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働く男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
働く男 (PUFFYの曲)から転送)
「働く男」
UNICORNシングル
初出アルバム『ケダモノの嵐
B面 「CSA〜ロック幸せ」
リリース
規格 8センチCD
カセットテープ
ジャンル ロック
ポップス
エスノ
ファンク
時間
レーベル CBS・ソニー
作詞・作曲 奥田民生
プロデュース UNICORN
チャート最高順位
  • 週間3位(オリコン
  • 1990年度年間36位(オリコン)
UNICORN シングル 年表
デーゲーム
(1989年)
働く男
(1990年)
命果てるまで
(1990年)
ケダモノの嵐 収録曲
EANコード
EAN 4988009313818
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働く男」(はたらくおとこ)は、日本のロックバンドであるUNICORNの楽曲。

1990年7月21日にCBS・ソニーから3枚目のシングルとしてリリースされた。作詞・作曲は奥田民生が行い、プロデュースはUNICORN名義となっている。

前作「デーゲーム」(1989年)よりおよそ10か月ぶりにリリースされたシングルであり、1枚目のシングル「大迷惑」と同様に会社員の悲哀をテーマとした作品。カップリング曲である「CSA」は所属事務所の住所、「ロック幸せ」は会社員の悲哀をテーマにしており、収録曲全ての歌詞が「仕事」と言うテーマで統一されている。歌メロのコードから外れているバックの演奏が特徴であり、ライターの川口瑞夫曰く「エスノファンク」の楽曲である。

フジテレビ系バラエティ番組『夢で逢えたら』(1988年 - 1991年)のオープニングテーマに使用され、シングル盤はオリコンチャートにて最高位3位となった。また後年PUFFYによってカバーされ、フジテレビ系テレビアニメ『働きマン』(2006年)の主題歌として使用された。

録音、制作

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フジテレビ系バラエティ番組『夢で逢えたら』(1988年 - 1991年)の主題歌制作の依頼が来たことが発端となり、UNICORNメンバーは各自で楽曲を持ち寄ることとなった[1]阿部義晴が制作した曲が後にミニ・アルバム『おどる亀ヤプシ』(1990年)に収録された「PTA〜光のネットワーク〜」、手島いさむが制作した曲が後にアルバム『ケダモノの嵐』(1990年)に収録された「自転車泥棒」、西川幸一が制作した曲は形にならず、堀内一史が制作した曲が『ケダモノの嵐』収録の「フーガ」となった[1]。後の審査で「テンポがある曲」という基準に達したのが、奥田が制作した本作であったために主題歌として採用されることとなった[1]

しばらくライブなども行っていない時期であったため、レコーディング時に西川は腱鞘炎となった[1]。そのためドラムスの音はハイハットなどをサンプリングして打ち込みした音が使用されている[1]。しかしシンバルだけは川西がサンプリングにあわせ、生で叩いている。また、ドラマーが演奏時に声を出すことに倣って、西川に「プロッホゥ!」や「ヤプシィ!」など叫び声を上げさせてレコーディングしている[1]。レコーディング時には西川をドラムセットに座らせて、マイク位置も通常通りにセッティングして行われた[1]。最終的には叫び声のネタがなくなり、「イッ」とだけ叫んだ音声をカウベルが鳴る1か所にだけ入れている[1]

音楽性と歌詞

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「働く男」というテーマに関して西川は、奥田が商社マンとして働いてみたいという願望があったことから本作を制作したと述べている[2]。それに対して奥田は「大迷惑」から着想を得て本作を制作したと述べている[2]。また、奥田は制作当時からことあるごとに本作を「自信作だ」と述べている。音楽誌『別冊宝島724 音楽誌が書かないJポップ批評22 ユニコーン&奥田民生の摩訶不思議ロック・マジック』においてライターの川口瑞夫は、奥田が自身と折り合いを付けて外向きに制作した曲であると述べ、また「かなり混沌とした印象を受ける曲でもある」と指摘、さらに初めて聴いた感想は「エスノファンク」であったと述べている[3]。川口は歌メロのコードから外れて行こうとする各パートの演奏が特徴であると述べ、それにも拘わらずポップな曲であることから「ユニコーンの面白さと危うさが凝縮されているともいえる」と述べている[4]

本作を収録したシングルはすべて会社のことをテーマとした楽曲が収録されているが、堀内はたまたまであったと述べ、西川は後でその事実に気が付いたという[2]。カップリング曲である「CSA」はパンク・ロック調の激しい曲[注釈 1]であり、バンドの所属事務所である「CSA(CSアーティスツ)」の住所・電話番号・社名がそのまま歌詞になっている。後半の「CSA」のシャウトはメンバー全員によるものだが、なぜか1人ずつ上半身裸になり、スタジオのブース(通常演奏を行うスペースの外)でレコーディングを行った。「ロック幸せ」 は西川が初めて作詞、作曲、リードボーカルを担当した曲であり、手島から3コード、JUN SKY WALKER(S)森純太からアレンジを教わって制作された[5]。ボーカルも西川が担当しているほか、手島のボーカルが逆相で収録されている[5]。手島は以前から川西は声の通りがよく、ボーカルに向いていると思っていたという[5]。ライブで披露される際は、ドラムは奥田が担当した。UNICORN名義で西川がリードボーカルを担当するのは1993年の解散まで「ロック幸せ」のみであったが、再結成後のアルバム『シャンブル』(2009年)には西川が作詞、作曲およびボーカルを担当した「キミトデカケタ」が収録された。

リリース

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1990年7月21日にCBS・ソニーから8センチCDおよびカセットテープの2形態でリリースされた。

カップリング曲である「CSA」と「ロック幸せ」がなぜか1曲目として収録されており、表題曲の「働く男」が2曲目という変則的な曲順になっている。カセットテープ版のB面には同一曲がそのまま収録されている。

チャート成績

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本作はオリコンチャートにおいて最高位3位、登場回数は15回、売り上げ枚数は27.0万枚となった[6]

奥田は「俺が意気込んだ曲は売れない」と語っていたが、ユニコーンのシングルとしては歴代最高の売上枚数を記録した。

ミュージック・ビデオ

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本作のミュージック・ビデオは、サラリーマン姿で演奏するメンバーの周りを全裸の外国人モデルが歩き回るという内容である。自主規制により、地上波ではメンバーが行進しているサビ部分のみを放送することが多く、フルコーラス放送されることは稀であった。

ライブ・パフォーマンス

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「働く男」に関するテレビ出演として、1990年7月25日放送のフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオSUPER』(1989年 - 1990年)にて演奏されたほか、同年9月22日放送のフジテレビ系バラエティ番組『夢で逢えたら』(1988年 - 1991年)の1コーナー「バッハスタジオII〜ホコテンキングへの道〜」に出演し本作を演奏した。

「CSA」に関して、ライブビデオ『MOVIE4 舞監なき戦い』(1992年)においてメドレー「〜CSA〜風II」が収録された[注釈 2]。2009年のバンド再結成後は、後の事務所名である「SMA」の住所・電話番号・社名に歌詞を変えて歌唱された。

シングル収録曲

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8cmCD
全編曲: UNICORN。
#タイトル作詞作曲ボーカル時間
1.CSA〜ロック幸せ阿部義晴川西幸一阿部義晴〜川西幸一阿部義晴〜川西幸一、手島いさむ
2.働く男奥田民生奥田民生奥田民生
合計時間:

スタッフ・クレジット

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参加ミュージシャン

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参加ミュージシャン

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リリース履歴

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1989年4月29日 CBS・ソニー 8センチCD
CT
CSDL-3138
CSSL-3138
3位

楽曲の収録アルバム

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「働く男」
「CSA〜ロック幸せ」

※特記を除いて「CSA」と「ロック幸せ」は個別にトラック分けされて収録されている。

  • 『ケダモノの嵐』(1990年)
  • 『ULTRA SUPER GOLDEN WONDERFUL SPECIAL ABSOLUTE COMPLETE PERFECT SUPREME TERRIFIC ULTIMATE...』(2002年)
  • 『I LOVE UNICORN 〜FAN BEST〜』(2009年) - 「ロック幸せ」のみ収録。
  • 『Quarter Century Single Best』(2012年) - 「CSA〜ロック幸せ」として収録。

PUFFYによるカバー

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「働く男」
PUFFYシングル
初出アルバム『Hit&Fun
B面 Lucy In The Sky With Diamonds
Don't Bring Me Down
リリース
規格 マキシシングル
ジャンル ロック
ポップス
J-POP
ポップ・ロック
時間
レーベル キューンレコード
作詞・作曲 奥田民生
チャート最高順位
PUFFY シングル 年表
ハズムリズム
(2006年)
働く男
(2006年)
Boom boom beat/お江戸流れ星IV
(2007年)
Hit&Fun 収録曲
ミュージックビデオ
「働く男」 - YouTube
EANコード
JAN 4582117986645
テンプレートを表示

PUFFYによる「働く男」は、2006年11月22日にキューンレコードから22枚目のシングルとして発売された。初回生産限定盤はスーパーピクチャーレーベル仕様となっていた。

PUFFYのプロデュースを担当していたのは、奥田民生である。

PUFFYのバージョンは、フジテレビ系テレビアニメ『働きマン』(2006年)の主題歌として使用された[7][8]。また、テレビ神奈川音楽番組『saku saku』(2000年 - 2017年)の2007年2月度のエンディングテーマとしても使用された。ミュージック・ビデオではUNICORN版へのオマージュが含まれている。

カップリング曲は、イギリスのロックバンドであるビートルズおよびELOのカバー曲となっている。シングル盤はオリコンチャートにて最高位41位となった。

シングル収録曲(PUFFY)

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#タイトル作詞・作曲時間
1.働く男奥田民生
2.Lucy In The Sky With DiamondsPaul McCartneyJohn Lennon
3.Don't Bring Me DownJeff Lynne
合計時間:

スタッフ・クレジット(PUFFY)

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リリース履歴(PUFFY)

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 2006年11月22日 キューンレコード 12センチCD KSCL-1073 41位

楽曲の収録アルバム(PUFFY)

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  • Hit&Fun』(2007年)
  • 『PLAYLIST〜PUFFY 25th Anniversary〜』(2021年)

脚注

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注釈

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  1. ^ 作曲者の阿部曰く「手法がパンクなだけで精神は全然パンクじゃない」とのこと。
  2. ^ ベスト・アルバム『THE VERY RUST OF UNICORN』(1994年)にも音源のみが収録された。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h パチ・パチ・ロックンロール 2月号 1993, p. 84- 「SELF LINERNOTES UNICORN」より
  2. ^ a b c 人に歴史あり 其の貳 1992, p. 38- 「INTERVIEW 90年8月号」より
  3. ^ 別冊宝島 2003, pp. 52–53- 「ユニコーン全96曲 勝手にライナーノーツ」より
  4. ^ 別冊宝島 2003, p. 53- 「ユニコーン全96曲 勝手にライナーノーツ」より
  5. ^ a b c 人に歴史あり 其の貳 1992, p. 37- 「INTERVIEW 90年8月号」より
  6. ^ 別冊宝島 2003, p. 45- 安田謙一「THE HISTORY ユニコーンのいっしょう 第3期: 絶頂 (1990)」より
  7. ^ PUFFYがニュー・シングル“働く男”を11月22日にリリース”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2006年10月4日). 2022年1月15日閲覧。
  8. ^ PUFFY、『働きマン』主題歌に続いてデビュー10周年記念ライヴDVDを発売”. CDジャーナル. 音楽出版 (2006年11月14日). 2022年1月15日閲覧。

参考文献

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  • 『人に歴史あり 音楽専科社、1992年10月22日、37 - 38頁。ISBN 9784900343382 
  • 『パチ・パチ・ロックンロール 2月号』第7巻第2号、ソニー・マガジンズ、1993年2月1日、84頁、雑誌07567-2。 
  • 「音楽誌が書かないJポップ批評22 ユニコーン&奥田民生の摩訶不思議ロック・マジック」『別冊宝島』第724号、宝島社、2003年2月14日、45 - 53頁、ISBN 9784796630559 

外部リンク

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