中西友子
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中西 友子 (なかにし ともこ、1950年4月27日[1] - )は、日本の植物生理学者、放射化学者。東京大学名誉教授、東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授。星薬科大学元学長、星薬科大学名誉教授。元内閣府原子力委員会委員。スウェーデンチャルマース工科大学名誉博士。スウェーデン王立工学アカデミー会員。元日本放射化学会会長。元日本学術会議会員。放射線やアイソトープを用いた水・元素・ガスのリアルタイムイメージング解析を専門分野とする[2]。学位は、理学博士(東京大学・1978年)。
略歴
[編集]- 1950年 石川県金沢市生まれ[1]
- 1963年 東京教育大学附属小学校(現・筑波大学附属小学校)卒業[1]
- 1966年 東京教育大学附属中学校(現・筑波大学附属中学校)卒業[1]
- 1969年 東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業[1]
- 1973年 立教大学理学部化学科卒業
- 1975年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了
- 1978年 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、理学博士(東京大学)
- 1978年 財団法人実験動物中央研究所研究員
- 1982年 日本ゼオン技術開発センター研究員
- 1983年9月~1985年10月 カリフォルニア大学バークレー校内ローレンス・バークレー国立研究所博士研究員
- 1987年 東京大学農学部助手
- 2000年 猿橋賞受賞[3]
- 2001年 東京大学大学院農学生命科学研究科教授、放射線植物生理学研究室を創設
- 2001年 日本原子力学会貢献賞受賞
- 2003年 東京大学総長補佐(兼任)
- 2006年 東京大学環境安全本部長(兼任)
- 2008年 日本学術会議第20期会員[4]
- 2010年 日本放射化学会賞受賞[5]
- 2013年 フランス国家功労勲章(シュバリエ)受章[6]
- 2013年~2020年 日本工学アカデミー副会長[7]
- 2014年3月~2022年6月 内閣府原子力委員会委員[8][9]
- 2014年9月~2018年3月 放射化学会会長[10]
- 2014年 スウェーデンイオテボリ王立科学アカデミー会員
- 2015年 国立研究開発法人放射線医学総合研究所客員研究員(兼任)
- 2015年 スウェーデン王立工学アカデミー会員[11]
- 2016年 Hevesy Medal Award受賞[12]
- 2016年 東京大学名誉教授、東京大学農学生命科学研究科特任教授[13]
- 2016年 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構客員研究員(兼任)
- 2019年4月~2022年3月 星薬科大学学長[14]
- 2019年 スウェーデンチャルマース工科大学名誉博士[15]
- 2021年 中部大学理事[16]
- 2022年 中部大学学事顧問[16]
- 2022年 フランス教育功労章(シュバリエ)受章[17]
- 2022年 星薬科大学名誉教授
- 2022年 復興庁参与[18]
主な業績
[編集]主な研究成果として、中性子線ならびにアイソトープを用いて、初めて植物中の水特異的なイメージングならびに動態解析を行った。生育に伴う根先の周期運動の可視化に成功し、アイソトープ標識水を用いて吸収された水を初めて定量的に解析することが可能となり、茎における水循環を見出した。イオンの動きについては、ミクロからマクロまでのライブイメージング装置を開発し、顕微鏡下で蛍光像と同時にアイソトープ像も取得できるようになった。そこで吸収されたイオンの動きもライブイメージング解析ができることになった。また、ガス(主に二酸化炭素)の植物による固定ならびに新しい組織の形成についての可視化にも成功した。放射線やアイソトープを利用したこれらのイメージング解析について、まとめた本を出版した。
- 中西友子著『Novel Plant Imaging and Analysis: Water, Elements and Gas, Utilizing Radiation and Radioisotopes (English Edition)』Springer、2021年[19]
東京電力福島第一原発事故後は、放射能汚染について東京大学大学院農学生命科学研究科の各分野の研究者が行っている継続的な調査研究のまとめ役として、5冊の本を出版した。
- 中西友子著『土壌汚染』NHKブックス、2013年[20]
- 中西友子著『フクシマ 土壌汚染の10年』NHKブックス、2021年[21]
- 中西友子他編『Agricultural Implications of Fukushima Nuclear Accident』Springer、2013年[22]
- 中西友子他編『Agricultural Implications of Fukushima Nuclear Accident: the First Three Years』Springer、2016年[23]
- 中西友子他編『Agricultural Implications of Fukushima Nuclear Accident (III)』Springer、2019年[24]
- ユネスコ国内委員、文部科学省科学技術学術審議会委員、文部科学省文化審議会委員、文部科学省中央教育審議会大学分科会委員、文部科学省宇宙開発委員会専門委員、文部科学省独立行政法人評価委員会委員(理化学研究所および日本原子力研究所)、財務省独立行政法人評価委員会委員、総合科学技術会議専門委員(評価、基本政策ほか)農林水産省農林水産技術会議専門委員、産業総合研究所運営諮問委員会委員、などを歴任。
- 2021年より、京都大学経営協議会委員、次期総長選考・監察委員、京都大学伯楽会議委員、自然科学研究機構経営協議会委員、自然科学研究機構機構長選考委員会委員など。
脚注
[編集]- ^ a b c d e “【研究者の肖像Vol23】とにかく“現場”に足を運ぶ。対象と素直に向き合う。それが“定説”を覆すことも。どんな研究でも、その姿勢が大事 中西友子 - Technologist’s magazine”. 2023年1月12日閲覧。
- ^ Nakanishi, Tomoko M. (2021). Novel Plant Imaging and Analysis. doi:10.1007/978-981-33-4992-6 .
- ^ “受賞者一覧”. www.saruhashi.net. 2022年5月30日閲覧。
- ^ 「第20期日本学術会議会員名簿」『学術の動向』第10巻第11号、2005年、12-29頁、doi:10.5363/tits.10.11_12、2022年7月20日閲覧。
- ^ “歴代の学会賞/奨励賞の受賞者と受賞テーマ|学会について | 日本放射化学会”. www.radiochem.org. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “東京大学の中西友子教授が国家功労勲章を受章”. La France au Japon. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “日本工学アカデミー30年史”. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “原子力委員会-中西友子 委員”. www.aec.go.jp. 2022年5月13日閲覧。
- ^ “歴代原子力委員”. 内閣府原子力委員会. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “学会について | 日本放射化学会”. www.radiochem.org. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “中西友子教授がスウェーデン王立工学アカデミー会員に選出されました”. 東京大学. 2022年5月30日閲覧。
- ^ Chatt, A. (2017-02-01). “Laudation for Professor Tomoko Nakanishi: 2016 Hevesy Medal Awardee” (英語). Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry 311 (2): 945-946. doi:10.1007/s10967-016-5129-2. ISSN 1588-2780 .
- ^ “中西 友子”. 東京大学. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “次期学長の任命について | ニュース | 星薬科大学”. www.hoshi.ac.jp. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “Prof. Tomoko M. Nakanishi Honorary Doctor at Chalmers 2019 | Chalmers”. www.chalmers.se. 2022年5月30日閲覧。
- ^ a b “役員・評議員 学校法人中部大学”. www.chubu.jp. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “星薬科大学の中西友子学長が教育功労章を受章”. La France au Japon. 2022年5月30日閲覧。
- ^ “官報 令和4年本紙第879号 7頁”. 国立印刷局. 2022年12月16日閲覧。
- ^ Tomoko M. Nakanishi (2021/6/4). Novel Plant Imaging and Analysis: Water, Elements and Gas, Utilizing Radiation and Radioisotopes (English Edition). Springer. ISBN 978-9813349919
- ^ 中西友子『土壌汚染 フクシマの放射性物質のゆくえ』NHKブックス、2013年9月25日。ISBN 978-4140912089。
- ^ 中西友子『フクシマ 土壌汚染の10年: 放射性セシウムはどこへ行ったのか』NHKブックス、2021年4月26日。ISBN 978-4140912683。
- ^ Tomoko M. Nakanishi, Keitaro Tanoi, ed (2013/3/28). Agricultural Implications of the Fukushima Nuclear Accident. Springer. ISBN 978-4431543275
- ^ Tomoko M. Nakanishi, Keitaro Tanoi, ed (2016/3/18). Agricultural Implications of the Fukushima Nuclear Accident: The First Three Years. Springer. ISBN 978-4431558262
- ^ Tomoko M. Nakanishi, Martin O`Brien, Keitaro Tanoi, ed (2019/2/22). Agricultural Implications of the Fukushima Nuclear Accident (III): After 7 Years. Springer. ISBN 978-9811332173
- ^ “学長プロフィール | 学長挨拶 | 大学概要 | 星薬科大学”. www.hoshi.ac.jp. 2022年5月30日閲覧。