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ニシキウツギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ニシキウツギ
ニシキウツギ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: マツムシソウ目 Dipsacales
: タニウツギ属 Weigela
: ニシキウツギ W. decora
学名
Weigela decora (Nakai) Nakai (1936)[1]
シノニム
和名
ニシキウツギ(二色空木)

ニシキウツギ(二色卯木[3]・二色空木[4]学名: Weigela decora)はスイカズラ科タニウツギ属落葉低木である。

名称

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和名ニシキウツギの由来は、花の咲き始めが淡黄白色であるが、次第に紅色に変化することから「二色」(ニシキ)の名が付けられたものであり[4]、「錦」の意味ではない[5]。「ウツギ」は漢字で「空木」あるいは「卯木」と書き、空木は小枝が中空であることから、また卯木は卯月(陰暦4月、陽暦5月)に花が咲くことに由来する[5]

分布と生育環境

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日本の本州宮城県以南、四国九州に分布し、主に太平洋側の山地に多く見られ、日本海側にはない[4]。山地の明るい場所に生える[6]

特徴

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落葉広葉樹低木または小高木[4]。樹高は2 - 5メートル (m) になる[4]。樹形は、幹が根元から株立ちする[7]。樹皮は灰褐色で、はじめは縦筋があり、筋に沿って剥がれてくる[7]。枝は、一年枝では茶褐色で無毛か稜に毛があり[7]、古くなると陵が目立つようになり、灰黒色になる[4]。樹皮の表面につく皮目は、楕円形や割れ目型である[7]

対生し、葉身は長さ5 - 10センチメートル (cm) の楕円形から広楕円形で、葉縁鋸歯がある[4]。葉の裏面の主脈上に毛が密生する[6][4]。秋には紅葉し、基本は黄色だが、日当たりのよい部分だけが赤みを帯び、時に蛍光色のように鮮やかになる[6]

花期は5 - 6月[4]。枝の先端か葉腋に1 - 3個の花を散房状につける[4]花冠は漏斗状で、先端は5裂し、筒部は基部から先端に向かって次第に太くなる[4]雄蕊は5本、雌蕊は1本あり、花柱は雄蕊より長い[4]。1本の木に白色とピンク色の2色の花を咲かせる時期があるが、これは咲き始めが白色で、徐々にピンクや紅色へと変化するためである[5][8]

冬も果実が枝に残る[7]。冬芽は対生し、卵形や狭卵形で褐色[7]。芽鱗は薄く、6 - 8枚つく[7]。冬芽わきにつく葉痕は、三角形や倒松形で、維管束痕は3個ある[7]

利用

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庭木としても植栽され、公園樹としても利用される[8]

類似種

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類似にハコネウツギ(学名: Weigela coraeensis)があり、花冠の筒部が中央から太くなっているのが特徴で、ニシキウツギと見分けられる[4]

脚注

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参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、24頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、205-208頁。ISBN 4-12-101834-6 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、13頁。ISBN 978-4-05-403844-8 
  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8 
  • 松倉一夫『葉・花・実・樹皮で見分ける! 樹木観察ハンドブック 山歩き編』JTBパブリッシング〈るるぶDo!ハンディ〉、2009年、43頁。ISBN 978-4-533-07564-3 

関連項目

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