コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

全日本剣道選手権大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
全日本剣道選手権から転送)
全日本剣道選手権大会
開始年 1953年昭和28年)
主催 (公財)全日本剣道連盟
加盟国 日本の旗 日本
前回優勝 竹ノ内佑也
最多優勝 宮崎正裕(6回)
公式サイト
http://www.kendo.or.jp/competition/champ/
テンプレートを表示

全日本剣道選手権大会(ぜんにほんけんどうせんしゅけんたいかい)は、剣道日本選手権大会。主催は全日本剣道連盟。後援はスポーツ庁読売新聞社、日本武道館ほか。

概要

[編集]

トーナメント方式で男子剣道日本一選手を決める大会である。優勝者には天皇盃が授与され、最も栄誉ある剣道大会として位置付けられている。大会は厳粛に進行され、選手は強さのみならず、武道の精神に則った礼儀作法も求められる。

出場資格

[編集]

全日本剣道連盟傘下の各都道府県剣道連盟が予選を実施する。予選の優勝者が本選に出場できる。ただし、北海道茨城県神奈川県静岡県愛知県兵庫県準優勝者も、千葉県大阪府埼玉県福岡県は準優勝者と第三位者も、東京都は準優勝者と第三位者と第四位者も出場できる(合計64名)。

第32回(1984年)から出場資格が六段以上に制限され[1]、第38回(1990年)から五段以上に緩和され、第43回(1995年)に段位制限が撤廃され20歳以上に改められた。

開催日

[編集]

第30回(1982年)から毎年11月3日文化の日)。

会場

[編集]

第1回(1953年蔵前国技館。第2回(1954年)、両国メモリアルホール。第3回(1955年)、両国国際スタジアム。第4回(1956年)から第11回(1963年)まで東京体育館にて開催された。

第12回(1964年)以降は現行の日本武道館。ただし第67回(2019年)は日本武道館が2020年東京オリンピックを見据えた施設改修工事期間中で使用出来ないことから大阪市中央体育館(丸善インテックアリーナ大阪)に場所を移して開催[2]。また第68回は女子との同時開催で長野市真島総合スポーツアリーナで開催。

第36回(1988年)から檜舞台を廃し床面で実施。

表彰・賞品

[編集]

1958年(昭和33年)、宮内庁から全日本剣道連盟天皇盃が下賜され、男子優勝者に授与している。盃は純銀製で直径255ミリ、高さ175ミリ、重量2362グラム。優勝者には天皇盃の他に読売新聞社から優勝旗・日本武道館から日本武道館賞・全米剣道連盟から優勝杯と副賞としてJALアメリカ往復航空券が贈られる。

放送

[編集]

大会の模様はNHK BS1及びNHK総合テレビジョン生放送される。視聴率2011年約4%、2012年約2%であった[3]。近年はYouTubeでのライブ配信なども行われている。

歴代優勝者

[編集]

優勝回数は複数回優勝経験者のみ表記

第70回大会優勝 村上哲彦
西暦年 和暦年 氏名 段位 都道府県 職業 年齢 優勝回数
1 1953年 昭和28年 榊原正 錬士 愛知県 名古屋矯正管区法務教官 33歳
2 1954年 昭和29年 小西雄一郎 錬士 福岡県 西日本鉄道 32歳
3 1955年 昭和30年 中村太郎 教士 神奈川県 神奈川県警察官 33歳 (1)
4 1956年 昭和31年 浅川春男 教士 岐阜県 37歳
5 1957年 昭和32年 森田信尊 教士六段 長崎県 三菱鉱業社員 39歳
6 1958年 昭和33年 鈴木守治 教士六段 愛知県 税務署 38歳
7 1959年 昭和34年 中村太郎 教士七段 神奈川県 神奈川県警察官 37歳 (2)
8 1960年 昭和35年 桑原哲明 五段 宮崎県 旭化成工業社員 21歳
9 1961年 昭和36年 伊保清次 教士七段 東京都 東京都立千歳高校教員 41歳
10 1962年 昭和37年 戸田忠男 五段 滋賀県 東洋レーヨン社員 23歳 (1)
11 1963年 昭和38年 矢野太郎 教士七段 兵庫県 兵庫県警察官 40歳
12 1964年 昭和39年 戸田忠男 五段 滋賀県 東洋レーヨン社員 25歳 (2)
13 1965年 昭和40年 西山泰弘 錬士六段 東京都 警視庁警察官 29歳
14 1966年 昭和41年 千葉仁 五段 東京都 警視庁警察官 22歳 (1)
15 1967年 昭和42年 堀田国弘 教士七段 兵庫県 兵庫県警察官 41歳
16 1968年 昭和43年 山崎正平 教士七段 新潟県 新潟市役所職員 45歳
17 1969年 昭和44年 千葉仁 錬士六段 東京都 警視庁警察官 25歳 (2)
18 1970年 昭和45年 中村毅 錬士六段 東京都 警視庁警察官 29歳
19 1971年 昭和46年 川添哲夫 四段 東京都 国士舘大学4年生 21歳 (1)
20 1972年 昭和47年 千葉仁 錬士六段 東京都 警視庁警察官 28歳 (3)
21 1973年 昭和48年 山田博徳 錬士五段 熊本県 熊本県警察官 25歳
22 1974年 昭和49年 横尾英治 五段 和歌山県 和歌山県教育委員会職員 24歳
23 1975年 昭和50年 川添哲夫 五段 高知県 高知学芸高校教員 25歳 (2)
24 1976年 昭和51年 右田幸次郎 四段 熊本県 教員 23歳
25 1977年 昭和52年 小川功 教士七段 大阪府 大阪府警察官 34歳
26 1978年 昭和53年 石橋正久 五段 福岡県 福岡県警察官 27歳
27 1979年 昭和54年 末野栄二 錬士六段 鹿児島県 鹿児島県警察官 30歳
28 1980年 昭和55年 外山光利 五段 宮崎県 日章学園高校教員 26歳
29 1981年 昭和56年 中田琇士 教士六段 東京都 警視庁警察官 34歳
30 1982年 昭和57年 石田健一 錬士六段 大阪府 大阪府警察官 33歳
31 1983年 昭和58年 東一良 錬士六段 愛知県 愛知県警察官 33歳
32 1984年 昭和59年 原田哲夫 錬士六段 京都府 京都府警察官 31歳
33 1985年 昭和60年 石塚美文 錬士六段 大阪府 大阪府警察官 34歳
34 1986年 昭和61年 岩堀透 教士七段 大阪府 大阪府警察官 34歳
35 1987年 昭和62年 西川清紀 錬士六段 東京都 警視庁警察官 32歳 (1)
36 1988年 昭和63年 林朗 錬士六段 北海道 北海道剣道連盟事務局員 30歳
37 1989年 平成元年 西川清紀 錬士七段 東京都 警視庁警察官 34歳 (2)
38 1990年 平成2年 宮崎正裕 六段 神奈川県 神奈川県警察官 27歳 (1)
39 1991年 平成3年 宮崎正裕 錬士六段 神奈川県 神奈川県警察官 28歳 (2)
40 1992年 平成4年 石田利也 錬士六段 大阪府 大阪府警察官 31歳 (1)
41 1993年 平成5年 宮崎正裕 錬士六段 神奈川県 神奈川県警察官 30歳 (3)
42 1994年 平成6年 西川清紀 教士七段 東京都 警視庁警察官 39歳 (3)
43 1995年 平成7年 石田利也 教士七段 大阪府 大阪府警察官 34歳 (2)
44 1996年 平成8年 宮崎正裕 錬士七段 神奈川県 神奈川県警察官 33歳 (4)
45 1997年 平成9年 宮崎史裕 錬士六段 神奈川県 神奈川県警察官 32歳
46 1998年 平成10年 宮崎正裕 教士七段 神奈川県 神奈川県警察官 35歳 (5)
47 1999年 平成11年 宮崎正裕 教士七段 神奈川県 神奈川県警察官 36歳 (6)
48 2000年 平成12年 栄花直輝 錬士六段 北海道 北海道警察官 33歳
49 2001年 平成13年 岩佐英範 錬士六段 東京都 警視庁警察官 31歳
50 2002年 平成14年 安藤戒牛 五段 愛知県 愛知県警察官 29歳
51 2003年 平成15年 近本巧 錬士六段 愛知県 愛知県警察官 32歳
52 2004年 平成16年 鈴木剛 六段 千葉県 千葉県警察官 32歳
53 2005年 平成17年 原田悟 六段 東京都 警視庁警察官 32歳
54 2006年 平成18年 内村良一 五段 東京都 警視庁警察官 26歳 (1)
55 2007年 平成19年 寺本将司 六段 大阪府 大阪府警察官 32歳
56 2008年 平成20年 正代賢司 五段 神奈川県 神奈川県警察官 27歳
57 2009年 平成21年 内村良一 五段 東京都 警視庁警察官 29歳 (2)
58 2010年 平成22年 高鍋進 錬士六段 神奈川県 神奈川県警察官 34歳 (1)
59 2011年 平成23年 高鍋進 錬士六段 神奈川県 神奈川県警察官 35歳 (2)
60 2012年 平成24年 木和田大起 錬士六段 大阪府 大阪府警察官 34歳
61 2013年 平成25年 内村良一 錬士六段 東京都 警視庁警察官 33歳 (3)
62 2014年 平成26年 竹ノ内佑也 四段 福岡県 筑波大学3年生 21歳 (1)
63 2015年 平成27年 西村英久 五段 熊本県 熊本県警察官 26歳 (1)
64 2016年 平成28年 勝見洋介 五段 神奈川県 神奈川県警察官 30歳
65 2017年 平成29年 西村英久 五段 熊本県 熊本県警察官 28歳 (2)
66 2018年 平成30年 西村英久 六段 熊本県 熊本県警察官 29歳 (3)
67 2019年 令和元年 國友錬太朗 五段 福岡県 福岡県警察官 29歳
68 2021年3月 令和2年 松崎賢士郎 四段 茨城県 筑波大学4年生 22歳
69 2021年11月 令和3年 星子啓太 四段 鹿児島県 23歳
70 2022年 令和4年 村上哲彦 五段 愛媛県 愛媛県警察官 30歳
71 2023年 令和5年 棗田龍介 四段 広島県 広島県警察官 23歳
72 2024年 令和6年 竹ノ内佑也 六段 東京都 警視庁警察官 31歳 (2)

記録

[編集]

優勝回数

[編集]

連続優勝記録

[編集]

職業別優勝記録

[編集]

警察官が最も多く、教員が次ぐ。大会初期に出場した選手の職業はさまざまであったが、昭和40年前後から警察勢が台頭し、昭和50年代にかけて教員勢と優勝を争うようになった。平成時代の優勝者は平成26年を除きすべて警察官。これらの警察官は術科特別訓練員(特練員)という選抜された剣道要員で、ほとんどが機動隊に所属している。なお、女子との同時開催だった第68回大会はコロナウイルス感染症問題で開催時期が遅れた上、警察庁の判断で警察官は出場しなかった。

都道府県別優勝回数(2016年大会まで)

[編集]

2006年から2011年まで、熊本県出身者で6連覇を記録している(内村良一2006年2009年)、寺本将司2007年)、正代賢司2008年)、高鍋進2010年2011年))。

最年少優勝

[編集]

最高齢優勝

[編集]
  • 45歳:山崎正平(1968年・第16回)

入賞回数

[編集]
  • 9回: 内村良一(優勝3回、準優勝5回、3位1回)
  • 8回: 宮崎正裕(優勝6回、準優勝2回)
  • 7回: 西川清紀(優勝3回、準優勝2回、3位2回)
  • 6回: 川添哲夫(優勝2回、準優勝1回、3位2回)/ 原田悟(優勝1回、準優勝2回、3位3回)

兄弟出場

[編集]

兄弟対決

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ この制限により宮崎正裕は六段を取得するまで出場できなかった。
  2. ^ "剣道全日本選手権 史上初の3連覇狙う西村に注目「聖地」武道館を離れ初の大阪開催". 毎日新聞デジタル. 毎日新聞社. 2 November 2019. p. 1. 2019年11月3日閲覧
  3. ^ 大会報道 テレビ・新聞編|第60回 全日本剣道選手権大会|全日本剣道連盟

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]