ノート:国富論
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この「国富論」は、下記のような選考・審査を経て良質な記事に選出されています。さらなる加筆と改善によって、秀逸な記事となるような編集を歓迎します。 |
日付 | 選考・審査 | 結果 | |
---|---|---|---|
1. | 2018年9月11日 | 良質な記事の選考 | 通過 |
改名提案
[編集]『国富論』への改名を提案します。
この記事はもともと国富論で立っていたものが、正式名称にという理由で議論なく移動されたものです(初版の導入部は『諸国民の富の性質と原因の研究』で始まっているので、移動した利用者も悪意があってのことではなかったのかもしれませんが)。
ただし、正式名称について到底定訳があるといえる状態でないのに対し、『国富論』という通称は日本では事実上、定訳として広く用いられている事実を踏まえれば、このような記事名は問題があると考えられます。以下、手許にある文献を中心に例示します。
- 訳書
最初の訳以来、戦前には『富国論』がいくつもあったようですが、さすがに現在では改名候補にならないと考えますので省きます。
書名 | 書誌 | 正式名への言及 |
---|---|---|
諸国民の富 | 大内兵衛 松川七郎、岩波書店、1969 | 諸国民の富の性質と諸原因に関する一研究 |
国富論 | 『アダム・スミス(世界の名著)』大河内一男責任編集、中央公論社、1968 | 諸国民の富の本質と原因に関する研究 |
国富論 | 竹内謙二、東京大学出版会、1969 | 諸国民の富の性質及び原因に関する研究 |
国富論 | 水田洋監訳、岩波文庫、2000-2001 | なし |
国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究 | 山岡洋一、日本経済新聞出版社、2007 | (書名のとおり) |
- アダム・スミス関連および経済学説史・社会思想史関連
文献名 | 書誌 | 主たる書名 | 正式名への言及 |
---|---|---|---|
改訂新版 経済学史 | 関本安孝、梓出版社、1993 | 国富論 | 諸国民の富の本質と原因に関する研究(p.119) |
市場社会の検証 スミスからケインズまで | 平井俊顕 深貝保則、ミネルヴァ書房、1993 | 国富論 | 英語表記のみは参考文献欄に |
経済思想 | 八木紀一郎、日経文庫、1993 | 国富論(p.48 -) | なし |
経済思想史 | 大田一廣 鈴木信雄 高哲男 八木紀一郎、名古屋大学出版会、1995 | 国富論(p.50 -) | なし |
ヨーロッパ社会思想史 | 山脇直司、東京大学出版会、6版、1998 | 『諸国民の富の本性と原因についての研究』(略称『国富論』)(p.103) | 左記の通り |
アダム・スミス | 高島善哉、岩波新書、1968 | 国富論 | 諸国民の富の性質と諸原因についての一研究(p.45) |
アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界 | 堂目卓生、中公新書、2008 | 国富論 | 一応「諸国民の富の性質と原因に関する研究」への言及はある(p.140) |
アダム・スミスとその時代 | ニコラス・フィリップソン(永井大輔訳)、白水社、2014 | 国富論 | 国の豊かさの本質と原因についての研究(p.285) |
- 高校生(以上)向けの参考書など
山川用語集はいずれも2014年電子辞書版
訳し方 | 出典 | 別名への言及 | 正式名への言及 |
---|---|---|---|
諸国民の富(国富論) | 山川世界史用語集 | (項目名で併記) | 英語略称(Wealth of Nations)のみ |
諸国民の富(国富論) | 山川政治・経済用語集 山川倫理用語集 |
(項目名で併記) | なし |
諸国民の富 | 山川現代社会用語集 | 国富論 | 諸国民の富の性質ならびに原因に関する研究 |
諸国民の富(国富論) | 詳説世界史研究 改訂版(山川出版社)、2010 | (p.327の本文中) | なし |
国富論(=諸国民の富) | 詳説政治・経済研究 第3版第2刷(山川出版社)、2017 | (p.254 スミスの見出しに併記) | なし |
国富論(諸国民の富) | ニュース解説室へようこそ2016(清水書院) | (p.216で併記) | なし |
- 辞書・事典など
項目名 | 書誌 | 別名への言及 | 正式名への言及 |
---|---|---|---|
国富論 | 日本大百科全書 | 諸国民の富 | 諸国民の富の性質と原因に関する研究 |
国富論 | ブリタニカ国際大百科事典・小項目電子辞書2015年版 | なし | 諸国民の富の性質と原因に関する研究 |
国富論 | 百科事典マイペディア | 諸国民の富 | 英語表記のみ |
諸国民の富 | 山川世界史小辞典・電子辞書版 | (国富論はリダイレクト) | 英語表記のみ |
国富論 | 広辞苑第6版 | 諸国民の富 | 英語表記のみ |
国富論 | 精選版 日本国語大辞典 | 富国論。諸国民の富。 | 諸国民の富の性質と原因に関する一考察 |
諸国民の富 | 旺文社 世界史事典三訂版 | 国富論 | 英語表記のみ |
以上の通り、書名には『国富論』ないし『諸国民の富』を使う事例が圧倒的です。それに対し、参考的に併記される正式名にはいろいろな訳し方がありますが、現状のjawpで使われている記事名と一致するものがありません(私の調査は網羅的ではないので、探せば同じ訳を採用している文献も見つかるかもしれませんが、これだけ色々な揺れがある状況で、その文献を優先させるべき理由はないだろうと考えます)。日本語に訳された例がほとんど無いような事物ならともかく、これほど知られ、ほぼ二通りに絞れる定訳が存在する古典において、独自の(ないし、独自でなくとも広く用いられているとは言えない)訳を推し出すべき理由には乏しいのではないでしょうか。
- 賛成 提案者票。『諸国民の富』も受験レベルではそれなりに用いられ続けているようですが、専門的にはほとんど用いられなくなっているらしいことを踏まえれば、『国富論』の方を優先すべきと考えます。--Sumaru(会話) 2018年5月13日 (日) 06:24 (UTC)
- 追記 すでに1週間経過していますが、特にコメントが付かないため、あと1週間待って異論がなければ移動します。その際、このページ([[諸国民の富の性質と原因の研究]])は(リンク元の修正を済ませた上で)Wikipedia:リダイレクトの削除依頼に出すこともあわせて提案します。理由は上記の通り、正式名にはかなり訳に揺れがある一方、この名称を採用している資料が確認できておらず、いろいろありうる訳し方の中で、この訳し方を優先すべき理由がないためです。--Sumaru(会話) 2018年5月20日 (日) 14:32 (UTC)
- 報告 改名しました。日本語版についてなど、いくらか補足する予定でしたが、まだ数日程度かかりそうなため、とりあえず改名だけ済ませました。--Sumaru(会話) 2018年5月27日 (日) 13:07 (UTC)
- 追記 この件を忘れているわけではありませんが、調べている範囲で疑問点がいろいろ出てきており、確認を取りつつローカルで加筆しているので、まだかなり時間が掛かります。例を挙げると、
- 第7版への言及がありますが、第6版の誤りだろうと思います。第6版がアダム・スミス自身が手を入れた可能性のある最後の版とする記述は見つかりますし、第6版を底本とする翻訳も見つかりますが、第7版についてそのように書かれた例が見当たりません。そもそも第7版は1793年であって、1791年は第6版です。
- 第3版に別冊の内容が組み込まれたかのように書かれていますが、因果関係が逆ではないでしょうか。調べている範囲では、第3版の加筆が膨れた結果、初版・第2版の読者のための抜き刷りが別途用意されたようです(発売日は同日)。
- 5篇すべてが理論書であると位置づけられていますが、理論、歴史、政策という三本柱で捉える方が一般的なようです。そのように位置づけた概説書はいくつも見つかりますが、全部が理論書であるとする記述がみつかりません。
- このような感じで、誤り、独自研究、主流的見解でないなどの疑いのある箇所がいくつも見つかっていますが、文献を色々確認しつつ慎重に修正ないし差し替えるため、時間が掛かっています。--Sumaru(会話) 2018年6月7日 (木) 16:54 (UTC)
- 報告 相当に遅くなりましたが、改稿しました。いちいちどこをどう改稿したのかを詳述することは避けますが、2点だけ述べておくと、
- グレシャムに対する云々とするくだりは削りました。国富論ではグレシャムの名前に言及されておらず、概説書の類でも同様であることから、あたかもスミスがグレシャムを名指しで批判したかのような書きようは誤解を招くと考えました。
- 日本ではあまり知られていないが、として書かれていたフランスワインの影響についても削りました。スミスは特にその影響を強調しておらず、概説書の類でも同様であるうえに、イギリス経済史関連の書籍を複数確認しても、特にそういう記述に行き当たらなかったからです。それが事実でないとまでは断じませんが、事実だったとしても、この記事で一定の分量を割く必要があるとは思えませんでした。
- 以上になります。--Sumaru(会話) 2018年8月15日 (水) 02:10 (UTC)
- 追記 この件を忘れているわけではありませんが、調べている範囲で疑問点がいろいろ出てきており、確認を取りつつローカルで加筆しているので、まだかなり時間が掛かります。例を挙げると、