シュフラン級原子力潜水艦
シュフラン級原子力潜水艦 | |
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艦級概観 | |
艦種 | 攻撃型原子力潜水艦 |
艦名 | |
計画名 | Type Barracuda |
前級 | リュビ級原子力潜水艦 |
次級 | |
性能諸元 | |
排水量 | 水上:4,765トン 水中:5,300トン |
全長 | 99 m |
全幅 | 8.8 m |
吃水 | 7.3 m |
機関 | 原子炉ターボ・エレクトリック方式ポンプジェット推進 |
最大速力 | 25 kt (46 km/h) |
航続距離 | |
乗員 | 60名 |
兵装 | SCALP エグゾセ ブラックシャーク魚雷 |
シュフラン級原子力潜水艦(シュフランきゅうげんしりょくせんすいかん、Classe Suffren)はフランス海軍で計画中の攻撃型原子力潜水艦である。リュビ級原子力潜水艦を置き換える目的でDCNS(Direction des Constructions Navales Services)により設計された。計画時点ではバラクーダ型(Type Barracuda)と称した。
また派生型として、本級の通常動力版がオーストラリア海軍においてアタック級潜水艦として計画された(後に開発中止)。
概要
[編集]シュフラン級にはル・トリオンファン級原子力潜水艦で培われたポンプジェット推進を含む技術が採用される予定である。同級には魚雷発射管発射式長距離巡航ミサイル(MdCN)の搭載が予定されており、船尾にはX舵が搭載されることになっている。通常動力型潜水艦アゴスタ級潜水艦ベースの小規模艦だった前級のリュビ級原子力潜水艦より、排水量は概ね倍増している。
2006年12月12日、フランス政府は6隻のシュフラン級の導入に79億ユーロを計上した。船体を建造するDCNSと原子力機関を建造するAreva-Technicatomeに充当される[1]。DGAは「下請けとして外国企業の入札参加を初めて受け入れる。」としている[2]。1番艦は2016年に就役する予定であったが、実際に竣工式を迎えたのですら2019年7月12日で、その時点で就役は2020年を予定しており[3]、実際には海軍への引渡しは2020年11月7日、就役は2022年6月になった[4]。
DCNSの本級の計画監督者であるAlain Aupetitは「1番艦と2番艦の就役には2年半の間隔が生じるが、その後は2年毎となり、最終艦は2026年に就役する予定である。」としていたが、1番艦の遅延が影響するものと思われる。
予定艦名は、1番艦がシュフラン(Suffren)とされ、以下、デュゲイ=トルーアン(Duguay-Trouin)、デュプティ=トゥアール(Dupetit-Thouars)、デュケーヌ(Duquesne)、トゥールヴィル(Tourville)、ド・グラース(De Grasse)となっているが、2番艦以降の5隻の順序は確定していない[5]。
コリンズ級潜水艦更新計画において、フランスの通常動力版のシュフラン級ブロック 1Aが提案され、2016年4月26日にオーストラリア政府から正式に選定することが発表されていたが、後述のようにアメリカとの枠組みによりこの計画は破棄される公算が高まっている。
通常動力型 (ブロック1A)
[編集]シュフラン級潜水艦ブロック1A | |
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艦級概観 | |
艦種 | 攻撃型通常動力潜水艦 |
艦名 | |
計画名 | Type Shortfin Barracuda Block 1A |
前級 | コリンズ級潜水艦 |
次級 | |
性能諸元 | |
排水量 | 水中:4,000トン以上 |
全長 | 97m |
全幅 | |
吃水 | |
機関 | ディーゼル発電機 x 4 7 MW (9,400 hp) 永久磁石電動機 ポンプジェット推進 |
最大速力 | |
航続距離 | 18,000 nm |
行動時間 | 潜水状態で90日 |
乗員 | 60名 + 特殊部隊12名 |
兵装 | 533mm 魚雷発射管 8本 以下のいずれかを組み合わせて28本搭載可
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DCNSはオーストラリアのコリンズ級潜水艦更新計画に対してシュフラン級を通常動力化したシュフラン級ブロック1A (計画名:Shortfin Barracuda Block 1A) を提案した。 ドイツの216型、日本のそうりゅう型と競合しており、当初はティッセン・クルップ社が212型に搭載されているAIPシステムそのもののオーストラリアへの技術供与と、建造後に生じたコスト増加分は全て会社側が負担するという費用固定での費用見積りを提示している点が評価されて、216型が最有力候補になっているとされていたが[6]、2016年4月26日にシュフラン級ブロック 1Aが選定された[7]。契約金額は500億オーストラリアドルだったが、2019年末時点で800億オーストラリアドルに膨れ上がっているとする報道がある[8]。他の候補はいずれも就役している潜水艦だったのに対して潜水艦の建造経験の浅いASCで概念のみで建造実績のない潜水艦が建造できるのか危惧する声もある[9]。当初計画では建造開始は2020年または2021年の予定であった[10]が、作業は遅延しており2023年からの建造が予定されている[11]。
2018年12月に艦級名をアタック(Attack)、1番艦名をHMAS Attackとすることが決定した[12]。
2021年9月15日、アメリカ、イギリス、オーストラリアの3カ国間によってAUKUSの創設が発表された。加えて、アメリカからオーストラリアに対し原子力潜水艦の技術供与も行われる。このため、シュフラン級原子力潜水艦の通常動力型(ブロック1A)を導入する計画は中止となる公算が高まった[13]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “France orders six 'Barracuda' class nuclear-driven submarines”. Agence France Presse. (2006年12月22日)
- ^ France Unveils Plans For New Barracuda SSNs
- ^ [1] 2019-07-15
- ^ https://trafficnews.jp/post/119637
- ^ Les noms des futurs sous-marins nucléaires français dévoilés 30/05/2007
- ^ オーストラリアの次期潜水艦導入計画、独ティッセンクルップ社の提案が最有力候補に
- ^ “豪潜水艦の共同開発、仏が受注 日本は落選”. AFPBB. (2016年4月26日) 2016年1月31日閲覧。
- ^ 2019年ミリタリーニュース10選、1隻5,000億円の豪「アタック級潜水艦」が抱える問題点
- ^ オーストラリア潜水艦商戦、日本敗退の裏側
- ^ “Submarine project boosts France-Australia ties”. SBS. AAP (9 July 2017). 10 July 2017閲覧。
- ^ “Australia And Naval Group Ink Agreement On Attack-Class Submarine Program”. Naval News (23 March 2021). 8 April 2021閲覧。
- ^ Keane, Daniel (13 December 2018). “Future submarines renamed 'Attack class' but concerns remain about project rollout”. ABC News 17 December 2018閲覧。
- ^ “豪州への原潜技術供与、フランスが反発 米国は新パートナーシップを擁護”. CNN.co.jp. 2021年9月26日閲覧。