ミセス・コロンボ
ミセス・コロンボ(英名:Mrs.Columbo)は1979年2月から年末まで米国のNBCで放映されたミステリードラマ。視聴率不振のため第2シーズンはミス・ケイトの冒険(英名:Kate Loves a Mystery)のタイトルで放映された。日本では1980年1月2日にNHKでパイロット版「殺し屋の声が聞こえる」を放映、以後不定期に2シーズンが放送された。
概要
[編集]1978年5月に『刑事コロンボ』が終了となり、コロンボに代わる目玉作品を探していた当時のNBC社長フレッド・シルバーマンは、『コロンボ』の本編では一度も姿を見せなかった「ウチのカミさん」を主人公にしたドラマを思いつき、コロンボの制作スタッフだったリチャード・レビンソンとウィリアム・リンク、ピーター・S・フィッシャーの反対を押し切り、『ミセス・コロンボ』の制作に踏み切った。
当初、番組のプロジェクトにはレビンソン&リンク、フィッシャーが関わっており、3人は主人公の「ミセス・コロンボ」役にモーリン・ステイプルトンを推薦したが[1]、若い女優を希望していたシルバーマンは聞き入れず、最終的に当時23歳だったケイト・マルグルーを起用したため、3人はプロジェクトから撤退した[2]。それでもシルバーマンは『コロンボ』最終シーズンのプロデューサーだったリチャード・アラン・シモンズを製作総指揮に据え制作を強行。こうして完成した作品は、オープニングや本編でコロンボの愛車プジョーや愛犬ドッグが姿を見せ、また初期のゲストにロバート・カルプやボブ・ディシー、ドナルド・プレザンスが登場するなど、コロンボファンを意識した内容となっていた。
しかしコロンボファンの支持は得られず、さらに制作会社のユニバーサルから「ミセス・コロンボとコロンボ夫人は同一人物ではない」と否定され、同番組は路線変更を余儀なくされる。第2シーズンに入ると、主人公のケイトは刑事の夫コロンボと離婚し姓が「キャラハン」と変わり、娘のジェニー(演じるのは現在ヴァイオリニストとして活躍するリリ・ヘイデン)と2人暮らしになるが、唯一の「売り」であったコロンボの名前を失いただのミステリードラマとなった同番組は、年を越すことなく第2シーズン途中で打ち切られた。
キャスト
[編集]- ケイト・コロンボ(キャラハン):ケイト・マルグルー(声:寺田路恵)
- ジェニー・コロンボ(キャラハン):リリ・ヘイデン(声:三好由里子)
- ジョッシュ・アルデン編集長:ヘンリー・ジョーンズ(声:千葉耕市)
- マイク・バリック巡査部長:ドン・ストラウド(声:細井重之)…第2シーズンのみ
放映リスト
[編集]Season 1: 1979
[編集]放送回 | 初回放送日 | タイトル | ゲスト(声優) | 監督 | 脚本 | |
---|---|---|---|---|---|---|
アメリカ | 日本 | |||||
1 | 1979年2月26日 | 1980年1月2日 | 殺し屋の声が聞こえる Word Games |
ロバート・カルプ(梅野泰靖) フレデリック・フォレスト(日高晤郎) エディ・アダムス(高橋和枝) ボブ・ディシー(野本礼三) ルネ・オーベルジョノワ プリシラ・ポインター |
ボリス・セイガル | リチャード・アラン・シモンズ |
2 | 1979年3月1日 | 1980年4月1日 | 殺しの日は雨 Murder Is a Parlor Game |
ドナルド・プレザンス(中村俊一) エリザベス・コール(堀越節子) ドルフ・スウィート(塩見竜介) イアン・アバークロンビー |
ドン・メドフォード | シェルドン・ウィレンズ アル・レイノルズ ハワード・バーク |
3 | 1979年3月15日 | 1980年4月29日 | こわい目の人形 A Riddle for Puppets |
ジェイ・ジョンソン(野島昭生) マイケル・デュレル(細井重之) |
エドワード・M・エイブラムス | グレゴリー・S・ディナロ |
4 | 1979年3月22日 | 1980年3月31日 | ごちそうはキャビア Caviar with Everything |
クローデット・ネヴィンズ(新橋耐子) トリシャ・ノーブル(倉野章子) サム・グルーム(長谷川哲夫) |
ドン・メドフォード | アル・レイノルズ ハワード・バーク |
5 | 1979年3月29日 | 1980年4月30日 | 占いは死の予告 A Puzzle for Prophets |
フランシーヌ・タッカー(野際陽子) シンディ・グローバー(宗形智子) |
サム・ワナメイカー | アル・レイノルズ |
Season 2: 1979–80
[編集]放送回 | 初回放送日 | タイトル | ゲスト(声優) | 監督 | 脚本 | |
---|---|---|---|---|---|---|
アメリカ | 日本 | |||||
1 | 1979年10月18日 | 1981年7月30日 | 昼下がりのレディたち Ladies of the Afternoon |
ディー・ウォレス(二宮さよ子) ジョン・アプリア |
ドン・メドフォード | ローレンス・ハーツォグ |
2 | 1979年10月25日 | 1983年2月13日 | 爆発の赤信号 It Goes with the Territory |
ロビン・クラーク(富山敬) ビビ・ベッシュ(谷育子) ピーター・ドゥナット(小林清志) ユキ・シモダ |
レオ・ペン | マーウィン・ジェラード |
3 | 1979年11月1日 | 1981年7月27日 | 情報はオフレコで Off the Record |
リン・カーリン(赤座美代子) マイケル・デュレル |
レイザー・バディイー | サイモン・マントナー |
4 | 1979年11月8日 | 1981年7月28日 | 星空のレクイエム The Valley Strangler |
アンドリュー・ロビンソン(佐々木功) ヴァン・ウィリアムズ |
シグマンド・ニューフェルドJr. | ローレンス・ハーツォグ |
5 | 1979年11月22日 | 1982年7月29日 | 凍った50万ドル A Chilling Surprise |
アーマンド・アサンテ(秋元羊介) ジェス・ウォルトン(田島令子) |
フィリップ・リーコック | E・アーサー・キーン |
6 | 1979年11月29日 | 1983年2月27日 | 過去を知る女 Falling Star |
シャロン・ファレル(山口奈々) ロリー・ゴールドマン(加藤正之) ピーター・ホップス(真木恭介) デヴィッド・ラッシュ |
サム・ワナメイカー | ロバート・マッキー ボブ・ミシオロウスキー |
7 | 1979年12月6日 | 1982年11月27日 | 心理学にご用心 Feelings Can Be Murder |
ルネ・オーベルジョノワ(阪脩) ルディ・ソラーリ |
セイモア・ロビー | メアリー・アン・カシカ マイケル・シェフ |
8 | 1980年3月19日 | 1983年3月6日 | ビデオテープでもう一度 Love, on Instant Replay |
ジョン・レーン(田口計) ジットー・カザン(津嘉山正種) ジェニー・オハラ |
アラン・スミシー | ジョー・ゴアズ |
未映像化作品
[編集]- 殺人ネットワーク The Lady's Set For Death [3]
スタッフ
[編集]- 製作総指揮:リチャード・アラン・シモンズ(第1シーズン)、ビル・ドリスキル(第2シーズン)
- 監修:ジェームズ・マクアダムズ
- 音楽:ジョン・カカヴァス
- 制作会社:ガンビット・プロダクション(第1シーズン)、ビル・ドリスキル・プロダクション(第2シーズン)、ユニバーサルTV