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APG体系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
APG植物分類体系から転送)

APG体系(エーピージーたいけい)は、1998年に公表された被子植物の新しい分類体系である。

APGすなわち被子植物系統グループ (Angiosperm Phylogeny Group) とは、この分類を実行する植物学者の団体である。この分類は特に命名されておらず、「APG体系」や「APG分類体系」などと呼ばれる。

旧い分類法の新エングラー体系クロンキスト体系がマクロ形態的な仮説を根拠に帰納的に分類体系を作り上げたのに対して、ミクロなゲノム解析から実証的に分類体系を構築するものであり、根本的に異なる分類手法である。

歴史

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1990年代以降にDNA解析による分子系統学が大きく発展してきた。植物の分類体系も、この手法を試みる研究が分類学において主流になりつつある。

特に葉緑体DNAの解析から、被子植物の分岐を調査する研究は近年飛躍的に進み、新しい知見はAngiosperm Phylogeny Group (APG) に集約されている。学術先端分野はすでにAPGの体系に移行し、クロンキスト体系は歴史的体系として扱われている[1]

大分類

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版に拠らないおおよその分類を示す。名称変更がある系統は最新の APG IV による。

被子植物

モクレン類 magnoliids

単子葉類 Monocots

ツユクサ類 commelinids

真正双子葉類 Eudicots

コア真正双子葉類 Core eudicots

バラ類 Rosids

マメ類 fabids(真性バラ類I Eurosids I

アオイ類 malvids(真性バラ類II Eurosids II

キク類 Asterids

シソ類 lamiids(真正キク類I Euasterid I

キキョウ類 campanulids(真正キク類II Euasterid II

更新

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APG I

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APG分類体系の初版(書誌)は1998年に公表された。固有の名称はなく当初は APG system などと呼ばれ、現在では区別のために APG I と呼ばれる。

APG II

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第2版(APG II 2003 または APG II と表記する。書誌)は2003年に公表された。主要な変更点は以下の2点である:

  • 初版で分類未確定とされていた多くのタクソンを分類した。
  • 一部の分類群については、大きな科にまとめても、あるいはより細かい科に分類してもよいとした。

APG III

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2009年、第3版(APG III。書誌)が公表された。主な変更点は次の通り。

APG IV

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2016年、第4版(APG IV)が公表された。体系の大まかな概略はAPG IIIを踏襲されているが、いくつかの点で変更されている。主な変更点は次の通り。

この結果、目の総計は64に、科の総計は416にそれぞれ変更となった。二つの主な(非公式の)クレードとして、バラ上群(superrosids) と キク上群(superasterids)が追加され、それぞれ バラ類(rosids) と キク類(asterids)の上位クレードを構成することになった。

APG V

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APG分類体系の論文

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出典

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  1. ^ 「植物の進化を扱う学問分野においては、EnglerやCronquistの体系はもはや時代遅れのものでしかない」米倉浩司『高等植物分類表』北隆館、2009年、17頁。ISBN 978-4-8326-0838-2 

外部リンク

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