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セデック語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セデック語
賽徳克語
話される国 台湾
地域 中部、東部、海岸部
民族 セデック族
タロコ族
話者数 20,000人(2008年)
言語系統
オーストロネシア語族
表記体系 ラテン文字
公的地位
公用語 中華民国の旗 台湾 (台湾原住民地区の国家語
統制機関 中華民国の旗 台湾原住民族委員会
言語コード
ISO 639-3 trv
台湾の言語分布
  アタヤル語群セデック語を含む)
消滅危険度評価
Vulnerable (Moseley 2010)
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セデック語(セデックご、賽徳克語/Kari Seediq)は、台湾先住民であるセデック族言語オーストロネシア語族台湾諸語に分類される。広い意味でのセデック族は、台湾の中部、南投県花蓮県の境界にまたがって居住している。

2004年にセデック族に先駆けて、タイヤル族から分離したタロコ族が話す言葉は、現在、タロコ語太魯閣語)と呼ばれるが、セデック語とほぼ同一言語と言っていいぐらい、非常に近いものである。

セデック語は、老人を中心にまだ日常的に使われているが、若い世代はセデック語が分からなくなっており、近年は学校教育で教えたり、テレビ放送で講座が行われるなど、復興運動が盛んにおこなわれている。

2011年に制作された台湾映画「セデック・バレ」では、セデック族のセリフの大部分はセデック語である。

言語名について

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  • セディク語[1]
  • セーディク語[2]
  • タロコ(太魯閣)語 ※民族の分離の結果、現在はセデック語とは別として扱われている。

方言

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  • トゥルク方言(もしくはタロコ方言。タロコ語(太魯閣語)とも)
  • トダ方言(都達語)
  • トゥクダヤ方言(徳固達雅語)

文字

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文字ラテン文字を使用する。

発音

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母音

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母音はa, i, u, e, oの5つ。長短の区別はない。

上下2段ある場合は、上段が無声音、下段が有声音

両唇 歯茎 後部歯茎 硬口蓋 軟口蓋 口蓋垂 声門
鼻音 [m] [n] ng [ŋ]
破裂音 [p]
[b]
[t]
[d]
[k]
[q]
破擦音 c [ts]
摩擦音 [s]

di [ʒ]
[x]
g [ɣ]
[h]
接近音 y [j]
ふるえ音 [r]
側面摩擦音 l [ɮ]

その他、二重調音の接近音として、[w] がある。

日本人による研究

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長年、日本の研究者は、セデック族をタイヤル族の一部として位置付けてきたため、過去の文献では、セデック語を「タイヤル語」として書いているケースもある。

日本による台湾統治が始まって以降、民族学者や言語学者が、セデック語について記録を残している。早い時期に鳥居龍蔵もフィールドワークを行い、比較的詳しい記録を残している[3]

また、2004年に分離したタロク族の言語(タロコ語)もタイヤル語もしくはセデック語に含んで記述されてきた。

近年、セデック語パラン方言については、日本人研究者の落合いずみがフィールドワークを重ね、数々の著作を発表している[4]

脚注

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  1. ^ 『世界の言語と国のハンドブック』下宮忠雄(大学書林)
  2. ^ 『講座言語 第6巻 世界の言語』北村甫編、杉田洋ら共著(大修館書店)
  3. ^ 鳥居が『東京人類学雑誌』に発表した報告を再編集したものを、戸部実之が『タイヤル語入門』と題して1983年に泰流社より発刊している。ただし、鳥居の記述が言語学的に必ずしも正確ではない上に、セデック語の知識がない戸部が編集したものなので、実用的な価値はない。
  4. ^ reseachmap 落合いずみ”. 2020年6月4日閲覧。

参考文献

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  • 『ニューエクスプレス・スペシャル 日本語の隣人たち(CD付)』中川裕監修、月田尚美ら共著(白水社)

外部リンク

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