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ニック・カステヤノス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニック・カステヤノス
Nick Castellanos
フィラデルフィア・フィリーズ #8
シンシナティ・レッズ時代
(2021年6月19日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州デイビー
生年月日 (1992-03-04) 1992年3月4日(32歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
203 lb =約92.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手(主に右翼手)、三塁手
プロ入り 2010年 MLBドラフト1巡目追補(全体44位)
初出場 2013年9月1日
年俸 $20,000,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ニコラス・アレクサンダー・カステヤノスNicholas Alexander Castellanos , 1992年3月4日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州デイビー出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。MLBフィラデルフィア・フィリーズ所属。登録名および愛称は「ニック」(Nick[2]、「アーティスト」(Artist)。

2017年から2019年まではニコラス・カステヤノスの登録名でプレーしていた[3]。アクセントの誤用を避けるためにカステヤーノスと表記されることもある。

経歴

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プロ入りとタイガース時代

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2010年MLBドラフト1巡目追補(全体44位)でデトロイト・タイガースから指名され、8月16日に入団。高校時代は遊撃手だったが、プロ入りと同時に三塁手コンバートされた[4]。この年、傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・タイガースでプロデビュー。7試合に出場して打率.333、3打点を記録した。

2011年はA級ウェストミシガン・ホワイトキャップス英語版でプレーし、135試合に出場して打率.312、7本塁打、76打点、3盗塁を記録した。

2012年はA+級レイクランド・フライングタイガース英語版に昇格。55試合に出場して打率.405、3本塁打、32打点、3盗塁と結果を残し、6月4日にAA級エリー・シーウルブズに昇格した[5]。79試合に出場して打率.264、7本塁打、25打点、5盗塁を記録した。AA級エリー昇格後は主に右翼手として51試合に出場した。オールスター・フューチャーズゲームではMVPを獲得した。

2013年はAAA級トレド・マッドヘンズで開幕を迎えた。134試合に出場して打率.276、18本塁打、76打点、4盗塁を記録した。AAA級トレドでは全て外野手として出場した。セプテンバー・コールアップとなる9月1日に40人枠入りし、メジャー初昇格を果たした[6]。同日のクリーブランド・インディアンス戦でデビューした。代打として出場し、2打数無安打だった。この年メジャーは11試合に出場して打率.278だった。オフの11月20日に一塁手プリンス・フィルダーテキサス・レンジャーズへ移籍。タイガースGMのデーブ・ドンブロウスキーは翌年から三塁手のミゲル・カブレラを一塁手として起用し、カステヤノスを三塁手として起用する考えを明らかにした[7]

2014年2月24日にタイガースと1年契約に合意した[8]。三塁のレギュラー1年目のシーズンで規定打席に到達し、打率.259、11本塁打、66打点、2盗塁を記録した。

2015年は、154試合に出場した。打率こそ前年とほぼ同水準の.255だったが、15本塁打、73打点はいずれも数字を上積みした。しかし、出場試合数の増加に伴い、三振も12個増えた。

2016年は、オールスターブレイクまでに85試合に出場し、打率.302、17本塁打、51打点、OPS.875と好調だった[9]。後半戦は多少調子を落としつつも8月に左手に死球を受けて戦線離脱[10]。これが長期に及んだ影響もあって、その後は成績が伸びず、最終的には110試合に出場して打率.285、18本塁打、58打点に留まった。守備面では改善が見られず、108試合の三塁守備で9失策・守備率.965だった。

デトロイト・タイガース時代
(2017年8月6日)

2017年から登録名をニコラス・カステヤノスへ変更した[3]。ただ呼ぶ時は愛称のニックでいいとしていた[3]。同年は157試合の出場で打率.272、26本塁打、101打点の成績を残し、自身初の100打点越えとリーグ最多の10三塁打を記録した。守備面では9月からはヘイメル・キャンデラリオが三塁手に固定されたことにより、右翼手として起用された。三塁手として4年間で通算527試合、54失策(守備率.955)だった。

2018年は右翼手へ完全にコンバートされた。8月13日のシカゴ・ホワイトソックス戦で5打数5安打、5打点の活躍[11]、その週のプレイヤー・オブ・ザ・ウィークに選出された。最終成績でも157試合の出場で打率.298、23本塁打、89打点、46二塁打(リーグ4位)を記録した。

2019年7月21日のトロント・ブルージェイズ戦で自身初のサヨナラ本塁打を記録した[12]。タイガースで100試合に出場し、打率.273、37二塁打、11本塁打、37打点、出塁率.328を記録した。

カブス時代

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シカゴ・カブス時代
(2019年8月13日)

2019年7月31日にアレックス・ランジポール・リチャン英語版とのトレードシカゴ・カブスへ移籍した[13]。カブスでは51試合に出場して打率.321、16本塁打、36打点、出塁率.356を記録し、68安打中21二塁打と、安打の3本に1本に二塁打を記録した。最終的には両リーグを渡り歩き、151試合に出場して打率.289、自己最多の27本塁打、73打点で、出塁率.337を記録した。また、58二塁打は両リーグ合算での記録となったものの、MLBシーズン歴代10位を記録し[14]、右打者では1936年のジョー・メドウィック以来となる83年ぶりの快挙となった[15]塁打数は3年連続で300を超えた。オフの10月31日にFAとなった[16]

レッズ時代

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2020年1月27日にシンシナティ・レッズと4年総額6400万ドルで契約を結んだ[17]。オプションとして2020年と2021年シーズンのオプトアウト、MVPオールスターゲーム選出をはじめとする表彰等での出来高が含まれる[18]。また、2024年シーズンの選択権を相互が所持し、バイアウトの際は200万ドルが支払われる[19]。このオフの外野手としては最高額の契約であり、前月に同じくFAでレッズに加入したマイク・ムスタカスと同額の大型契約であった。レッズ移籍を機に登録名を元のニック・カステヤノスへ戻した[3]

同年はCOVID-19の影響で60試合制となる中で全試合に出場し、打率は.225と低迷したが、14本塁打を記録し、自身2度目のポストシーズンに出場した。

2021年4月3日のセントルイス・カージナルス戦でジェイク・ウッドフォードから死球を受けて出塁し、捕逸の間に本塁に帰塁しタッチアウトになったが、その際にウッドフォードを恫喝し、両チーム入り乱れる乱闘となり、カステヤノスは退場処分[20]、2試合の出場停止処分を受けた[21]。5月2日のシカゴ・カブス戦では5安打、2本塁打かつ延長10回裏にサヨナラ安打を記録する大活躍だった[22]。6月5日まで21試合連続安打を記録した[23]。7月1日にオールスターゲームのファン投票の外野手部門でロナルド・アクーニャ・ジュニアに次ぐ2位となり、チームメートのジェシー・ウィンカーと共に初選出された[24]。オールスターゲーム前日の7月12日に「5番 右翼手」で先発出場することが発表された[25]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは2回にオールスターゲーム初打席に立ってホワイトソックスのランス・リンと対決したが凡退した[26]。この年は最終的に打率.309、34本塁打、100打点の成績を記録した。オフの11月4日にオプトアウトの権利を行使してFAとなり、球団から提示された1840万ドルのクオリファイング・オファーを拒否した[27][28]。23日に自身初めてオールMLBセカンドチームの外野手の1人に選出された[29]

フィリーズ時代

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2022年3月22日にフィラデルフィア・フィリーズと5年総額1億ドルの契約を結んだ[30][31]

2023年7月2日に選手間投票で通算2度目となるオールスターゲームに選出された[32]。 同年のディビジョンシリーズの第3戦と第4戦でそれぞれ2本塁打を放ち、ポストシーズンにおいて2試合連続で2本のホームランを放った初の選手となった[33]。さらにナショナルリーグチャンピオンシップシリーズの第1戦では、最初の打席ででホームランを打ち、ポストシーズン3試合で5本塁打を打った初の選手となった[34]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2013 DET 11 18 18 1 5 0 0 0 5 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .278 .278 .278 .556
2014 148 579 533 50 138 31 4 11 210 66 2 2 0 7 36 3 3 140 7 .259 .306 .394 .700
2015 154 595 549 42 140 33 6 15 230 73 0 3 0 6 39 1 1 152 21 .255 .303 .419 .721
2016 110 447 411 54 117 25 4 18 204 58 1 1 0 5 28 1 3 111 4 .285 .331 .496 .827
2017 157 665 614 73 167 36 10 26 301 101 4 5 0 5 41 0 5 142 12 .272 .320 .490 .811
2018 157 678 620 88 185 46 5 23 310 89 2 1 0 3 49 5 6 151 8 .298 .354 .500 .854
2019 100 439 403 57 110 37 3 11 186 37 2 1 0 2 31 1 3 96 7 .273 .328 .462 .790
CHC 51 225 212 43 68 21 0 16 137 36 0 1 0 1 10 0 2 47 5 .321 .356 .646 1.002
'19計 151 664 615 100 178 58 3 27 323 73 2 2 0 3 41 1 5 143 12 .289 .337 .525 .863
2020 CIN 60 242 218 37 49 11 2 14 106 34 0 2 0 1 19 1 4 69 5 .225 .298 .486 .784
2021 138 585 531 95 164 38 1 34 306 100 3 1 0 6 41 5 7 121 16 .309 .362 .576 .939
2022 PHI 136 558 524 56 138 27 0 13 204 62 7 1 0 2 29 0 3 130 15 .263 .305 .389 .694
2023 157 671 626 79 170 37 2 29 298 106 11 2 0 6 36 0 3 185 17 .272 .311 .476 .788
MLB:11年 1379 5702 5259 675 1451 342 37 210 2497 762 32 20 0 44 359 17 40 1345 117 .276 .324 .475 .799
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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三塁(3B) 左翼(LF) 右翼(RF)




































2013 DET - 9 5 0 0 0 1.000 -
2014 145 75 212 15 22 .950 - -
2015 145 92 249 12 27 .966 - -
2016 108 66 184 9 12 .965 - -
2017 129 77 202 18 21 .939 - 21 26 0 1 0 .963
2018 - - 142 287 10 3 0 .990
2019 - - 89 200 3 2 0 .990
CHC - 11 8 0 0 0 1.000 48 81 3 0 1 1.000
'19計 - 11 8 0 0 0 1.000 137 281 6 2 1 .993
2020 CIN - - 57 78 1 3 0 .963
2021 - - 135 226 7 2 0 .991
2022 PHI - 3 5 0 0 0 1.000 121 217 8 0 3 1.000
2023 - - 148 254 10 0 4 1.000
MLB 527 310 847 54 82 .955 23 18 0 0 0 1.000 761 1369 42 11 8 .992
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

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MiLB
MLB

記録

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MiLB
MLB

背番号

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  • 30(2013年)
  • 9(2014年 - 2019年7月30日)
  • 6(2019年8月1日 - 同年終了)
  • 2(2020年 - 2021年)
  • 8(2022年 - )

脚注

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  1. ^ Nick Castellanos Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年7月3日閲覧。
  2. ^ Tigers Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月13日閲覧
  3. ^ a b c d Don Drysdale (January 28, 2020). “Nicholas Castellanos changes name, number after signing with Reds” (英語). Detroit Sports Nation. July 9, 2020閲覧。
  4. ^ Why you shouldn't read into Detroit Tigers rookie Nick Castellanos taking grounders at third base mLIVE.com
  5. ^ Detroit Tigers promote hot-hitting third baseman Nick Castellanos to Double-A Erie mLIVE.com
  6. ^ Castellanos savors callup, coming full circle on Monday MLB.com
  7. ^ Dombrowski: Miguel Cabrera to 1B, Nick Castellanos to 3B CBS Sports
  8. ^ Tigers Agree To Terms With Seven Players”. MLB.com Tigers Press Release (February 24, 2014). February 25, 2014閲覧。
  9. ^ Nick Castellanos 2016 Batting Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年11月2日閲覧。
  10. ^ Jason Beck (2016年8月7日). “Castellanos breaks bone in left hand on HBP” (英語). MLB.com. 2016年11月2日閲覧。
  11. ^ Castellanos busts out with 5 hits, 5 RBIs in win”. MLB.com. 2019年12月11日閲覧。
  12. ^ 'Just fun, man': Tigers' Nick Castellanos delivers walk-off homer in 10th”. en:The Detroit News (2019年7月21日). 2021年7月3日閲覧。
  13. ^ Jason Beck (2019年7月31日). “Tigers trade veteran OF Castellanos to Cubs” (英語). MLB.com. 2019年8月3日閲覧。
  14. ^ Castellanos is just 10th player ever to hit 58 2Bs” (英語). MLB.com. 2021年3月20日閲覧。
  15. ^ John Grochowski (2019年9月23日). “Cubs’ Nick Castellanos is approaching rarefied air with his 58 doubles” (英語). Chicago Sun-Times. 2021年3月20日閲覧。
  16. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2020年1月28日閲覧。
  17. ^ Mark Sheldon (2020年1月27日). “Reds finalize 4-year deal with Castellanos” (英語). MLB.com. 2020年1月28日閲覧。
  18. ^ Reds tie team free-agent mark with Castellanos” (英語). ESPN.com (2020年1月27日). 2021年3月20日閲覧。
  19. ^ Nightengale, Bobby. “Cincinnati Reds sign free-agent outfielder Nick Castellanos to 4-year, $64M contract” (英語). The Enquirer. 2021年3月20日閲覧。
  20. ^ Mark Sheldon (April 4, 2021). “Castellanos praises Yadi after scuffle” (英語). MLB.com. April 29, 2021閲覧。
  21. ^ Nick Castellanos suspension upheld”. MLB.com (2021年4月21日). 2021年7月3日閲覧。
  22. ^ Nick Castellanos, Reds walk off Cubs in slugfest; Ian Happ injured”. en:The Cincinnati Enquirer (2021-0-). 2021年7月3日閲覧。
  23. ^ Reds' Nick Castellanos: Enters series finale on hot streak”. CBSスポーツ (2021年6月6日). 2021年7月3日閲覧。
  24. ^ Matt Kelly, Manny Randhawa (July 2, 2021). “Here are your 2021 All-Star Game starters” (英語). MLB.com. July 11, 2021閲覧。
  25. ^ Anthony Castrovince (July 12, 2021). “All-Star Game starting pitchers, lineups, FAQ” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  26. ^ Mark Sheldon (July 14, 2021). “Winker 'on Cloud 9' at 1st All-Star Game” (英語). MLB.com. July 31, 2021閲覧。
  27. ^ Nick Castellanos To Exercise Opt-Out Clause” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月4日閲覧。
  28. ^ Final Qualifying Offer Decisions” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年11月28日閲覧。
  29. ^ Anthony Castrovince (November 24, 2021). “The '21 All-MLB Team is here. And it's stacked” (英語). MLB.com. November 24, 2021閲覧。
  30. ^ Press release: Phillies sign Castellanos”. www.mlb.com. 2022年3月23日閲覧。
  31. ^ Phillies Sign Nick Castellanos” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年3月23日閲覧。
  32. ^ Thomas Harrigan (July 2, 2023). “Breaking down the full 2023 All-Star Game rosters” (英語). MLB.com. July 3, 2023閲覧。
  33. ^ Press, Dan Gelston Associated (2023年10月13日). “NLDS: Nick Castellanos hits two homers, powers Phillies past Braves and into NLCS” (英語). Los Angeles Times. 2024年10月6日閲覧。
  34. ^ Phillies left with 'sick feeling' after gut-wrenching NLCS exit” (英語). MLB.com. 2024年10月6日閲覧。
  35. ^ All-MLB Team” (英語). MLB.com. November 27, 2021閲覧。
  36. ^ Castellanos is just 10th player ever to hit 58 2Bs” (英語). MLB.com. 2021年3月20日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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