ユキザサ
ユキザサ | ||||||||||||||||||||||||
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福島県福島市 2013年5月
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分類(クロンキスト体系) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Maianthemum japonicum (A.Gray) LaFrankie (1986)[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ユキザサ(雪笹)[4] |
ユキザサ(雪笹[5]、学名: Maianthemum japonicum )は、ユリ科の多年草[6][7][8]。若葉は山菜として食べられる。
APG植物分類体系では、ユキザサは、ユリ目ユリ科からキジカクシ目キジカクシ科に分類される[4][9]。また、属としては、旧ユキザサ属(ユキザサぞく、学名:Smilacina、漢字表記:雪笹属)に属していたが、旧ユキザサ属は、マイヅルソウ属に含められた[9]。
名称
[編集]和名の由来は「雪笹」の意で、花が白いので「雪」にたとえ、葉がササ(笹)に似た形状によることからという[7][8]。アイヌ語名では根をペペロという[10]。別名、オニユキザサ[1]、ササナ[5]、アズキナ[5]、スズメユリ[5]ともよばれている。中国名は鹿藥[1]。
分布と生育環境
[編集]日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の落葉広葉樹林の林床に生育する[5]。国外では、朝鮮半島、中国大陸、ウスリー、アムールに分布する[7]。
特徴
[編集]多年生草本[5]。地下に根茎があり、肉質で直径4 - 7ミリメートル (mm) になり長く横たわる[5]。茎は円柱形で、弓なりに曲がり[5]、高さは20 - 70センチメートル (cm) になる。茎は直立するが、上部は斜上し、上部にいくにしたがって粗い毛におおわれる。茎の根元はのほうが濃い紫褐色になり、茎全体に細かい毛が密生する[11]。葉は茎の上半分に2列に並んで互生し[5]、葉身は長さ6 - 15 cmになる広楕円形から卵状長楕円形で、先は鋭くとがり、基部は円形または切形になる。葉質は軟らかく、両面に粗い毛が生え、とくに裏面の葉脈上に多い[4][6][7][8][5]。葉脈は並行脈で目立つ[5]。
花期は初夏(5 - 7月)[5]。茎先に円錐花序をつけ、白い小さな両性花を多数つける[5]。花序と花柄にも粗い毛が多い。花被片は白色で6個、長さは3 - 4ミリメートル (mm) になる長楕円形で幅は狭く、平開する。雄蕊は6個あり、花被片より短い。雌蕊の花柱は長さ0.5 - 1 mmで、柱頭は丸いか、わずかに3裂する。果実は球形の液果で、径5 - 7 mm、初め緑色であるが後に赤く熟す[4][6][7][8]。
利用
[編集]春の若い芽は山菜となる。採取時期は4 - 5月ごろで、葉がかたく巻いているころから、数枚の葉が開きかけているころの若芽を採取する[5]。緑色が残るようにさっと茹でて水にとって冷まし、おひたし、和え物、バター炒め、煮びたし、すまし汁、山菜ずしの具、薄い塩味をつけて山菜ご飯にする[5]。生で天ぷらや汁の実にもできる[5]。茹でるとアズキのような香りとほのかに甘みがあり、滑らかな口当たりと淡白な味わいがある[5]。
葉が開ききらない若芽のころは、毒草のホウチャクソウ(学名: Disporum sessile)に似ている[11]。ユキザサは花芽をつけながら生長するため、葉の先端から蕾がのぞいているころに採取すると安全といわれている[11]。
脚注
[編集]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Maianthemum japonicum (A.Gray) LaFrankie ユキザサ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月18日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Smilacina trinervis Miyabe et Kudô ユキザサ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月18日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Smilacina japonica A.Gray ユキザサ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月18日閲覧。
- ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.144
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 金田初代 2010, p. 110.
- ^ a b c 「朝日百科『世界の植物』8」pp. 2364 - 2365
- ^ a b c d e 『日本の野生植物 草本I単子葉類』p. 49
- ^ a b c d 『新牧野日本植物圖鑑』p.865
- ^ a b 大場『植物分類表』pp.54-57
- ^ “葉を見る”. 国土交通省北海道開発局. 2020年8月11日閲覧。
- ^ a b c 金田初代 2010, p. 111.
参考文献
[編集]- 金田初代、金田洋一郎(写真)『ひと目でわかる! おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』PHP研究所、2010年9月24日、110 - 111頁。ISBN 978-4-569-79145-6。
- 北村四郎他総監修「朝日百科『世界の植物』8」朝日新聞社、1978年。
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本I単子葉類』平凡社、1982年。
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』北隆館、2008年。
- 大場秀章編著『植物分類表(初版第3刷訂正入)』アボック社、2011年。
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』山と溪谷社、2013年。