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ミヤマクワガタ (植物)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミヤマクワガタ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: オオバコ科 Plantaginaceae
: ルリトラノオ属 Pseudolysimachion
: キクバクワガタ
P. schmidtianum
亜種 : ミヤマクワガタ P. schmidtianum subsp. senanense
学名
Pseudolysimachion schmidtianum (Regel) Yamazaki subsp. senanense (Maxim.) Yamazaki[1][2]
シノニム

Veronica senanensisVeronica schmidtiana subsp. senanensis

和名
ミヤマクワガタ

ミヤマクワガタ(深山鍬形、学名Pseudolysimachion schmidtianum subsp. senanense)は、オオバコ科ルリトラノオ属高山植物で、以前はクワガタソウ属 Veronica に含められていた。ミヤマとは山奥のことであり、クワガタとは果実萼片がついている様子がのくわがた(V字形の角)に似ていることからこの名前が付いたといわれる。なお、同名の昆虫にクワガタムシ科のミヤマクワガタがある。

形態

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草丈は15cmほど。花は紫色で 濃いスジがあり、花冠は4裂し、花茎の先に10数個の花をつけ、横向きに咲く。雄蕊及び雌蕊は花の外に飛び出している。果実は蒴果。茎は分かれず直立し、毛が生える。葉は根生葉(ロゼット)で、長さ2-4cm程度の卵状長楕円形、鋸歯があり、先端はとがっており、毛は生えない。

分布・生態

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日本の固有亜種で、本州の中部以北(山形県[3]・福島県[1]から鳥取県[1])の高山帯(800-3,000m)に分布し、岩礫地や砂礫地に生えている多年草である。花期は6-8月、地域によって花色が異なり、南アルプスでは赤みが強い。

基亜種との比較・亜種内の分類群

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エゾミヤマクワガタ(北海道富良野岳・2006年7月)

基亜種キクバクワガタ P. schmidtianum subsp. schmidtianum は、北海道と樺太の高山帯に分布し、全体に毛があり白っぽく、葉の鋸歯が深い点が形態の相違点である。

本亜種は花の色や分布などにより、いくつかの変種・品種、例えば、北海道に分布するエゾミヤマクワガタ var. yezo-alpinum 、白神山地に分布するシラガミクワガタ var. shiragamiense 、本州の奥羽山脈に分布するミチノククワガタ f. tomentosum 、山陰地方等に分布するダイセンクワガタ f. daisenense などに区別されるが、文献によって扱いが異なっている。例えば、YListや鮫島ら(1993)でエゾミヤマクワガタはキクバクワガタ subsp. schmidtianum の変種とされており、ダイセンクワガタは Flora of Japan[1]では認められていない。

種の保全状態評価

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北限及び南限の地域の都道府県のレッドデータブックに掲載されている[4]

  • 山口県レッドデータブック - 絶滅危惧IB類
  • 新潟県レッドデータブック - 地域個体群
  • 鳥取県レッドデータブック - その他の重要種(ダイセンクワガタとして)

脚注

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  1. ^ a b c d Flora of Japan[リンク切れ]
  2. ^ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ 山形県 『レッドデータブックやまがた』 2004
  4. ^ 日本のレッドデータ検索システム「ミヤマクワガタ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2015年6月23日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。

参考文献

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  • 林弥栄編 『山溪カラー名鑑 日本の野草』 株式会社山と溪谷社、1983年、178頁、ISBN 4-635-09016-7
  • 鮫島惇一郎ら 『新版 北海道の花 【増補版】』 北海道大学図書刊行会、1993年、238頁、ISBN 4-8329-1013-2

関連項目

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外部リンク

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