メルシタリア・ファスト
メルシタリア・ファスト Mercitalia Fast | |
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メルシタリア・ファスト(2019年撮影) | |
国 | イタリア |
運行者 | メルシタリア・レール |
運行区間 | マルシエーニ - インテルポルト |
所要時間 | 約3時間30分 |
使用車両 |
ETR500(12両編成) (貨物輸送用に改造の上使用) |
平均速度 | 180km/h |
運行開始 | 2018年11月7日 |
運行終了 | 2022年11月18日 |
備考 | 数値は[1][2][3]に基づく。 |
メルシタリア・ファスト(イタリア語: Mercitalia Fast)は、イタリアの鉄道貨物会社であるメルシタリア・レール(Mercitalia Rail)[4]が運行した、世界初の高速鉄道を用いた貨物列車。2018年11月7日から営業運転を開始したが、2022年11月の運行を最後に長期に渡り運行を休止している[3][5]。
概要
[編集]2018年4月に発表された、高速旅客列車が運行する高速新線(ディレッティシマ)を利用し貨物輸送を行う列車。平均時速180km/hの高速運転により宅配物などの貨物を迅速かつ時間通りに配送する事が可能となる他、二酸化炭素排出量も従来の道路輸送と比較して80%削減されると見込まれていた[6]。
車両は動力集中方式の高速列車であるETR500(12両編成)が用いられた。旅客郵送から貨物輸送への転用に伴い、緑や銀色、赤色を用い「Mercitalia Fast」のロゴマークが大きく描かれた塗装に変更された他、客車として使用されていた中間車両は窓を閉鎖した上で内部にロールボックスパレットを積載するための改造が行われた。1編成の輸送量はトラック18台分、ボーイング747の1機分に相当し、1年間ではA1高速道路を走行するトラック9000台分にも匹敵した[2][6]。
最初の運用区間はカゼルタ・マルシエーニ - ボローニャ・インテルポルト間の、南北イタリアの物流拠点を直結するルートで平日(月曜から金曜)の夜間に運行し、所要時間は3時間30分であった。将来的にはローマやミラノなど、高速旅客列車が結ぶ各都市に向けてメルシタリア・ファストの路線網を拡大する計画となっていた。しかし、2020年時点で利用企業はAmazon.comのみであり、更に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で利用率が低迷した。その結果、2022年11月18日に運行された列車を最後に、メルシタリア・ファストは長期に渡って運行を休止しており、2024年時点でも再開されていない[1][2][3][7]。
関連項目
[編集]- TGV La Poste - 1984年からフランス国鉄(SNCF)で運行していた、郵便専用の高速列車(TGV)。需要の減少により2015年に廃止された[1]。
- 北海道新幹線 - 日本の高速鉄道路線(新幹線)。2020年代前半を目途に、新青森駅 - 新函館北斗駅間へ貨物専用の高速列車を導入する計画が存在する[8]。
脚注
[編集]- ^ a b c High-speed freight train Italy hits the track on 7 November2018年11月2日作成 2018年11月6日閲覧
- ^ a b c Italian high-speed rail freight service ready for launch2018年10月31日作成 2018年11月6日閲覧
- ^ a b c “Mercitalia’s high-speed rail freight service in Italy is no more”. RailFreight.com (2022年11月21日). 2024年11月22日閲覧。
- ^ 一般財団法人研友社:鉄道関係情報 2018年11月6日閲覧
- ^ Mercitalia Fast new high-speed freight service presented2018年10月29日作成 2018年11月6日閲覧
- ^ a b “Mercitalia Fast: from October, goods will travel at high speed” (英語) (2018年4月6日). 2018年11月6日閲覧。
- ^ “Mercitalia Fast is not coming back”. RailFreight.com (2024年3月20日). 2024年11月22日閲覧。
- ^ “「貨物新幹線」は本当に津軽海峡を走るのか”. 東洋経済オンライン. (2016年1月26日) 2018年11月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- メルシタリア・レールの公式ページ”. 2020年8月5日閲覧。 “