コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

トランスフォビア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トランスヘイトから転送)
ローマ、イタリアのトランスフォビアの落書き。ドイツ語で 「トランスアウト」 と書かれ、隣には鉤十字が描かれている。

トランスフォビア英語: Transphobia)とは、トランスジェンダー[注 1]の人々やトランスジェンダー全般に対する否定的な態度、感情、行動のことである[5][6]。トランスフォビアには、社会的な性役割に適合しない人々に対する恐怖、嫌悪、憎悪、暴力、怒りなどが含まれる[7][8]。トランスフォビアは、人種差別性差別障害者差別と同様の偏見差別の一種であり[9]同性愛嫌悪と密接に関連している[10][11]有色人種のトランスジェンダーは、様々な形態の差別を同時に経験する可能性がある[12]

トランスジェンダーの若者は、家族からの虐待セクシュアルハラスメントいじめや校内暴力などを複数経験することが多い[13]。また、里親福祉施設に入所している割合も、同年代の児童に比べて高い[14]。成人のトランスジェンダーの人々は、日常生活の中で、性暴力警察による暴力、公の場での嘲笑性別の間違い、その他の暴力や嫌がらせに定期的に遭遇している[15]。これらの問題は、多くのトランスジェンダーの人々が公共の場で危険を感じる原因となっている[15]。その他の問題には、医療差別、職場差別、LGBTの権利に関する法律に反対する保守的な政治団体や宗教団体に包囲されていると感じることなどがある[16]。差別や暴力は、LGBTコミュニティフェミニスト運動の人々から発信されることもある[17][18]

トランスフォビアによって生じるストレスは、暴力やその他の脅威のリスクが高まるだけでなく、メンタルヘルスに悪影響を及ぼし、薬物使用障害、未成年者の家出[19][20]、自殺[21][22][23]につながる[24][25][26][27]

欧米諸国の多くでは、1990年代以降、差別と闘い、生活のあらゆる側面で機会均等を支援する政策が徐々に確立されてきた[28][29][30]。また、非伝統的な性自認[注 2]の社会的受容を改善させるため、LGBTコミュニティに関するキャンペーンが世界中に広がっている[34]国連によるキャンペーンもその一例であり、LGBTの人権の尊重と差別撲滅を目的としている[35][36]。しかし、トランスフォビアの暴力は2021年以来増加しており[37]、米国やその他の国の多くの地域でトランス差別禁止法が制定されている[38][39]

概要

[編集]

多くの場合、彼らの内面的な性同一性の外的な表現(服装など)への拒否という形で現れる。またトランスジェンダーと同性愛を混同する異性愛者からのホモフォビアの対象となることがある。また、シスジェンダー(トランスジェンダーでない)同性愛者から嫌悪の対象になることもある。

ホモフォビアのような他の差別と同様に、差別的かつ不寛容な態度は暴力殺人といったヘイトクライムとなる場合もあれば、雇用上の差別を含め他の人と同様に公平に扱う事をしないといった身体的な暴力ではない形で示される時もある。

語源と用法

[編集]

1番目の要素は、neo-classical prefix英語版であるtransgenderに由来するtrans- (もともとの意味は"across, on the far side, beyond")であり、2番目の要素は「恐怖」を意味するギリシア語: φόβοςに由来する-phobiaである。 lesbophobia英語版(レズボフォビア)、biphobia(バイフォビア)homophobia(ホモフォビア)、transphobia(トランスフォビア)と同様に、LGBTの人々に対して偏見や差別が向けられるときに使われる用語である。

Transphobiaにおける「フォビア」(phobia)は、臨床心理学で定義される意味でのphobia(恐怖症)とは異なり(例:不安障害)、意味や用法は、xenophobia(外国人嫌悪)と同様に「嫌悪」を意味する[40]。名詞形のtransphobeは、心の中でトランスフォビアの気持ちを抱えている人を意味する。形容詞形のtransphobicは、transphobeやその人による行為を意味することがある。transphobiaおよびtransphobicという単語は、2013年にOxford English Dictionaryに加えられた[41]

差別用語

[編集]

tranny(トラニー)」「shemale(シーメール)」「gender bender(ジェンダー・ベンダー)」「trap」「shim」「he/she」などの言葉がトランスジェンダーへの中傷としてよく用いられる[42][43][44]。また、「transgenderism(トランスジェンダリズム)」「gender ideology(ジェンダー・イデオロギー)」「trans ideology(トランス・イデオロギー)」「trans agenda(トランス・アジェンダ)」という単語は、反トランスジェンダー活動家によって、トランスジェンダーの人々を非人間的に扱い、危険なイデオロギーのようにみなす際に用いられている言葉となっている[44][45][46]。一部の反トランスジェンダー活動家は、トランスジェンダーとその権利運動の取り組みをカルトとみなす。例えば、トランスフォビアな主張で知られるポージー・パーカー英語版は自身の催す「Let Women Speak」というツアーの中でトランスジェンダー当事者のことを「身体を切断する悪質なカルトのメンバーです」と発言している[47]

「sex is real」という表現も、反トランスジェンダーの立場の人がよく使う言い回しで、出生時に割り当てられた性別がその人を決定すると強調し、事実上、性同一性を消去することを暗示するものとなっている[48][49]。さらに「Transgender Rights Activist」の略で「TRA」と表現することで、トランスジェンダーの権利運動英語版を支持する活動家を軽蔑的に揶揄する場合もある[46]

他にも、トランスジェンダーの説明で「体の性と心の性の不一致」と表現するのは不正確である[50][51]

GLAADは「(差別的な言葉は)トランスジェンダーの人々の人間性を奪うものであり、メディアで使用されるべきではありません」と解説している[44]。トランスジェンダー当事者の中には自分自身を表現するのにこれらの言葉をあえて使う人もいるが、非常に不快に感じる当事者もいるということに留意が必要である[44]

トランス・ジャーナリスト協会(Trans Journalists Association)はトランスジェンダーに対する正確な表現での報道を確実にするためにスタイルガイドを提供し、報道機関にアドバイスしている[52]。日本でもLGBT法連合会が主体となって報道ガイドラインを策定し、その中でトランスジェンダーに関する注意が必要な言い回しや望ましい表現などを整理している[53][54]

トランスフォビアの種類

[編集]

トランスフォビアとされるものの中には、誤解、偏見、中傷、暴力、虚偽[55]陰謀論疑似科学[56]ジャンクサイエンス[57]などがさまざまに入り混じっている。以下に個別に紹介する。

ミスジェンダリング

[編集]
極右団体によるトランスフォビアなメッセージを載せているバス。「男の子に生まれたら陰茎がある。女の子に生まれたら外陰部がある」と書かれている。

本人の性同一性と異なる性別で扱うことは「ミスジェンダリング」と呼ばれ、その人のアイデンティティを否定する侮辱的な行為として問題視され[58][59]人権侵害にもなりうる[60]。また、トランスジェンダー当事者は、出生時につけられた名前とは別の名前で生活していることがあるが、現在使用していない名前を本人の同意なく使用することは「デッドネーミング」と呼ばれる[61]

また、英語圏などでは性同一性に合った代名詞の利用を求める当事者もおり、中には「she/her」「he/him」以外の代名詞(「they/them」)などを使用することがあるので、本人の意思に反した間違った代名詞を利用してはいけない[62]。ただし、代名詞でトランスジェンダーかどうかを推定することはできない[63]

「生物学的男性」「生物学的女性」「遺伝的男性」「遺伝的女性」「男性に生まれた」「女性に生まれた」「元男性」「元女性」といった表現は、トランスジェンダー当事者の性同一性を否定する不正確なものであるとされている[44][50]。「生物学的女性」などの言葉は、特定のイベントやスペースからトランスジェンダー女性を性的特徴を理由に排除したいときによく持ち出される[64]。本来「生物学的性別」というフレーズは、出生時に割り当てられた性別と同義語として科学論文で用いられるものであるが、反トランスジェンダーの立場の人々は「本当の性別」というような意図で使用している[46]

ジェンダー・アファーミング・ケアへの反発

[編集]

トランスジェンダーの人々は性同一性に近づいた自己の在り方を模索するために各々で性別移行(ジェンダー・トランジション)というプロセスを試みる[65][66]。当事者の中にはホルモン療法性別適合手術などの医療的な対応で生活の質が向上する者もいる[67]世界保健機関(WHO)の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』(ICD)の「ICD-11」でも「性同一性障害」という従来は精神疾患とされていたものは「性別不合」へと置き換わり、脱病理化によってリプロダクティブ・ヘルス・ライツに基づいた向き合い方をするようになった[67]。これら性別移行をサポートするためのホルモン治療や二次性徴抑制剤などの医療的なケアは「ジェンダー・アファーミング・ケア英語版」と呼ばれており、その有効性は専門家によって証明されている[68][69][70]

しかし、反トランスジェンダーの立場の人たちの中には、このジェンダー・アファーミング・ケアは有害で危険であると主張し、法的に禁止しようという活動もある[71][72]。例として、PragerUはジェンダー・アファーミング・ケアの危険性を主張するドキュメンタリー『Detrans英語版』を制作し、X(旧Twitter)で大々的な宣伝を行った[73]。他にもケアに関する医療上の誤った情報を宣伝する組織として「Society for Evidence-Based Gender Medicine[74]や「American College of Pediatricians[75]などが挙げられる。

とくに「性別移行したことを後悔している子どもが多い」という主張も一部で広まっている[76][77]。しかし、イギリスのNHS(国民保健サービス)の報告書によれば、NHSを使って性別移行をした3398人に調査したところ、性別移行を後悔していたのは0.47%との結果がでており、性別移行を後悔している子どもが多いことを裏付けるようなデータはない[76]。にもかかわらず「性別移行をやめた人は、本当はジェンダー規範による抑圧に苦しんでいるだけで、ジェンダー・アイデンティティを誤認している」という主張や、「トランスジェンダーの活動家たちによって子どもたちが性別移行へとそそのかされている」といった陰謀論的な主張が流布されることもある[78]。さらに子どもへのジェンダー・アファーミング・ケアを児童虐待であると主張する人さえいる(LGBTグルーミング陰謀論[79][80]

トランスジェンダーへの医療的なケアに反対する人々の中には「トランスジェンダーの人々は実際にはただの同性愛者である」と主張する者もいるが、誤りである[81]

性別移行(トランジション)をやめることを「ディトランジション英語版」と呼ぶが、これは性別移行を後悔しているからという理由だとは限らない[82]。以前のジェンダーに戻るための人もいれば、妊娠するために一時的にホルモンを中止した人、家族の圧力で継続できなくなってしまった人、何らかの事情で医療にアクセスできなくなった人、ノンバイナリーだと自覚してやめた人も含まれる[82][83][84]。移行解除は非常に稀で、約1%程度とされる[83]

Genspect英語版などの反トランスジェンダー団体はこのディトランジションをジェンダー・アファーミング・ケアの失敗例として大袈裟に背景を捻じ曲げて伝え、さらにはジェンダー・アファーミング・ケアの代替として「ジェンダー・エクスプロラトリー・セラピー英語版」(GET; Gender exploratory therapy)を推進する者もいる[83][85]。このジェンダー・エクスプロラトリー・セラピー(ジェンダー探索療法)は転向療法とほぼ同質のものであるとして専門家からは批判されている[83][85]

急速発症性性別違和(ROGD)

[編集]

2018年に「PLOS ONE」に掲載された論文にてリサ・リットマン博士は、思春期の若者が出生時に割り当てられた性別と性同一性との間で突然の葛藤を経験するという社会的影響によって性別違和を感じていると主張した[86]。これは「社会的伝染」理論とも呼ばれ、性別違和を経験する子どもが急増しているという仮説を立てた[86]。そしてこの社会的影響によって生み出される性別違和を「急速発症性性別違和」(ROGD; Rapid-onset gender dysphoria; 「急発性性別違和」「急性性別違和症候群」「急速発症型性同一性障害」)と名付けた[86][87]

この仮説は専門家から激しく批判され、「PLOS ONE」側も再レビューを行い、一部の内容を修正することになった[86][88]。この「急速に発症する性別違和(ROGD)」は非科学的であるとされる一方で、反トランスジェンダーの立場の人たちは積極的に受け入れており、トランスジェンダーの権利は行き過ぎたものであるという主張の口実として利用されている[89][90][91][92][93]

「急速に発症する性別違和(ROGD)」を支持して世間に広めた書籍としては、アビゲイル・シュライアーによる『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』がある[94][95][96][97]

女性専用スペースからの排除

[編集]

トランスジェンダー女性[注 3]トイレ更衣室など女性専用スペースでシスジェンダー女性への脅威となるという主張がたびたび持ち上がる[101][102][103][104]。しかし、実際にはトランス女性(もしくはトランスジェンダーの権利を認めること)がシスジェンダー女性の生活空間の危険に繋がるという証拠はない[102][105][106][107][108]。性同一性に基づいて法的な性別の変更ができる法律が世界各地で作られているが、例えばアルゼンチンではそうした法律の制定から10年が経過しても、女性に対する暴力が増加したという報告はない[109]。女性に対する暴力阻止に取り組むアメリカの主要組織である「The National Task Force To End Sexual and Domestic Violence」は「性同一性に合致した性別のスペースに入ることを認める法律ができると、男性が女性のスペースに入れるという議論は誤りです」と述べている[107]

トランスジェンダーの権利を保護すると、性犯罪者が公衆トイレに忍び込めるようになるという主張は「トイレ・プレデター(Bathroom Predator)」神話英語版と呼ばれている[105][110][111]Equality Federation英語版のレベッカ・アイザックスは、トランスジェンダー女性の立ち入りを認めることは危険であると流布する一連の主張は「燻製ニシンの虚偽」であると語っている[106]。一部の危険であると主張する人々は、男性の性犯罪者が自分はトランスジェンダーであると嘘をついて罪を逃れようとする可能性を懸念するが、その人の性同一性がなんであれ、性犯罪行為をした時点で性犯罪者であることには変わりなく、犯罪を誤魔化す有効な手段にはならないとヒューマン・ライツ・キャンペーンは述べている[106]。トランスジェンダーへの差別を法律や条令で禁止すると、「自分は女」とトランスジェンダーを装って自称すれば女湯などの女性スペースに入れてしまうといった声も一部で聞かれるが、公衆浴場などの衛生や風紀に必要な措置を講じるための男女を分ける措置を妨げるものではなく、自分は女性であるとなりすましを行う性犯罪者などの人物がいたとしても、その人のジェンダーが何であれ、例えば日本であれば、迷惑行為防止条例等、偽計業務妨害罪、建築物侵入罪などの構成要件の該当性を否定したり、違法性を阻却するものではない[112][113][114][115]

こうした一連の「トランスジェンダーが社会の秩序や規範を乱す」ことを前提とした虚偽情報や陰謀論を取り込んだ反トランスジェンダーの主張はモラルパニックとされている[116]

身体的な暴力や性暴力

[編集]

トランスジェンダーは暴力の危険に直面しやすい[36]。例えば、イギリスの調査によれば家庭内暴力を経験したシスジェンダー女性は7.5%だったのに対し、トランス女性は16%であった[102]。トランスジェンダーの2人に1人は性的虐待や暴行を受けており、細かく見ると15%は警察の拘留中または刑務所にいる間に性的暴行を受けたと報告しており、10%が医療専門家から性的被害に遭っている[117][118]。また、9%はトイレで性的暴行を受けている[119]。日本での調査によれば、トランスジェンダー女性の66.2%が暴力被害を経験していると回答し、半数以上が誰にも相談していないとも答えている[120]

トランスフェミニストジュリア・セラーノ英語版は著書『ウィッピング・ガール英語版[121]の中で、トランス女性はトランスフォビアと女性嫌悪が組み合わさってより過激な攻撃の対象となることを説明し、これをトランスミソジニー英語版と呼んでいる[122][123]

トランスフォビアによる殺人

[編集]

トランスジェンダー・ヨーロッパは2015年より過去12年間に殺害されたトランスジェンダーや多様なジェンダーの人々の数を発表している[124]。2021年度のトランスジェンダー・ヨーロッパによるレポートによれば、2020年10月1日から2021年9月30日までに世界中で殺害されたトランスジェンダーや多様なジェンダーの人たちが375人確認され、昨年度よりも7%増加した[125]。また殺害されたトランスジェンダーのうち96%がトランス女性またはトランスフェミニン(女性的なトランスジェンダー)で、殺害されたトランスジェンダーのうち職業が判明している人の58%がセックスワーカーだった[125]。トランスジェンダーへの憎悪犯罪は女性嫌悪人種差別外国人嫌悪、セックスワーカーへの差別が複雑に絡み合って生じていると同団体は指摘している[125]

著名な事件としては、ブリアナ・ゲイ殺人事件英語版[126]などがある。

トランスフォビアが起きる場所

[編集]

就職

[編集]

認定NPO法人ReBitが2018年に調査した「調査報告:LGBTや性的マイノリティの 就職活動における経験と就労支援の現状」によれば、95名のトランスジェンダーの経験について87.4%が性的指向・性自認、もしくは性別違和に由来した困難等を経験していた[127]。困難の内訳としては「男女分けに関する困難(性別欄、服装・髪型・化粧等)」「カミングアウトにまつわる困難(クローズドでの就活、カミングアウトの有無や範囲、自分らしくあることによるカミングアウトの必要性など)」「人事・面接官の無理解による困難」などが上がっていた[127]認定NPO法⼈虹⾊ダイバーシティ国際基督教⼤学ジェンダー研究センターとの共同調査と行われた「LGBTと職場環境に関するアンケート調査 niji VOICE 2020」によれば560名のトランスジェンダーの就業状況について17.3%が就業しておらず(コロナ前である2019年のデータでは15.3%)、42.53%が非正規雇用で、シスジェンダーの男女と比べて高率だった[128]

職場

[編集]

男性として生まれ、女性として社会生活を送っているトランスジェンダーの会社員が、職場の上司から性別に関する発言を繰り返されてうつ病を発症し、休職に追い込まれたとして2022年に労災と認定された[129][130]。この事例では上司から「戸籍上は男性なのか女性なのか」とか「女性として見られたいのであれば細やかな心遣いが必要だ」などの発言をされ、さらに名前を「君付け」にしたり「彼」と称したりする行為が繰り返していた[129][130]

2018年にはピクシブ社に務めているトランスジェンダーの会社員が元上司に性交渉の回数などを聞かれたほか、陰部に顔を押し当てられたり「なんで女装してんねん。アホかい。おまえ男やろがい」といった言葉をかけられたりするなどの職場いじめのハラスメントを受けた[131][132]。ピクシブは2022年9月、東京地裁での第1回口頭弁論で「使用者としての責任を認めます。人格や心を深く傷つける許されざる行為」として謝罪した[132][133]

学校

[編集]
親の権利運動に反対する子どもたち(カナダのニューブランズウィック州)

一部の保護者や大人は、学校にてLGBTに関する教育を止めること、トランスジェンダーの子どもへの配慮の取り組みを排除することを求めており、この主張を「親の権利英語版」(「Parental rights」であり「Parents' rights」ではないことに注意)という言葉を掲げて正当化している[134][135][136]

医療

[編集]

トランスジェンダーの人々は、医療の現場がトランスジェンダーに対応できていないため、そのリソースやサポートにアクセスしづらい状況に苦しんでいる[137]ジェンダー・クリニック英語版が放火されるなどの事件も起きている[138]。また、脅迫を受ける医療関係者もいる[139]

施設収容

[編集]

市民的及び政治的権利に関する国際規約の第16条の『法の前で認められる権利』に根拠を持つジョグジャカルタ原則第3原則は、無条件でトランスジェンダーの人法的性別変更の承認を求めている。それにも拘らずMtF(性同一性が女性)のトランスジェンダーの人が刑務所や病院、入国管理局で男性施設に収容所され、性的暴力や非人道的扱いを受ける例が世界各地で報告されている。2012年にもデンマークに亡命したグァテマラ出身のトランスジェンダーの人(性同一性は女性)が身分証明書の性別記載を理由に男性用の難民収容所に収監され、強姦されるという事件が起こった。デンマーク当局が性同一性を理由とした難民認定を認めていないため、彼女は現在ヘイトクライムによる殺人が頻発する本国に強制送還される恐れがある[140]

オンライン・ハラスメント

[編集]
「性別は男と女の2つ。科学を信じましょう」と書かれたサインを掲げるマージョリー・テイラー・グリーン(左)と Libs of TikTokのチャヤ・ライチク(右)

トランスジェンダーの人々はインターネットのデジタルプラットフォーム上で標的にされ、嫌がらせを受け、虐待されるなど非人道的な扱いを受けている[42]Brandwatch英語版の調査によれば、3年半にわたって1000万件のオンライン投稿を分析したところ、150万件のトランスフォビアのコメントが発見された[42]

トランスジェンダーはシスジェンダーと比べてオンライン上で狙われやすい[141]。これらオンライン・ハラスメントエコーチェンバー現象との関連も指摘されている[42]

日本でもトランスジェンダー当事者に対してSNS上でデマや誹謗中傷を繰り返した人物について、名誉を毀損したという判断で損害賠償の慰謝料の支払いを命じる判決が言い渡されている事例もある[142]

参考文献

[編集]
  • 周司あきら 著、高井ゆと里 著『トランスジェンダー入門』 集英社、2023年、232頁。ISBN 978-4-08-721274-7[143]
  • ショーン・フェイ 著、高井ゆと里 訳『トランスジェンダー問題——議論は正義のために』 明石書店、2022年、516頁。ISBN 978-4750354637[144]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ “トランスジェンダー”とは、「出生時の外形により医師から割り当てられた性別とは異なる性自認を持つ人」を指す[1][2][3][4]
  2. ^ “性自認“も“性同一性“も、英語の「Gender Identity」の訳語であり、「その時だけの性別の『自称』ではなく、ある程度の一貫性や継続性のある、『自分の性に対する認識』のこと」をいう[1][31][32][33]
  3. ^ トランス女性“(MtF:male to female)は、「出生時は男性だが女性として生きるトランスジェンダー」を指す[98][99][100]

出典

[編集]
  1. ^ a b LGBTI RIGHTS”. アムネスティ・インターナショナル. 2024年4月5日閲覧。
  2. ^ トランスジェンダーによる 性別変更をめぐる日常的実践” (PDF). 社会学評論 社会学評論 70 (2), 109-127, 2019 日本社会学会. 2024年4月5日閲覧。
  3. ^ 「トランスジェンダー」か「性同一性障害者」か 日本ファクトチェックセンターの表記の理由”. 日本ファクトチェックセンター(JFC) (2023年12月19日). 2024年1月7日閲覧。
  4. ^ 浅井春夫、遠藤まめた、染矢明日香、田代美江子、松岡宗嗣『Q&A多様な性・トランスジェンダー・包括的性教育:バッシングに立ちむかう74問』大月書店、2023年12月20日。ISBN 978-4272350629 
  5. ^ What are the connections between Transphobia, Racism and Sexual Violence?”. NSVRC (2023年3月3日). 2024年4月5日閲覧。
  6. ^ What's transphobia, also called transmisia?”. Planned Parenthood. 2024年4月5日閲覧。
  7. ^ Chakraborti, Neil; Garland, Jon (2009). Hate Crime: Impact, Causes and Responses. SAGE Publications, Ltd.. pp. 77. ISBN 978-1412945684. https://archive.org/details/hatecrimeimpactc00neil 
  8. ^ Chrisler, Donald R.; McCreary, Joan C. (2010). Handbook of Gender Research in Psychology, Volume 2. Springer. pp. 366. ISBN 978-1441913555 
  9. ^ Judith A. Lewis, Michael D. Lewis, Judy A. Daniels, Community Counseling: A Multicultural-Social Justice Perspective (2010, ISBN 113317003X)
  10. ^ Maurianne Adams; Lee Anne Bell; Pat Griffin (2007). Teaching for Diversity and Social Justice. Routledge. pp. 198–199. ISBN 978-1135928506. https://books.google.com/books?id=zgGUAgAAQBAJ&pg=PA198 27 December 2014閲覧. "Because of the complicated interplay among gender identity, gender roles, and sexual identity, transgender people are often assumed to be lesbian or gay (See Overview: Sexism, Heterosexism, and Transgender Oppression). ... Because transgender identity challenges a binary conception of sexuality and gender, educators must clarify their own understanding of these concepts. ... Facilitators must be able to help participants understand the connections among sexism, heterosexism, and transgender oppression and the ways in which gender roles are maintained, in part, through homophobia.(性自認、性役割、性的自認の間には複雑な相互作用があるため、トランスジェンダーの人々はしばしばレズビアンやゲイであると想定される(「概要:性差別、異性愛者、トランスジェンダーへの抑圧」を参照)。...トランスジェンダーのアイデンティティは、セクシュアリティとジェンダーの二元的概念に挑戦するものであるため、教育者はこれらの概念に対する自らの理解を明確にしなければならない。...ファシリテーターは、性差別、異性愛者、トランスジェンダーの抑圧のつながりや、ジェンダーの役割が、部分的には同性愛嫌悪を通して維持されている方法を、参加者に理解させることができなければならない。)" 
  11. ^ Thomas Spijkerboer (2013). Fleeing Homophobia: Sexual Orientation, Gender Identity and Asylum. Routledge. p. 122. ISBN 978-1134098354. https://books.google.com/books?id=oOxBtViD0KcC&pg=PA122 27 December 2014閲覧. "Transgender people subjected to violence, in a range of cultural contexts, frequently report that transphobic violence is expressed in homophobic terms. The tendency to translate violence against a trans person to homophobia reflects the role of gender in attribution of homosexuality as well as the fact that hostility connected to homosexuality is often associated with the perpetrators' prejudices about particular gender practices and their visibility.(様々な文化的背景の中で暴力を受けているトランスジェンダーの人々は、トランスフォビア的暴力が同性愛嫌悪の言葉で表現されていると頻繁に報告している。トランスジェンダーに対する暴力を同性愛嫌悪に変換する傾向は、同性愛の帰属におけるジェンダーの役割や、同性愛に関連する敵意が、特定のジェンダーの実践やその認知度に関する加害者の偏見と関連することが多いという事実を反映している。)" 
  12. ^ Meyer, Doug (2015-10-11). Violence Against Queer People: Race, Class, Gender, and the Persistence of Anti-LGBT Discrimination. New Brunswick, New Jersey: Rutgers University Press. pp. 14–15. ISBN 9780813573182. OCLC 945735923 
  13. ^ GLSEN (October 2022). “The 2021 National School Climate Survey: The Experiences of LGBTQ+ Youth in Our Nation's Schools”. 2023年10月22日閲覧。
  14. ^ LGBTQ+ Youth | Los Angeles County Department of Children and Family Services”. dcfs.lacounty.gov. 2023年10月22日閲覧。
  15. ^ a b What Constitutes Transphobic and Cisnormative Bullying and Harassment (PDF) (Report). Egale Canada. November 2019. 2022年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ (PDF)。2022年9月12日閲覧
  16. ^ Astor, Maggie (2022年12月10日). “Transgender Americans Feel Under Siege as Political Vitriol Rises” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2022/12/10/us/politics/anti-transgender-lgbtq-threats-attacks.html 2023年10月22日閲覧。 
  17. ^ Weiss, JT (2004). “GL vs BT The archaeology of biphobia and transphobia within U.S. gay and lesbian community”. Journal of Bisexuality 3 (3–4): 25–55. doi:10.1300/j159v03n03_02. 
  18. ^ Erickson-Schroth, Laura (12 May 2014). Trans Bodies, Trans Selves: A Resource for the Transgender Community. Oxford University Press. pp. 568–569. ISBN 978-0199325351. https://books.google.com/books?id=7Ef1AwAAQBAJ&pg=PA568. "these feminists have tended to perceive transfeminine people as infiltrators of womanhood and of women's space. Many commentators refer to feminists who think in these ways as 'trans-exclusionary radical feminists' (TERFs).(一部のフェミニストたちは、トランスフェミニンな人々を、女性性や女性空間への侵入者として認識する傾向がある。多くの論者は、こうした考え方をするフェミニストを「トランス排他的ラディカル・フェミニスト」(TERF)と呼んでいる。)" 
  19. ^ Durso, L. E., & Gates, G. J. (2012). Serving our youth: Findings from a national survey of service providers working with lesbian, gay, bisexual, and transgender youth who are homeless or at risk of becoming homeless. Los Angeles: The Williams Institute with True Colors Fund and The Palette Fund.” (PDF). 2024年4月5日閲覧。
  20. ^ Keuroghlian, A. S., Shtasel, D., & Bassuk, E. L. (2014). Out on the street: a public health and policy agenda for lesbian, gay, bisexual, and transgender youth who are homeless. The American journal of orthopsychiatry, 84(1), 66–72.”. 2024年4月5日閲覧。
  21. ^ Transgender Identity and Suicide Attempts and Mortality in Denmark”. JAMA. 2023;329(24):2145-2153. doi:10.1001/jama.2023.8627 (2023年6月27日). 2024年4月5日閲覧。
  22. ^ 「LGBT差別が理由の自殺データは日本に存在しない」は誤り【ファクトチェック】”. 日本ファクトチェックセンター(JFC) (2023年9月26日). 2024年4月5日閲覧。
  23. ^ 同性婚が認められたデンマークとスウェーデン、同性愛者の自死率が大幅に減少(研究結果)”. ハフポスト (2019年11月21日). 2024年4月5日閲覧。
  24. ^ Bockting, W. O., Miner, M. H., Swinburne Romine, R. E., Hamilton, A., & Coleman, E. (2013). Stigma, mental health, and resilience in an online sample of the US transgender population. American journal of public health, 103(5), 943-951.”. 2024年4月5日閲覧。
  25. ^ Reisner, S. L., Vetters, R., Leclerc, M., Zaslow, S., Wolfrum, S., Shumer, D., & Mimiaga, M. J. (2015). Mental health of transgender youth in care at an adolescent urban community health center: a matched retrospective cohort study. The Journal of adolescent health: official publication of the Society for Adolescent Medicine, 56(3), 274–279.”. 2024年4月5日閲覧。
  26. ^ James, S. E., Herman, J. L., Rankin, S., Keisling, M., Mottet, L., & Anafi, M. (2016). The Report of the 2015 U.S. Transgender Survey. Washington, DC: National Center for Transgender Equality.” (PDF). 2024年4月5日閲覧。
  27. ^ Stotzer, R. L. (2009). Violence against transgender people: A review of United States data. Aggression and Violent Behavior, 14(3), 170-179. Testa, R. J., Sciacca, L. M., Wang, F., Hendricks, M. L., Goldblum, P., Bradford, J., & Bongar, B. (2012). Effects of violence on transgender people. Professional Psychology: Research and Practice, 43(5), 452.”. 2024年4月5日閲覧。
  28. ^ 18 The use of equality and anti-discrimination law in advancing LGBT rights”. Dimitrina Petrova Human Rights, Sexual Orientation and Gender Identity in The Commonwealth, 2013, pp. 477-506 (30 pages). 2024年4月5日閲覧。
  29. ^ ADVANCING THE HUMAN RIGHTS AND INCLUSION OF LGBTI PEOPLE” (PDF). 国連開発計画(UNDP). 2024年4月5日閲覧。
  30. ^ LGBT Vision for Action” (PDF). アメリカ合衆国国際開発庁(USAID). 2024年4月5日閲覧。
  31. ^ LGBTQ理解増進法案「かなり後退」内容修正へ 合意ほごに動く自民の思惑は? 「性自認」巡る<Q&A>も”. 東京新聞 (2023年5月11日). 2024年4月3日閲覧。
  32. ^ LGBTQ用語解説 性自認”. OUT JAPAN. 2024年4月3日閲覧。
  33. ^ 東京大学における 性的指向と性自認の多様性に関する 学生のための行動ガイドライン” (PDF). 東京大学 (2024年2月6日). 2024年4月5日閲覧。
  34. ^ Tackling Discrimination on Grounds of Sexual Orientation and Gender Identity”. 2024年4月5日閲覧。
  35. ^ レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェン ダーおよびインターセックスの人々に対する差別への取組み” (PDF). 国際連合(UN). 2024年4月5日閲覧。
  36. ^ a b 性的指向と性同一性を理由とする差別との闘い”. 国際連合(UN). 2024年4月5日閲覧。
  37. ^ Williamson, Harriet (2023年9月9日). “Transphobia is on the rise – and the press is to blame” (英語). PinkNews. 2023年10月22日閲覧。
  38. ^ Evdokimova, Tamara (2023年7月10日). “The global rise of anti-trans legislation” (英語). Coda Story. 2023年10月22日閲覧。
  39. ^ 2023 Anti-Trans Bills: Trans Legislation Tracker” (英語). translegislation.com. 2023年10月22日閲覧。
  40. ^ Shelley, Christopher A. (2008). Transpeople: Repudiation, Trauma, Healing. Toronto: University of Toronto Press. pp. 32–35. ISBN 978-0802097842 
  41. ^ New words list”. public.oed.com (June 2013). 2020年11月8日閲覧。
  42. ^ a b c d Exposed: The Scale of Transphobia Online”. Brandwatch. 2023年10月16日閲覧。
  43. ^ Transgender people treated ‘inhumanely’ online”. BBC (2019年10月25日). 2023年10月16日閲覧。
  44. ^ a b c d e GLAAD Media Reference Guide - Transgender Terms”. GLAAD. 2023年11月13日閲覧。
  45. ^ A Taste of What’s in Store if Right-Wing Zealots Get Green Light to Sue Media”. FAIR (2023年3月10日). 2023年11月13日閲覧。
  46. ^ a b c Trans Journalists Association Stylebook and Coverage Guide”. Trans Journalists Association. 2023年11月13日閲覧。
  47. ^ Trans man hijacks microphone at anti-trans rally & calls attendees “f**king TERFs””. LGBTQ Nation (2023年5月15日). 2023年12月10日閲覧。
  48. ^ JK Rowling says she’d happily go to prison for misgendering a trans person”. LGBTQ Nation (2023年10月18日). 2023年11月13日閲覧。
  49. ^ J.K. Rowling’s transphobia is a product of British culture”. Vox (2019年12月19日). 2024年3月7日閲覧。
  50. ^ a b 「LGBTQ 報道ガイドライン –多様な性のあり方の視点から -」第2版策定”. LGBT法連合会 (2022年4月18日). 2022年4月22日閲覧。
  51. ^ 周司・高井 2023, p. 10.
  52. ^ The Trans Journalists Association Tackles the Shortfalls of Media Coverage of Trans People”. Nieman Reports (2023年6月23日). 2023年11月13日閲覧。
  53. ^ 「LGBTQ報道ガイドライン」第2版が公開。「注意すべきフレーズ」が新設”. ハフポスト (2022年4月20日). 2023年11月13日閲覧。
  54. ^ 「LGBT男性」と書くのは、なぜ問題? 当事者団体、LGBTQの「報道ガイドライン」拡充”. 東京新聞 (2022年6月7日). 2023年11月13日閲覧。
  55. ^ 「デマに惑わされないで」 トランスジェンダー攻撃に危機感 埼玉大・田代教授ら本出版”. 東京新聞 (2024年1月18日). 2024年3月7日閲覧。
  56. ^ The Trump administration puts transphobic pseudoscience into law”. Scientific American (2020年6月12日). 2023年12月3日閲覧。
  57. ^ How Junk Science Is Being Used against Trans Kids”. Scientific American (2022年4月8日). 2023年12月3日閲覧。
  58. ^ Health Effects of Misgendering”. WebMD (2022年11月10日). 2023年11月13日閲覧。
  59. ^ All Social Media Platform Policies Should Recognize Targeted Misgendering and Deadnaming as Hate Speech”. GLAAD (2023年12月11日). 2024年3月7日閲覧。
  60. ^ Misgendering Is a Human Rights Violation, Canadian Court Rules”. Them (2021年10月4日). 2023年11月13日閲覧。
  61. ^ Misgendering and deadnaming: Will this soon become illegal in Germany?”. Euronews (2022年9月1日). 2023年11月13日閲覧。
  62. ^ What Is Transphobia?”. WebMD (2022年6月27日). 2023年3月16日閲覧。
  63. ^ Nashville Police Say School Shooter Was Transgender”. Advocate (2023年3月27日). 2023年3月30日閲覧。
  64. ^ Australia’s Lesbian Action Group refused permission to exclude trans women from events”. PinkNews (2023年10月17日). 2023年11月13日閲覧。
  65. ^ Transgender and Non-Binary People FAQ”. Human Rights Campaign. 2023年11月14日閲覧。
  66. ^ What Is Gender Transitioning?”. Verywell Health (2023年7月2日). 2023年11月14日閲覧。
  67. ^ a b 中塚幹也「「性同一性障害」の脱病理化とマイノリティ・ストレスICD-11の中の「性別不合」と心身医学に関与する人々の役割」『女性心身医学』第27巻第3号、2023年、207-208頁、2023年11月13日閲覧 
  68. ^ Is being trans a mental illness?”. TransHub. 2023年11月14日閲覧。
  69. ^ What is gender-affirming care? Your questions answered”. Association of American Medical Colleges (2022年4月12日). 2023年11月14日閲覧。
  70. ^ 未成年の性別違和治療禁止法、連邦地裁が無効判断 米アーカンソー州”. BBC (2023年6月22日). 2023年11月14日閲覧。
  71. ^ UN human rights committee calls on US to repeal anti-LGBTQ+ laws”. PinkNews (2023年11月11日). 2023年11月14日閲覧。
  72. ^ NYT’s Anti-Trans Bias—by the Numbers”. FAIR (2023年5月11日). 2023年11月14日閲覧。
  73. ^ Anti-trans documentary takes over X – but users are fighting back”. PinkNews (2023年11月2日). 2023年11月13日閲覧。
  74. ^ Society for Evidence Based Gender Medicine”. Trans Data Library (2023年11月9日). 2023年12月10日閲覧。
  75. ^ American College of Pediatricians”. Trans Data Library (2023年10月12日). 2024年3月4日閲覧。
  76. ^ a b 性別移行してから後悔する人がたくさんいるのか”. はじめてのトランスジェンダー trans101.jp (2021年10月26日). 2023年11月14日閲覧。
  77. ^ A New Study Shows Conservative Fears of “Transition Regret” Are Overblown”. Them (2022年10月22日). 2023年11月14日閲覧。
  78. ^ 葛原, 千景 (2023). “ディトランスVSトランスジェンダーを再考する 未来を不均衡に脆弱にする「正常な発達」に抗して”. Phantastopia 2. 
  79. ^ Trump Vows to Gut Transgender Rights if Reelected President”. Advocate (2023年2月1日). 2023年11月14日閲覧。
  80. ^ The ‘Groomer’ Slur”. Institute for Strategic Dialogue. 2024年4月5日閲覧。
  81. ^ Debunked: This misleading NYT anti-trans column relies on pseudoscience”. The Advocate (2024年2月3日). 2024年3月7日閲覧。
  82. ^ a b Hildebrand-Chupp, Rowan (August 2020). “More than ‘canaries in the gender coal mine’: A transfeminist approach to research on detransition”. The Sociological Review 68 (4). doi:10.1177/0038026120934694. 
  83. ^ a b c d The ex-gay movement crawled so the detransition movement could run”. Xtra Magazine (2023年11月10日). 2023年11月14日閲覧。
  84. ^ NYT Publishes ‘Greatest Hits’ of Bad Trans Healthcare Coverage”. FAIR (2023年8月30日). 2023年12月3日閲覧。
  85. ^ a b How Therapists Are Trying to Convince Children That They’re Not Actually Trans”. Slate (2023年5月2日). 2023年11月14日閲覧。
  86. ^ a b c d 'Social contagion' isn’t causing more youths to be transgender, study finds”. NBCnews (2022年8月4日). 2023年11月14日閲覧。
  87. ^ Why ‘rapid-onset gender dysphoria’ is bad science”. The Conversation (2018年3月22日). 2023年11月14日閲覧。
  88. ^ There Is No Evidence That Rapid-Onset Gender Dysphoria Exists”. Psych Central (2018年12月4日). 2023年11月14日閲覧。
  89. ^ The real reason why there’s a global rise in trans youth”. Aeon (2022年8月4日). 2023年11月14日閲覧。
  90. ^ Evidence Undermines ‘Rapid Onset Gender Dysphoria’ Claims”. Scientific American (2023年8月24日). 2023年12月3日閲覧。
  91. ^ This Is How to Fight the Disinformation That Fuels Gender-Affirming Care Bans”. Them (2023年11月28日). 2023年12月3日閲覧。
  92. ^ 波紋広げた研究論文、トランスジェンダー伝染説はいかにして利用されたか”. MITテクノロジーレビュー (2023年10月23日). 2023年12月3日閲覧。
  93. ^ KADOKAWA出版予定だった本の6つの問題。専門家は『あの子もトランスジェンダーになった』は誤情報に溢れていると指摘”. ハフポスト (2023年12月25日). 2024年3月7日閲覧。
  94. ^ Eckert, A.J. (July 4, 2021). “Irreversible Damage to the Trans Community: A Critical Review of Abigail Shrier's book Irreversible Damage (Part One)” (英語). Science-Based Medicine. July 5, 2021閲覧。
  95. ^ Hsu, V. Jo (1 January 2022). “Irreducible Damage: The Affective Drift of Race, Gender, and Disability in Anti-Trans Rhetorics”. Rhetoric Society Quarterly 52 (1): 62–77. doi:10.1080/02773945.2021.1990381. ISSN 0277-3945. https://doi.org/10.1080/02773945.2021.1990381. 
  96. ^ Parsons, Vic (June 23, 2020). “Amazon refuses to advertise renowned anti-trans journalist's book suggesting trans teens are a 'contagion'” (英語). PinkNews. https://www.pinknews.co.uk/2020/06/23/amazon-abigail-shrier-book-refuse-adverts-regnery-publishing/ December 10, 2020閲覧。 
  97. ^ Target Removed a Transphobic Book From Shelves — Then Replaced It a Day Later”. Them (2020年11月17日). 2023年12月3日閲覧。
  98. ^ Glossary of LGBT Terms for Health Care Teams” (PDF). the National LGBT Health Education Center. 2024年4月5日閲覧。
  99. ^ MTF glossary”. Member Resource Center Plume (2023年3月26日). 2024年4月5日閲覧。
  100. ^ トランスジェンダーとは?特徴・診断方法を解説|勘違いされることもある?”. Spaceship Earth (2023年10月18日). 2024年4月5日閲覧。
  101. ^ The toilet debate: Stalling trans possibilities and defending ‘women’s protected spaces’”. Charlotte Jones charlotte.jones@exeter.ac.uk and Jen SlaterView all authors and affiliations Volume 68, Issue 4 https://doi.org/10.1177/0038026120934697+(2020年8月10日).+2024年4月5日閲覧。
  102. ^ a b c Fears About Transgender People Are a Distraction From the Real Struggles All Women Face”. Time (2020年7月10日). 2023年11月25日閲覧。
  103. ^ When A Transgender Person Uses A Public Bathroom, Who Is At Risk?”. NPR (2016年5月15日). 2022年4月22日閲覧。
  104. ^ 福永 玄弥「フェミニストと保守の奇妙な<連帯>韓国のトランス排除言説を中心に」『ジェンダー史学』第18巻、2022年、75-85頁、2023年11月25日閲覧 「最高裁が、手術をしていない『自称女性』の主張を受け入れろとの判決」は誤り【ファクトチェック】”. 日本ファクトチェックセンター(JFC) (2023年8月8日). 2024年4月5日閲覧。「『心が女』なら女湯入れる」は誤り トランスジェンダー当事者訴え”. 朝日新聞 (2023年3月16日). 2024年4月5日閲覧。
  105. ^ a b No link between trans-inclusive policies and bathroom safety, study finds”. NBCNews (2018年9月20日). 2022年11月25日閲覧。
  106. ^ a b c Why LGBT Advocates Say Bathroom 'Predators' Argument Is a Red Herring”. Time (2016年5月2日). 2022年11月25日閲覧。
  107. ^ a b 性自認に合うトイレを使える国で、「トランスジェンダーのふり」する性犯罪は起きているのか”. FRaU (2023年7月23日). 2023年12月3日閲覧。
  108. ^ 「誤った前提」に立つLGBTQ理解増進法案 「女性の権利を侵害」とも無関係・・・内藤忍さんが語る”. 東京新聞 (2023年6月14日). 2023年6月24日閲覧。女性の安全安心を脅かすものは何か――LGBT理解増進法案に関する議論の混迷(立石結夏)”. Web日本評論 (2023年6月23日). 2023年12月3日閲覧。仲岡しゅん弁護士寄稿 トランスジェンダー「モンスター」という偏見”. 朝日新聞 (2023年6月23日). 2024年4月5日閲覧。「デマに惑わされないで」 トランスジェンダー攻撃に危機感 埼玉大・田代教授ら本出版”. 東京新聞 (2024年1月18日). 2024年4月5日閲覧。
  109. ^ Do trans self-ID laws harm women? Argentina could have answers”. OPENLY (2022年6月1日). 2023年12月3日閲覧。
  110. ^ Florida Experts Debunk The Transgender “Bathroom Predator” Myth”. Equality Florida (2016年1月12日). 2023年11月25日閲覧。
  111. ^ Myths and Facts: Battling Disinformation About Transgender Rights”. Human Rights Campaign. 2023年12月3日閲覧。
  112. ^ LGBTへの差別禁止を法制化すると、女湯が脅かされるのか”. はじめてのトランスジェンダー trans101.jp (2023年2月10日). 2023年3月13日閲覧。
  113. ^ 性犯罪をしても「自分は女」と自称すれば逮捕できないのか”. はじめてのトランスジェンダー trans101.jp (2021年10月23日). 2023年3月13日閲覧。
  114. ^ トランス女性の入浴めぐるデマ、差別助長のヘイト投稿で「傷つき、外出も怖い」 当事者らが声明”. 弁護士ドットコムニュース - 弁護士ドットコム (2023年3月16日). 2023年3月17日閲覧。
  115. ^ 「『心は女』と言えば女湯に入れる」トランス女性を“犯罪者扱い”するデマに「スマホを開くのも、外出も怖い…」当事者が悲痛の訴え”. BuzzFeed News (2023年3月17日). 2023年3月17日閲覧。
  116. ^ ショーン・高井(訳) 2022, p. 71.
  117. ^ Sexual Assault: The Numbers; Responding to Transgender Victims of Sexual Assault”. Office for Victims of Crime (2014年6月2日). 2023年12月3日閲覧。
  118. ^ Sexual Assault and the LGBTQ Community”. Human Rights Campaign. 2023年11月25日閲覧。
  119. ^ Why All Public Bathrooms Should Be Gender Neutral”. The Daily Beast (2016年4月18日). 2023年12月3日閲覧。
  120. ^ 性的少数者の半数、被害相談せず 暴力や脅迫で1万人調査”. 東京新聞 (2023年11月21日). 2023年12月3日閲覧。
  121. ^ ジュリア・矢部(訳) 2023, p. 1.
  122. ^ Transmisogyny: what it is and why we need to talk about it”. Overland literary journal (2022年8月10日). 2023年11月25日閲覧。
  123. ^ Julia Serano, Transfeminist Thinker, Talks Trans-Misogyny”. The New York Times (2017年6月22日). 2023年11月25日閲覧。
  124. ^ Trans Day of Remembrance Campaign”. Transgender Europe. 2023年8月28日閲覧。
  125. ^ a b c TMM Update TDoR 2021”. Transgender Europe. 2023年8月28日閲覧。
  126. ^ トランス女性が28カ所刺されて亡くなる。有罪の少年少女「反省のかけらもない」”. BuzzFeed (2023年12月26日). 2024年3月7日閲覧。
  127. ^ a b 2018年度性的少数者および障害のある性的少数者の就労に関する調査研究報告書”. Canpan fields. 2023年8月28日閲覧。
  128. ^ Niji Voice2020 〜LGBTも働きやすい職場づくり、⽣きやすい社会づくりのための「声」集め〜”. Niji Bridge. 2023/828閲覧。
  129. ^ a b トランスジェンダーの社員に上司が「SOGIハラ」で労災認定”. NHK首都圏ニュース. 2023年8月28日閲覧。
  130. ^ a b トランスジェンダー社員に上司「戸籍の性別変更を」…「SOGIハラ」でうつ病、労災認定”. 読売新聞. 2023年8月28日閲覧。
  131. ^ 「「陰部に顔を押し当てられた」ピクシブ社、SOGIハラ認め全額賠償の意向。「深く傷つけてしまったことをお詫び」」『ハフィントンポスト』2022年9月8日。
  132. ^ a b 「「なんで女装…」 社員への「SOGIハラ」、ピクシブが認めて謝罪」『朝日新聞』2022年9月8日。
  133. ^ 「ピクシブ社、セクハラ訴訟で「請求の認諾」、全額支払う意向 男性上司は棄却求める」『弁護士ドットコムニュース』2022年9月8日。
  134. ^ The seemingly benign phrase ‘parental rights’ hides a dangerous, anti-democratic, Christian nationalist movement”. Xtra Magazine (2023年10月17日). 2023年12月3日閲覧。
  135. ^ How activists in California are pushing back against anti-LGBTQ2S+ school policies”. Xtra Magazine (2023年11月13日). 2023年12月3日閲覧。
  136. ^ MOMS FOR LIBERTY”. The Southern Poverty Law Center. 2024年4月5日閲覧。
  137. ^ Britain’s Vagina Museum reopens with a trans-inclusive endometriosis exhibit”. Xtra Magazine (2023年11月17日). 2023年12月10日閲覧。
  138. ^ Gender-affirming care clinic burned down in horrific arson: “This is terrorism””. LGBTQ Nation (2024年1月19日). 2024年3月7日閲覧。
  139. ^ Canada’s right is ushering in a dangerous anti-science era”. Xtra Magazine (2024年2月8日). 2024年3月7日閲覧。
  140. ^ “What I’m most afraid of when I go back, isn’t being killed. What really petrifies me is being attacked and tortured.”” (英語). 2020年11月8日閲覧。
  141. ^ Powell, Anastasia; Scott, Adrian J; Henry, Nicola (March 2020). “Digital harassment and abuse: Experiences of sexuality and gender minority adults” (英語). European Journal of Criminology 17 (2): 199–223. doi:10.1177/1477370818788006. ISSN 1477-3708. http://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1477370818788006 2023年10月16日閲覧。. 
  142. ^ SNSでトランス女性弁護士への中傷を繰り返していた女性に慰謝料80万円の支払いを命じる判決”. Magazine for LGBTQ+Ally - PRIDE JAPAN (2023年8月8日). 2023年12月4日閲覧。
  143. ^ トランスジェンダーの「入門書」が売れている デマが広がる中、著者2人が込めた思いとは”. 東京新聞 (2023年8月10日). 2024年4月5日閲覧。
  144. ^ 「日本のトランスたちのために翻訳したかった」。英書籍『トランスジェンダー問題』訳者の想い”. CINRA.NET (2022年10月31日). 2024年4月5日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]