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レイディオスクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レイディオスクス
生息年代: 後期白亜紀カンパニアン 77.9–72.1 Ma
Leidyosuchus canadensis 頭蓋骨
地質時代
後期白亜紀カンパニアン
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 四肢動物上綱 Tetrapoda
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜型下綱 Archosauromorpha
階級なし : 偽鰐類 Pseudosuchia
上目 : ワニ形上目 Crocodylomorpha
階級なし : 新鰐類 Neosuchia
: ワニ目 Crocodilia
上科 : アリゲーター上科 Alligatoroidea
: レイディオスクス属 Leidyosuchus
学名
Leidyosuchus Lambe1907
  • L. canadensis Lambe1907 (タイプ種)

レイディオスクス[1]学名Leidyosuchus)は、後期白亜紀カナダアルバータ州に生息した、アリゲーター上科に属する絶滅したワニ目。1907年にローレンス・ラムが命名しており、タイプ種は L. canadensis[2]カンパニアン期のダイナソーパーク累層から数多くの標本が発見されている。アリゲーター上科としては中型であり、頭蓋骨長は最大で40センチメートルを上回る[3]

かつて本属には長年多くのが分類されており、具体的にはサスカチュワン州暁新統から産出した L. acutidentatus (Sternberg, 1932)、ノースダコタ州ワイオミング州の暁新統から産出した L. formidabilis (Erickson, 1976)、アルバータ州のカンパニアン階から産出した L. gilmorei (Mook, 1942)、コロラド州モンタナ州ノースダコタ州サウスダコタ州ワイオミング州マーストリヒチアン階から産出した L. multidentatus (Mook, 1930)、L. riggsi (Schmidt, 1938)、L. sternbergii (Gilmore, 1910)、ワイオミング州の始新統から産出した L. wilsoni (Mook, 1959)が挙げられる[3]。しかし、1997年に Chris Brochu は本属を再評価し、これらの種の大部分を再分類した。L. acutidentatusL. formidabilisL. sternbergiiL. wilsoni は新属ボレアロスクス属へ、L. multidentatusリストログナトスクス英語版属へ再分類された。また L. gilmoreiL. canadensis のシノニムとして扱われたほか、L. riggsi は化石の断片性ゆえに同定不能とされた[3][4]

レイディオスクスはアリゲーター上科の中で最も基盤的な属の一つである。形態・分子・層序情報を用いた2018年の Lee & Yates の解析に基づき、アリゲーター上科内におけるレイディオスクスの位置付けを以下のクラドグラムに示す[5]

ワニ目
アリゲーター上科

レイディオスクス

ディプロキノドン亜科

ディプロキノドン

グロビドン類

スタンゲロチャンプサ

ブラキチャンプサ英語版

ナヴァジォスクス

アリゲーター上科
カイマン亜科

カイマン属

クロカイマン属

コビトカイマン属

アリゲーター亜科

アリゲーター属

絶滅した基盤的ワニ目(メコスクス類英語版含む)

ロンギロストレス類英語版
クロコダイル上科

絶滅した基盤的クロコダイル類

クロコダイル科

クロコダイル属

アフリカクチナガワニ属英語版

ニシアフリカコビトワニ属

インドガビアル上科

絶滅した基盤的インドガビアル上科

インドガビアル科

インドガビアル属

マレーガビアル属

出典

[編集]
  1. ^ 小林快次『ワニと恐竜の共存 巨大ワニと恐竜の世界』北海道大学出版会、2013年7月25日、36-37頁。ISBN 978-4-8329-1398-1 
  2. ^ Lambe, Lawrence M. (1907). “On a new crocodilian genus and species from the Judith River Formation of Alberta”. Transactions of the Royal Society of Canada. Series 3 1 (4): 219–235. 
  3. ^ a b c Wu, Xiao-Chun (2005). “Crocodylians”. In Currie, Philip J.; Koppelhus, Eva. Dinosaur Provincial Park: A Spectacular Ancient Ecosystem Revealed. Bloomington: Indiana University Press. pp. 277–291. ISBN 0-253-34595-2. https://archive.org/details/dinosaurprovinci0000unse/page/277 
  4. ^ Brochu, C.A. (1997). “A review of "Leidyosuchus" (Crocodyliformes, Eusuchia) from the Cretaceous through Eocene of North America”. Journal of Vertebrate Paleontology 17 (4): 679–697. doi:10.1080/02724634.1997.10011017. JSTOR 4523857. 
  5. ^ Michael S. Y. Lee; Adam M. Yates (27 June 2018). “Tip-dating and homoplasy: reconciling the shallow molecular divergences of modern gharials with their long fossil”. Proceedings of the Royal Society B 285 (1881). doi:10.1098/rspb.2018.1071. PMC 6030529. PMID 30051855. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6030529/.