ヴァンウォール・ヴァンダーヴェル 680
この記事はイタリア語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2022年11月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
カテゴリー | LMH | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
コンストラクター | バイコレス | ||||||||
先代 | CLM P1/01 | ||||||||
主要諸元 | |||||||||
シャシー | カーボンファイバーモノコック | ||||||||
サスペンション(前) | 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド | ||||||||
サスペンション(後) | 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド | ||||||||
エンジン | ギブソン GL458 4.5 L V8 自然吸気 ミッドシップ, 縦置き | ||||||||
トランスミッション | 7速 X Trac社製シーケンシャル・セミオートマチック | ||||||||
タイヤ | ミシュラン | ||||||||
主要成績 | |||||||||
チーム | フロイド・ヴァンウォール・レーシングチーム | ||||||||
ドライバー |
エステバン・グエリエリ トム・ディルマン ジャック・ヴィルヌーヴ トリスタン・ヴォーティエ ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ ライアン・ブリスコー | ||||||||
初戦 | 2023年のセブリング1000マイルレース | ||||||||
最終戦 | 2023年のバーレーン8時間レース | ||||||||
|
ヴァンウォール・ヴァンダーヴェル 680 (Vanwall Vandervell 680) は、バイコレスがル・マン・ハイパーカー (LMH)規定に基づき、FIA 世界耐久選手権(WEC)への参戦用に開発したプロトタイプ・レーシングカー。F1で初のコンストラクターズチャンピオンを獲得したヴァンウォールの名を冠する。
概要
[編集]バイコレスが2019-20年までFIA 世界耐久選手権に参戦していたLMP1クラスのCLM P1/01の後継にあたる。エンジンはCLM P1/01から引き続きギブソン・テクノロジー製V型8気筒自然吸気エンジンであるGL458をミッドシップに搭載していたが、後に他メーカーへの換装も行われている(後述)。
当初は2021年からLMHクラスに参戦予定だったが[1]、LMP時代と異なりシーズンエントリーが必須となり1レース毎のエントリーが禁止されたためその年の参戦は見送り[2][3]、翌2022年のシリーズエントリーを目指していたがこれはWEC選考委員会から却下され[4]、2023年にようやくエントリーが認められている[5]。
名称にVanwall (ヴァンウォール) を用いており、車両のカラーリングも意識されているが、かつてのF1コンストラクターであるヴァンウォールとは直接の関係は無い。純粋なレーシングカーコンストラクターの車両が参戦可能であったLMP時代と異なり、ハイパーカークラスへの参戦には市販の自動車メーカーとの繋がりが必要なため、バイコレスの関連会社であるPMC GmbHがドイツで商標を保持している「ヴァンウォール」の名前を用いているものである[6]。バイコレスの市販車メーカーとしての実績作りとして、本車両の公道走行可能モデルとなる「ヴァンダーヴェル 1000」[7][8]や、量産EVホットハッチとなる「ヴァンダーヴェル S」の開発が発表されている[9]が、2023年12月現在特に進展は無い。
レース活動
[編集]2023年
[編集]参戦に先立ち2022年4月、ドイツの飛行場にてロールアウト。クリストフ・ブシューが最初のステアリングを握った。2023年にシリーズエントリーが認められ同年よりの参戦となった。チーム名はフロイド・ヴァンウォール・レーシングチーム、ドライバーはトム・ディルマン、エステバン・グエリエリ、1997年のF1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴの3人を起用していたが、第4戦となるル・マン24時間レースではヴィルヌーヴに代わりトリスタン・ヴォーティエが、そして第5戦モンツァ6時間レースからはディルマンに代わりジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが、第7戦はライアン・ブリスコーがドライバーを務めるなどドライバー陣が頻繁に変更され、1台での参戦でありながら年間6人ものドライバーが起用、フルエントリーしたのはエステバン・グエリエリ一人となった。
マシンも全体的な信頼性の不足に加えギブソン製エンジンのパワー不足も目立ち、BoPによる性能調整の上限値から80馬力ほども劣った出力しか得られないこともあり、成績は低迷した。クラス最高成績は開幕戦の8位、総合順位では第5戦の20位が最高、完走率は50%しかなく、獲得したポイントはモンツァ以降の2戦を欠場したグリッケンハウスよりも低かった[10]。
2024年
[編集]2024年に向けてはV型10気筒エンジンへの載せ替えなども検討されたが、最終的に前年限りでWECから撤退したグリッケンハウス・007 LMHのエンジン(ピポ・モチュール社製P21エンジン・3.5L V型8気筒ツインターボチャージャー)を採用することを決めた。しかしFIA/ACOから2024年シーズンのエントリーを却下されてしまい、参戦は出来なかった[10]。
2024年10月、チームマネージャーのコリン・コレスがメディアの取材に応じ、2025年のWECへの復帰に向けた準備を進めていることを明らかにした。コレスによれば「95%新しい」とされるバージョンアップ版の車両の開発が進められているが、実車での走行は「(復帰が)正式に決定してから」になる予定だという。ヴァンウォールでは「1年後(2026年)にヒョンデが来たときに、再び『グリッドが満員だ』と言われるのは困る」として、FIA/ACOに対し長期参戦のコミットメントを求めている[11]。しかし11月22日に公表された2025年のエントリーリストに名前はなく、またもエントリーを却下された。
戦績
[編集]年 | チーム | クラス | No. | ドライバー | Rds. | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | Pts. | Pos. |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023 | フロイド・ヴァンウォール・レーシングチーム | ハイパーカー | 4 | エステバン・グエリエリ | All | SEB 8 |
POR Ret |
SPA Ret |
LMS Ret |
MNZ 12 |
FUJ 11 |
BHR 12 |
10 | 7位 |
トム・ディルマン | 1-4 | |||||||||||||
ジャック・ヴィルヌーヴ | 1-3 | |||||||||||||
トリスタン・ヴォーティエ | 4-7 | |||||||||||||
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | 5-6 | |||||||||||||
ライアン・ブリスコー | 7 |
脚注
[編集]- ^ “バイコレス、2021年のWECに参戦するハイパーカーの画像を公開。市販車バージョンも発表”. motorsport.com 日本語版. (2020年9月19日)
- ^ “WECの”組織”に不満あり? バイコレス、エントリーしなかった理由を明かす”. motorsport.com 日本語版. (2021年1月22日)
- ^ “2022年のWECハイパーカークラスデビューを目指すバイコレス、新車のロールアウトは今秋を予定 | ル・マン/WEC”. AUTO SPORT web (2021年9月16日). 2023年12月20日閲覧。
- ^ “バイコレス、2022年WECハイパーカークラスのエントリーを却下される。WEC側は詳細語らず”. motorsport.com 日本語版. (2022年1月13日)
- ^ “WECの2023年暫定エントリーリストが公開。LMDhの参加によりハイパーカーは計13台に | ル・マン/WEC”. AUTO SPORT web (2023年1月11日). 2023年12月20日閲覧。
- ^ “バイコレス、『ヴァンウォールLMH』をドイツでロールアウト。2023年のWEC参戦を目指す”. jp.motorsport.com (2022年4月2日). 2023年12月20日閲覧。
- ^ ByKOLLESのツイート(1570077049733189632)
- ^ “実現できる? ナンバー付きのル・マンハイパーカー バイコレスが製作”. AUTOCAR JAPAN. (2022年9月20日)
- ^ “かつてはF1、今年はWECハイパーカー。新生ヴァンウォール、初の量産車は580馬力の電動ホットハッチに”. jp.motorsport.com (2023年1月18日). 2023年12月20日閲覧。
- ^ a b “V10化も検討。WECにエントリー申請が拒否されたヴァンウォール、エンジンサプライヤー変更も報われず”. オートスポーツ. (2023年11月28日)
- ^ タイムリミットが迫るヴァンウォールのWEC復帰計画。2025年の参戦が保証されるまでテストは保留 - オートスポーツ・2024年10月8日