にないものだからね。」と語っている[5]。
日本では渋谷の人形博物館マリアの心臓が恋月姫の常設展示を行っているが、マリアの心臓は正式オープン前の2004年春からプレオープン企画として「恋月姫新作人形」展を行っている[6]。
略歴
[編集]- 1983年、人形制作を始める[7]。
- 1987年、天草島原の乱350年祭展に天草四郎像を製作する。[8]
- 1996年、ビスク素材を用いた人形(ビスクドール)を発表する[7]。
- 1998年、作品集『人形姫』(小学館)を刊行する。
- 1999年2月、作品展「聖なる柩」をさっぽろ雪まつり期間中に札幌時計台にて開催する[9]。
- 2000年、作品集『震える眼蓋』(角川書店)を刊行する。
- 2004年2月、映画『イノセンス』公開記念押井守監修「球体関節人形展 ~DOLLS OF INNOCENCE~」に出品する。同年12月、作品集『月の神殿』Studio Paraborica)を刊行する。
- 2006年、作品集『人形月』を刊行する。
日本の人形の歴史における位置づけ
[編集]恋月姫以前の日本の創作人形界はハンス・ベルメールの人形のように人体を変形させた「反人形」とも評される人形ばかりであったが、恋月姫の作品はそれとは異なるものであった[10]。しかし恋月姫はシュールレアリスムから始まった日本の人形の歴史の中で、それ以前には存在しなかっただれが見ても違和感なく愛することのできる「あるべき人形の姿」を確立した[10]。後に三浦悦子や、与遇、清水真理のような「反人形」の人形作家に注目が集まってきたのは、恋月姫がそれまでの「反人形」とは異なる「あるべき人形の姿」を確立し、その枠を越えた人形として新しい世代の「反人形」が求められたためであるといわれている[10]。
また、恋月姫は「人形は可愛くないとだめだ」と明言しているが、その可愛らしく感情移入のしやすい人形は、美術表現を志向していた人形界を、特に美術に興味がなく単純に可愛いものが好き、ロリータが好き、耽美なものが好きという人々まで広めた[11]。
作品集
[編集]- 片岡佐吉撮影、荒俣宏解説、祖父江慎装幀『人形姫』1998年・小学館
- 片岡佐吉撮影、萩尾望都序『震える眼蓋』2000年・角川書店
- 『月の神殿』2004年・Studio Paraborica
- 片岡佐吉撮影、嶽本野ばら解説、祖父江慎装幀『人形月』2006年・小学館
作品が掲載されているメディア
[編集]文庫本カバー
[編集]- リチャード・マシスン、ロバート・R・マキャモン著『震える血』祥伝社・2000年2月10日[12]。
- リチャード・レイモン、ナンシー・A・コリンズ著『喘ぐ血』祥伝社・2000年5月10日[12]
- グレアム・マスタートン、マイクル・ギャレット著『囁く血』祥伝社・2000年9月11日[12]
- 藤川桂介、小沢章友著『恐怖のKA・TA・CHI』双葉社・2001年3月30日[12]
- 藍川京『さゆり17歳』廣済堂出版・2002年11月[12]
- 安達瑤『聖バルテルミー女学院』廣済堂出版・2002年11月[12]
- 藍川京ほか『スイートルーム』2003年7月・廣済堂出版
- 貫井徳郎著『神のふたつの貌』2004年5月10日・文芸文庫[12]
- 綾辻行人著『最後の記憶』2006年1月・角川書店[12]
単行本カバー
[編集]- 竹河聖著『幼虫』2001年6月・白泉社[12]
- 貫井徳郎著『神のふたつの貌』2001年9月25日・文芸春秋社[12]
- 宝野アリカ詩集『少女遊戯』2002年5月15日・愛育社[12]
- 桐生操著『愛と残酷のギリシア神話』2002年7月5日・大和書房[12]
- 臥竜恭介著『荒巫女戦記「ヒムカ」』2002年9月30日・徳間書店[12]
- 松尾真由美著『揺藍期 mezza voce』2002年10月30日・思潮社[12]
- 三上洸著『アリスの夜』2003年3月25日・光文社[12]
漫画雑誌カバー
[編集]- 『別冊花とゆめ増刊・伝説の怖い少女マンガ』2003年9月号・白泉社[12]
CDジャケット
[編集]- MALICE MIZER『Gardenia』2001年5月30日[12]
- Caccinica(湯澤幸一郎、Aya、黒色すみれのさちによる耽美クラシックユニット)『赤いカバン』2003年4月16日[12]
- Eve of Destiny(w:Eve of Destiny)『nervous and innocence』2005年[12]
- ALI PROJECT『神々の黄昏』2005年12月7日[12]
- D『闇の国のアリス/波紋』2008年9月3日[12]
PV
[編集]テレビCM
[編集]関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ 竹河聖『幼虫』白泉社、2001年6月ほか
- ^ 宝野アリカ『少女遊戯』愛育社、2002年5月15日
- ^ MALICE MIZER『Gardenia』2001年5月30日ほか
- ^ a b ALI PROJECT『聖少女領域』
- ^ 映画『イノセンス』公開記念押井守監修「球体関節人形展 ~DOLLS OF INNOCENCE~」
- ^ 『ユリイカ2005年5月号』青土社、2005年5月1日発行(128-134頁)
- ^ a b 『Dollybird vol.12』ホビージャパン、2009年5月1日発行(16-21頁)
- ^ 公式サイト(2009年7月27日閲覧)
- ^ *北方ジャーナル2001年2月号
- ^ a b c 樋口ヒロユキ『死想の血統 ゴシック・ロリータの系譜学』冬弓社、2007年7月10日発行(64-73ページ)
- ^ 『ユリイカ2005年5月号』青土社、2005年5月1日発行(152-153頁)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 公式サイト(2009年7月27日閲覧)
- ^ 公式サイト(2009年7月27日閲覧)