ピロクテテス (ソポクレス)
表示
『ピロクテテス』(ピロクテーテース、希: Φιλοκτήτης, Philoctētēs、羅: Philoctetes)は、ソポクレスによるギリシア悲劇の1つ。文字どおり、トロイア戦争期のピロクテーテースを題材としている。
ヘーラクレースの弓の持ち主であるメーリスの王の子ピロクテーテースは、トロイアへ向かう途中、レムノス島付近で毒蛇にかまれ、その悪臭と悲鳴を嫌がったオデュッセウスらによって、レムノス島に置き去りにされてしまった。しかしトロイア戦争が始まって10年目、オデュッセウスが捕まえたトロイア王子ヘレノスが、
という2つの条件が満たされれば、トロイアは陥落し、ギリシア側が勝利すると予言した。この予言を成就すべく、オデュッセウスがネオプトレモスを伴ってレムノス島に赴き、ネオプトレモスにピロクテーテースの説得を行わせる場面が、本作で描かれる。コロス(合唱隊)はそれに付き従うネオプトレモスの部下で構成される。
紀元前409年の大ディオニューシア祭で上演され優勝している[1]。
構成
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
日本語訳
[編集]- 『希臘悲壯劇 ソポクレース』、『ピロクテーテース』 田中秀央、内山敬二郎訳、理想社 1941年
- 『世界文學体系(2) ギリシア・ローマ古典劇集』 久保正彰 訳、筑摩書房 1959年
- 『ギリシア悲劇全集 第2巻 ソポクレス篇』 久保正彰訳、人文書院、1960年
- 『ギリシア悲劇Ⅱ ソポクレス』 久保正彰訳、筑摩書房〈ちくま文庫〉、初版1986年、ISBN 4480020128
- 元版は『世界古典文学全集(8) アイスキュロス・ソポクレス』
筑摩書房 初版1964年、復刊2005年ほか、ISBN 4480203087
- 元版は『世界古典文学全集(8) アイスキュロス・ソポクレス』
- 『筑摩世界文学体系(4) ギリシア・ローマ劇集』 久保正彰 訳、筑摩書房 1972年
- 『ギリシャ悲劇全集(2) ソポクレース』、『ピロクテーテース』 内山敬二郎 訳、鼎出版会 1978年
- 『ギリシア悲劇全集(4) ソポクレースⅡ』、『ピロクテーテース』 片山英男 訳、岩波書店 1990年、ISBN 4000916041
- 『ギリシア悲劇を読む ソポクレス『ピロクテテス』にみる教育劇』 吉田敦彦 訳 青土社 2007年、ISBN 9784791763566
翻案
[編集]- シェイマス・ヒーニー 『トロイの癒し ソポクレス『ピロクテテス』の一変奏』 小沢茂訳、国土社 2008年
脚注・出典
[編集]- ^ 岩波版『ギリシア悲劇全集4』449–450頁。