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トヨタ・ヤリスクロス

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ヤリスクロスから転送)

トヨタ・ヤリス > トヨタ・ヤリスクロス

ヤリス クロスYARiS CROSS)は、トヨタ自動車が生産・販売するBセグメントに属する小型クロスオーバーSUV

XP210型(2020年 - )

トヨタ・ヤリスクロス
MXPB1#/MXPJ1#型
2020年9月販売型 Z 4WD
2022年7月販売型 HYBRID GR SPORT
2024年1月改良型 HYBRID GR SPORT
概要
製造国 日本の旗 日本
フランスの旗 フランス
販売期間 2020年8月31日 -
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動四輪駆動・E-Four
プラットフォーム GA-Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン ガソリン車:
M15A-FKS型 1,490 cc 直列3気筒 DOHC
ハイブリッド車:
M15A-FXE型 1,490 cc 直列3気筒 DOHC
変速機 CVT
車両寸法
ホイールベース 2,560 mm
全長 4,180 mm
全幅 1,765 mm
全高 1,560 mm
系譜
先代 トヨタ・ist
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2020年令和2年)2月発売のヤリスに続き、GA-Bプラットフォーム採用車種の第二弾[注釈 1]。 開発はデザイン、設計ともにトヨタ自動車のヨーロッパ拠点が手がけた[1]。 後部座席が最小限でドライバーズカーとしての性格が強いヤリスに比べると、本車両は居住性や荷室空間といったSUVらしいユーティリティ性能を重視して開発されており[2]、ボディーサイズをヤリスと比較すると、全長・全幅・全高がそれぞれ240 mm・20 mm・90 mmずつ拡大されている[3]。これによってヤリスより広い室内スペースが確保されている[3]

パワートレインは1.5リッター直3エンジンに発進用ギア付きCVT (Direct Shift-CVT) の組み合わせ、またはそのエンジンをベースとしたTHSの2種類。 駆動方式はそれぞれに前輪駆動四輪駆動の2種類がラインナップされる[4]。なお、ヤリス同様、リアサスペンションは、前輪駆動モデルはトーションビーム式、四輪駆動モデルはリアデフを車体側にマウントしたダブルウィッシュボーン式となっている。

ガソリン仕様の四輪駆動システムは、通常は前輪駆動で、発進時や低摩擦係数路面で後輪に駆動を配分する『ダイナミックトルクコントロール4WD』に、マッド&サンド、ノーマル、ロック&ダートの3つの走行モードを選択できる『マルチテレインセレクト』を組み合わせている。ハイブリッド仕様の四駆も同様に、電気式4WDの『E-Four』(欧州名『AWD-i』)に、スノー、ノーマル、トレイルの3つのモードを選べる『TRAILモード』を同時採用している。またガソリン車、ハイブリッド車いずれも滑りやすい路面での降坂時に車速を一定に保つ『ダウンヒルアシストコントロール』を備えている。

第90回ジュネーブ国際モーターショーにて披露する予定であったが、COVID-19感染拡大防止のため開催中止となったため2020年(令和2年)4月23日、オンラインでの世界初公開となった[1]。日本では同年8月31日に発売、欧州では2021年半ばの発売が予定されている[2]。欧州向けとして開発されたモデルであるため[注釈 2] [5]、 当初日本への導入予定は無かったが、当時社長であった豊田章男の「なぜ発売しないの?」という一言がきっかけで日本市場導入に至ったという経緯がある[6]

年表

  • 2020年(令和2年)
    • 4月23日 - 世界初公開[2]
    • 8月12日 - 日本での発売を9月初旬とすることを発表[7]
    • 8月31日 - 日本で公式発表・発売[8]。キャッチフレーズは「気になったら、全部やる。」で、CMソングはサカナクション月の椀」。
      • 日本仕様ではガソリン車・ハイブリッド車がラインナップされ、ガソリン車は「X」・「G」・「Z」、ハイブリッド車は「HYBRID X」・「HYBRID G」・「HYBRID Z」の各3グレードずつで、ガソリン車の「X」には、装備内容を一部簡素化[注釈 3]した「Bパッケージ」も設定される。
  • 2022年(令和4年)
    • 7月19日 - 一部改良を発表(8月8日発売)[9]
      • 一部改良ではドライブレコーダー付自動防眩ミラーを全車にオプション設定し、「Z」・「HYBRID Z」の内装色にブラックを追加し、標準設定とした(ダークブラウンへの変更も可能)。
      • グレード体系ではガソリン車専用の「X"Bパッケージ"」を廃止する替わりに、「GR SPORT」と「Z"Adventure"」を追加した(いずれもハイブリッド車・ガソリン車両方に設定されており、ハイブリッド車は「HYBRID GR SPORT」と「HYBRID Z"Adventure"」となる)。「GR SPORT」は専用剛性アップパーツとしてフロア下とロアバックにブレースを追加し、車高を10 mm下げて住友ゴム工業製のスポーツタイヤ「FALKEN FK510 SUV」を装着。同時にブッシュ・コイルスプリング・ショックアブソーバー・電動パワーステアリングをよりスポーティな特性にチューニング。ハイブリッド車「HYBRID GR SPORT」はモーターの過渡特性が最適化され、ドライブシャフトのねじり剛性を向上した。外観はフロントのフォグランプベゼルやリアディフューザーを専用意匠とし、ラジエーターグリル(アッパー・ロア)やリアバンパーロアカバーをGRの"G"をモチーフとしたメッシュタイプへ意匠変更し、専用18インチアルミホイール(切削光輝/センターオーナメント付)やGR専用エンブレムを装着。内装ではシートをスポーティシートとし、シート表皮にはセーレンの「エアヌバック」と合成皮革を組み合わせたコンビシートを採用し、加飾には艶を抑えたダークメタリック塗装に統一した[10]。「X"Adventure"」はバンパー(フロント・リア)を専用品に変え、ルーフレール(シルバー)を追加。内装はコンビシートの合成皮革をサドルタンに、フロントドアインナーガーニッシュ&フロントコンソールをピアノブラック塗装にそれぞれ変更した。
  • 2024年(令和6年)
    • 1月17日 - ヤリスと共に一部改良[11]。「GR SPORT」を除くグレードでアッパーグリルのデザインパターンが変更され、「X」を除くグレードではフロントアームレストをコンソールボックス付のソフトタイプに変更され、メーター部が7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイとなった。全車にディスプレイオーディオが採用(「X」はメーカーオプション、それ以外のグレードは標準装備)され、「X」は「ナビレディパッケージ」のメーカーオプションも設定された。「Toyota Safety Sense」はプリクラッシュセーフティの検出対象範囲を交差点での出会い頭時の車両や自動二輪車に拡大するなど最新化。「G」と「Z」は一部内装の加飾をガンメタリックに変更。ハイブリッド車はリア右下に装着されているハイブリッドシンボルマーク(HYBRID SYNERGY DRIVE)が5代目プリウスで採用された「HEV」エンブレムへ変更された。ボディカラーはマッシブグレー(「X」と「GR SPORT」を除くグレードにはブラックとの2トーンを含む)が設定される代わりにダークブルーマイカメタリックとプラスゴールドメタリックの2色(プラスゴールドメタリックはブラックとの2トーンを含む、「GR SPORT」はダークブルーマイカメタリックのみ)が廃止されたことでモノトーン7色・2トーン4色に整理された。また、サブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」専用グレードとなる「U」が新設された。
    • 6月3日 - 国土交通省は、ヤリスクロスの「型式指定」を巡り不正行為が見つかったとして、安全性が基準に適合しているか確認できるまで出荷停止を指示した[12]
    • 6月5日 - トヨタ自動車が、認証不正に伴い、ヤリスクロスを含む3車種の生産を同月6~28日の間、停止すると明らかにした[13]

AC200型(2023年 - )

2023年5月15日、インドネシアで公開。ダイハツDNGA-Bプラットフォームが与えられた小型SUVで、同じ車名で日欧で展開される上記のXP210型とは全くの別物である。

全長4,310 mm、全幅1,770 mm、全長1,615 mm、ホイールベース2,620 mmとXP210型に比べてホイールベースが60 mm、全長が130 mm長く、1.5リッターデュアルVVT-i4気筒エンジンのガソリン車とハイブリッドが用意される[5] [14]先進安全機能もダイハツのスマートアシストが搭載されている。

なお、2023年8月に投入された中華民国台湾)向けもこちらのタイプが採用される。

その他

2019年11月、タイ市場でXP150型ヤリスの追加モデルとして『ヤリスクロス』が登場。独立した車種ではなく、SUV風の架装をしたパッケージオプションとなる[15]

車名の由来

「Yaris」は、ギリシャ神々名前語尾によく使われる「is」と、開放的でダイナミックな発音である「Ya」を組み合わせた造語である。

「Cross」は、クロスオーバー(Crossover)に由来する。

ヤリスのを引く、クロスオーバーという意味である[16]

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 前半のみGA-Bプラットフォームを採用するGRヤリスも含めると3例目である。
  2. ^ インドネシアで発表されたヤリスクロスはサイズがやや大きく、加飾が多くデザインも異なるなど、やや上級のしつらえとなっている。
  3. ^ 「X」からToyota Safety Senseプリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼]検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)、レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、オートマチックハイビーム、ロードサインアシスト)、先行車発進告知機能、セカンダリーコリジョンブレーキ、インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]が非装備化され、メーカーオプションの16インチアルミホイール(センターオーナメント付)、パノラミックビューモニター、LEDヘッドランプ+LEDクリアランスランプ+LEDデイタイムランニングランプとフルLEDリアコンビネーションランプのセットの設定が不可となる。

参考文献

  1. ^ a b 【トヨタ ヤリスクロス】ついに発表! BセグメントのSUV”. Response. (2020年4月23日). 2020年5月2日閲覧。
  2. ^ a b c TOYOTA、新型車ヤリスクロスを世界初公開”. トヨタグローバルニュースルーム (2020年4月23日). 2020年4月26日閲覧。
  3. ^ a b 【トヨタ ヤリスクロス】日本は2020年秋、欧州は2021年半ばに発売へ[動画]”. Response. (2020年4月24日). 2020年4月26日閲覧。
  4. ^ トヨタが新型SUV「ヤリスクロス」を世界初公開”. WebCG (2020年4月24日). 2020年5月2日閲覧。
  5. ^ a b インドネシアの『ヤリスクロス』は、日本とは別物の上級車と張り合えるクルマだった”. Response. (2023年8月13日). 2023年10月7日閲覧。
  6. ^ ヤリスクロスは売る予定では無かった!? くるまのニュース 豊田社長が登場したラインオフ式での秘話とは”. 2020年9月17日閲覧。
  7. ^ 新型車「ヤリスクロス」“9月初旬”デビュー』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2020年8月12日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33441027.html2020年8月31日閲覧 
  8. ^ TOYOTA、新型車「ヤリス クロス」を発売』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2020年8月31日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/33516865.html 
  9. ^ 2つの新しいヤリス クロスが誕生-走りを追求したGR SPORT、アグレッシブなスタイルのZ“Adventure”を追加-』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2022年7月19日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/37543678.html 
  10. ^ TOYOTA GAZOO Racing、ヤリス クロスにGR SPORTの設定を発表』(プレスリリース)トヨタ自動車株式会社、2022年7月19日https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/37543834.html2022年7月19日閲覧 
  11. ^ トヨタ、「ヤリス」「ヤリス クロス」を一部改良 新色「マッシブグレー」など採用”. Car Watch (2024年1月17日). 2024年1月17日閲覧。
  12. ^ トヨタなど5社、認証不正で立ち入りへ 6車種出荷停止”. 日本経済新聞 (2024年6月3日). 2024年6月4日閲覧。
  13. ^ トヨタ3車種、28日まで生産停止 認証不正、「ヤリスクロス」など”. 時事ドットコム (2024年6月5日). 2024年7月16日閲覧。
  14. ^ “かっこいい!インドネシア トヨタ 新型 ヤリスクロス 「RAV4」顔になって 2023年5月15日発表”. 自動車最新情報. (2023年5月15日). https://car-repo.jp/blog-entry-new-toyota-indonesia-yaris-cross.html 2023年5月17日閲覧。 
  15. ^ 新型カローラアルティス GR&ヤリスクロス発表!! タイ製新SUV&スポーツ日本導入を熱望!!”. ベストカーWeb (2019年12月23日). 2020年4月29日閲覧。
  16. ^ 車名の由来について”. トヨタ自動車株式会社. 2021年1月12日閲覧。

外部リンク