釜山交通公団1000系電車
釜山交通公社1000系電車 | |
---|---|
初代1000系電車 | |
基本情報 | |
製造所 | 現代精工、韓国造船公社、現代ロテム、宇進産電 |
主要諸元 | |
編成 | 8両 |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 直流1,500V |
最高運転速度 | 80 km/h |
設計最高速度 | 90 km/h |
起動加速度 | 3.6 km/h/s |
減速度(常用) | 3.6 km/h/s |
減速度(非常) | 4.5 km/h/s |
編成定員 | 124人 |
車両定員 | 113人 |
車両重量 |
Tc:24.5t M1:35.2t M2:33.5t T':25.7t |
全長 | 17,500 mm |
全幅 | 2,750 mm |
全高 | 3,670 mm |
台車 | 日本車輌製造ND317 |
主電動機 |
旧1次車:直流直巻電動機[注釈 4] |
主電動機出力 |
1次車:165kW(未更新車) 210kW(更新車・新1000系) 140kW(新1000系PMSM車)[注釈 5] |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 旧1次車:15:86(5.73) 新1,2,3次車:14:99(7.07) |
編成出力 |
3,960kW(未更新車) 5,040kW(更新車) 3,360kW(新1000系) 2,240kW(新1000系PMSM車) |
制御装置 |
旧1次車:電機子チョッパ制御[注釈 1] (未更新車) IGBT素子VVVFインバータ制御[注釈 2] (更新車) 新1,2,3次車:IGBT素子VVVFインバータ制御[注釈 3] |
保安装置 | ATC・ATO |
釜山交通公団1000系電車(プサンこうつうこうだん1000けいでんしゃ)は、釜山交通公社の通勤形電車である。2006年1月1日の同公団廃止に伴い、釜山交通公社に継承された。1号線用の車両である。こちらでは旧1000系と新1000系を同記事で解説しているため、旧1000系は旧1次車、新1000系は新1次車、2次車、3次車と記述する。
概要
[編集]1984年から1997年にかけて製造。韓国の地下鉄では唯一の全長18m級3ドア車である[注釈 6]。車体は日本車輌製造で設計されたオールステンレス鋼製で、初期車の空気バネ台車も日本車輌製造が供給した。初期車の6両編成31本分の主電動機、電機子チョッパ制御装置、静止形インバータ装置は日本の三菱電機製である。制動方式はドイツのクノールブレムゼ製のPWMアナログ電気指令式ブレーキを採用している。主幹制御器はT型ワンハンドルである。当初は6両編成で導入されたが、1994年から1997年にかけて中間車2両が増結され、現在は8両編成で運行されている。
正面の行き先表示器は当初、方向幕によるものだったが、2004年から2005年にかけて内装の不燃化改造と合わせてLEDによる表示器に交換されている。
2015年から2016年にかけて、チョッパ制御装置の老朽化および補修部品確保のため、45編成のうち9編成(第21・25・30・31・33・34・39・42・45編成)は電機子チョッパ制御からVVVFインバータ制御に交換されている。
2009年には初期に製造された車両が法定耐用年数(製造後25年)に達したものの、同年に都市鉄道法が改正され、5年ごとに安全診断を行うことを条件に最長40年まで使用可能となったため、この時点では置き換えが実施されなかった。
その後、第1~5編成と第10・11・12・ 14・15・18編成は新1000系に置き換えられ、前者は2018年までに、後者は2021年までに廃車。このうち、第1編成は老圃車両事業所にて保存されている。
また、2025年までに残存した電機子チョッパ制御車(25編成)は全て新1000系に置き換えられる予定で、VVVFインバーターに交換された9編成も2027年までに新1000系に置き換えられる予定となっている。
車両組成
[編集]6M2Tの8両編成で、旧1000系は1-45の45編成が活躍していたが、2023年6月現在11編成が廃車されており、現在は34編成が活躍している。
← 老圃 多大浦海水浴場 →
| |||||||
◇◇ | ◇◇ | ◇◇ | |||||
10XY | 11XY | 12XY | 13XY | 14XY | 17XY | 18XY | 19XY |
Tc1 | M1 | M2 | M1 | M2 | M1 | M2 | Tc2 |
※XYは編成番号 |
4M4Tの8両編成で、新1000系は多大浦延伸に伴う増備用の46-51の6編成(1次車)と、老朽車置き換え用の1-11の11編成(2次車)の、計17編成が活躍している。
← 老圃 多大浦海水浴場 →
| |||||||
◇◇ | ◇◇ | ◇◇ | |||||
10XY | 11XY | 12XY | 13XY | 14XY | 17XY | 18XY | 19XY |
Tc1 | M1 | M2 | T | T | M1 | M2 | Tc2 |
※XYは編成番号 |
新1000系電車
[編集]延伸区間用
[編集]1号線の多大浦延伸(7.98km)が決定したことに伴い既存車54両の中間電動車のVVVF化改造とともに、現代ロテム製の新1000系1次車が6編成48両増備されることになった[1]。 2015年に2編成が[2]、翌2016年に4編成が落成し、8月に国土交通部より型式証明を取得。12月1日に2編成が営業運転に投入されたが[3][4]、ドア駆動装置の故障でリコール、全面交換されることになった[5]。
編成番号は旧1000系から連番の46-51が付与されている。車両はチョッパ更新車同様の現代ロテム製のIGBT素子VVVFインバーター制御であるが、旧1000系にあったビードがなくなっているほか、座席を450mmに拡大したことにより着席定員の減少、MT比は4M4T、室内灯にLEDを用いるなど、同形式ながら仕様がかなり変わっている。
老朽車代替用
[編集]1号線の開業時から使用されている5編成40両の新型車両への代替新造が決定し、現代ロテムが受注した[6]。2018年7月12日より全5編成が営業運転に投入された[7]。編成番号は初代のものを受け継いでいる。
主電動機には東芝製の永久磁石同期電動機(PMSM)を採用しており[8][9]、韓国の鉄道車両においてPMSMを搭載するのは本車両が初となった[8][9]。PMSMを採用した主回路システムの採用により、従来のシステムに対し30%以上の消費電力量削減が見込まれている[8][9][注釈 7]。
2018年9月11日、現代ロテムが旧型車置換え用の2次車となる6編成48両を556億ウォンで追加受注、2020年に投入され、2021年までに全編成が運行を開始した[10]。
2025年までに残存している電機子チョッパ制御(25編成)の車両を完全に置き換えるため、25編成が導入予定。この車両は新1000系3次車とされており、製造会社は現代ロテムから宇進産電となり、車体はダブルスキン構造のアルミ車体となった。
座席を450mmから480mmとさらに拡大したため8人掛けの席となり、座席もモケットシートからプラスチックシートへと変更された。また、1号線では初の車内液晶ディスプレイが配置され、スマートフォンワイヤレス充電器が設置された。2024年6月現在、第17編成を除く第12編成から第29編成が宇進産電を出場しており、第22編成までが営業運転を開始した。第17編成は2023年12月29日に製造場所の宇進産電にてブレーキシステムの作動不良により脱線事故が発生したため修理中である。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 三菱電機製THR-1L-2A。フロン沸騰冷却式
- ^ 三菱電機からの技術供与による現代ロテム製
- ^ 新1次車は三菱電機からの技術供与による現代ロテム製。2,3次車は東芝の技術供与を受け宇進産電で現地生産されたもの。
- ^ 三菱電機MB-3288-A。端子電圧750V、定格電流245A、定格回転数1700rpm
- ^ https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/ww/outline/infrastructure/business-introduction/railway/pdf/Traction_And_Aux.pdf
- ^ 釜山交通公社では2号線と3号線でも全長18m級の車両を使用しているが、いずれの路線も4ドア車となっている。
- ^ 従来のシステムとは、同じく1号線用の車両である初代1000系に採用されている直巻整流子電動機・電機子チョッパ制御を用いた主回路システムか、または2代目1000系初期車に採用されているかご形三相誘導電動機・VVVFインバータ制御を用いた主回路システムのどちらかを差していると思われるが、どちらの出典の記事においても明確に判る内容にはなっていない。
出典
[編集]- ^ 현대로템, 부산지하철 1호선 전동차 납품2013.11.15 ChosunBiz
- ^ 부산도시철도 1호선에 투입될 신형 전동차2015.11.19 中央日報
- ^ 1호선 신조 전동차 기존구간 운행 개시2016年12月2日 釜山交通公社プレスリリース
- ^ 부산교통공사, 1호선 신조 전동차 기존구간 운행 개시2016.12.01 ajnews
- ^ 부산지하철 신형 전동차 출입문 구동장치 '전면 리콜'2017.03.22 フォーカスニュース
- ^ 현대로템 부산1호선 전동차 40량 수주…528억원 규모2016.03.11 聯合ニュース
- ^ 부산도시철도 1호선에 스마트전동차…방송음량·냉방 자동조절 2018-07-12 京郷新聞
- ^ a b c 韓国で永久磁石同期電動機を採用した車両が運行開始 -30%以上の消費電力量を削減- 東芝インフラシステムズ ニュース&トピックス(2018年7月31日) 2018年8月1日閲覧
- ^ a b c 韓国で永久磁石同期電動機を採用した車両の運転開始 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース(2018年8月1日) 2018年8月1日閲覧
- ^ 현대로템, 556억원에 부산도시철도 1호선 전동차 48량 수주 2018年9月11日 朝鮮日報
関連項目
[編集]