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ニョホウチドリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニョホウチドリ
ニョホウチドリ、赤石山脈の聖岳(長野県飯田市)にて、2014年7月25日撮影
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: ウチョウラン属 Ponerorchis
: ニョホウチドリ P. gjoo-iokiana
学名
Ponerorchis joo-iokiana (Makino) P.F.Hunt[1]
シノニム
  • Orchis joo-iokiana Makino[2][3]
和名
ニョホウチドリ

ニョホウチドリ(女峰千鳥、学名Ponerorchis joo-iokiana (Makino) P.F.Hunt[1])は、ラン科ウチョウラン属分類される多年草の1[4]和名の「ニョホウ」は、最初に女峰山で採集されたことに由来する[5]。種小名の「joo-iokiana」は、採集者の城数馬五百城文哉の名前を組み合わせたことに由来する[5]

特徴

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草丈は10 - 30 cm[6]は細根と球状塊根からなる[2]。長さ4 - 8 cm、幅4 - 15 mm[6]の披針形のを2 - 3枚付け[4]苞葉は明瞭[2]は球状塊根から直立し[5]、薄青緑色[2]。2 - 8個の紅紫色のをかたまって付ける[4]。花期は7 - 8月[4][6]萼片は長さ0.7 - 1 cm[4]。側唇弁は萼片よりもやや短く、共に先端は尖らない[4]唇弁は浅く3裂し[6]、基部近くに薄紫色の斑点がある[4]。内花被が斜め卵形で鈍頭、唇弁の中裂片が凹頭で側裂片とほぼ同じ長さ[7]は長さ約15 - 17 mm[5]、真直で狭筒形[2]染色体数は2n=42(2倍体)[6]。稀に白い花を付ける品種として[5]、シロバナニョウホウチドリ(Ponerorchis joo-iokiana f. albiflora)がある[4]ハクサンチドリ属に分類されたこともあった[2][7][5]

分布と生育環境

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朝鮮半島日本に分布する[6]

日本では、本州福島県関東地方北部、中部地方)に分布し、山地亜高山帯高山帯にかけての[2]岩場や草地に自生する[6]基準標本栃木県日光市の女峰山のもの[4][6]

種の保全状況評価

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<準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

日本では環境省により、レッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けている[8]。また以下の都道府県でレッドリストに指定されている。群馬県では2015年4月に、群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例により特定県内希少野生動植物種の指定を受けた[9]。山梨県では、山梨県希少野生動植物種の保護に関する条例により、指定希少野生動植物種の指定を受けている[10]

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ニョホウチドリ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2017年6月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 小野 (1987)、691頁
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ニョホウチドリのシノニム”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2017年6月14日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 豊国 (1988)、529頁
  5. ^ a b c d e f 佐竹ほか (1982)、199-200頁
  6. ^ a b c d e f g h 清水ほか (2014)、30頁
  7. ^ a b 前沢 (1970)、117頁
  8. ^ 別添資料6-1 環境省レッドリスト2015からの新旧対照表(五十音順)” (PDF). 環境省. pp. 94. 2017年6月13日閲覧。
  9. ^ 群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例” (PDF). 群馬県. pp. 4 (2015年8月). 2017年6月13日閲覧。
  10. ^ 希少野生動植物の保護対策”. 山梨県 (2014年7月22日). 2017年6月13日閲覧。
  11. ^ 埼玉県レッドデータブック2011 植物編、維管束植物” (PDF). 埼玉県. pp. 218 (2016年12月13日). 2017年6月13日閲覧。
  12. ^ レッドデータブックとちぎ、「ニョウホウチドリ」”. 栃木県. 2017年6月13日閲覧。
  13. ^ 石川県/ いしかわレッドデータブック植物編2010” (PDF). 石川県. pp. 237. 2017年6月13日閲覧。
  14. ^ 福井県の絶滅のおそれのある野生動植物2016” (PDF). 福井県. pp. 305. 2017年6月13日閲覧。
  15. ^ 群馬県の絶滅のおそれのある野生生物 植物編(2012年改訂版)植物レッドリスト(2012年改訂版)” (PDF). 群馬県. pp. 9. 2017年6月13日閲覧。
  16. ^ 長野県版レッドリスト(植物編)2014年、維管束植物” (PDF). 長野県. pp. 10. 2017年6月13日閲覧。
  17. ^ 岐阜県の絶滅のおそれのある野生生物(植物編)改訂版-岐阜県レッドデータブック(植物編)改訂版-” (PDF). 岐阜県. 2017年6月13日閲覧。
  18. ^ 富山県の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブックとやま2012-、分類別(維管束植物)”. 富山県 (2013年9月10日). 2017年6月13日閲覧。
  19. ^ 山梨県 レッドデータブック (平成17年6月公開)、植物(テキスト)”. 山梨県 (2014年7月22日). 2017年6月13日閲覧。
  20. ^ 静岡県版レッドリスト、植物” (PDF). 静岡県. pp. 6 (2016年3月11日). 2017年6月13日閲覧。

参考文献

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  • 小野幹雄、林弥栄(監修) 編『原色高山植物大図鑑』北隆館、1987年3月30日。ISBN 4832600079 
  • 清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300 
  • 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1 
  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅰ単子葉類』平凡社、1982年1月10日。ISBN 4582535011 
  • 前沢秋彦『高山植物』保育社〈標準原色図鑑全集 11〉、1970年1月。ISBN 4586320117 

関連項目

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外部リンク

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