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ワン・カインド・フェイヴァー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ワン・カインド・フェイヴァー』
B.B.キングスタジオ・アルバム
リリース
録音 ロサンゼルス ヴィレッジ・レコーダー[1]
アディショナル・レコーディング:ロサンゼルス エレクトロマグネティック・スタジオ[1]
ジャンル ブルース
時間
レーベル ゲフィン・レコード
プロデュース T・ボーン・バーネット
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 37位(アメリカ[2]
  • 72位(オランダ[3]
  • 76位(スイス[4]
  • 90位(ベルギー・ワロン地域[5]
  • 96位(イタリア[6]
  • 137位(フランス[7]
  • B.B.キング アルバム 年表
    Live
    (2008年)
    ワン・カインド・フェイヴァー
    (2008年)
    テンプレートを表示

    ワン・カインド・フェイヴァー』(One Kind Favor)は、アメリカ合衆国ブルース・ミュージシャン、B.B.キング2008年に発表したスタジオ・アルバム。キングは2015年に89歳で死去しており、結果的に生涯最後のスタジオ・アルバムとなった[8]

    背景

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    T・ボーン・バーネットがプロデューサーに起用され、キング自身はバーネットの音作りに関して「彼は私が1950年代に作ってきたレコードのサウンドを好んでいた」と語っている[9]。本作のレコーディング・セッションは、ジム・ケルトナーとジェイ・ベラローズのツイン・ドラムス編成で行われ、ベラローズは2009年のインタビューにおいて「ジムは船長のような存在だった」「2人で同じ演奏をすることもあれば、ジムが音数の多い演奏をしている間、僕はとにかくパーカッション的な演奏に徹したこともあった」と振り返っている[10]

    収録曲のうち3曲は、ロニー・ジョンソンの録音で知られる曲のカヴァーで[11]、キングはジョンソンに関して「私はずっとロニー・ジョンソンのようになりたかった」「彼は、たとえカントリーやジャズをやっても、しっくり来たと思うよ」という賛辞を述べている[12]

    2008年当時は日本発売されず、日本初回盤(UICY-77459)は2015年9月16日、SHM-CDとしてリリースされた[13]

    反響

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    アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200では、2008年9月13日に最高37位を記録し、エリック・クラプトンとのコラボレーション・アルバム『ライディング・ウィズ・ザ・キング』(2000年)を含めれば、自身8年ぶり・5作目の全米トップ40アルバムとなった[2]。また、『ビルボード』のブルース・アルバム・チャートでは、合計9週にわたり1位を獲得した[14]

    フランスのアルバム・チャートでは4週トップ200入りし、最高137位を記録して、『ライディング・ウィズ・ザ・キング』以来8年ぶりに、同国におけるトップ200入りを果たした[7]

    評価

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    第51回グラミー賞では、最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム賞を受賞した[15]

    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「彼が"The Thrill Is Gone"のクロスオーヴァー・ヒットを受けて発表した多数のアルバムと異なり、虚飾を排した仰々しさのないサウンドで、ゲスト・スターに依存せず、収録曲も正統派のブルースである」と評している[11]。マーク・ケンプは2008年9月4日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューで5点満点中4点を付け「ここ何年かのB.B.キングの最高傑作というだけでなく、彼のキャリア全体においても『シンギン・ザ・ブルース』や『ルシール』といった傑作に並ぶ、最高のスタジオ・アルバムの一つ」「82歳にして、いかに過去の情熱を取り戻したのか? それはもちろん、控え目に言っても晩年のロバート・プラントジョン・メレンキャンプに威厳を与えたプロデューサー、T・ボーン・バーネットの手腕による」と評した[16]。また、Jon Parelesは2008年8月24日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙において「スタジオ・ライヴによる演奏は、とても気の利いたクラブにおける、深夜の部のステージを思わせる」「キングのブルースの痛み、怒り、気品、そして鋭利さは、衰え知らずの本物である」と評している[17]

    収録曲

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    1. シー・ザット・マイ・グレイヴ・イズ・ケプト・クリーン - "See That My Grave Is Kept Clean" (Lemon Jefferson, Furry Lewis) – 4:49
    2. アイ・ゲット・ソー・ウィアリー - "I Get So Weary" (Jean Williams) – 4:17
    3. ゲット・ジーズ・ブルース・オフ・ミー - "Get These Blues Off Me" (Lee Vida Walker) – 4:30
    4. ハウ・メニー・モア・イヤーズ - "How Many More Years" (Chester Burnett) – 3:10
    5. ウェイティング・フォー・ユア・コール - "Waiting for Your Call" (T-Bone Walker) – 6:02
    6. マイ・ラヴ・イズ・ダウン - "My Love Is Down" (Lonnie Johnson) – 5:25
    7. ザ・ワールド・ゴーン・ロング - "The World Gone Wrong" (Mississippi Sheiks) – 4:24
    8. ブルース・ビフォア・サンライズ - "Blues Before Sunrise" (John Lee Hooker) – 4:21
    9. ミッドナイト・ブルース - "Midnight Blues" (John Willie "Shifty" Henry) – 3:49
    10. バックウォーター・ブルース - "Backwater Blues" (L. Johnson) – 7:36
    11. シッティン・オン・トップ・オブ・ザ・ワールド - "Sitting on Top of the World" (Mississippi Sheiks) – 3:41
    12. トゥモロウ・ナイト - "Tomorrow Night" (L. Johnson) – 5:00

    参加ミュージシャン

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    脚注

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    1. ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
    2. ^ a b B.B. King Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2019年11月7日閲覧。
    3. ^ B.B. King - One Kind Favor - dutchcharts.nl
    4. ^ B.B. King - One Kind Favor - hitparade.ch
    5. ^ ultratop.be - B.B. King - One Kind Favor
    6. ^ italiancharts.com - B.B. King - One Kind Favor
    7. ^ a b lescharts.com - B.B. King - One Kind Favor
    8. ^ Kielty, Martin (2015年5月15日). “B.B. King dead at 89”. loudersond.com. Future plc. 2019年11月7日閲覧。
    9. ^ Lewis, Randy (2008年9月8日). “B.B. King's not ready to be a museum piece”. Los Angeles Times. 2019年11月7日閲覧。
    10. ^ Berkery, Patrick (2009年). “Jay Bellerose: All In A Year's Work”. Modern Drummer. 2019年11月7日閲覧。
    11. ^ a b Erlewine, Stephen Thomas. “One Kind Favor - B.B. King”. AllMusic. 2019年11月7日閲覧。
    12. ^ Wilkinson, Carl (2008年9月13日). “Soundtrack of my life: BB King”. The Guardian. Guardian News and Media. 2019年11月7日閲覧。
    13. ^ B.B.キングの4CDオールタイム・ベスト『Ladies And Gentlemen… Mr. B.B. King』が日本語ブックレット付限定直輸入盤国内仕様で登場”. amass.jp (2015年7月19日). 2019年11月7日閲覧。
    14. ^ B.B. King Chart History - Blues Albums”. Billboard. 2019年11月7日閲覧。
    15. ^ B.B. King - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2019年11月7日閲覧。
    16. ^ Kemp, Mark (2008年9月4日). “One Kind Favor”. Rolling Stone. 2019年11月7日閲覧。
    17. ^ New Music From the Game, B.B. King and Solange”. The New York Times (2008年8月24日). 2019年11月7日閲覧。