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出前コンサート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出前コンサート』(でまえコンサート)とは、矢野顕子によるコンサートの企画。及びそれを収録したビデオ、及びライブ・アルバムである。

今日「出前コンサート」の呼称はコンサートホールのような音楽用に造られた会場において、興行主が興行として実施するコンサートではなく、地域の公民館学校などに、住民などの招聘により演奏者が出向いて行う形態のコンサートの代名詞として一般化している。

企画としての出前コンサート

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矢野顕子が、演奏可能なピアノ1台がある場所ならどこにでも出向き、商業的な興行主でない市民グループや個人、学校などの要請にもとづいてコンサートを行う企画である。1982年10月、茨城県水戸市を皮切りに、1990年代後半の中断期をはさみ、2010年頃まで行われていた。[1]。矢野に歌詞を提供している糸井重里が、「あのさ、ピアノかついで出前したら?」と発案したことから始まったもので、「出前コンサート」の名称も、糸井による命名である[2]

ビデオ/ライブアルバム

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『出前コンサート』
矢野顕子ライブ・アルバム
リリース
録音 1987年5月16・17日
ジャンル J-POP
時間
レーベル MIDI
プロデュース 矢野顕子
矢野顕子 アルバム 年表
LOVE IS HERE
1993年
出前コンサート
1994年
ELEPHANT HOTEL
1994年
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ビデオ『出前コンサート』は1987年、やのミュージックより発売された(DVDとして2001年ポニーキャニオンより、ブルーレイとして2012年にソニー・ミュージックより再発。なお、ブルーレイはボックスセット「1980's 矢野顕子ライブ」の一部)。

1987年5月に長野県松本市(16日)、伊那市(17日)において行われた、上記の企画「出前コンサート」の映像を元にしている。映像は立花ハジメが担当しており、単なるライブビデオ映像でなくビデオ・アート風の映像となっている。

(ビデオが全編CGとなった理由は、松本公演、または、伊那公演、いずれかで録画機器のトラブルがあり、両公演からベストテイクを選曲する必要性から、映像の繋ぎ目が不自然になる事を避ける為である。当日は、吉野金次がミキサーとして、立花ハジメはビデオ収録の為、会場を訪れた。)

ライブアルバム『出前コンサート』は1994年7月21日、ミディより発売された。上記ビデオのサウンドトラックをリマスタリングしたものであり、音源、曲目は同じである。

演奏はすべて矢野によるピアノ弾き語りであり、伴奏等は用いられていない。途中で観客の赤ちゃんの泣き声が入るなど、録音状態は良くないが、企画「出前コンサート」の雰囲気を伝えるために、あえてそのような音源も収録されている。

曲目

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ビデオ、ライブアルバム共通。

  1. てはつたえる→てつだえる (作詞・作曲:矢野顕子)
  2. LISTEN TO ME, NOW (作詞・作曲:橿渕哲郎)
    • 橿渕哲郎の曲のカバー。原曲はアルバム『リラのホテル』(1983年)に収録。
  3. 夏なんです (作詞:松本隆 作曲:細野晴臣)
  4. 愛がたりない (作詞・作曲:矢野顕子)
    • スタジオ録音はアルバム『愛がたりない』に収録。
  5. ふりむけばカエル (作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子)
    • スタジオ録音はアルバム『GRANOLA』に収録。
    • 途中で矢野がユーモアを交えて、観客の手拍子を制止する場面がある。
  6. COLOURED WATER (作詞:矢野顕子・菊池真美 作曲:矢野顕子)
    • スタジオ録音は『ごはんができたよ』に収録。
  7. 東風 (作詞:矢野顕子 作曲:坂本龍一)
  8. HELLO THERE (作詞・作曲:矢野顕子)
    • スタジオ録音は『愛がたりない』に収録。
  9. 花のように (作詞・作曲:矢野顕子)
    • スタジオ録音は『GRANOLA』に収録。
  10. 青い山脈 (作詞:西条八十 作曲:服部良一)
    • 藤山一郎の曲のカバー。矢野のスタジオ録音は『ごはんができたよ』に収録。
  11. ひとつだけ (作詞・作曲:矢野顕子)
    • スタジオ録音は『ごはんができたよ』に収録。
    • 途中で矢野が歌詞を忘れる場面がある。

外部リンク

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脚注

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  1. ^ 公式サイト参照。出前コンサート
  2. ^ アルバム『出前コンサート』ブックレット p.2に、「糸井重里(出前コンサート名付け親)」とある。