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ソウル特別市都市鉄道公社5000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソウル特別市都市鉄道公社5000系電車
5000系電車 505編成
基本情報
製造所 現代モービス,宇進産電,タウォンシス
主要諸元
編成 8両(MT比:4M4T)
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500V (架空電車線方式
最高運転速度 90 km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
自重 28 - 39 t
全長 19,500 mm
全幅 3,120 mm
全高 3,600 mm
台車 シェブロン式ボルスタレス台車
主電動機

かご形三相誘導電動機
ABB MJA 260-1型(一時間定格出力200kW・端子電圧1170V・定格電流135A・定格回転数2100rpm)

永久磁石同期電動機(PMSM)
駆動方式 WNドライブ
歯車比 99:14 (7.07)
編成出力 4,000kW
制御装置

GTO素子VVVFインバータ制御 (1C8M制御)(501, 503~576編成)
IGBT素子VVVFインバータ制御(1C4M制御, 更新車)(502編成)(多元シス) IGBT素子VVVFインバータ制御(現代ロテムIPM)

IGBT素子VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
全電気ブレーキ
保安装置 ATCATO
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往十里駅に入線中の572編成。ホームドア更新中。
579編成
501編成

ソウル特別市都市鉄道公社5000系電車(ソウルとくべつしとしてつどうこうしゃ5000けいでんしゃ)は、1995年11月15日に営業運転を開始したソウル交通公社5号線用の通勤形電車

概要

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本系列はソウル特別市都市鉄道公社で初めて製造された車両で、以後に登場する6000系7000系8000系の基本設計は本系列をベースとしている。

編成両数は8両である。1994年12月から1996年1月にかけて1次車が、1996年に2次車がそれぞれ製造されている。また、本系列の全車両は、日本海外経済協力基金(OECF)による借款で製造された。

3次車は河南線延伸に備えて現代ロテムで577~580編成が導入された。

4次車は、1次車の老朽化による置き換えのため2020年6月から2022年6月に宇進産電で製造され、501~525編成が導入された。

5次車は、2025年から2026年にタウォンシスで製造され、526~551編成を置き換える予定。

6次車は、2027年から2028年にタウォンシスで製造され、552~576編成を置き換える予定。

仕様

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車体構造

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車体はビード付きの軽量ステンレス製鋼体で、5号線のラインカラーである紫色の帯を巻く。先頭車の前面形状は半流線型である。

客用扉配置は全ての車両で片側4か所である。

扉間の側窓は1次車が上部が内倒れ式で開閉可能であったが、2次車は固定式となり開閉できなくなった。ただし、後述する内装の不燃化改造により、1次車も固定式となった。車端部の側窓は1次車、2次車ともに上部が内倒れ式の開閉可能な窓である。

行き先表示器LED式を採用している。2次車では前面に設置されている表示器の寸法が変更され、サイズが大きくなっている。製造当初は側面にも搭載されていたが、ホームドアの設置に伴い撤去され、韓国の携帯通信事業者のWi-fi端末が設置されている。

3次車は、ソウル市メトロ9号線9000系にベースに製造されている。3次車から非常用扉が廃止されている。

4次車は、従来のステンレス車体からアルミ車体に変更されている。

走行機器など

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制御装置はGTO素子を使用したVVVFインバータ制御を採用した。装置はスイスABB製で、1台で主電動機を8台制御する1C8M方式である。主電動機は出力200kWのかご形三相誘導電動機を採用している。

502編成は、機器更新により、7号線SR000系や2号線の2000系3次車と同じタウォンシス製のIGBTの主制御器が搭載されている。

3次車は三菱電機製(現代ロテムIPM)のIGBT素子VVVFインバーター制御と、現代ロテム製のかご形三相誘導電動機を採用している。


4次車は釜山交通公社新1000系で採用された永久磁石同期電動機(PMSM)と、東芝製のIGBT素子VVVFインバータ制御を採用している。ソウル地下鉄でPMSMを採用するのはこの車両が初で、後に7号線、8号線の新車にも同一設計でPMSMが採用されている。5次車はタウォンシス製であるが、4次車との互換性を持たせ、メンテナンス効率を上げるため、独自の制御装置ではなく東芝の制御装置を採用予定である。

ブレーキ方式回生ブレーキを併用した電気指令式空気ブレーキを採用し、全電気ブレーキ機能を備える。

集電装置(パンタグラフ)は下枠交差式で、5200形と5600形に2基搭載する。台車はボルスタレス式である。

本形式には、宇進産電製の運転管理制御システム「TGIS」が搭載されており、ATO支援によるワンマン運転に対応したシステムを有する。

内装の不燃化改造

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2003年に発生した大邱地下鉄放火事件を契機に強化された鉄道車両の難燃基準に沿って、2005年までに本系列の全車両を対象に内装の不燃化改造を実施した。この改造工事の施工は興一企業とデザインリミット(現・SLS重工業)が担当した。

改造内容は以下の通りである。

ただし、座席は2010年に不燃性モケット張りのものに再度変更されている。

編成表

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ソウル交通公社の編成番号は、4桁の車号のうち号車を意味する百の位を除く3桁で表現する。(例:1号車が5101である編成=501編成)

 
傍花
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造年 車両形態
形式 5100形 5200形 5300形 5400形 5500形 5600形 5700形 5000形
区分 Tc M M' T T M M' Tc
搭載機器 SIV,BT VVVF,CP VVVF VVVF,CP VVVF SIV,BT
車両番号 5101
5103
5201
5203
5301
5303
5401
5403
5501
5503
5601
5603
5701
5703
5001
5003
1994年 1次車
5104

5146
5204

5246
5304

5346
5404

5446
5504

5546
5604

5646
5704

5746
5004

5046
1995年
5147

5176
5247

5276
5347

5376
5447

5476
5547

5576
5647

5676
5747

5776
5047

5076
1996年 2次車
 
傍花
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造年 車両形態
形式 5100形 5200形 5300形 5400形 5500形 5600形 5700形 5000形
区分 Tc M M' T T M M' Tc
搭載機器 SIV,BT VVVF,CP VVVF VVVF,CP VVVF SIV,BT
5101

: 5125

5201

: 5225

5301

: 5325

5401

: 5425

5501

: 5525

5601

: 5625

5701

: 5725

5001

: 5025

2021年

2023年

4次車
5126

: 5151

5226

: 5251

5326

: 5351

5426

: 5451

5526

: 5551

5626

: 5651

5726

: 5751

5026

: 5051

2025年

2026年

5次車
5152

: 5176

5252

: 5276

5352

: 5376

5452

: 5476

5552

: 5576

5652

: 5676

5752

: 5776

5052

: 5076

2027年

2028年

6次車
5177

: 5180

5277

: 5280

5377

: 5380

5477

: 5480

5577

: 5580

5677

: 5680

5777

: 5780

5077

: 5080

2018年 3次車
凡例
  • VVVF -主制御装置
  • SIV -静止形インバータ
  • CP -空気圧縮機
  • BT -蓄電池
備考
  • パンタグラフは、M(5200形、5600形)に下枠交差形を2基ずつ搭載する。

配属

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その他

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搬入過程

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本系列の高徳車両基地所属車を搬入する際は、以下の手段がとられた。

編成替え

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2018年6月に傍花車両事業所で発生した火災の影響で、529編成の先頭車の5029が使用不能となり、故障のため休車中だった518編成の5018と取り換える措置が取られた。 旧5029(2台目5018)を含む518編成は、2020年5月24日に復帰のため試運転が行われたが、傍花駅で発生した脱線事故の影響で再び休車となった。その後2022年2月をもって廃車となった。

関連項目

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