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中恵菜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Meguna Naka
なか 恵菜めぐな
基本情報
出身地 日本の旗 日本 京都府京都市
学歴 桐朋学園大学音楽学部卒業
ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンマスター課程修了
ジャンル クラシック音楽
職業 ヴィオリスト
担当楽器 ヴィオラ
配偶者 辻本玲チェリスト
著名な家族 中実穂(姉、チェリスト[1]
事務所 オフィス諷雅
公式サイト 中 恵菜 オフィス諷雅

中 恵菜(なか めぐな、1993年平成5年〉 - )は、日本ヴィオリスト京都府京都市出身。弦楽四重奏団カルテット・アマービレヴィオラ担当。

略歴

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1993年(平成5年)生まれ。京都市出身[2]チェロをやっており母親姉妹揃ってチェリストにしたかったが、姉が「同じ楽器は絶対に嫌」と主張したことで4歳よりヴァイオリンを習い始める[3]

2005年(平成17年)、全日本学生音楽コンクール名古屋大会の小学校の部で入選。2006年(平成18年)、岡山県で行われた「若い芽を育てる会オーディション」に合格し、遠山賞を受。ミュージックセミナーinトマム[注釈 1]に参加。

は京都にあるものの転勤族だったため東京へ引越した時期もあったが、中学は京都の中学校卒業[4]

2009年(平成21年)、桐朋女子高等学校音楽科にヴァイオリンで入学[5]。高校1年生だった16歳の時から室内楽授業でヴィオラを学び始め、ヴァイオリンと並行して技術を磨く[3][5]

2012年(平成24年)3高校を卒業。同年、テレビマンユニオン音楽事業部による若い四重奏団の発掘と育成を目的として10月から翌年2月まで実施される一般公開の講習会企画「プロジェクトQ」の第10章に、学校法人桐朋学園学生による「ローゼ弦楽四重奏団(英語: Quartet Rose)」としてヴァイオリンの篠原悠那と石原悠企、チェロの三井静と参加し、ギュンター・ピヒラーらの指導を受ける[6][7]

2013年(平成25年)、ゆらぎの里ヴィオラマスタークラス小樽[注釈 2]の第9回を受講し[8]、2015年(平成27年)の第11回にも参加[9]。2013年(平成25年)から、ミュージック・アカデミーinみやざきのマスタークラス[注釈 3]を受講し、宮崎国際音楽祭管弦楽団にも参加。その後2014年(平成26年)、2015年(平成27年)、2017年(平成29年)も受講して同管弦楽団に参加し、2019年からは宮崎国際音楽祭に毎年出演している。

2013年(平成25年)3月26日、JTが育てるアンサンブルシリーズ第67回に出演し岩崎洸[注釈 4]と共演[10]。同年、アメリカ合衆国インディアナ大学システムジェイコブズ音楽院の現代日本音楽祭に桐朋学園大学代表として派遣されローゼ弦楽四重奏団[注釈 5]として出演[11]。同年9月、JT「期待の音大生によるアフタヌーンコンサート」にローゼ弦楽四重奏団として出演[12]。同年10月から、ヴァイオリンの篠原とヴィオラの中にヴァイオリンの桐原宗生とチェロの横田誠治を加えた桐朋学園大学の在学生4名で結成した「リュミエール・クァルテット(英語: Lumiere Quartet)」として、プロジェクトQ・第11章に参加[10]

桐朋学園大学ではヴァイオリンとヴィオラを専攻していて室内楽も受けていたが、どんどんヴィオラの音色が好きになり自分にしっくりくると思えるようになり、室内楽などでもヴィオラを弾いていたこともあり大学3年生だった21歳でヴィオラに転向[3][4][5]。2014年(平成26年)、ヴィオラスペースのマスタークラスを受講。同年10月からのプロジェクトQ・第12章では、ヴァイオリンの篠原とヴィオラの中にチェロの笹沼樹とヴァイオリンの大江馨を加えた4名で参加[13]

2015年(平成27年)4月からは大江に代わり、リュミエール・クァルテットにヴァイオリンの北田千尋が加入し、後のカルテット・アマービレの4名が揃う。同年には山口県福岡県で演奏会を行い、同年6月には学内成績優秀者による第94回・桐朋学園室内楽演奏会に出演。同年7月、大友直人芸術監督をしている2間強のセミナー「MMCJ[注釈 6]」に参加。同年10月からのプロジェクトQ・第13章ではカルミナ四重奏団、今井信子らのマスタークラスを受講[12]。2015年(平成27年)11月28日、第5回・次代へ伝えたい名曲 今井信子ヴィオラ・リサイタルにて、今井信子と共演。

2016年(平成28年)3月、桐朋学園大学音楽学部を卒業[14]

ベルリンハンス・アイスラー音楽大学ベルリン留学し、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のヴィオラ奏者であるヴァルター・キュスナー(英語: Walter Kussner)に師事し、レッスンを受けながらコンサートにも通う[5][15]。2020年(令和2年)、同音楽大学のマスター課程修了。同年、チェロ奏者の辻本玲結婚[15]

コロナ禍のとき誘いを受け「有り難い話なのでぜひ」と、2021年(令和3年)4月から1間の契約期間を経て[4]新日本フィルハーモニー交響楽団首席ヴィオラ奏者として2022年(令和4年)7月に正式入団し[5]、2024年(令和6年)3月まで所属。2021年(令和3年)6月5日、パウル・ヒンデミット楽曲のみを演奏するリサイタルを開催。2021年(令和3年)から「上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット」の一員となり、同年8月22日にはフジロックフェスティバルにも出演。

2023年(令和5年)11月、東京オペラシティ リサイタルシリーズB→Cに出演。

2024年(令和6年)放送のNHK大河ドラマ光る君へ』では、劇伴レコーディングに参加[16]。2024年(令和6年)7月より石田泰尚が率いる弦楽合奏団「石田組」にも所属。

人物

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使用楽器は宗次コレクションより貸与された1722年製Domenico Montagnana[注釈 7]

次女の末っ子[3]。好きな食べ物牡蠣[3]時間が有るときは料理菓子作りも楽しんでおり、美味しいものを調べ友人食事に行くのも好き[5]。学生時代に増えた体重は後に20キログラム以上落ちたため、カルテット・アマービレとして別府アルゲリッチ音楽祭音楽祭音楽監督であるマルタ・アルゲリッチと2017年(平成29年)に共演した後、体重が落ちた2022年(令和4年)に同音楽祭で再度共演した際には「同一人物だと気づいてもらえていないかも」と中は語っている[4]

2021年(令和3年)時点で夢中になっていることは、iPhone写真ファイルを整理する達成感[3]。2022年(令和4年)時点での癒やしは、家で3匹のと戯れること[5]

カルテット・アマービレの仲間から呼ばれている愛称は「おめち[注釈 8]」。カルテット・アマービレの仲間から見た性格は、面白い性格[3]。カルテット・アマービレの第1ヴァイオリン担当である篠原悠那とは同級生で、桐朋女子高等学校のときから一緒[3]。真剣に音楽を追究しつつ様々なことをメンバーと包み隠さず話すこともできるのが凄く幸福なことという理由から、カルテット・アマービレのことを「家族同然というか家のような存在」と感じており、この4人で弦楽四重奏を突き詰めていきたいという思いを持っている[17]

エピソード

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これまでに、ヴァイオリンを久保良治、ヴィオラを佐々木亮などに師事。室内楽を徳永二男原田幸一郎磯村和英山崎伸子堤剛毛利伯郎山口裕之らに師事。宮崎国際音楽祭、霧島国際音楽祭アンギャン英語: Enghienで開催されたIMUSE - Music Festivalなど様々な場所で研鑽を積む。

霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭、東京・春・音楽祭北九州国際音楽祭、ヴィオラスペース、十勝音楽祭など多数の音楽祭に出演。霧島国際音楽祭にはカルテット・アマービレとして2016年(平成28年)にマスタークラスを受講し同音楽祭の賞を受賞しており、ダン・タイ・ソンと共演した2019年(令和元年)以降は毎年出演しており[4]、霧島国際音楽祭の管弦楽団であるキリシマ祝祭管弦楽団の一員としても舞台に立っている。

シャネル・ピグマリオン・デイズ室内楽シリーズでは、2018年(平成30年)11月、2019年(令和元年)6月と11月に演奏。Music Dialogueアーティストでもあり、2018年(平成30年)3月4日に行われた、Music Dialogue室内楽塾in東京ファイナル・コンサートのほか、気鋭の若手演奏家経験豊富な演奏家による音楽づくりの現場を公開する、公開リハーサルと本公演の2部構成で行われるMusic Dialogueディスカバリー・シリーズにも2021年(令和3年)5月[注釈 9]、2024年(令和6年)9月に出演している。

新婚旅行ではモルディブに行き、その綺麗さが印象に残った[3]

作品

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アルバム

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  • 上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット『シルヴァー・ライニング・スイート』[注釈 10](2021年9月8日)
  • コロンえりか『BRIDGE』[注釈 10](2020年5月13日)

出演

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テレビ番組題名のない音楽会』には、放送開始55周年を迎えた2019年(令和元年)に将来の日本の文化を担う世界で活躍する若手アーティストが一堂に会した「55周年祝祭オーケストラ」としての出演も含め、多数出演している。

音楽番組

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  • 題名のない音楽会(2019年10月5日、10月26日、11月2日、11月9日、2021年10月30日、2022年4月2日、4月23日、7月23日、9月24日、10月8日、10月15日、11月5日、2023年1月28日、2月25日、4月29日、12月23日、2024年5月18日、テレビ朝日系列

バラエティ

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ラジオ

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脚注

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注釈

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  1. ^ 後に「ミュージックセミナーinゆうばり」へ引き継がれる。
  2. ^ 今井信子を講師に迎え毎年1月に小樽で開催されるマスタークラス。
  3. ^ 講習会。
  4. ^ 岩崎淑の弟でチェリスト。1965年(昭和40年)にヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションで優勝。
  5. ^ ヴァイオリンが篠原と桐原、ヴィオラが中、チェロが三井。
  6. ^ ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン。
  7. ^ ヴィオラの製作者であるドメニコ・モンタニャーナ
  8. ^ 「御恵ちゃん」の略[3]
  9. ^ 2021年(令和4年)はカルテット・アマービレとして出演。
  10. ^ a b 収録曲でヴイオラを担当。
  11. ^ 霧島国際音楽祭の特集回。
  12. ^ 夫婦での出演。

出典

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  1. ^ 中恵菜 [@meguna56]「7/20 姉とDUOコンサートをさせていただきます」2024年7月11日。Instagramより2024年9月9日閲覧
  2. ^ 日本の弦楽四重奏が3位/ドイツの音楽コンクール」『四国新聞』2016年9月11日。2024年9月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j 【霧島国際音楽祭から世界へ!】カルテット・アマービレ インタビュー vol.2 (インターネット番組). 霧島国際音楽祭. 2021年7月6日. YouTubeより2024年9月9日閲覧
  4. ^ a b c d e バイオRadio! (2024年1月6日). 原浩之のリラクゼーション・ノート2023年12月 ゲスト ビオラ奏者 中 恵菜さん (インターネット番組). 兵庫エフエム放送. YouTubeより2024年9月9日閲覧
  5. ^ a b c d e f g 「じんわりと、滋味深い味わいを」by 中 恵菜(NJP首席ヴィオラ奏者)”. NJP楽員ストーリーズ - 新日本フィルメディア. 新日本フィルハーモニー交響楽団 (2022年9月28日). 2024年9月9日閲覧。
  6. ^ 入賞者リスト 篠原 悠那”. 東京音楽コンクール. 東京文化会館 (2011年11月1日). 2024年9月8日閲覧。
  7. ^ プロジェクトQ・第10章〜若いクァルテット、ベートーヴェンに挑戦する”. テレビマンユニオン. 2024年9月9日閲覧。
  8. ^ VIOLA MASTER CLASS in OTARU 2013年 ヴィオラ受講生プロフィール”. ヴィオラマスタークラス実行委員会 (2013年). 2024年9月9日閲覧。
  9. ^ VIOLA MASTER CLASS in OTARU 2015年 ヴィオラ受講生プロフィール”. ヴィオラマスタークラス実行委員会 (2015年). 2024年9月9日閲覧。
  10. ^ a b プロジェクトQ・第11章〜若いクァルテット、ショスタコーヴィチに挑戦する”. テレビマンユニオン. 2024年9月9日閲覧。
  11. ^ ランチタイムコンサートvol.42 弦楽四重奏の愉しみ”. 石橋メモリアルホール (2014年4月16日). 2024年9月9日閲覧。
  12. ^ a b プロジェクトQ・第13章〜若いクァルテット、モーツァルトに挑戦する”. テレビマンユニオン. 2024年9月9日閲覧。
  13. ^ プロジェクトQ・第12章〜若いクァルテット、シューベルトに挑戦する”. テレビマンユニオン. 2024年9月9日閲覧。
  14. ^ 活躍する桐朋生 コンクールでの活躍(2019年度実績) (PDF)」『桐朋学園 音楽部門 学校案内2021』桐朋学園、2021年、39頁。
  15. ^ a b 朴梨恵 (2021年3月19日). “辻本玲さん、中恵菜さんにインタビュー!”. ヴィオラ奏者・朴梨恵のオフィシャルぶろぐ. 2024年9月9日閲覧。
  16. ^ 中恵菜 [@com_megdepp]「大河ドラマ「光る君へ」劇伴REC参加させていただいております」2024年1月7日。X(旧Twitter)より2024年9月9日閲覧
  17. ^ 林昌英「中 恵菜(ヴィオラ/カルテット・アマービレ)」『ぶらあぼ』30巻(2023年5月号 第348号)、ぶらあぼホールディングス、2023年4月18日、53頁。2024年9月9日閲覧

外部リンク

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