計量
計量(けいりょう、measuring, measurement)とは、一般には、秤や容器などの計量器を用いて、質量、体積、時間、質量流量、圧力、磁束密度、吸収線量といった物理量などの具体的な数量を計ることをいう。
計量法では、89量の「物象の状態の量」(ほぼ物理量と考えてよい。)を計ることを「計量」と定義している。89量の「物象の状態の量」以外の量を計ることは、計量法上の「計量」としては取り扱われない。
物象の状態の量を具体的に計量するときには、計量単位(けいりょうたんい、en:unit of measurement)が必要になる。計量単位とは、計量の基準となるものをいう[1]。例えば、キログラム(kg)、立方メートル(m3)、秒(s)、キログラム毎秒(kg/s)、パスカル(Pa)、テスラ (T)、グレイ(Gy)などである。
物象の状態の量
[編集]世の中には「長さ」、「質量」、「時間」など、数値でその大きさを表すことができる事象や現象があるが、計量法ではこうしたものを「物象の状態の量」と呼称している[2]。物象の状態の量とは、いわゆる物理量と考えて良い[注 1]。
計量法では、対象とする「物象の状態の量」を、それらが取引又は証明、産業、学術、日常生活の分野での計量で重要な機能を期待されているという観点から、その数と種類を全部で、89量に限定的に規定している。この89量は、次の「典型72量」と「その他の17量」に2分される。
典型72量
[編集]「物象の状態の量」として熟度の高いものであり、計量法第2条第1項第1号に規定されている[3]。全部で72量ある。
- 長さ、質量、時間、電流、温度、物質量、光度、角度、立体角、面積、体積、角速度、角加速度、速さ、加速度、周波数、回転速度、波数、密度、力、力のモーメント、圧力、応力、粘度、動粘度、仕事、工率、質量流量、流量、熱量、熱伝導率、比熱容量、エントロピー、電気量、電界の強さ、電圧、起電力、静電容量、磁界の強さ、起磁力、磁束密度、磁束、インダクタンス、電気抵抗、電気のコンダクタンス、インピーダンス、電力、無効電力、皮相電力、電力量、無効電力量、皮相電力量、電磁波の減衰量、電磁波の電力密度、放射強度、光束、輝度、照度、音響パワー、音圧レベル、振動加速度レベル、濃度、中性子放出率、放射能、吸収線量、吸収線量率、カーマ、カーマ率、照射線量、照射線量率、線量当量、線量当量率(以上、72量)
その他の17量
[編集]「物象の状態の量」として熟度の低いものであり、計量法第2条第1項第2号[4]、計量単位令第1条[5]に規定されている。全部で17量ある。これらの量は計量法上の扱いが異なるために、上記の典型72量とは別に規定されている。
- 繊度、比重、引張強さ、圧縮強さ、硬さ、衝撃値、粒度、耐火度、力率、屈折度 、湿度、粒子フルエンス、粒子フルエンス率、エネルギーフルエンス、エネルギーフルエンス率、放射能面密度、放射能濃度(以上、17量)
その他の広義の計量
[編集]関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「物象」とは森羅万象を指す