ブレスレット
ブレスレット(英: bracelet)とは、手首や腕に付ける装飾的なバンド(帯)や輪や鎖のこと[1]。腕輪(うでわ)とも。
概要
[編集]ブレスレットとは、手首や腕に付ける装飾的な帯や輪や鎖などのことである。装身具の一種である。
ブレスレットの素材としては糸、布(植物繊維)、皮革、金属、プラスチック等々が用いられている。
英語の bracelet の語源は、古フランス語で腕のことを「bras ブラ」と呼んでいたことに由来する[1]。ノルマン・コンクエストなどにより 古フランス語の語彙が大量に英語に入るなど、英語はフランス語の影響を多大に受けた。
歴史
[編集]ブレスレットの歴史は非常に古く、アッシリア人、バビロニア人、ペルシャ人、ヒッタイト人などが身につけていた。当時は主に宗教的な目的で利用され、主に使用された宝石はラピスラズリや水晶だった[2]。
また動物の骨や牙、貝殻などに穴を開け繋げたものもあり[3]、日本では縄文時代から既に貝輪として貝塚から出土している[4]。弥生時代になってからは銅が使われるようになり、更に古墳時代になってからは石製品や金属製品が加わった。当時は主に「手纏(たまき)」や「釧(くしろ)」と呼ばれていた。トロブリアンド諸島では、古くから腕輪を用いたクラという交易が行われている。
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古代エジプトのブレスレット
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古代ローマのガラス製ブレスレット
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ダキア人のブレスレット。en:Dacian bracelets
時代を経るにつれ、ブレスレットは宗教的な目的よりも、装飾的な品として重視されることとなった。1890年代はイギリスのヴィクトリア女王などにより、精巧かつ複雑な造りの宝石が流行した[2]。
第二次世界大戦後の1940-1950年代、アメリカでブレスレットが流行した[2]。
1970年、カルティエ・ニューヨークで「カルティエラブブレスレット」が誕生[5]。このブレスレットは中世ヨーロッパの貞操帯をモデルにしたもので、2つのパーツから成り、専用のドライバーと他の人の協力がなければ着脱することが出来ないため、カップルに人気となった[6]。余談だが、富裕層の多いニューヨークの病院では、急患用にこのドライバーを常備しているという[7]。
1987年、アメリカのテニス選手、クリス・エバートが細めのラインストーンのブレスレットを試合中に付けて活躍していたことから、彼女がつけていたようなブレスレットをテニスのプレー中につけることが流行。このため、後にこのようなタイプのブレスレットは「テニスブレスレット」と呼ばれるようになった[8]。
バリエーション
[編集]願いを込めてつけられるミサンガやフレンドシップ・ブレスレットも広義のブレスレットの一種である。
腕時計の中でも、鎖の部分を装飾的なデザインにし、手首に対して「あそび」を持たせ余裕のある長さにしたものは「ブレスレットウォッチ」と呼ぶ。また手首に装着するものをブレスレット若しくは「バングル」と呼ぶが、腕の上部につけるものは英語では「アームレット」と呼ぶ[3]。
手に付けるブレスレットは、フィンガーブレスレットと呼ばれるものもあり[9]、足に付けるブレスレットはアンクレットと呼ばれるものもある。
伸縮性の高いシリコンやポレウレタンなどの紐、いわゆる「ゴム」にビーズなどを通して輪にしたブレスレットは、「ゴムブレス」や「数珠ブレス」などと呼ばれ、非常に着脱しやすいという特長がある。近年、パワーストーンやアクセサリーを販売する店舗などで販売されている。
近年ではさまざまなメッセージや主義・主張を込めて身につけられるシンプルなラバー製のgel bracelet ジェル・ブレスレット、jelly bracelets (リストバンド)もあり、これもブレスレットの一種である。
フリークライミングの場合、ブレスレットは登山用具(ダイナミックロープ)で設計され、登山用具として機能する[10]。
脚注
[編集]- ^ a b Oxford Dictionaries [1]
- ^ a b c http://www.travel-carhire.com/ja/online/fashion-style/56814.php
- ^ a b http://www.beans-silver.com/help/cat11/cat19/
- ^ http://www.city.higashimatsushima.miyagi.jp/02_jomon/event/report/2006/2007_1-3gatu.html
- ^ LOVE ブレスレット
- ^ Cartier LOVE|カルティエ|絆の証、ラブ コレクション
- ^ 世界で最もググられた!「カルティエ」の“ラブ”ブレスレットにまつわる10つの説
- ^ http://j-heartart.com/hpgen/HPB/entries/11.html
- ^ https://accessorygifts.jp/bracelet/540/
- ^ “ブレスレット/登山”. Topologie. 13 Dec 2019閲覧。
参考資料
[編集]- Oxford Dictionaries
- 日立システムアンドサービス『百科事典 マイペディア』電子辞書版