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ツール・ド・フランス1983

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第70回 ツール・ド・フランス 1983
全行程 22区間, 3862 km
総合優勝 ローラン・フィニョン 105時間7分52秒
2位 アンヘル・アロヨ +4分4秒
3位 ペーター・ウィネン +4分9秒
4位 ルシアン・バンインプ +4分16秒
5位 ロベール・アルバン +7分53秒
ポイント賞 ショーン・ケリー 360ポイント
2位 フリッツ・ピラール 144ポイント
3位 ローラン・フィニョン 126ポイント
山岳賞 ルシアン・バンインプ 272ポイント
2位 パトロシニオ・ヒメネス 195ポイント
3位 ロバート・ミラー 157ポイント

ツール・ド・フランス1983ツール・ド・フランスとしては70回目の大会。1983年7月1日から7月24日まで、全22ステージで行われた。

みどころ

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ブエルタ・ア・エスパーニャを制したベルナール・イノーだが古傷の膝を痛めて欠場。主役不在でどの選手にもチャンスがある大会となった。蓋を開けてみないと分からないといった状況の中、後に、イノーの代役に抜擢されることになる若きエースが勝つことになる。また、ロード界の世代交代の息吹がはっきりと出た大会でもあった。

今大会の概要

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序盤の平地ステージから、マイヨ・ジョーヌはコロコロと移動を繰り返すという、予想通りの混戦模様となったが、ピレネー超えの第10ステージで、ステージ優勝したチームメイトのロバート・ミラーに1分13秒差で3位に入ったパスカル・シモンがマイヨを奪った。この時点で総合2位はイノーのチームメイトで、今大会がツール初出場となったローラン・フィニョンだったが、4分22秒の差をつけられていた。

ところが翌第11ステージでシモンは落車し、肩甲骨を骨折してしまう。アシストに助けられてなんとか集団でゴールしたシモンは、翌ステージ以降も骨折をおしてレースを続行する。また、プロトンも傷ついたマイヨ・ジョーヌを攻撃をしないという暗黙の了解のもとステージは進み、総合2位のフィニョンとのタイム差はほとんど変わらないまま、山岳個人タイムトライアルの第15ステージを迎える。

それまでアシストに守られてレースを続けてきたシモンだったが、個の力量が如実に現れるタイムトライアルで、ステージ優勝したアンヘル・アロヨに5分以上の遅れを喫して、ステージ10位に入ったフィニョンに52秒差まで詰め寄られる。また、この時点で1分29秒差の3位につけていたショーン・ケリー、1分45秒差の同4位のペドロ・デルガドにも当然のことながら総合優勝の可能性大。

続く第16ステージでもシモンはフィニョンに12秒遅れでゴールするが、明らかに余裕がなくなっていた。そしてラルプ・デュエズがゴールとなる第17ステージで、シモンは集団に付いていくことが出来ずに5分以上遅れてしまい、マイヨジョーヌを着用したままリタイア。区間5位に入ったフィニョンがついにトップに立ち、新人賞マイヨ・ブランと併せてマイヨ・ジョーヌを獲得することとなった。この時点で1分8秒差の総合2位にデルガド、3分31秒差の同4位にステージ優勝のペーター・ウィネンが続く展開となった。

ところが第18ステージでデルガドが大ブレーキ。フィニョンもアンヘル・アロヨらのクライマーの走りについていくのがやっとの状況だったが、デルガドは追走すらできず、区間優勝のジャック・ミショーに遅れること25分34秒の区間39位と惨敗。一方、フィニョンはミショーに遅れること3分42秒差で何とかまとめた。

マイヨ・ジョーヌのフィニョンに対し、総合2位ジャンレネ・ベルノードー、同3位ペーター・ウィネン、同4位ロベール・アルバン、同5位アロヨはいずれも3分台の差で続き、まだまだ予断を許さない状況。そして第19ステージの山岳個人タイムトライアル。

フィニョンはここでも厳しい戦いを強いられるが、ベルノードー、アルバンが脱落。対して、ウィネンが2分35秒差の総合2位に浮上。このステージを制したルシアン・バンインプが2分48秒差の同3位に浮上してきた。

何とかアルプスを乗り越えたフィニョン。しかし、次第に走りに余裕がなくなってきており、第21ステージの個人タイムトライアルが懸念されたが、そうした不安を払拭する。フィニョンはこの区間を制し、バンインプ、ウィネンはいずれもフィニョンに1分ちょっとの差をつけられ、ここで事実上決着がついた。

ライバルの相次ぐ自滅に助けられた形となったが、22歳のフィニョンがついにツール・ド・フランスを制した。

総合成績

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順位 選手名 国籍 チーム 時間
1 ローラン・フィニョン フランスの旗 フランス ルノー・ジタン 105h 07' 52"
2 アンヘル・アロヨ スペインの旗 スペイン 4' 04"
3 ペーター・ウィネン オランダの旗 オランダ 4' 09"
4 ルシアン・バンインプ ベルギーの旗 ベルギー 4' 16"
5 ロベール・アルバン フランスの旗 フランス 7' 53"
6 ジャンルネ・ベルノードー フランスの旗 フランス 8' 59"
7 ショーン・ケリー アイルランドの旗 アイルランド 12' 09"
8 マルク・マディオ フランスの旗 フランス 14' 55"
9 フィル・アンダーソン オーストラリアの旗 オーストラリア 16' 56"
10 ヘンク・ルーベルディング オランダの旗 オランダ 18' 55"

マイヨ・ジョーヌ保持者

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選手名 国籍 首位区間
エリック・ファンデラールデン ベルギーの旗 ベルギー プロローグ-第1
ジャンルイ・ゴーティエ フランスの旗 フランス 第2
キム・アンデルセン  デンマーク 第3-第8
ショーン・ケリー アイルランドの旗 アイルランド 第9
パスカル・シモン フランスの旗 フランス 第10-第16
ローラン・フィニョン フランスの旗 フランス 第17-最終

その他

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外部リンク

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第70回 ツール・ド・フランス 1983 (フランス語)