リーガ・エスパニョーラ2005-2006
スペインのサッカー国内リーグであるリーガ・エスパニョーラの第75シーズンは、2005年8月27日から2006年5月20日に開催された。セグンダ・ディビシオン2004-2005で1部リーグ昇格を決め、本季よりプリメーラ・ディビシオンに参戦するのは、カディスCF、セルタ・デ・ビーゴ、デポルティーボ・アラベスの3チーム。
FCバルセロナが2季連続18回目の優勝を達成した。なお、バルセロナはUEFAチャンピオンズリーグ 2005-06にも14季ぶり2回目の欧州制覇を果たした。
チーム編成
[編集]レアル・マドリード
[編集]レアル・マドリードは、2年間、優勝を逸していたが、ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ監督を継続。また、ロナウド・ナザーリオ(2002ー07)、ロベルト・カルロス(1996-07)の3人のブラジル人に加えて、ジュリオ・セーザル・クレメンテ・バチスタ、ロビーニョがスカウトされた。また、カルロス・ディオゴ、パブロ・ガルシアの2人のウルグアイ人選手も投入された。セルヒオ・ラモス(2005-21)は、18歳で、10代で最高の2700万ユーロの移籍金でセビージャから移った [1]。
さらに、シシーニョ(ブラジル)、アントニオ・カッサーノ(イタリア)も含めて、フロレンティノ・ペレス会長は、過去最高額の9200万ユーロを費やした。このように、監督と5人の選手のブラジル勢で、レアル・マドリードならぬ、「レアル・ブラジル」とも言われた。
こういう中、ギャラクティコ(銀河系軍団)の最初の有名選手ルイス・フィーゴ(2000-05)は、ワルテル・サムエルと共にインテル・ミラノに移籍。サムエルは、前シーズンの最高額移籍者であったが、同チームに馴染めなかった。マイケル・オーウェン(イングランド)も1年で、ニューカッスル・ユナイテッド・FCに移籍。
FCバルセロナ
[編集]FC バルセロナでは、5年間プレーしたジェラール・ロペスが、モナコに移籍した。チームでは、欧州リーグ戦優勝に目標を置き、フランク・ライカールト監督の要請で、前年の欧州チャンピオン・リーグで、最終にPSVアイントホーフェンからマルク・ファン・ボメルが移籍。アスレティック・ビルバオからサンティアゴ・エスケーロが入った。
一方、リオネル・メッシは、将来を見出されて、2000年に、家族と共にバルセロナに移り住んでいた。2001年1月に契約が成立し、C、Bチームで成長。17歳の2004年に、第1リーグ戦にてデビューした。05-06年シーズン時には、スペイン国籍を獲得しており、改めてチームと2014年までの契約をし、第1リーグに参戦することができるようになった。また、2005 FIFAワールドユース選手権で、アルゼンチン・チームから参加し、最優秀選手・得点王となった [2]。
経過
[編集]オサスナ
[編集]初めの数か月は、注目を浴びていなかったCAオサスナがリードをした。このチームは前年季の優秀選手2人が去っていたが、バスク系メキシコ人のハビエル・アギーレ監督の下、その後も良い順位を保っていた。
バルセロナ
[編集]一方、FCバルセロナは、クラシコ戦、レアル・マドリードのホーム戦にて、3対0で勝利した。これは、エトーの1ゴールとロナウジーニョの2ゴールであった。この2ゴールは、レアル・マドリードのファンも称賛する見事なプレーであった。
その後も、10~1月までの間に、FCバルセロナは14連勝をして、群を抜いていた。これは、メッシとロナウジーニョ、エトーの功績によるものであった。
しかしながら、エトーは、カメルーン出身で、アフリカン・カップに出場する為、1か月間、不在。また、シャビ・エルナンデスは、膝の重傷で5か月間欠場となった。この為、アンドレス・イニエスタが、レギュラーとして出場することになり、将来のスターが生まれる契機となった。
この為、FCバルセロナの勢いは、一時、弱まったものの、リーグの終りを待たずに優勝を確保し、欧州リーグ戦に集中できるようになった。
レアル・マドリード
[編集]一方、レアル・マドリードは、不安定な状態で、重要な試合を逃すこともあった。この為、冬場には、ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ監督は解雇され、01年からレアル・マドリードの若手チームの監督をしていた、フアン・ラモン・ロペス・カロに替えられた。しかし、その後も、チームは振るわず、フロレンティノ・ペレス会長も辞任に追い込まれるところであった。
この年の5月7日、ジネディーヌ・ジダン(2001-06)は、レアル・マドリードのホームの試合を最後に引退した。この試合で、彼は、2番目のゴールを決めて、有終の美を飾った。その後、5月20日の最終日まで、2位の決定は、レアル・マドリードとバレンシアFCの間で争われた。バレンシアFCのGK、サンティアゴ・カニサレスは、徹底的な防衛で、0対0に持って行った。一方、もう1つの試合、レアル・マドリード対オサスナでは、後者のホームの試合で、前者が、1ゴールを辛うじて獲得した。逆に、バレンシアFCは、最後のオサスナのホームでの試合で負けた為、最終的にレアル・マドリードが2位、ヴァレンシアFCが3位、オサスナが4位となった。
順位
[編集]順位 | クラブ名 | 勝点 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 差 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | FCバルセロナ | 82 | 25 | 7 | 6 | 80 | 35 | +45 | UEFAチャンピオンズリーグ 2006-07 グループリーグ出場権 |
2 | レアル・マドリード | 70 | 20 | 10 | 8 | 70 | 40 | +30 | |
3 | バレンシアCF | 69 | 19 | 12 | 7 | 58 | 33 | +25 | UEFAチャンピオンズリーグ 2006-07 3回戦出場権 |
4 | CAオサスナ | 68 | 21 | 5 | 12 | 49 | 43 | +6 | |
5 | セビージャFC | 68 | 20 | 8 | 10 | 54 | 39 | +15 | UEFAカップ 2006-071回戦出場権 |
6 | セルタ・デ・ビーゴ | 64 | 20 | 4 | 14 | 45 | 33 | +12 | |
7 | ビジャレアルCF | 57 | 14 | 15 | 9 | 50 | 39 | +11 | UEFAインタートトカップ 2006 3回戦出場権 |
8 | デポルティーボ・デ・ラ・コルーニャ | 55 | 15 | 10 | 13 | 47 | 45 | +2 | |
9 | ヘタフェCF | 54 | 15 | 9 | 14 | 54 | 49 | +5 | |
10 | アトレティコ・マドリード | 52 | 13 | 13 | 12 | 45 | 37 | +8 | |
11 | レアル・サラゴサ | 46 | 10 | 16 | 12 | 46 | 51 | -5 | |
12 | アスレティック・ビルバオ | 45 | 11 | 12 | 15 | 40 | 46 | -6 | |
13 | RCDマジョルカ | 43 | 10 | 13 | 15 | 37 | 51 | -14 | |
14 | レアル・ベティス | 42 | 10 | 12 | 16 | 34 | 51 | -17 | |
15 | RCDエスパニョール | 41 | 10 | 11 | 17 | 36 | 56 | -20 | UEFAカップ 2006-071回戦出場権[3] |
16 | レアル・ソシエダ | 40 | 11 | 7 | 20 | 48 | 65 | -17 | |
17 | ラシン・サンタンデール | 40 | 9 | 13 | 16 | 36 | 49 | -13 | |
18 | アラベス | 39 | 9 | 12 | 17 | 35 | 54 | -19 | セグンダ・ディビシオンに自動降格 |
19 | カディスCF | 36 | 8 | 12 | 18 | 36 | 52 | -16 | |
20 | マラガCF | 24 | 5 | 9 | 24 | 36 | 68 | -32 |
- ^ “El Madrid paga la cláusula de 27 millones por Sergio Ramos”. as.com. 2024年6月30日閲覧。
- ^ “Messi recoge el premio al mejor jugador joven del mundo”. as.com. 2024年6月30日閲覧。
- ^ コパ・デル・レイ2005–06に優勝した為
ピチーチ賞
[編集]最も多く得点を挙げた選手にはピチーチ賞が贈られる。
順位 | 選手 | クラブ | ゴール数 |
---|---|---|---|
1 | サミュエル・エトオ | FCバルセロナ | 26 |
2 | ダビド・ビジャ | バレンシアCF | 25 |
3 | ロナウジーニョ | FCバルセロナ | 17 |
4 | ディエゴ・ミリート | レアル・サラゴサ | 15 |
5 | ロナウド | レアル・マドリード | 14 |
6 | フェルナンド・バイアーノ | セルタ・デ・ビーゴ | 13 |
フェルナンド・トーレス | アトレティコ・マドリード | ||
8 | エベルトン | レアル・サラゴサ | 12 |
フアン・ロマン・リケルメ | ビジャレアルCF | ||
ディエゴ・トリスタン | デポルティーボ・デ・ラ・コルーニャ |
サモラ賞
[編集]順位 | 選手 | クラブ | 試合 | 失点 | 失点率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ホセ・マヌエル・ピント | セルタ・デ・ビーゴ | 36 | 28 | 0.78 |
2 | サンティアゴ・カニサレス | バレンシアCF | 36 | 29 | 0.81 |
3 | ビクトル・バルデス | FCバルセロナ | 35 | 29 | 0.83 |
4 | レオ・フランコ | アトレティコ・マドリード | 32 | 33 | 0.97 |
5 | イケル・カシージャス | レアル・マドリード | 37 | 38 | 1.03 |
6 | アンドレス・パロップ | セビージャFC | 36 | 37 | 1.03 |
7 | セバスティアン・ビエラ | ビジャレアルCF | 28 | 30 | 1.07 |
8 | リカルド・ロペス | CAオサスナ | 30 | 35 | 1.17 |
9 | フランシスコ・モリーナ | デポルティーボ・デ・ラ・コルーニャ | 38 | 45 | 1.18 |
10 | トニ・プラッツ | RCDマヨルカ | 30 | 36 | 1.20 |
参考