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合略仮名

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
仮名合字から転送)

合略仮名(ごうりゃくがな)は、仮名合字である。

概要

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「ヿ(コト)」「(シテ)」などは合字ではないが、合略仮名とともに紹介されることがある。

明治33年の「仮名は1音につき1文字とする」という明治政府政令[1]により、公では使われなくなった[2]

電子機器上での扱い

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2000年まで、コンピュータ上では外字の利用などでしか合略仮名を扱えなかった。

2000年JIS X 0213が定められた。これによって「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が使えるようになった。

2002年Unicode 3.2に「ヿ(コト)」と「ゟ(より)」が採用された。

2009年、Unicode 5.2に「(トモ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Cとして登録されてしまった。

2017年、Unicode 10.0に「 (シテ)」「(なり)」「(ナリ)」が採用されて、使えるようになった。しかし、CJK統合漢字拡張Fとして登録されてしまった。

表示可能なフォント

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2023年7月現在、合略仮名が表示可能なフォントには以下のようなものがある。

一覧

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平仮名

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以下は、合字である。

読み 画像 文字 Unicode 字源
かしこ - - 𛀚しこ
こと ͡と - こと[3][4]
ごと ͡ど - ごと[3][4]
さま - - 𛃅[5][6]
- -
まいらせさうらふ - - まいらせ候
- -
より U+309F より[5][6][4]

以下は、合字ではない。

読み 画像 文字 Unicode 字源
なり 𬼂 U+2CF02 [5][4][7][8]
とも 画像 - - [9]
ども - - 共゙[10][11]

片仮名

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以下は、合字である。

読み 画像 文字 Unicode 字源
トイフ - - ト云[5][12][13][14]
トキ - - トキ[5][12][13][3][4][14]
トテ - - トテ[5]
トモ 𪜈 U+2A708 トモ[5][12][13][3][4]
ドモ 𪜈゙ - ドモ
ヨリ - - ヨリ[12][13][14]

以下は、合字ではない。

読み 画像 文字 Unicode 字源
イフ - -
コト U+30FF [5][12][13]
シテ 𬼀 U+2CF00 [12][13]
トキ - - [12][13][14]
ナリ 𬻿 U+2CEFF [12][13][14]

類似の文字

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  • 「ます」と読む文字」は、計量に使用する記号化したものであり、合略仮名ではない。
  • 漢字の一部を仮名に置き換えた字(略字)があるが、これらも合略仮名ではない。
    • 例:「機」、「議」、「摩」または「魔」 →「略字」を参照。
  • インターネットスラングで、既存の文字のが他の文字として解読できる場合、当該文字1字を他の文字2字の代わりとして用いる場合がある。
    • 例:「托い」(キモい)「モルール」(モノレール)など。

脚注

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  1. ^ ウィキソース出典 文部省小学校令施行規則第十六条』1900年。ウィキソースより閲覧。 
  2. ^ 文部省調査局 (1957年). “国語改善に関する略年表” (pdf). 文科省. 国語シリーズ 33 国語問題問答 第五集. 文部省. p. 66. 2020年9月25日閲覧。
  3. ^ a b c d 普通日本文典 落合直文ほか 1893年
  4. ^ a b c d e f 和漢の文典 : 雅俗対照
  5. ^ a b c d e f g h 日本大文典. 第1編 P.42-45 落合直文 1894年
  6. ^ a b ことばの泉 : 日本大辞典 (21版) P.3 落合直文 1904年
  7. ^ 児玉幸多『くずし字解読辞典〔普及版〕』東京堂出版 1993年 ほか
  8. ^ 田島毓堂「法華経為字和訓考—資料編(三)—」名古屋大学文学部研究論集 1990年
  9. ^ ”. 漢字字躰帳. 2024年2月29日閲覧。
  10. ^ ”. 漢字字躰帳. 2024年2月29日閲覧。
  11. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2024年2月29日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g h 國語學大系 第七巻 文字(一) P.302-303 福井久蔵 1939年
  13. ^ a b c d e f g h 仮字本末 伴信友 1850年
  14. ^ a b c d e 操觚便覧藤井乙男編 1899年

参考文献

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  • 蛇蔵海野凪子日本人の知らない日本語 なるほど〜×爆笑!の日本語"再発見"コミックエッセイ』メディアファクトリー、2009年2月18日。ISBN 978-4-8401-2673-1  - 「まいらせそうろう」について言及。
  • 益田多米彦 編『日本文典初歩』益田多米彦、1902年6月30日https://iss.ndl.go.jp/api/openurl?ndl_jpno=40078885  - 合略仮名ついての説明。

関連項目

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外部リンク

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