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ハコネウツギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハコネウツギ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: マツムシソウ目 Dipsacales
: スイカズラ科 Caprifoliaceae
: タニウツギ属 Weigela
: ハコネウツギ
W. coraeensis
学名
Weigela coraeensis Thunb. (1794)[1]
シノニム
和名
ハコネウツギ(箱根空木)、
ベニウツギ[1]

ハコネウツギ(箱根卯木[4]・箱根空木[5]学名: Weigela coraeensis)とはスイカズラ科の植物の1種[6]。別名でベニウツギ[1]、ゲンペイウツギ[4]ともよばれる。ゲンペイは源平で、すなわち花の色がはじめ白色だが、のちに紅色になることからそう呼ばれる[7]標準和名は、箱根に多いとして付けられた名であるが、箱根に限らず日本列島の太平洋側に自生している[8]。ウツギは漢字で卯木あるいは空木と書くが、卯木は卯月(陰暦4月、陽暦5月)に咲くからといわれ、空木は小枝が中空なのでその名がついたものである[8]

分布・生育地

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日本の北海道南部から九州まで分布する[9][5]。海岸近くに自生するが、公園樹庭木垣根などにも植えられる[9][5]。「箱根」と名につくが、神奈川県箱根には自生しない[9]

特徴

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落葉広葉樹低木から小高木で、高さ4メートル (m) になる[9]。樹形はよく株立ちするが、老木になると主幹が太くなり、上方で枝がよく生い茂る[5][6]樹皮は灰褐色で、一年枝は褐色で縦長の皮目がある[5]。枝は弓なりになって伸びるのが特徴的である[5]。枝が古くなると灰褐色となり、稜ができる[9]。葉は対生し、長さ8 - 16センチメートル (cm) の広楕円形から広倒卵形で、裏面の葉脈に沿って毛がある[9]葉縁には鋸歯がある[9]

花期は5 - 7月[9]。枝先と葉腋にを1 - 3個ほど咲かせ、白い花が次第に赤へと変化する[9][6]花冠は長さ30 - 40ミリメートル (mm) の漏斗状で、ニシキウツギに似ているが、花冠の筒部は中央から急に太くなる点で異なる[9]。果期は10 - 11月[9]果実は長さ約3 cmほどある[9]

冬芽は、芽鱗が多数つき、頂芽側芽より大きく、側芽は枝に伏生する[5]。側芽のわきにつく葉痕は、三角形や倒松形で維管束痕が3個つき、両側から稜が出る[5]

脚注

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  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Weigela coraeensis Thunb. ハコネウツギ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
  2. ^ 植物の命名において、普通19世紀かそれ以前の著名な園芸上の文献で見られるが、適切に公表されたことのない名を表す。hortulanorumの略。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Weigela amabilis (Carrière) Hort. ex Hook. ハコネウツギ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
  4. ^ a b 辻井達一 2006, p. 205.
  5. ^ a b c d e f g h 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 24.
  6. ^ a b c 姉崎一馬 『ヤマケイポケットガイド13 野山の樹木』、株式会社山と渓谷社、2004年(2000年初版) ISBN 4635062236 269頁参照
  7. ^ 辻井達一 2006, p. 206.
  8. ^ a b 辻井達一 2006, p. 208.
  9. ^ a b c d e f g h i j k l 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 36.

参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、24頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、205 - 208頁。ISBN 4-12-101834-6 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、36頁。ISBN 978-4-05-403844-8 

関係項目

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